ペルソナの作り方を事例と本から学ぶ

ペルソナの作り方を事例と本から学ぶ

マーケティングに役立つペルソナの活用方法を、具体的な事例と作り方に役立つ本を通じて学びます。ターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として設定すると、顧客視点のマーケティングになると共に関係者間でターゲット像を共通認識できるメリットがあります。


ペルソナの意味と活用するメリット

マーケティング用語の「ペルソナ」は、商品・サービスが想定する架空の顧客像のことです。このプロファイルは男性40代といった大まかなセグメンテーションではなく、実在する人物であるかのように、好みや行動など詳細に設定する点が特徴です。

ペルソナが必要になってきた理由として、ライフスタイルが多様化し20歳から34歳の女性で構成されるF1層は「消費意欲が旺盛で新しい流行に敏感」といった、画一的なマーケティングが通用しなくなってきた背景があります。

ペルソナを使ったマーケティングのメリットとして、顧客視点が持てる、具体的な顧客像により精度が上がる、関係者間で顧客像が統一されブレのない施策が可能、などが挙げられます。

具体的なユーザー像を作れるかが失敗しないペルソナマーケティングの鍵

ペルソナを使ったのに集客に失敗する場合、いくつかの理由が考えられます。

・組織内でペルソナを使う合意が取れていなかった
・ペルソナの共有だけでは顧客像の理解が進まなかった
・複数のペルソナが必要だった

組織内でペルソナを使う合意が取れていないと、顧客像が統一されるメリットが失われます。また、ペルソナづくりのためのデータ収集やヒアリングが顧客理解につながる側面もあるので、結果のペルソナだけの共有では顧客像が理解されない場合があります。

最後に、顧客像を一つのペルソナで代表できる場合と、複数用意した方が良い場合があります。複数のペルソナがある場合の事例は以下の記事で取り上げています。

ペルソナを使ったマーケティングの成功事例

スープストック

三菱商事の社内ベンチャーとして始まったスープ専門店チェーン「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」は創業10年で売上42億に達したペルソナマーケティングの代表例。

事業の企画書で作られたバリバリのキャリアウーマン「秋野つゆ」の女性像をブランドのペルソナとして設定し、商品開発や店舗開発にあたっての基準としました。「フォアグラよりもレバ焼きが好き」「豪快にクロールで泳ぐ」など、嗜好や行動まで具体的に想定するペルソナの特徴が現れています。

「秋野つゆ」という架空の女性を設定し、彼女がつくるスープという想定をしました。彼女は、装飾性よりも機能性を好む。フォアグラよりもレバ焼きが好き。プールでは平泳ぎではなく豪快にクロールで泳ぐ。などなど、細かな彼女のプロフィールや属性情報を書き連ねました。その後、商品開発したり、店舗開発をしたりしていく中で、「これって、秋野つゆさんっぽくないよね」とか、擬人化させながら方向性を決めていったわけです。

BtoBの例

BtoBのペルソナは、BtoCより難しいとされています。BtoCでは基本的に個人が一人で購入決定しますが、BtoBでは意思決定者・選定者・利用者が異なることもよくあるためです。

富士通では「富士通キッズサイト」でペルソナマーケティングを実施し、そのペルソナをハンドブックとして公開しています。マーケティングの核となるペルソナを公開する企業は珍しく、このハンドブックは1万ダウンロード以上されています。

富士通キッズ キッズコンテンツ作成ハンドブック

https://jp.fujitsu.com/about/kids/handbook/

子ども向けサイトの開設で得たユニバーサルデザインのノウハウをまとめた「富士通 キッズコンテンツ作成ハンドブック」をご紹介します。

富士通キッズサイトのペルソナの特徴として、利用者である小学生ペルソナと、選定者となる学校の先生、保護者の3つのペルソナを分けています。

高級車購入者のペルソナ事例

ネット行動分析サービスを提供するヴァリューズとネットイヤーグループでは、オンライン上のネット行動ログとユーザー属性情報を用いて、定量・定性的にユーザーエクスペリエンスを明らかにする研究活動を共同で行い、その結果をペルソナにまとめました。

高級車を購入するユーザーは「公式サイト(自動車メーカーサイト)」「メディア」「口コミ」「中古車購入」「関連グッズEC」で閲覧傾向が異なる6つのターゲットに分けられました。

6つのターゲットの中で、一番構成比が大きい「公式サイト(自動車メーカーサイト)」中心のターゲットについてユーザー像を深堀りした結果、ブランドの世界観をそのまま受け止めるタイプが多く、DMやイベント、ディーラーなどブランドからのコミュニケーションが有効と示唆されました。

ペルソナの作り方

ペルソナを作るにはターゲットを設定し、ターゲットを代表するユーザー像に関するデータを収集し、それを詳細なユーザー像=ペルソナに落とし込みます。

定量的なデータに基づくペルソナの作り方

https://manamina.valuesccg.com/articles/98

マーケティングで使われる「ペルソナ」の意味と作り方を解説します。詳細で具体的なユーザー像を設定すれば、商品・サービスが顧客目線でどうか?を見るのに役立ちます。ペルソナを作るには定量的な属性データに、定性データを加えて一人の人物像としてまとめます。

ターゲットの設定

商品・サービスを購入するユーザーの多くを占めるターゲットを設定します。例えば高級車を購入するユーザーは50代の男性が多いが、中には20代の女性もいます。

50代男性と20代女性では想定するペルソナも全く異なるので、まずは自社の主要顧客、例えば50代男性をターゲットに想定します。

ターゲットの情報収集

ペルソナを作る上で必要な情報の例
・年齢
・居住地
・職業
・年収
・趣味
・家族構成
・好きなブランド
・好きな雑誌
・休日の過ごし方
・よく利用するWEBサイト
・よく利用するアプリ
・SNS利用度
・情報収集の行動パターン

これらの項目には統計などの定量データと、趣味嗜好などの数字で表せない定性的なデータがあります。定性的なデータを集める方法にはアンケート調査、座談会やインタビューが考えられます。

また、よく利用するWEBサイトや情報収集の行動パターンの把握には、ヴァリューズが提供するインターネット行動ログ分析サービス「eMark+」が役立ちます。

競合サイト分析なら eMark+(イーマークプラス)

https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/

「eMark+」(イーマークプラス)は30万人規模のモニター会員の協力により、自社だけでなく競合サイトのアクセス解析もできる、株式会社ヴァリューズの行動ログ分析サービスです。

アンケート調査と実際の行動ログを掛け合わせて、ターゲット像を具体化するユーザープロファイルの分析手法もあります。

「インスタ女子とTwitter女子のユーザープロファイリング」レポート

https://manamina.valuesccg.com/articles/420

過去のヴァリューズメルマガで、人気No.1の調査レポートです。(ページ数|16p)

ペルソナに落とし込む

上記で集めた情報を、一人のプロフィールとしてまとめます。

◯基本属性
年齢・性別・居住地・職業・年収・家族構成など

◯行動属性
趣味・好きなブランド・好きな雑誌・休日の過ごし方・よく利用するWEBサイト・よく利用するアプリ・SNS利用度

具体的な名前を付けたり、写真や人物イラストを作るのも人物像を明確化するのに役立ちます。

ペルソナの理解に役立つ本

ペルソナが商品・サービスを購入するまでの過程を「顧客の旅」に例えて図式化するのがカスタマージャーニーマップです。

本書は国内1000社2000名が体感したワークショップを元にしているので、ペルソナの設定からカスタマージャーニーマップ作成まで実践的な内容が詰まっています。読者向けにBtoB、BtoCのペルソナのテンプレートも提供されています。

はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ(MarkeZine BOOKS) 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性

¥ 2,160

カスタマージャーニーを使ったマーケティング

ライフスタイルが多様化し画一的なマーケティングが通用しないようになってきました。

ターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として詳細に設定すると、顧客視点が持て、マーケティングの精度が上がり、関係者間で顧客像が統一されるなどのメリットがあります。

また、ペルソナが商品・サービスを認知してから購入にいたるまでの接触ポイントと行動、感情の動きなどをまとめたカスタマージャーニーマップを活用すると、それぞれの接触ポイントでの課題が明確になり、課題ごとの施策を打つことが可能になります。

本記事が、ペルソナやカスタマージャーニーマップの設定の際に、参考となれば幸いです。

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この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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