カスタマージャーニーマップとは
顧客が商品・サービスを認知してから購入にいたるまでの一連の行動を、「旅」に例えたものがカスタマージャーニーです。
さらに、時系列ごとに顧客との接点(タッチポイント)や心理、行動を図式化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
カスタマージャーニーマップで判明した接点で課題となっている箇所に施策を打つことで、的確なマーケティングが可能になります。
カスタマージャーニーの意味とメリット
■社内関係者で共通認識がもてる
複数のメンバーや部署が関わる組織では、マーケティング施策の背景から各人に説明するのは困難です。
図式化されたカスタマージャーニーマップを用いれば、複数人が短時間で現状と課題を把握でき、意思決定がスムーズになります。
また社内の各部署が共通認識を持つことで、全体最適化されたマーケティングが可能になります。
■企業目線ではなく顧客目線のマーケティングができる
カスタマージャーニーを作成する過程で、顧客との接点やその際の心理を分析していくと、顧客になりきって自社の商品・サービスを考えられるようになります。
■顧客行動の多様化に対応できる
ペルソナやカスタマージャーニーが求められるようになったのは、例えば情報収集だけでもネットにSNS、PCにスマホと選択肢があるように、顧客の購買行動が多様化している背景があります。
それぞれに対応したマーケティング施策を打つには、顧客の購買行動を細かく分解して理解する過程が有効です。
カスタマージャーニーマップの作り方
■ゴールを設定する
ゴール(目標)が何かをまず決定します。例えば売上なのかその手前の資料請求なのかで、分析の範囲が変わってきます。
■ペルソナを設定する
ペルソナとは、商品・サービスが想定する典型的な顧客像です。このプロファイルは男性40代といった大まかなセグメンテーションではなく、実在する人物であるかのように、好みや行動など詳細に設定する点が特徴です。
詳細に設定することで、ペルソナがこの場面でどういう思考・選択をするか、の分析にブレがなくなるメリットがあります。
なお、ペルソナとカスタマージャーニーが複数パターンある場合も想定しましょう。例えばランドセルには利用者の子ども、商品を選定する親、資金援助する祖父母の3つのペルソナがあり、それぞれに対する接触ポイントも異なってくるはずです。
■行動や接点、その時の思考を洗い出す
顧客が商品・サービスを認知してから購買するまでの購買行動モデルとして、AIDMA(アイドマ)の法則、AISAS(アイサス)の法則が有名です。
●AIDMAの法則
1.Attention(認知・注意)
2.Interest(興味・関心)
3.Desire(欲求)
4.Motive(動機)
5.Action(行動)
●AISASの法則
1.Attention(認知・注意)
2.Interest(興味・関心)
3.Search(検索)
4.Action(行動)
5.Share(共有)
AISASの方が新しい概念で「検索」や「共有」が入っているようにネットやSNS時代に対応した購買行動モデルとされています。
例えば「TV CMで商品・サービスを認知する」というように各プロセスごとに「接触ポイント」「感情・思考」を洗い出します。
ネットでのユーザー行動を把握するには、インターネット行動ログ分析サービス「eMark+」を使うと便利です。
ユーザーエクスペリエンスマップとして、UI設計で使用されてきた「カスタマージャーニーマップ」は、顧客の経験価値を上昇させるために注目を集めているマーケティングの手法です。カスタマージャーニーマップを作成する上では、ターゲットユーザーの分析が欠かせません。ここでは、「正確なデータの収集」や「顧客情報の獲得」が必要となり、VALUESの「eMark+」シリーズが有効です。カスタマージャーニーマップの作成をお考えの方は、以下をご一読いただき、ぜひ無料利用をお試しください。
■行動のプロセスでグルーピングし、マップに落とす
マップとして図式化する際の横軸には、「認知・注意」「興味・関心」「検索」「行動」「共有」など顧客の旅の時系列を設定します。
縦軸には「接触ポイント」「感情・思考」「課題」「施策」などの情報を埋めます。それぞれの接触ポイントに対して、課題と施策を検討しましょう。
■カスタマージャーニーマップの事例とテンプレート
カスタマージャーニーマップの7つの実例サンプルが載っている記事です。
カスタマージャーニーマップで顧客の心を見つめてサイトを改善、5つの作成ステップと7つの実例 | 実践! プロも使うラピッドUX手法
https://webtan.impress.co.jp/e/2014/03/24/16722カスタマージャーニーマップを社内で作成し、プロジェクトに活かす方法を紹介
書籍「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ」の紹介ページです。書籍購入者向けの接点カード、感情カード、ペルソナシートのテンプレートをダウンロードできます。
はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ | 翔泳社の本
https://www.shoeisha.co.jp/book/campaign/customer-journey顧客体験から逆算して、自社の課題を見つける。大人気のワークショップがついに書籍化!
アンケートとWeb行動ログの利点をともに活用した調査を行うことで、オフラインとオンラインの両方の行動を理解できた事例です。
犬を飼う人のカスタマージャーニーとは?アンケートとWeb行動ログのビッグデータで分かること
https://manamina.valuesccg.com/articles/522マーケティングにおいて、ユーザーとのコミュニケーション施策を決めるために必要なのがカスタマージャーニー。カスタマーの心情理解のための調査としてはアンケートを用いることが多いですが、インターネット上の検討行動は分かりません。これを明らかにするのがWeb行動ログデータです。犬を飼育し始めた人の、飼育前と飼育後のカスタマージャーニーを例にセミナーが行われました。
多様化する顧客の行動をカスタマージャーニーで可視化する
企業のマーケティングは顧客の購買行動や接点の多様化に対応する必要が出ています。関係者の間で顧客の購買行動を共有し施策を検討するのに、カスタマージャーニーは有効です。
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。