私たちは1ヶ月にいくつのアプリを使っているのか?実際の行動ログから調べてみた

私たちは1ヶ月にいくつのアプリを使っているのか?実際の行動ログから調べてみた

日常生活や仕事に欠かせない便利なツールとなったスマートフォンのアプリ。私たちは無意識のうちに、色々な種類のアプリを使い分けしていますが、1ヶ月にいくつのアプリを使っているのでしょうか。その実態が行動ログを調査することによって、明らかになりました。アプリヘビーユーザーの特徴も分析しました。


朝、目覚めてから、夜、ベッドの中で眠りにつくまで、もはや一日中と言っても過言ではないほど、スマホに触れている人も多いかもしれません。

実際のところ、私たちは1ヶ月にいくつのアプリを使っているのでしょうか。また、アプリをたくさん使っている人に、何か特徴はあるのでしょうか。アプリ行動ログとアンケート調査を用いて、分析しました。

起動したアプリ数の月の平均は?

まず、1ヶ月間に起動したアプリ数の平均値を集計したところ、平均は35.6個(プリインストールアプリ除く)という結果でした。意外と多く感じるかもしれません。

さらに、女性の方が、若い人ほどたくさんのアプリを使う傾向が見られました。女性20代だと平均39個に対し、女性60歳以上は平均29個になっています。

性年代別の平均起動アプリ数

性年代別の平均起動アプリ数

アプリをたくさん使うのはどんな人?

次に、1ヶ月に数多くのアプリを利用する人たちの特徴を見ていきましょう。

1ヶ月のアプリ起動数が50個以上の人たちをセグメントし、アンケート調査やWeb行動ログをユーザー全体と比較してみたところ、以下のような特徴があることがわかりました。

【デモグラフィック】男性がやや多い

下図のグラフの通り、月の起動アプリ50個以上の人たちは、男性が約6割と女性よりもやや多くなっていました。

性年代の比較

性年代

【インターネット利用時間】ブラウザの利用時間も長い

下図はスマートフォンでのWebブラウザの時間別利用推移ですが、平日、休日ともに月の起動アプリ50個以上の人たちの方が利用時間が長くなっています。アプリを使うからブラウザを使わないというわけではなく、総じてスマートフォン利用が多いことが考えられます。

ネット行動時間

ネット行動時間

※スマートフォン標準ブラウザ
※行動ログデータより

【購買情報収集意識】新しいものが好き

アンケート調査では、「新しい商品やサービスが出たら積極的に試している」や「新しい商品やサービスに関する情報を積極的に集めている」の回答率が高く、アプリを数多く使う人は新商品や新サービスに対しても積極的であることがある様子がうかがえます。

購買情報収集意識

購買情報収集意識

【平均支出】外食や旅行、ライブ、スポーツ観戦など趣味にお金をかける

1ヶ月あたりの平均支出を全体と比べると、月の起動アプリ50個以上の人たちは、外食、国内・海外旅行、ライブ、イベント・グッズ購入、スポーツ観戦などの支出額が高い一方で、食費や教育費は支出額が低い傾向にあり、生活費よりも自分の趣味にお金をかける傾向が垣間見えます。

1ヶ月あたりの平均支出

1ヶ月あたりの平均支出

趣味のジャンルも多様で、マップ化すると、スマートフォン・PCなどのデジタル系、カメラ、マネー・投資、レジャー施設・テーマパークなどが特徴的な興味関心であることがわかりました。

月の起動アプリ50個以上の人たちの興味関心マップ

月の起動アプリ50個以上の人たちの興味関心マップ

※縦軸「回答率」はアンケートで「関心あり」と回答した割合、
横軸「特徴値」は全体回答率との差分

【利用アプリ】PayPay、Amazon、楽天、Twitter、コンビニアプリもよく使う

月の起動アプリ50個以上の人たちは、実際にはどのようなアプリをよく使っているのでしょうか。まず、下図は利用率をランキングにしたものです。

1位はLINE、2位のYouTubeも利用率は90%を超えています。

SNSではFacebookよりもTwitterやInstagramが上位にきています。

月の起動アプリ50個以上の人たちのアプリランキング【利用率順】

月の起動アプリ50個以上の人たちのアプリランキング【利用率順】

ユーザー特徴を浮き彫りにするため、全体と比較した特徴値順のランキングも出してみました。PayPay、楽天ペイなどスマホ決済アプリ、Amazon、楽天市場などのショッピングアプリをよく利用しており、オンライン、オフラインの両方の購買でスマホを活用しているようです。

セブンイレブン、ローソンなどコンビニアプリの利用度も一般の人よりも高く、お得になるアプリを日常的に使うことが当然なのかもしれません。

月の起動アプリ50個以上の人たちのアプリランキング【特徴値順】

月の起動アプリ50個以上の人たちのアプリランキング【特徴値順】

※「特徴値」は全体利用率との差分

普段あまり意識されないアプリ起動の数ですが、こうして複数のアプリ横断でアプリヘビーユーザー層の特徴を見てみると、私も当てはまりそう...という方も多いのではないでしょうか。

今回の分析でご紹介した内容の他にも、アプリをたくさん使う人は、どのようなWebサイトによく訪れるのか、Amazonや楽天市場などのECモールでどんなジャンルの商品をよく見ているか...などのデータもあります。また、逆にアプリをあまり使わない人の分析も可能です。

ご興味のある方は、以下よりぜひお問い合わせください。

調査データのお問い合わせはこちら

調査概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国モニター会員の協力により得られたネット行動ログより1ヶ月のアプリ起動回数を調査。起動回数によりユーザーセグメントを作成し、Webログ、アプリログ、ユーザー属性情報を紐付けたデータと、アンケート調査で分析を行いました。
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリ名、カテゴリはGooglePlayのアプリカテゴリに準拠。
※メール、Google Chrome、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは除く。
※集計期間: 2019年10月

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


ユーザー調査 アプリ分析

関連する投稿


「ポケポケ」大ヒットの実態とは? 類似ゲームアプリと利用者データを比較

「ポケポケ」大ヒットの実態とは? 類似ゲームアプリと利用者データを比較

ポケモンのトレーディングカードアプリ「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」が社会現象となっています。リリースから3ヶ月近くが経ち、人気の実態が明らかになってきました。本稿ではそんな「ポケポケ」のMAUやユーザー層を他のゲームアプリと比較することで、流行の要因を分析するとともに、今後の人気について予測していきます。


年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

もうすぐ年末年始。時間のあるこのタイミングで、VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを利用してコンテンツを一気見しよう、という方も多いのではないでしょうか。今回は、「Prime Video」「Netflix」「U-NEXT」「Hulu」「Disney+」それぞれについて、ここ数年の年末年始の集客状況を調査。実際に年末年始に利用者が増えているのか、各サービスでどんなコンテンツに注目が集まっているのかを分析し、来たる2024年の年末年始を占いました。


「ダイエット」検索者は過去2年で減少傾向に? 新型コロナ収束やニーズの多様化が背景か

「ダイエット」検索者は過去2年で減少傾向に? 新型コロナ収束やニーズの多様化が背景か

誰もが一度は考えたことがあるはずのダイエット。特にコロナ禍で外出が制限されていた時期は興味をもつ人が多い状況でした。しかし、最近になって状況は少し変わってきているようです。この記事では、現在もダイエットに関心を持つ人々について分析し、彼らが何に興味を持っているのかを見ていきます。


【調査リリース】4大SNSのヘビーユーザーを比較調査!X利用者はフォロー/シェア等での割引施策参加に積極的、 TikTok利用者は高価でも衝動買いの傾向

【調査リリース】4大SNSのヘビーユーザーを比較調査!X利用者はフォロー/シェア等での割引施策参加に積極的、 TikTok利用者は高価でも衝動買いの傾向

アプローチしたい顧客セグメントに到達するためには、コミュニケーション媒体として適切なSNSを選定し活用することが重要です。数多くの新興SNSも登場する中、どんなユーザーがどのSNSを選び、どのような購買活動をしているのか。今回は4大SNSとも言える、Facebook、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)それぞれのヘビーユーザーの属性、購買動機や興味関心などのサイコグラフィック、メディアの利用状況や消費行動などを調査し、ユーザープロファイルを作成しました。


平成女児に人気再燃のセーラームーンとプリキュアはなぜ数十年にわたり愛される? ファン層の特徴から分析!

平成女児に人気再燃のセーラームーンとプリキュアはなぜ数十年にわたり愛される? ファン層の特徴から分析!

30周年を迎えた「美少女戦士セーラームーン」と20周年を迎えた「プリキュア」。この2つの作品名を聞いたことがない方はいないでしょう。セーラームーンは特に女性人気が高く、プリキュアは男女どちらからも愛されているようです。本記事では、この2つの作品のファンについてより深く分析します。また、ファンの特徴から作品が愛される理由を考察します。


最新の投稿


インフルエンサー活用の選定基準は「商品やサービスとの親和性」!7割が成功を実感するも「購買に繋がらない」課題も【PRIZMA調査】

インフルエンサー活用の選定基準は「商品やサービスとの親和性」!7割が成功を実感するも「購買に繋がらない」課題も【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、インフルエンサーを事業プロモーションに活用したことがあるBtoC業界の企業担当者を対象に「【2025年版】インフルエンサーPRの実態調査」を実施し、結果を公開しました。


博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2024を実施

博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2024を実施

株式会社博報堂DYホールディングスは、全国15~69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者定点調査2024」を実施し、結果を公開しました。


Apple Intelligenceの機能が日本語で利用可能に

Apple Intelligenceの機能が日本語で利用可能に

Appleは、iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4のリリースにより、Apple Intelligenceを日本語をはじめ、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字)、英語(シンガポール)、英語(インド)の8つの新たな言語に対応したことを発表しました。


8割以上がWebサイトの運用に「課題」を実感!そのうち約6割が「分析結果を具体的な改善施策に結びつけられない」【富士フイルムビジネスイノベーション調査】

8割以上がWebサイトの運用に「課題」を実感!そのうち約6割が「分析結果を具体的な改善施策に結びつけられない」【富士フイルムビジネスイノベーション調査】

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、事業会社に勤めており、Web広告の運用に携わっているマーケティング担当者を対象に、Webサイトの継続的改善と効果測定に関する実態調査を実施し、結果を公開しました。


生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

ChatGPTやGeminiをはじめとした生成AIが近年急拡大しています。生成AIではテキストのみならず画像や音声など様々なものを出力できますが、実際はどのように使われているのでしょうか。本稿では、そんな生成AIを利用するユーザーの属性や関心を比較・分析し、各AIとそのユーザーの実態を明らかにしていきます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ