基礎から学ぶ代表的なマーケティング理論(3C・4P・カスタマージャーニー・AIDMA/AISAS・パーセプションフロー)

基礎から学ぶ代表的なマーケティング理論(3C・4P・カスタマージャーニー・AIDMA/AISAS・パーセプションフロー)

マーケティングで使われる理論は略語や似た用語が多く混乱しがちです。代表的な「3C分析」「4P分析」「カスタマージャーニー」「AIDMA / AISAS」「パーセプションフロー」について用語の定義と役立つ場面について説明します。


マーケティング環境を分析する「3C分析」

3C分析はCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字を取った略語で、市場環境を分析するマーケティング理論です。読み方は「さんしーぶんせき」。

Customer(市場・顧客)では市場の大きさや成長性、顧客の価値観やニーズを分析します。Competitor(競合)では競合他社のシェア、強みと弱み、市場で受けている評価を分析します。Company(自社)では自社の強みと弱み、市場での評価を分析します。

これら3つの要素は相互に影響を与え合う関係性があり、市場環境を漏れなく分析し自社の成功要因を抽出するのに活用されます。

3C分析の概要とフレームワークの重要性とは?目的とやり方を解説

https://manamina.valuesccg.com/articles/512

自社製品やサービスの特徴を理解し、マーケティング施策をすることで、順調な販促が可能となります。必要なマーケティング戦略を考えるのに、3C分析という方法があります。3C分析をすることで、ニーズや自社の強みを分析し、効果的な施策に活かすことができるのです。この記事では、3C分析の意味や実際の手順を解説します。

販売にあたり自社でコントロール可能な要素に注目する「4P分析」

4P分析はProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション・販売促進)の頭文字を取った略語で、自社でコントロール可能な要素から施策を検討するマーケティング理論です。読み方は「よんぴーぶんせき」。

どんな商品をいくらでどの市場や流通でどのように売るか、を検討します。4P分析が使われるのは、市場を分析し、自社がどの市場を狙うのか決定した後の具体的なマーケティング施策を検討する段階です。

Product(製品)では顧客のニーズやメリットを満たす製品の機能・デザイン・ブランド・パッケージ・保証まで含めた製品全般の要素を検討します。Price(価格)では例えば高級路線を目指すのか、廉価品を目指すのかを決定します。これによって製品も高級感あるデザインにするなど相互に影響があります。

Place(流通)では顧客に効率的に製品を届けられる経路を検討します。例えば廉価商品なのに特約店でしか販売しないならば、薄利多売にならないなどミスマッチが生まれます。最後にPromotion(プロモーション・販売促進)では製品を認知してもらうために必要な施策を検討します。

上記で触れてきたように廉価製品なのか高級製品なのかによって他の要素の選択肢も自動的に決まってくる部分があり、4P分析を使えば矛盾した施策を打っていないか検証できます。

4P分析とは?マーケティングミックスに活用

https://manamina.valuesccg.com/articles/623

4P分析は企業が販売戦略を決める際に使わるフレームワークでProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った用語です。ニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通で効率よく販促できれば、売上拡大につながります。

多様化する顧客の行動を可視化する「カスタマージャーニー」

カスタマージャーニーでは顧客が商品を知ってから購入するまでの接点や心理、行動を旅に例え「カスタマージャーニーマップ」として図式化します。また設定する「理想的な顧客像」を「ペルソナ」と言います。

カスタマージャーニーマップの顧客との接点それぞれにマーケティング施策を実施することで顧客の心理や行動を変え、コンバージョンを向上させる使い方をします。

ペルソナやカスタマージャーニーが必要になってきたのは顧客の行動の多様化があり、マーケティング施策もネットであればSNS、PC・スマホなどそれぞれの接点ごとに必要になってきた背景があります。

改めておさらい!ペルソナの意味やメリット、作り方から事例までまとめ

https://manamina.valuesccg.com/articles/733

商品・サービスが想定する架空の顧客像を「ペルソナ」として設定し、マーケティングに活用する事例が増えています。購買行動が多様化しペルソナが必要になった背景や利用するメリット、ペルソナの作り方からカスタマージャーニーマップで活用する方法、活用事例をまとめました。

カスタマージャーニーとは?意味とマップの作り方を3分で学ぼう

https://manamina.valuesccg.com/articles/555

今回は、マーケティング用語の「カスタマージャーニー」の意味と作り方についてです。カスタマージャーニーでは、顧客が商品を知ってから購入するまでの接点や心理、行動を「カスタマージャーニーマップ」として図式化します。カスタマージャーニーの接点やアクションに対する施策を打つことで、顧客目線のマーケティングを実現できるメリットがあります。

犬を飼う人のカスタマージャーニーとは?アンケートとWeb行動ログのビッグデータで分かること

https://manamina.valuesccg.com/articles/522

カスタマーの心情理解のための調査としてはアンケートを用いることが多いですが、インターネット上の検討行動は分かりません。これを明らかにするのがWeb行動ログデータです。犬を飼育し始めた人の、飼育前と飼育後のカスタマージャーニーを例にセミナーが行われました。

AIDMA/AISAS

AIDMAとは顧客の購買プロセスを説明するモデルのひとつです。その製品を認知し(Attention)、興味・関心を持ち(Interest)、欲しくなり(Desire)、記憶し(Memory)、購入に至る(Action)プロセスの頭文字を取った略語。読み方は「あいどま」。

AIDMAは顧客がどの購買プロセスにいるかを分解し、その段階に応じたマーケティング施策を取ることでコンバージョンを向上させれられるとする理論です。

AISASはAIDMAをネット時代に適応させた購買プロセスで、注意(Attention)、関心(Interest)、検索(Search)、行動(Action)、意見共有(Share)の頭文字を取った略語。読み方は「あいさす」。

顧客の行動の変容を目指す「パーセプションフロー」

パーセプションフローは日本で普及しているマーケティング・マネジメント・モデルです。

パーセプションフローでは購買に至るまでのプロセスを行動、パーセプション(知覚)、知覚刺激、KPI、メディア・媒体行動の5つの要素で分解します。

メディア・媒体を通じた知覚刺激によって「行動を変化する気づき」を与え、次のアクションへ導く、その連鎖によって最終的に購入に至る、という構造でマーケティングの全体像を示します。

パーセプションフローとカスタマージャーニーの違い

https://manamina.valuesccg.com/articles/574

顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでを「旅」に例えるカスタマージャーニーにはいくつか似たマーケティング用語があります。 本記事ではカスタマージャーニーの概要を再確認したあと、ユーザーシナリオ、コンセプトダイアグラム、パーセプションフローなどとの違い、使い分けについて説明します。

まとめ

マーケティングの現場でよく出てくる理論について略語の意味、役立つ場面を基礎的な部分から説明しました。それぞれの理論は3Cは市場環境分析、4Pはマーケティングミックスで使われるなどマーケティングのどの段階、場面で使われるかが異なってきます。これらのフレームワークを活用して、漏れなく効率的に必要な要素を分析しましょう。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


カスタマージャーニーマップ(体験設計のアウトプット)|現場のユーザーリサーチ全集

カスタマージャーニーマップ(体験設計のアウトプット)|現場のユーザーリサーチ全集

リサーチャーの菅原大介さんが、ユーザーリサーチの運営で成果を上げるアウトプットについて解説する「現場のユーザーリサーチ全集」。今回はカスタマージャーニーマップ(体験設計のアウトプット)について寄稿いただきました。※本記事は菅原さんの書籍『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)と連動した内容を掲載しています。


ペルソナ(顧客理解のアウトプット)|現場のユーザーリサーチ全集

ペルソナ(顧客理解のアウトプット)|現場のユーザーリサーチ全集

リサーチャーの菅原大介さんが、ユーザーリサーチの運営で成果を上げるアウトプットについて解説する「現場のユーザーリサーチ全集」。今回は、ペルソナ(顧客理解のアウトプット)について寄稿いただきました。※本記事は菅原さんの書籍『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)と連動した内容を掲載しています。


データ分析のヴァリューズが「ペルソナ作成ガイドブック」を公開 ~ 今すぐマーケティング施策に活かせる「ペルソナ(顧客像)」作成手法を解説 ~

データ分析のヴァリューズが「ペルソナ作成ガイドブック」を公開 ~ 今すぐマーケティング施策に活かせる「ペルソナ(顧客像)」作成手法を解説 ~

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、運営するデータマーケティング・メディア「マナミナ」にて公開した記事から厳選し、マーケティングにおいて重要な、商品やサービスが想定する架空の顧客像「ペルソナ」作成のためのガイドブック「ペルソナ作成ガイドブック」を公開しました。


ファッション通販サイトのポジショニングを分析! 20代に人気「GRL」を4P分析で紐解く

ファッション通販サイトのポジショニングを分析! 20代に人気「GRL」を4P分析で紐解く

新型コロナウイルスの蔓延を経て、ファッション業界でもオンラインショッピングの利用が急拡大しました。実店舗よりも選択肢が増える状況下で、多くの支持を集めるブランド「GRL(グレイル)」「ユニクロ」「GU」「SHEIN(シーイン)」に注目し、好調の理由を分析します!


ペルソナマーケティングとは?必要性とやり方、テンプレートと事例

ペルソナマーケティングとは?必要性とやり方、テンプレートと事例

ペルソナマーケティングとは、メインの顧客像を細かな属性情報、ライフスタイルなどの要素まで設定するものです。ペルソナの情報をマーケティングに反映させることで、顧客から喜ばれる商品・サービスの機能や、販売促進や流通を実現できます。本記事では、ペルソナマーケティングの概要や具体的なやり方、事例、注意点について解説します。


最新の投稿


「タイパ疲れ」する現代人?約7割が「タイパを意識しない生活を望む」【Repro調査】

「タイパ疲れ」する現代人?約7割が「タイパを意識しない生活を望む」【Repro調査】

Repro株式会社は、企業のマーケティング戦略やサービス設計に影響する、消費者の「タイムパフォーマンス(タイパ、時間対価値)」に対する意識を明らかにすべく、全国10代から60代の男女を対象に「日常生活とデジタルデバイス利用時におけるタイムパフォーマンスに対する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


アテンションエコノミー ~ 課題と今後

アテンションエコノミー ~ 課題と今後

インターネットが一般消費者に普及し始めて何年経ったでしょうか。Windows95が発売された頃からと見做せば、30数年という年月で、インターネットは私たちの生活にはなくてはならないテクノロジーとなりました。そして今や私たちの受け取る情報は溢れるほどに。その情報は真偽だけでなく善悪という側面を持ち、経済活動にも大きく影響しています。本稿では「アテンションエコノミー」と題し、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が今後の課題へも言及し解説します。


イード、多彩なバーティカルメディアを活用したPR活動支援サービス「PR Deeper」を提供開始

イード、多彩なバーティカルメディアを活用したPR活動支援サービス「PR Deeper」を提供開始

株式会社イードは、同社が運営する多彩なバーティカルメディアを活用したPR活動支援サービス「PR Deeper(ピーアール ディーパー)」を提供開始したことを発表しました。


HAKUHODO EC+、ライブ配信をリサーチに活用するソリューション「ライブエンタメリサーチ」を提供開始

HAKUHODO EC+、ライブ配信をリサーチに活用するソリューション「ライブエンタメリサーチ」を提供開始

株式会社博報堂のEC領域に特化した組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」は、ライブコマースと独自開発のMAツールを起点に新しいSNSライブマーケティング戦略を展開する株式会社Tailor Appと連携し、ライブ配信をリサーチに活用するソリューション「ライブエンタメリサーチ」を提供開始したことを発表しました。


スマート家電は生活の質を向上させる?中国におけるスマート家電の利用実態を調査

スマート家電は生活の質を向上させる?中国におけるスマート家電の利用実態を調査

近年のデジタル化や購入支援政策も相まって、中国国内でスマート家電が広く普及し始めました。スマート化によって利便性や機能性が向上すると謳われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?ヴァリューズ独自の中国定性調査サービス「ValueQIC(ヴァリュークイック)」を用いて、ユーザーの本音を明らかにしました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ