カオスマップが注目されるマーケットとは?eMark+で上位業界とその傾向を探ってみた

カオスマップが注目されるマーケットとは?eMark+で上位業界とその傾向を探ってみた

特定のマーケットの中にどんなプレーヤーがいるのか、特徴別に分類し、図式化したカオスマップ。市場動向調査や競合研究になどに活用する人も多いのではないでしょうか。最近は複数のプレーヤーが乱立するマーケットが増え、あらゆる業界のカオスマップが作成されています。本稿では、サイト分析ツールeMark+を活用し、今注目度の高いカオスマップを調査。なぜ注目を集めているのか、その理由を分析します。


カオスマップが注目されるジャンルとは

まず最初に、サイト分析ツールのeMark+を使って、タイトルに「カオスマップ」のキーワードが含まれるページを調査しました。閲覧者数の多い1~5位のジャンルは以下のとおりです。

(集計期間:2017年9月~2019年8月、デバイス:PC)

1位はスキルシェア、2位がSaaS、3位にHRテックと続いています。

なお、カオスマップ関連を検索しているユーザーの年代比率はこちら。

20代が約半数、20~30代で約8割を占めています。管理職よりも現場の担当者や、就職・転職活動中の人などが活用していると考えられます。

上位のカオスマップを覗いてみた

ランキング上位のカオスマップはどのようなものなのでしょうか。
閲覧数の多いカオスマップのページを実際に見てみました。

こちらは、ランキング1位のスキルシェアサービスのカオスマップです。
全般・知識・生活スキル・専門スキルの4ジャンルに分類され、マップ上に分布しているサービスは計66個。生活スキルと専門スキルに該当するサービスが多いことが分かります。

もう一つ、2位のSaaSのカオスマップも見てみましょう。

SaaSのマーケットは圧倒的にサービスが多く、分野→目的の2段階で分類されています。例えば、1段階目として販売・生産管理、人事、などの分野ごとに振り分けられ、さらに2段階目として、人事であれば、採用管理、人事評価など、目的に応じて5つに細分化されています。分類だけで30の枠が存在し、プレーヤーの多さが明らかです。

このSaaSのカオスマップが象徴的ですが、最近は、同じマーケットでも、よりターゲットを絞り、専門性を特化させたサービスが増えてきています。だからこそ、あらゆるマーケットにおいてカオスマップのニーズがあるのでしょう。

カオスマップが注目されるマーケットの傾向

また、ユーザーがカオスマップを見る目的を考えてみると、
①興味関心 ②新しいビジネスチャンスの発掘 ③職探し ④競合調査
などが考えられます。

トレンド・話題性から「○○って最近よく聞くけれど、どんなサービスがあるんだろう?」と関心を持つ人も多いでしょうし、「まだサービスが存在しない隙間を探し出して、潜在ニーズに応える新たなビジネスチャンスを見つけたい」と考える人もいるでしょう。これらのモチベーションをより多くの人が抱くマーケット=カオスマップの注目度が高いということ。
つまり、【話題性があり、今後もビジネスの発展が期待される成長市場】ということではないでしょうか。

まとめ

話題性のある成長市場であり、なおかつ、今後ますます拡大する、あるいは細分化したときに新たなビジネスモデルが生み出せるかもしれないという期待感のあるマーケット。そこにおけるカオスマップが注目されており、同時に今勢いのあるマーケットだと言えるでしょう。

<分析概要>
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2017年9月~2019年9月のネット行動ログデータを分析しました。
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※集計期間:2018年9月~2019年8月

この記事のライター

フリーランスPRおよびライターとして活動中。二児の母。

関連する投稿


コロナ禍を乗り越えても人気継続?カーシェア大手4社のアクセス数を分析

コロナ禍を乗り越えても人気継続?カーシェア大手4社のアクセス数を分析

好きな時に好きな時間だけ借りられるという便利なシステムのカーシェア。コロナ禍では公共交通機関を避ける移動手段として注目が集まりました。しかし、コロナウイルスが5類に分類された今でも人気なのでしょうか。カーシェア大手4社(タイムズカー、トヨタシェア、オリックスカーシェア、カレコ)のWebサイトへのアクセス数を分析し、その疑問に迫っていきます。


2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山西 健一郎)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2022年の観光関連Webサイトの年間推計閲覧者数を調査しました。


Most Popular Websites & Apps [2022 Ranking]! Instagram Surpasses Twitter, Ranking 3rd! Increase in Senior Users

Most Popular Websites & Apps [2022 Ranking]! Instagram Surpasses Twitter, Ranking 3rd! Increase in Senior Users

The number of accesses to websites and smartphone apps from January to October 2022 were researched and ranked. The ranking is based on a comparison with the previous year and usage trends by age group. 2022 is characterized by the growth of Instagram, with Instagram becoming the leading social media among seniors.


物価高騰で“ポイ活”系アプリに関心?全世界が熱狂した「2022FIFAワールドカップカタール大会」の影響で「ABEMA」も急増(2022年11月)

物価高騰で“ポイ活”系アプリに関心?全世界が熱狂した「2022FIFAワールドカップカタール大会」の影響で「ABEMA」も急増(2022年11月)

毎月更新のスマートフォンアプリインストール数ランキングTop5をまとめました。今月のランキングでは、自動的にポイントの貯まるアプリ「タウンWiFi 」や「Tポイント×シュフー」といった物価高騰に少しでも役立つ“ポイ活系”アプリがランクイン。そして、様々な番狂せと華麗なプレーの連続で大いに盛り上がった「2022FIFAワールドカップカタール大会」。その全64試合を生中継したことでユーザーを増やした「ABEMA」にも大きな注目が寄せられました。


【2022年ヒット記事集】マーケターが注目した記事は?トレンド・消費者インサイト・業界動向まとめ

【2022年ヒット記事集】マーケターが注目した記事は?トレンド・消費者インサイト・業界動向まとめ

withコロナも3年目となり、外出の自由度が少しずつ戻ってきた2022年。 回復の兆しが見えてきた業界、コロナ禍を逆手に取って勢いを増している業界、と様々見られる中で、世間が注目したマーケティング・トレンドの調査記事はどのようなものだったのか、2022年の人気記事を振り返ります。


最新の投稿


日本テレビ、AR撮影装置を活用した「没入体験型CM」の実証実験を開始 GW期間内に大型ショッピングモール内にて

日本テレビ、AR撮影装置を活用した「没入体験型CM」の実証実験を開始 GW期間内に大型ショッピングモール内にて

日本テレビ放送網株式会社は、日本テレビが事業展開する XR分野のコンテンツ制作および開発支援サービス『日テレXR』において、新たな広告没入体験ができるサービスの実証実験を開始しました。


ギブリー、生成AIがマーケティング業務を支援するサービス「マーケGAI」の提供を開始

ギブリー、生成AIがマーケティング業務を支援するサービス「マーケGAI」の提供を開始

株式会社ギブリーは、生成AI技術を活用してマーケティング業務を自動化・効率化するAIマーケティング支援ツール「マーケGAI」の提供を開始したことを発表しました。


「○○とは」検索に見るトレンドや生活者の気になりごとは?「インボイス」「NISA」「猫ミーム」など

「○○とは」検索に見るトレンドや生活者の気になりごとは?「インボイス」「NISA」「猫ミーム」など

検索エンジンで調べ物をするときによく使われる「〇〇とは」検索。今回は、直近1年間で検索数が多かった注目ワードや、時期によって急上昇したトレンドワードをご紹介します。「とは」検索から見えてくる最新の流行りやみんなの関心事を読み解いていきます。


GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

株式会社mitorizは、消費者購買行動データサービス「Point of Buy®」の会員に対し「大型連休に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

“Oshikatsu” stimulates consumption in Japan. In fact, more than 80-90% of teens answered that they have an “Oshi.” We will deepen our understanding by investigating the current state of the “Oshikatsu” market, behaviors like time and money spent on “Oshikatsu,” and its connection with collaborations, etc. in marketing.


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ