2019年、注目を集めたキャンペーンは?
2019年に注目を集めた広告キャンペーンをまとめてみました。サイト分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使い、前月比で訪問ユーザー数が急上昇した広告キャンペーンサイトをピックアップしています。
それでは早速、集客に成功した広告キャンペーンを見ていきましょう。
1月:ダノン
1月はヨーグルトで有名なダノンジャパン公式サイトが人気を集めました。
ユーザー数推移は以下の通りです。
「ダノン」のユーザー数推移(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)
2019年1月のユーザー数は約164万人、前月比約1001%の上昇となりました。これほどまでに注目を集めたのは、この期間に行われた2種類のキャンペーンが関係しているようです。
1つはパッケージに「くまのプーさん」がデザインされたダノンの商品「oikos」が期間限定で発売されたキャンペーンです。
「おしゃれなクッキングアイテムやグラノーラボール&マグが当たるかも?」とあり、景品をインセンティブにしたキャンペーンだったことがうかがえます。
またもうひとつ、キャンペーンサイトでくじをひき、当日中に対象商品を買うと必ずTポイントがもらえるキャンペーンも開催されました。
2月:PayPay
2月はQRコード決済アプリで有名なペイペイが再び注目をあつめました。
2月の訪問ユーザー数は約271万人、前月比で約67%の上昇となっています。PayPayでは、2月12日から、100億円キャンペーンの第2弾が行われました。その影響で、既に一定数のユーザーを獲得していたPayPayが再び注目を集めたのではないでしょうか。
3月:Sony Reader Store
3月に急上昇したサイトはSony Reader Store でした。このサイトは、ソニーミュージックエンタテインメントが運営する電子書籍・電子コミックストアであり、国内最大級の10万冊以上の書籍数を誇っています。
3月のユーザー数は約169万人 、前月比で約160%上昇となっています。そんなSony Reader Storeでは、以下のようなキャンペーンが開催されていました。
このキャンペーンは、Xperiaユーザー限定で99%オフのクーポンを新規入会者にプレゼントするというものです。金銭をインセンティブに、Xperiaユーザーにお得なキャンペーンを展開することで注目を集めたものと思われます。
4月:日比谷花壇母の日コム
4月は日比谷花壇母の日コムが注目を集めました。このサイトは母の日のプレゼント専用のオンラインショップです。4月の訪問ユーザー数は約113万、前月比で約7690%の上昇となりました。
メルマガ登録をすると抽選でプレゼントが当たるキャンペーンが行われました。5月12日の母の日に向けてプレゼントへの関心や需要が高まり、そうしたユーザーに向けてのキャンペーンが上手くマッチしたとみることができるでしょう。
5月:東京2020公式チケット販売サイト
5月は、東京2020公式チケット販売サイトが人気でした。訪問ユーザー数は約597万、前月比で約894%の上昇でした。東京オリンピックの各チケットの第一次申し込み期間が5月9日から28日ということもあり、その影響でサイトへのアクセスが増加したと考えられます。
6月:dグルメ
6月には、ドコモが運営するdグルメに注目が集まりました。dグルメは、レストランやレシピの情報など、食の総合的な情報を扱っているサイトです。
こちらは、6月のユーザー数が約115万、前月比で約136%上昇しています。dグルメでは、以下のようなキャンペーンが開催されていました。
dグルメの4周年を記念して、アクセスするとdポイントがたまるキャンペーンを期間中毎日実施しており、これがUU数の増加に寄与したのではないでしょうか。
7月:ポケットモンスター
7月に注目を集めたサイトはポケットモンスターでした。ユーザー数約196万 、前月比約170%上昇しています。
株式会社ポケモンセンターの採用コンテンツとして、ポケモン自己分析という一風変わったコンテンツが展開されていました。ポケモン自己分析は、質問に回答することで診断結果をポケモンに例えて教えてくれるというもの。就活生なら誰もが試みたことのある自己分析をポケモンに例える、というキャッチーさが受けて注目を集めたと言えるでしょう。
8月:ハウス食品
8月はハウス食品へのアクセスが急上昇しました。こちらではユーザー数約113万人、前月比で約208%の上昇となっています。ハウス食品では以下のようなキャンペーンが開催されていました。
ハウス食品では、東京ディズニーリゾートのハロウィーンプレミアムパーティーが当たるキャンペーンを行っていました。ディズニーのキャラクターは「バーモントカレー」などのファミリー向け商品との相性が良く、注目が集まったのではないでしょうか。
9月:Coca-Cola Park
9月に急上昇したのは、コカ・コーラの会員サイトであるCoca-Cola Park。ここでは 、ユーザー数約261万人、前月比で約123%上昇していました。
9月には次のようなキャンペーンが行われていました。
これは、対象商品を購入するとドバイ旅行が当たるキャンペーンです。合わせて同時期にテレビCMを打ち、キャンペーンをうまく拡散したことによってサイトへのアクセスを増加させたと考えられます。
10月:モンスターストライク
10月にはモンスターストライクが注目を集めました。こちらのサイトではユーザー数135万人 、前月比で約215%上昇しています。
モンスターストライクでは外食産業5社と手を組んだ超肉祭キャンペーンを行っていました。この超肉祭では実際に店舗で使えるクーポンが手に入るキャンペーンということもあり、注目が集まったと考えられます。
11月:EneKey
11月はEnekeyが急上昇しました。Enekeyとは、ENEOSセルフで使える新スピード決済ツールです。
このサイトではユーザー数173万人、前月比で881%上昇となっています。
ツール自体は2019年7月からリリースしていましたが、11月に急上昇した理由としては下記のようなキャンペーンを行っていたことが考えられます。
このキャンペーンは、EneKeyを利用してガソリンまたは軽油を購入するとオリジナルガンダムグッズやAmazonギフト券が当たるというキャンペーンでした。ガンダムを絡めたことで、車に乗るユーザーに上手く訴求できたのではないでしょうか。
まとめ
最後に今回取り上げた広告キャンペーンをまとめます。
サイト訪問者数が増加し、集客がうまくいったキャンペーンは、インセンティブで分けて考えれば大きく次の3つだと言えるでしょう。
1.ポイントやクーポンのような金銭インセンティブ
ダノンやPayPay、Sony Reader Store、dクラブなど
2.キャラクターを活用
ダノンやポケモン、ハウス食品、モンスト、Enekey
3.ターゲットユーザーの興味を惹く景品をインセンティブに
ダノンや母の日コム、ハウス食品、Coca-Cola Parkなど
これら複数の要素を組み合わせたキャンペーン設計のものもあり、各社とも工夫が見られます。自社のことを知ってもらいたいユーザーに、どのようなキャラクターや景品がマッチするかを考えたインセンティブが設計が重要でしょう。
今回のまとめを用いて、ぜひ今後の広告キャンペーン設計に活かしてみてください。
全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2019年1月~11月のネット行動ログを分析しました。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
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