社会人が悩むマナー1位は「了解しました」。「ビジネスマナー検索」実態調査

社会人が悩むマナー1位は「了解しました」。「ビジネスマナー検索」実態調査

社会人の多くが悩むビジネスマナーは何なのでしょうか。今回は「ビジネスマナー検索」について調査します。記事タイトルに「ビジネスマナー」を含むコンテンツのタイトルと、訪問したユーザーの属性を分析し、「ビジネスマナー」に関する悩みを明らかにしました(集計期間は2017年3月~2019年2月)。


ユーザー属性のボリューム層は30代以下

今年の新入社員もそろそろ研修期間が終わり、配属が決定した時期でしょうか。社会人になって最初に戸惑うのが、ビジネスにおける言葉遣いや基本的な作法といった「ビジネスマナー」。仕事上の人間関係を結ぶためのコミュニケーションには、耳慣れないルールが多いものでしょう。

そこで今回は、社会人の多くが悩みがちな「ビジネスマナー」について調査します。記事タイトルに「ビジネスマナー」を含むコンテンツのタイトルと、訪問したユーザーの属性を分析し、「ビジネスマナー」に関する悩みを明らかにしました(集計期間は2017年3月~2019年2月)。

最初に、タイトルに「ビジネスマナー」を含むコンテンツに流入したユーザーの属性を見ていきます。まず性別を見ると、わずかに男性が多くなっています【図1】。

また年代別では、30代以下の若年層が60%を占めていました【図2】。「ビジネスマナー」に悩んでいるのは、全体として年代の低い人が多いと分かります。

職業別でみていくと、一般社員が最も多く、次いで学生が多い状況です。新卒社員や新人研修担当者がビジネスマナーを検索している一方で、就職活動をしている学生も企業担当者に失礼のないようマナーを勉強している様子がうかがえました。

検索キーワード1位は「了解」。「気付」や「稟議書」なども

では、ユーザーはどのような検索ワードを入力してコンテンツに流入したのでしょうか。そこでキーワードごとのユーザー数ランキングを見てみましょう【図4】。

1位のワードは「了解」でした。ユーザーは「了解」という言葉をビジネスで使っていいのかについて悩んでいることが分かります。

このほかにも3位の「承知しました」や、5位の「かしこまりました」など、言葉づかいに関する検索ワードが多くランクイン。正しい敬語の使い方を検索して確認するユーザーが多いことがうかがえます。また、「気付」「稟議書」といった書類関連のキーワードも上位に来ていました。

次に、「ビジネスマナー」に関する検索をしたユーザーが、実際に閲覧したコンテンツについて見ていきましょう。【図5】に、流入したコンテンツのユーザー数ランキングを示しました。

1位は『ビジネスマナーで気をつけたい「了解しました」という言葉』というタイトルのコンテンツ。検索ワードのランキング結果と同様、「了解」という言葉が気になっているようです。

言葉づかいに関するもの以外では、「封筒の宛名の書き方」「行を御中や様に訂正する宛名の消し方と書き方」といった取引先とのやり取りを想定したコンテンツも多く見られていました。実際に手紙を送るシーンになり、確認のため検索しているユーザーが多いのではないでしょうか。また、電話のマナーなど新社会人に向けたページもよく見られています。

サイトは「Mayonez」「マイナビ学生の窓口」が2強

こうした「ビジネスマナー」関連コンテンツを発信するサイトでは、どこが多くユーザーを集めていたのでしょうか。この点を調べるため、「ビジネスマナー」関連の検索者が流入したサイトのランキングを見てみました【図6】。

ユーザー訪問数1位はビジネスライフマガジン「Mayonez」でした。また、2位は社会人準備応援サイト「マイナビ学生の窓口」となっています。そのほか「教えて!goo」といったQ&Aサイトにも流入していました。

これらのうち上位2つのサイトで「ビジネスマナー」関連検索者が閲覧したコンテンツの詳細を見てみると、また別の特徴が見られました【図7】。

1位の「Mayonez」では全体の傾向と同様に、間違いやすい敬語の使い方を説明したページが上位を占めています。一方2位の「マイナビ学生の窓口」では、8位に「インバウンドの意味とは」というコンテンツ、9位に「ステークホルダーって何?」というコンテンツがランクインしていました。ビジネスマンなら当たり前に知っているようなカタカナ用語の意味を疑問に思い、検索して調べている新社会人の様子がうかがえます。

今回は社会人が悩む「ビジネスマナー」について調査しました。ビジネスマナーについて悩んでいるのは大半が30代以下の若い世代で、その多くが「了解しました」や「かしこまりました」といった言葉づかいのマナーについて検索していることが明らかになりました。

そのほかには、「気付」や「稟議書」といった書類関連のワードや、「インバウンド」「ステークホルダー」などカタカナのビジネス用語についても調べていたようです。

このように、検索ワードや流入コンテンツを分析することで、ユーザーの感じている悩みを読み取ることができるでしょう。

調査・分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、「ビジネスマナー」というキーワードを含むページを訪問したユーザーの特徴、属性などを調査しました。
※集計期間:2017年3月~2019年2月
※ユーザー数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


Dockpitで見つける潜在ニーズ。山星屋が実現する市場予測と説得力ある販売戦略

Dockpitで見つける潜在ニーズ。山星屋が実現する市場予測と説得力ある販売戦略

近年、企業はかつてないほど膨大なデータにアクセスできるようになっています。しかし、真に価値あるインサイトを得ることに依然として課題を感じているマーケターも少なくないのではないでしょうか。創業115年を誇る菓子専門商社の株式会社山星屋は、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」を活用し、従来の販売データでは捉えきれなかった消費者の潜在ニーズを可視化。さらに、1年後、3年後の市場動向を予測し、商品開発や販売戦略の立案につなげています。今回は同社の鈴木美和氏に活用事例とDockpitだからこそ得られる価値を伺いました。


「ダイエット」検索者は過去2年で減少傾向に? 新型コロナ収束やニーズの多様化が背景か

「ダイエット」検索者は過去2年で減少傾向に? 新型コロナ収束やニーズの多様化が背景か

誰もが一度は考えたことがあるはずのダイエット。特にコロナ禍で外出が制限されていた時期は興味をもつ人が多い状況でした。しかし、最近になって状況は少し変わってきているようです。この記事では、現在もダイエットに関心を持つ人々について分析し、彼らが何に興味を持っているのかを見ていきます。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!早くも「夏」の準備開始?「母の日」プレゼント選びも(2024年5月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!早くも「夏」の準備開始?「母の日」プレゼント選びも(2024年5月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第19弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「夏」「母の日」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。Z世代の準備・楽しみ方が気になる「夏」、「母の日」のプレゼント選びの悩み など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


Analyzing dramas, anime, and games is getting popular among young people! Why is it trending?

Analyzing dramas, anime, and games is getting popular among young people! Why is it trending?

In recent years, there have been lots of “analysis” content, especially popular among young people. They cover a range of subjects, and platforms for expressing insights and “analysis” in writing is gaining popularity. Let's look at data to understand its popularity, different from that of “spoilers” or “synopsis”!


「タイミ―」牽引のスキマバイト市場にメルカリが参入! 注目の新サービスはリーダーとなれるか

「タイミ―」牽引のスキマバイト市場にメルカリが参入! 注目の新サービスはリーダーとなれるか

近年、値上げラッシュや副業推奨、労働力不足も相まってスキマバイト市場が急速に拡大しています。また、2024年3月からフリマ市場最大手「メルカリ」がスキマバイトアプリ「メルカリ ハロ」を開始するなど、スキマバイト市場は一層活発になることが予想されます。そこで、今回は現在のスキマバイト市場を先導する「タイミ―」と、新規参入者である「メルカリ ハロ」それぞれについて、アプリの特徴やユーザー層を比較。今後のスキマバイト市場の動向について分析を行っていきます。


最新の投稿


取り上げられるプレスリリースは「内容の興味深さ」!共感を呼ぶストーリーや他社と異なる独自性が重要【PRIZMA調査】

取り上げられるプレスリリースは「内容の興味深さ」!共感を呼ぶストーリーや他社と異なる独自性が重要【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、メディア関係者を対象に、「プレスリリースに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


宅配サービスの直近の利用率は約4割でコロナ禍であった2年前より低下 受け取り方は「自宅で手渡し」が依然として高い傾向【クロス・マーケティング調査】

宅配サービスの直近の利用率は約4割でコロナ禍であった2年前より低下 受け取り方は「自宅で手渡し」が依然として高い傾向【クロス・マーケティング調査】

株式会社クロス・マーケティングは、「宅配」に関わる利用実態や意識・行動に関する調査として、全国47都道府県に在住する20~69歳の男女を対象に「宅配に関する調査(2024年)」を実施し、結果を公開しました。


博報堂DYホールディングスと博報堂テクノロジーズ、デジタルクリエイティブ制作における戦略や企画の効率化・高度化を行う「CREATIVE BLOOM PLANNING」を開発

博報堂DYホールディングスと博報堂テクノロジーズ、デジタルクリエイティブ制作における戦略や企画の効率化・高度化を行う「CREATIVE BLOOM PLANNING」を開発

株式会社博報堂DYホールディングスと株式会社博報堂テクノロジーズは、統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM (クリエイティビティ エンジン ブルーム)」に、デジタルクリエイティブ制作における戦略や企画の効率化、高度化を行う「CREATIVE BLOOM PLANNING」を開発し、社内での利用を開始したことを発表しました。


約6割がタレント起用の広告を見てブランドをより好きになった経験あり!消費者の購入意欲度を高めることや購買行動を促す効果も【エイスリーグループ調査】

約6割がタレント起用の広告を見てブランドをより好きになった経験あり!消費者の購入意欲度を高めることや購買行動を促す効果も【エイスリーグループ調査】

エイスリーグループは、Z世代・Y世代の男女を対象に、タレント起用の広告が消費者に与える影響を調査し、結果を公開しました。


電通デジタルと電通、SmartNewsアプリ内「記事閲読行動データ」の活用で、生活者のモーメントを捉えたアプローチを実現

電通デジタルと電通、SmartNewsアプリ内「記事閲読行動データ」の活用で、生活者のモーメントを捉えたアプローチを実現

株式会社電通デジタルと株式会社電通は、スマートニュース株式会社と共同で、ユーザーのプライバシーを保護しながら安全にデータ分析ができるデータクリーンルーム「SmartNews Ads Data Pot」を構築。スマートニュース株式会社が運営するニュースアプリ「SmartNews」の記事閲読行動データなどを活用し、生活者のモーメントを捉えたマーケティング支援を開始したことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ