PayPayフリマ、11月のMAUは300万人超え。ユーザー数急上昇アプリ調査

PayPayフリマ、11月のMAUは300万人超え。ユーザー数急上昇アプリ調査

2019年11月にアクティブユーザー数を伸ばしたアプリは? 市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。今回はeMark+を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。11月のトレンドを調査しました。


11月の急上昇アプリランキングを調査

まず、アクティブユーザー数の前月比が高い順にアプリをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

11月の急上昇アプリランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

トップ3はこのアプリ

それでは早速、ランキングの1位から3位までを詳しく見ていきましょう。

1位:アークオーダー

1位は中国最大の動画プラットフォームを提供しているビリビリ社の「アークオーダー」でした。アプリの概要を以下にまとめます。

運営:ビリビリ
特徴:美少女育成シミュレーションRPG
リリース:2019年10月

では次に、このアプリのユーザー数の推移を見ていきましょう。

「アークオーダー」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

アークオーダーのユーザー数は約68万人、前月比+約3656%となっています。

アークオーダーは2018年に中国をはじめ世界各国でリリースが開始されていて、すでに高評価を得ていました。そのため、今回の日本版のリリースへの期待も高く、ユーザー数の急増につながったのではないでしょうか。

2位:アッシュアームズ-灰燼戦線-

2位にランクインした「アッシュアームズ」の概要は以下の通りです。

運営:Cydonia
特徴:戦車、戦闘機等を擬人化した美少女が登場するミリタリーシミュレーションRPG
リリース:2019年10月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「アッシュアームズ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

アッシュアームズのユーザー数は約73万人、前月比+約2061%でした。

アッシュアームズは、実在する兵器を美少女に擬人化し、それを使って人類をおびやかす生命体に立ち向かうという世界観になっています。同時期にリリースされたアークオーダーと比べると、アクティブユーザー数ではややアッシュアームズの方が上回ったという結果になりました。

3位:PayPayフリマ

3位は、ヤフー社のフリマアプリであるPayPayフリマでした。概要は以下の通りです。

運営:ヤフー
特徴:PayPayをつかって決済できる
   PayPayフリマの売上金をPayPay残高にできる
リリース:2019年10月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「PayPayフリマ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

PayPayフリマのユーザー数は約308万人、前月比+約879%でした。

11月のユーザー数急上昇サイトでもランクインしていましたが、アプリでも3位にランクインしたPaypayフリマ。利用で最大20%が還元されるキャンペーンを行い、テレビCMでも認知を訴求することで、アプリのインストール・アクティブユーザー数の獲得に成功したのではないでしょうか。

その他上位にはこんなアプリがランクイン

ここからは上位で興味深いアプリを紹介していきます。

5位:PayPayモール

5位にも、ヤフー社のPayPayモールがランクインしました。アプリの概要は以下の通りです。

運営:ヤフー
特徴:出店基準を満たしたストアのみ出店できる
   「PayPay残高」をお得にためることができる
リリース:2019年10月

それでは、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「PayPayモール」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

PayPayモールのユーザー数は約119万人、前月比+約1035%でした。

こちらでも「PayPayモールで100億円相当あげちゃうキャンペーン」を行っていました。PayPayおなじみのこのキャンペーンに加えて、2020年6月までの経産省のキャッシュレス・消費者還元事業によるポイント獲得がさらにお得感を生み、ユーザー数増加の一因となっていると考えられます。

今回ランクインしていたPayPayフリマとPayPayモールの運営元はYahoo!です。同社はECプラットフォームYahoo!ショッピングも運営していますが、違いはどういった点なのでしょうか。

まず、PayPayモールは出店店舗が約600店舗しかないという点で、約51万店が出店しているYahoo!ショッピングと異なっています。店舗数の違いは出店に必要な審査基準の違いからきており、厳選された店舗のみが集約されているECプラットフォームと言えるでしょう。

そして、急上昇アプリで3位だったPayPayフリマとの違いは、PayPayフリマがメルカリのようにユーズド商品を個人間で売買する「フリマ」であるのに対して、PayPayモールでは出店企業が新品を扱っている点にあります。

いまやキャッシュレス決済市場の覇権を握りつつあるPayPay。関連のECプラットフォームは、Yahoo!ショッピングを超える次の打ち手となるのでしょうか。今後も注目です。

6位:Francfranc Rewards

6位には、インテリアや雑貨、コーディネートなどを幅広く手がけるFrancfrancのアプリ「Francfranc Rewards」がランクインしました。概要は以下の通りです。

運営:Francfranc
特徴:「Fun!」ポイントを貯めることで会員ステージが上がり、ステージに応じた特典がもらえる
   Francfrancおすすめコーディネートや、ユーザーの投稿したコーディネートを見られる
リリース:2019年11月リニューアルアップデート

「Francfranc Rewards」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

Francfranc Rewardsのユーザー数は約37万人、利用前月比+約275%でした。

Francfranc Rewardsは、11月のリニューアルアップデートによって、オンラインショップとの連携などが行われました。また、店舗やオンライン共通のポイントである「Fun!」を貯めることでお得なサービスを利用できるなど、先月の急上昇アプリ記事でも紹介したポイ活も背景にあるのではないでしょうか。

他には、全商品10%オフのキャンペーンが期間中何度でも利用できる点も、アプリユーザー増加に貢献したと考えられます。

7位:はがきデザインキット2020

7位には、日本郵便のはがきデザインキット2020がランクインしました。概要は以下の通りです。

運営:日本郵便
特徴:約400種類の豊富なデザインテンプレート
   ネット印刷にも対応している
   セブンイレブンでのマルチコピー機のプリントにも対応している

次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「はがきデザインキット2020」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

はがきデザインキット2020のユーザー数は約31万人、前月比+約248%でした。

1年前の11月のMAUは約26万人と、昨年よりも利用者数は増加傾向にあります。ネット印刷からそのまま年賀状を送ることができたり、セブンイレブンでのマルチコピー機に対応している点が特徴。年始の年賀状準備のためにアプリを使う人は増えてきているのかもしれません。

まとめ

最後に11月の急上昇アプリと、アクティブユーザー増加の背景をまとめてみます。

1位の「アークオーダー」や2位の「アッシュアームズ-灰燼戦線-」は、ゲームに対する期待値がそのままユーザー数の増加に繋がったといえるのではないでしょうか。特に「アークオーダー」は、元々諸外国での評判も高かったことから急上昇ランキング1位という形で反映されたと考えられます。

また、3位「PayPayフリマ」や5位「PayPayモール」、6位「Francfranc Rewards」は、新リリースに伴ったキャンペーンを行っていました。お得に購買ができるようなキャンペーンは、集客に一定の影響を与えられると言えるでしょう。

そして7位の「はがきデザインキット2020」は、年賀状を書く時期に差し掛かったこともあり需要が増えたことと、ネット印刷からそのまま年賀状を送ることができる等の便利な機能が、ユーザー数増加の大きな理由と言えそうです。

今月のトレンドをぜひ自社のマーケティングやビジネス設計に活かしてください。本記事では急上昇アプリを取り上げましたが、マナミナでは別記事にて毎月の急上昇サイトも定点観測しています。世の中の流れをチェックするためにもぜひご活用ください。

本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。



dockpit 無料版の登録はこちら


関連記事

イケア、ディズニーにマイナポータルAP…アプリでのEC開始や10万円オンライン申請でユーザー数を伸ばしたアプリとは【2020年5月】

https://manamina.valuesccg.com/articles/908

2020年5月にアクティブユーザー数を伸ばしたアプリは? 市場分析ツール「<a href="https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/" target="_blank">eMark+(イーマークプラス)</a>」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。今回は<a href="https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/" target="_blank">eMark+</a>を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。5月のトレンドを調査しました。

2019年に注目を集めた広告キャンペーンは? PayPayやコカコーラなどの事例まとめ

https://manamina.valuesccg.com/articles/691

2019年に集客に成功した広告キャンペーンをまとめました。サイト分析ツール「eMark+」を使い、訪問ユーザー数が前月比で急上昇したものをピックアップしています。広告キャンペーン設計に活かしてみてください。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

日々の疲れを癒し健康的な生活へと回復させるためのサポートとして、医薬品やサプリ、健康食品など、巷にはさまざまな情報が溢れています。中でも最近よく見聞きするのが「リカバリーウェア」。着るだけで疲労感などが軽減されると謳う救世主的な商品ですが、一体どのような物で、どのような人たちの関心を掴んでいるのか、データを用いて検証します。


2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山西 健一郎)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2022年の観光関連Webサイトの年間推計閲覧者数を調査しました。


Most Popular Websites & Apps [2022 Ranking]! Instagram Surpasses Twitter, Ranking 3rd! Increase in Senior Users

Most Popular Websites & Apps [2022 Ranking]! Instagram Surpasses Twitter, Ranking 3rd! Increase in Senior Users

The number of accesses to websites and smartphone apps from January to October 2022 were researched and ranked. The ranking is based on a comparison with the previous year and usage trends by age group. 2022 is characterized by the growth of Instagram, with Instagram becoming the leading social media among seniors.


物価高騰で“ポイ活”系アプリに関心?全世界が熱狂した「2022FIFAワールドカップカタール大会」の影響で「ABEMA」も急増(2022年11月)

物価高騰で“ポイ活”系アプリに関心?全世界が熱狂した「2022FIFAワールドカップカタール大会」の影響で「ABEMA」も急増(2022年11月)

毎月更新のスマートフォンアプリインストール数ランキングTop5をまとめました。今月のランキングでは、自動的にポイントの貯まるアプリ「タウンWiFi 」や「Tポイント×シュフー」といった物価高騰に少しでも役立つ“ポイ活系”アプリがランクイン。そして、様々な番狂せと華麗なプレーの連続で大いに盛り上がった「2022FIFAワールドカップカタール大会」。その全64試合を生中継したことでユーザーを増やした「ABEMA」にも大きな注目が寄せられました。


【2022年ヒット記事集】マーケターが注目した記事は?トレンド・消費者インサイト・業界動向まとめ

【2022年ヒット記事集】マーケターが注目した記事は?トレンド・消費者インサイト・業界動向まとめ

withコロナも3年目となり、外出の自由度が少しずつ戻ってきた2022年。 回復の兆しが見えてきた業界、コロナ禍を逆手に取って勢いを増している業界、と様々見られる中で、世間が注目したマーケティング・トレンドの調査記事はどのようなものだったのか、2022年の人気記事を振り返ります。


最新の投稿


みんなの注目キーワードは?週間検索トレンドランキング(2025/05/05〜2025/05/11)

みんなの注目キーワードは?週間検索トレンドランキング(2025/05/05〜2025/05/11)

ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」をもとに、週次の検索急上昇ワードランキングを作成し、トレンドになっているキーワードを取り上げます。


オプト、新サービスに必要な検証をスピーディーに実現するAI駆動型の超高速プロダクト検証支援サービスの提供を開始

オプト、新サービスに必要な検証をスピーディーに実現するAI駆動型の超高速プロダクト検証支援サービスの提供を開始

株式会社オプトは、生成AIを活用したAI駆動型プロダクト検証支援サービス「DIGGIN’ ZERO(ディギンゼロ)」の提供を開始したことを発表しました。


BCG、年間消費額1,000万円以上の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を公開

BCG、年間消費額1,000万円以上の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を公開

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、「年収3,000万円以上かつ年間消費額1,000万円以上」の日本の消費者を対象に「BCG高額消費者調査」を実施し、結果を公開しました。


レジリエンス経営 ~ 危機を乗り越えて

レジリエンス経営 ~ 危機を乗り越えて

物理学をはじめ、精神医学や心理学、果ては経営に関わる概念としても応用されている「レジリエンス」。この広範囲な分野で活用される「レジリエンス」とは、広義で捉えると柔軟性・回復・復興といったところでしょうか。まさに現代の社会的にも企業の経営的にも必要とされている「レジリエンス」について、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が体系的に解説します。


SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方を対象に、「2025年最新版 SNS広告の購買行動調査」を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ