カスタマージャーニーとは
顧客が商品・サービスを認知してから、購入にいたるまでの一連の行動を「旅」に例えたものがカスタマージャーニーです。
さらに、時系列ごとに顧客との接点(タッチポイント)や心理、行動を図式化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。各接点の課題ごとに、対策となるマーケティング施策を打つのに活用されています。
カスタマージャーについて調べたアウトプットとしてカスタマージャーニーマップを作ることが多く、インターネット検索で「カスタマージャーニー」を入力する人はカスタマージャーニーマップのことを指している場合もあります。
カスタマージャーニーとは?意味とマップの作り方を3分で学ぼう
https://manamina.valuesccg.com/articles/555今回は、マーケティング用語の「カスタマージャーニー」の意味と作り方についてです。カスタマージャーニーでは、顧客が商品を知ってから購入するまでの接点や心理、行動を「カスタマージャーニーマップ」として図式化します。カスタマージャーニーの接点やアクションに対する施策を打つことで、顧客目線のマーケティングを実現できるメリットがあります。
またカスタマージャーニーでも使われる「ペルソナ」という用語があります。ペルソナは商品・サービスが想定する理想の顧客像のことです。
ライフスタイルが多様化し画一的なマーケティングが通用しなくなってきた背景から、具体的なユーザー像を想定してどのようなカスタマージャーニーをたどるのかを探るマーケティング手法が生まれています。
マーケティングに役立つペルソナの活用方法を、具体的な事例と作り方に役立つ本を通じて学びます。ターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として設定すると、顧客視点のマーケティングになると共に関係者間でターゲット像を共通認識できるメリットがあります。
ユーザーシナリオとの違い
カスタマージャーニーがマーケティング用語なのに対して、「ユーザーシナリオ」はUX(顧客体験)の文脈で使われる用語です。
ユーザーシナリオは、顧客が商品購入や資料請求などゴールとなるアクションにたどり着くまでの流れのことを言います。
ECサイトなどのWEBサービスで言えば、一つの画面で購入まで完結することは少なく、検索→商品詳細閲覧→レビューや類似商品との比較→カートに入れる→決済、という流れがあるはずでそのトータルの顧客体験を改善することがコンバージョンにつながります。
カスタマージャーニーとの絡みでユーザーシナリオを使う場合は理想的なカスタマージャーニーをユーザーシナリオとして設定し、既存カスタマージャーニーとのギャップを検討したりするのに活用します。
コンセプトダイアグラムとの違い
コンセプトダイアグラムは、顧客目線でビジネス全体を見える化するツールです。元々はWEB設計の方法論として生まれ現在はビジネス全般に使われています。
コンセプトダイアグラムでは顧客がゴールに達するまでの過程を縦軸と横軸を使って表現し、その間に生まれる顧客の心理や態度の変化をパターン化し、その際に打つべきコミュニケーション手段の改善に活用します。
顧客がゴールに至るまでのプロセスに注目する点はカスタマージャーニーと似ていますが、よりコミュニケーション施策にフォーカスした方法論と言えるでしょう。
パーセプションフローとの違い
「パーセプションフロー」はCoup Marketing Companyの音部大輔氏が提唱するマーケティング・マネジメント・モデルです。
パーセプションフローでは購買に至るまでのプロセスを行動、パーセプション、知覚刺激、KPI、メディア・媒体行動の5つの要素で分解します。
メディア・媒体を通じた知覚刺激によって「行動を変化する気づき」を与え、次のアクションへ導く、その連鎖によって最終的に購入に至る、という構造でマーケティングの全体像を示します。
カスタマージャーニーとの違いは、パーセプションフローの方がマーケティング施策立案に必要な判断材料の提供を意識している点です。顧客の行動だけでなく、行動に伴う認知・知覚(パーセプション)に注目し、認知・知覚を変化させるマーケティング施策を打つ使い方を想定しています。
カスタマージャーニーやカスタマージャーニーマップでは課題に対するマーケティング施策を後で検討しますが、パーセプションフローではメディア・媒体行動やKPIが最初から分析要素に組み込まれていて、計画、実行、効果測定までの一元管理がしやすく、より実践的と言えるでしょう。
まとめ
カスタマージャーニーは顧客が商品・サービスを認知してから購入にいたるまでを旅に例えてまとめる方法論ですが、理想のカスタマージャーニーを設定する「ユーザーシナリオ」、顧客とのコミュニケーション施策にフォーカスした「コンセプトダイアグラム」、マーケティング施策の実践に近い「パーセプションフロー」などもあり、違いを知った上で自社に適切な方法論を選択しましょう。
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