「店内での飲食と持ち帰り、宅配の場合で税率が異なること」は約9割が認知
2019年10月に消費税率は8%から10%に引き上げられます。今回は主に食料品に適用される軽減税率が導入され、キャッシュレス決済を対象にポイント還元制度、また、プレミアム付商品券制度など、消費増税のタイミングで、政府による様々な対応策が実施されます。政府が打ち出した多岐に渡る政策を消費者はどの程度認知しているのでしょうか。増税対策を行う人の特徴や、どのような増税対策を検討しているかを明らかにするため、インターネットによるアンケート調査及びネット行動分析を行いました。
まず、消費税増税に関して政府が打ち出した政策の認知状況から見ていきましょう(図表1)。
最も認知度が高かった政策は軽減税率に関するもので「店内での飲食と持ち帰り、宅配の場合で税率が異なること」は約9割の人が認知。一方、「マイナンバーカードを活用したプレミアムポイント付与」については半数以上の人が「まったく知らない」と回答しており、政策により認知度に差があるようです。店内での飲食とテイクアウトの税率が違うことはテレビなどでも事例が取り上げられ、消費者の認知が進んだと考えられます。
図表 1 消費税増税に関する政府が打ち出した政策への認知度
利用に前向きな政策は「キャッシュレス決済時におけるポイント還元」
次に、「マイナンバーカードを活用したプレミアムポイント付与」「プレミアム付き商品券」「キャッシュレス決済時におけるポイント還元」の3つの政策について、利用意向をたずねたところ、最も利用意向が高かったのは「キャッシュレス決済時におけるポイント還元」で「積極的に利用したい」「できれば利用したい」を合わせると、約7割の人が利用に前向きであることがわかりました(図表2)。
図表 2 消費税増税に関する政府が打ち出した政策への利用意向
■特に男性20~30代では2人に1人が「積極的に利用したい」
特に男性20~30代の若年層では、2人に1人が「積極的に利用したい」と回答しており(図表3)、PayPayや楽天ペイなどQRコード決済アプリ各社のキャンペーン施策も相まって、キャッシュレス決済促進が期待されます。
図表 3 「キャッシュレス決済時におけるポイント還元」への利用意向
増税対策、男性20~30代は堅実で計画的、女性は買い溜めや高額な買い物の前倒し傾向あり
8月下旬の時点で増税対策を考えている人は15.6%にとどまりましたが、年代別に見ると男性20~30代で「考えている」と回答した人の割合が他と比べて高くなっていました(図表4)。
図表 4 消費税増税に向けて対策を考えているか
また、消費税増税に向けて対策を考えている人に具体的な対策もたずねたところ(図表5)、男性若年層の具体的な増税対策としては、「新たにクレジットカードを申し込む」や「QRコード決済サービスを申し込む」などが特徴として挙げられ、増税後の還元も踏まえた計画性の高さがうかがえます。
一方、女性は男性に比べると「日用品の買い溜め」や「高額な買い物を前倒しする」と回答した割合が高く、日常消費での増税対策に注目が集まる傾向があるようです。
図表 5 消費税増税に向けて考えている対策
増税対策を考えている人は、決済アプリ、株アプリ、家計簿アプリなどファイナンス系アプリを積極活用
増税対策を考えている人はどのような特徴を持っているのでしょうか。アンケートで「消費税増税対策を考えている」と回答した人が特徴的に利用しているアプリを、特徴値順でランキングにしてみました(図表6)。
上位は「PayPay」、「Kyash」、「Google Pay」、「楽天ペイ」、「Origami」、「ファミペイ」などキャッシュレス決済サービスが独占。また、楽天証券の株アプリ「iSPEED」や家計簿アプリ「マネーフォワード ME」などファイナンス系アプリがトップ20に多数ランクインしました。デジタルを活用した家計の見直し、堅実な資産作りなど、マネー情報に敏感な賢い消費者像がうかがえます。
図表 6 消費税増税対策を考えている人が特徴的に利用しているアプリ
本調査レポートでは、上記以外にも、増税に関する情報の収集方法や増税対策を考え始めた時期、前倒し購入するものなどの調査結果をまとめています。詳細レポートは無料でダウンロードできます。下記フォームからお申し込みください。
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調査・分析概要
全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2019年8月21日~8月27日に「消費税増税に関する調査」を実施し(回答者10,783人)、その回答者をネット行動分析の対象とした。
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計を行っている。
※行動ログは、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率をもとに、国内ネット人口に則して推測。
※アプリ名、カテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリに準拠。
※メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmail、Google+などプリインストールアプリは除く。
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