ファーストリテイリングのStyleHintが1位に輝く。10月の急上昇アプリ調査

ファーストリテイリングのStyleHintが1位に輝く。10月の急上昇アプリ調査

2019年10月にアクティブユーザー数を伸ばしたアプリは? 市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。今回はeMark+を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。10月のトレンドを調査しました。


10月の急上昇アプリランキングを調査

まず、アクティブユーザー数の前月比が高い順にアプリをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

10月の急上昇アプリランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

トップ3はファストリ、楽天、LINEのアプリ

それでは早速、ランキングの1位から3位までを詳しく見ていきましょう。

1位:Style Hint

1位はUNIQLOやGUを運営するファーストリテイリング社の、着こなし発見アプリ「Style Hint」でした。アプリの概要を以下にまとめます。

運営:ファーストリテイリング
特徴:UNIQLOやGUの商品を使ったコーディネートの閲覧に加え、自分でも投稿ができる
   アプリ内で気に入った商品を購入できる
   インスタグラム連携あり
   画像からスタイルを検索できる
対象:UNIQLOやGUを使用する人
   お手頃なアイテムをつかったファッションが気になる人
リリース:2019年10月

では次に、このアプリのユーザー数の推移を見ていきましょう。

「Style Hint」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

StyleHintのユーザー数は約40万人、前月比+1929%となっています。

今年8月20日から試験運用を行っていたStyleHint。公式リリースは10月24日でしたが、10月終了時点で既に40万人がスマホに入れて利用していたことが分かりました。

約65万人のフォロワーを持つUNIQLO公式TwitterなどのSNSアカウント、そして全国に展開している実店舗といったマルチチャネルでのリーチを獲得できる点が、StyleHintの初速の大きさに寄与していることは言うまでもないでしょう。

ただそれだけではなく、女優の今田美桜さんなどのインフルエンサー活用を行ったり、アプリダウンロードで500円オフクーポンを付与したりといった多面的なプロモーションを展開。11月からはユーザーからのコーディネート投稿キャンペーンを行うなど、UGC(User Generated Content)の仕掛けも入れたユーザー参加型のアプリ設計となっています。

画像認識による画像検索機能といったテクノロジーも盛り込まれており、上質なユーザー体験を提供しながら興味に沿ったコンテンツで間口を広げるのがStyleHintの狙いでしょうか。今後の浸透具合に期待が高まります。

2位:RakutenPasha

2位にランクインした「RakutenPasha」の概要は以下の通りです。

運営:楽天
特徴:店舗で買ったレシートを送るだけで楽天ポイントがもらえる
   一定の基準を満たすと楽天市場でのお買い物ポイントが0.5倍に増える
対象:楽天ユーザー
リリース:2019年9月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「RakutenPasha」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

ユーザー数は約33万人、前月比+約1425%になっています。

RakutenPashaを使うメリットとしては、実店舗でのショッピングが楽天ポイントとして還元されるため、楽天ユーザーなら使えば使うほどお得になるという点でしょう。また10月から、同アプリが楽天市場でのポイント還元率アッププログラム「楽天SPU」の対象に組み込まれたことも影響していると思われます。

10月の消費増税を期に、ポイントを使ってお得に生活をする「ポイ活」も注目されてきました。こうした社会背景もアプリの利用者数増加に貢献したのではないでしょうか。

3位:LINE STEP

3位はお出かけ情報アプリ「LINE STEP」でした。このアプリの概要は以下の通りです。

運営:LINE
特徴:日本全国の人気スポットを写真で探すことができる
   スポットを投稿、レビューを書くなどしてSTEPマイルを獲得、LINEポイントに交換可能
   貢献度に応じてSTEPマイルが付与されるなど、投稿するほど自分に返ってくるシステム
対象:LINEユーザー
リリース:2019年7月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「LINE STEP」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

ユーザー数は約66万人、前月比+約428%となっています。

LINE STEPが伸びた理由のひとつには、2位のRakutenPashaと同様「ポイ活」の影響が考えられます。アプリで貯めたポイントはLINE Payでの支払いに使うことができ、キャッシュレス決済によるポイント還元とも相性がよいでしょう。

LINE STEPではこの時期に合わせ、特定のスポットについて投稿すると追加ポイントがもらえるキャンペーンも行っていました。これらの施策が功を奏し、10月の利用者数急上昇につながったのではないでしょうか。

その他上位にはこんなアプリがランクイン

ここからは4位以下で興味深いアプリをピックアップしていきます。

5位:東京防災アプリ

5位には「東京都防災アプリ」がランクインしていました。概要は以下の通りです。

運営:東京都総務局総合防災部防災管理課
特徴:「あそぶ」「まなぶ」「つかう」がコンセプトのアプリ
   タップするとブザーが作動し、予め登録した家族や友人へ位置情報付メールを配信
対象:東京都を生活圏に持つ人
リリース:2018年3月

ではユーザー数の推移を見ていきましょう。

「東京都防災アプリ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

ユーザー数は約26万人、前月比+約127%となっています。

1年以上前にリリースされていたにも関わらず今年の10月に急上昇した理由は、10月に関東地方を中心に上陸した台風19号の影響で防災意識が高まったためかと考えられます。

6位:ポイント還元対象店舗検索アプリ

6位には「ポイント還元対象店舗検索アプリ」がランクインしました。

運営:キャッシュレス推進協議会
機能:マップを用いて現在地から対象店舗検索
   還元率や決済手段から対象店舗の絞り込み
   登録不要
対象:キャッシュレス決済でお得に買い物をしたい人たち
リリース:2019年9月

では、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「ポイント還元対象店舗検索アプリ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

ユーザー数は約300万人、前月比+117%でした。

2位、3位のRakutenPashaやLINE STEPに加え、ここでもキャッシュレス決済関連アプリがランクインしていました。やはり10月の消費税増税に伴う「キャッシュレス決済時のポイント還元」政策は、消費者のスマホ利用に影響をもたらしていると言えるでしょう。

8位:しまコレ

しまコレの特徴は以下の通りです。

運営:しまむら
機能:しまむらの商品を指定した店舗に取り寄せできる
   手数料、配送料無料
対象:しまむらユーザー
リリース:2019年1月

次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「しまコレ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

ユーザー数は約39万人、前月比約+105%でした。

しまコレアプリが10月に前月比で2倍ほどにアクティブユーザー数が伸びたことについて、はっきりとした理由は分かりませんでした。ただ、アプリダウンロードで「ともだちはくま」のLINEスタンプがもらえるキャンペーンや、サンリオ公式の着せ替えアプリ「ハロースイートデイズ」とコラボしたキャンペーンが行われており、これらが利用者数に寄与した可能性が考えられます。

まとめ

最後に10月の急上昇アプリと、アクティブユーザー数の増加の背景をまとめてみます。

10月のアプリ利用に大きな影響を与えていたのは、消費増税に伴った「ポイ活」への注目だと言えるでしょう。ランキングの2位「RakutenPasha」や3位「LINE STEP」、6位の「ポイント還元対象店舗検索アプリ」は、まさにこうした10月の状況を反映していると考えられます。

一方、1位となった「StyleHint」はファーストリテイリング社のアプリマーケティングの施策です。画像検索機能などのテクノロジー活用、「コーディネート」切り口でユーザーの興味に寄り添う点、インフルエンサー活用やユーザー投稿の仕組みなど、マーケティング業界のトレンドをしっかりと押さえた取り組みが効いたのではないでしょうか。

今月のトレンドをぜひ自社のマーケティングやビジネス設計に活かしてください。本記事では急上昇アプリを取り上げましたが、マナミナでは別記事にて毎月の急上昇サイトも定点観測しています。世の中の流れをチェックするためにもぜひご活用ください。

国交省、東京モーターショー、モンストのキャンペーン……。10月の急上昇サイトを調査しました

https://manamina.valuesccg.com/articles/648

2019年10月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? 市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトをランキング化し、10月の急上昇サイトを調査しました。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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