JR山手線の新駅がいよいよ開業。再開発で日本の「ゲートウェイ」となるか【2020年トレンド予測】

JR山手線の新駅がいよいよ開業。再開発で日本の「ゲートウェイ」となるか【2020年トレンド予測】

マナミナ編集部が2020年のトレンドをデータで予測する企画。今回は、3月14日にいよいよ開業するJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」を取り上げます。公開された新駅では無人コンビニやロボット清掃などのテクノロジーも活用。世界への玄関口を目指す「高輪ゲートウェイ」の姿に迫りました。


今年3月に開業「高輪ゲートウェイ」

マナミナ編集部が2020年に話題になりそうなトピックを、データで調査する連載企画「2020年トレンド予測」。これまでに取り上げたトレンドは次の記事にまとめています。

2020年のトレンドをデータを使って大予測!マナミナ編集部が選んだ7つのテーマとは

https://manamina.valuesccg.com/articles/677

2020年は一体どんな年になるのでしょうか? 「まなべるみんなのデータマーケティングマガジン」マナミナの編集部が、データを使いつつ2020年に流行しそうな7つのトレンドを予測しました。

さて、今回取り上げるのは49年ぶりのJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」。田町〜品川間に建設され、いよいよ今週の3月14日に開業します。先日、新宿駅を歩いていたら高輪ゲートウェイの開業を知らせる交通広告が構内に貼られていました。オープンに向けてJR東日本社も周知を図っているようです。

そんな新駅・高輪ゲートウェイは、カタカナ語が使われた独特な名称で話題を集めました。名前の背景には、高輪を含む品川エリアの再開発により国際競争力を高め、「世界への玄関口」を目指す意図があると言われています。

高輪ゲートウェイ開業により、2020年の街の姿はどう変わっていくのでしょうか。紐解いていきます。

「高輪ゲートウェイ」の検索数は

まず、人々の高輪ゲートウェイに対する関心度合いを調べてみましょう。株式会社ヴァリューズが提供するネット行動分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」では、特定キーワードの検索ボリュームや流入先コンテンツなどのデータを簡単に出すことができます。

そこでeMark+を使って、「高輪ゲートウェイ」が含まれる検索のセッション数を過去1年にわたって集計してみました。次の図をご覧ください。

グラフを見ると、2019年11月に大きく山ができていることが分かります。その理由は何なのでしょうか。

11月16日には高輪ゲートウェイ駅の工事のために山手線が運休に。山手線の運転見合わせを伴う工事はJR東日本発足後では初めてらしく、SNSなどでも大きな話題になりました。

また同じ日には報道陣に新駅が公開されています。これらの出来事が検索数の上昇に寄与したのでしょう。

今年に入ってからも「高輪ゲートウェイ」関連検索数は増加傾向にあることがグラフから読み取れます。最近の新型コロナウイルスによる影響も懸念されますが、3月の開業のタイミングでは一層大きな話題となるのではないでしょうか。

テクノロジーを押し出す新駅

ここからは、高輪ゲートウェイ駅とその周辺がどのようなトピックで話題を集めていくのか、将来の姿を考えていきます。

まず高輪ゲートウェイの特徴として挙げられるのはテクノロジーでしょう。高輪ゲートウェイ駅は「未来の駅」と位置づけられており、無人コンビニ「TOUCH TO GO」や、清掃・案内ロボットも導入されます。

無人コンビニ「TOUCH TO GO」のイメージ図

TOUCH TO GOはウォークスルー型の完全キャッシュレス店舗。カメラなどの情報からユーザーと手に取った商品をリアルタイムに認識し、決済エリアにユーザーが立つとタッチパネルに商品と購入金額を表示します。

海外ではAmazonGoが省人化店舗を既に展開しています。その目的は人件費の削減のみならず、顧客の行動データを販売商品に活かすなどのマーケティング活動も含まれます。(参考:『進化したAmazon Go新型店 データを棚構成と品ぞろえに生かす』)

高輪ゲートウェイ駅での「TOUCH TO GO」が広く認識されるようになれば、国内小売店舗の形も変わっていくのではないでしょうか。

竹芝でも進むスマートシティ化

高輪が含まれる品川エリアは、国の規制緩和や法的な優遇策を活用し、欧米のグローバル企業のアジア拠点を東京に誘致しようという「アジアヘッドクォーター特区」構想に東京都から選ばれている地区でもあります。

それを踏まえてJR東日本は「新駅で世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指す」としています。テクノロジーの活用により先進的な駅づくりを行い、ビジネスに適した先進的な街であるというイメージを作る。そして海外企業を誘致し、投資を集める。そこに「ゲートウェイ」という名称の意図があるようにも考えられます。

このようなテクノロジーを活用した街づくり「スマートシティ」の動きは、世界への見本市でもあるオリンピックを控え、東京各地で進んでいます。例えば竹芝エリアはソフトバンクが新本社を構える場所でもあり、「スマートシティの実験場」として位置づけられています。

ソフトバンク新本社は5GやIoTを活用したスマートビル。電車の状況や天候、ビル内部の来訪者などのデータをリアルタイムに集め、ビル内の店舗運営やセキュリティに活かすようです。さらにビルだけでなく竹芝エリア全体でそのデータを利活用する、スマートシティの実験も行っていくと記事内では言及されています。

高輪ゲートウェイ駅が誕生する高輪エリア、またソフトバンクを中心にスマートシティの実験を行っていく竹芝エリアは、いずれも東京の湾岸地域。まさに東京の玄関口と言える場所です。

高輪は古くは江戸時代から、日本各地に延びた街道が通じていた地という歴史を持っています。そして今後は国際的な「ゲートウェイ」としての機能を担うことになるでしょう。変わっていく街や人の流れから目が離せません。

この記事のライター

マナミナ編集部でデスクを担当しています。新卒でメディア系企業に入社後、フリーランスの編集者・ライターとして独立。マナミナでは主にデータを活用した取り組み事例の取材記事を執筆しています。

関連する投稿


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第15弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「バレンタイン」「大学受験」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。 お菓子の手作り・購入のみならず、推し活やファッションにも広がるバレンタイン市場の様子や、大学受験にまつわるマーケティング・消費行動など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


DAC、生成AIを活用しワンストップでインフルエンサー施策を支援するサービスを提供

DAC、生成AIを活用しワンストップでインフルエンサー施策を支援するサービスを提供

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社は、生成AI機能を活用し、インフルエンサーの選定からデータクリーンルーム分析による広告効果の可視化までをワンストップで支援する「インフルエンサーAIナビ」の提供を開始することを発表しました。


トレンドは「コスパ×タイパ」? キーワード検索から紐解くその理由

トレンドは「コスパ×タイパ」? キーワード検索から紐解くその理由

2023年のヒット商品から推測される「コスパとタイパの掛け合わせ」。なぜこのトレンドが昨年注目を集めたのか、なぜここまでパフォーマンスにこだわるのか。関心を持つ人の属性やニーズについて、検索データから分析します。


LINEヤフー、LINEのトークルームでユーザーからの質問や相談にAIが答えるサービスを提供開始

LINEヤフー、LINEのトークルームでユーザーからの質問や相談にAIが答えるサービスを提供開始

LINEヤフー株式会社は、コミュニケーションアプリ「LINE」内で、OpenAIのAPIなどを利用し、トークルームでユーザーからの質問や相談に答えるサービス「LINE AIアシスタント」の提供を開始したことを発表しました。


KDDI、メタバース・Web3サービス「αU」とGoogleの「Geminiモデル」で、身近に体験できる生成AIサービスを提供

KDDI、メタバース・Web3サービス「αU」とGoogleの「Geminiモデル」で、身近に体験できる生成AIサービスを提供

KDDI株式会社は、2024年2月26日より、同社が運営するメタバース・Web3サービス「αU」と Googleが提供する生成AIモデル「Gemini Proモデル」などを連携し、身近に生成AIを体験できる取り組みを開始することを発表しました。


最新の投稿


広報・マーケティング担当者の約9割がPR施策に悩み・失敗を実感【リンクアンドパートナーズ調査】

広報・マーケティング担当者の約9割がPR施策に悩み・失敗を実感【リンクアンドパートナーズ調査】

株式会社リンクアンドパートナーズは、上場企業に勤めており、PR施策を行っている広報担当者・マーケ担当者を対象に、「上場企業のPR施策の実態に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


推し活は生活の一部?時間もお金も、約4割を「推し活」に費やしている【博報堂・SIGNING調査】

推し活は生活の一部?時間もお金も、約4割を「推し活」に費やしている【博報堂・SIGNING調査】

株式会社博報堂、博報堂DYグループの株式会社 SIGNING は、生活者発想で経営を考える研究開発・社会実装プロジェクト「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」の活動の第二弾として「オシノミクス プロジェクト」を発足、「オシノミクス レポート」を発表しました。


サイバーエージェント、Amazon Ads運用最適化ツール「PARADE」を開発 リアルタイムな情報管理が可能に

サイバーエージェント、Amazon Ads運用最適化ツール「PARADE」を開発 リアルタイムな情報管理が可能に

株式会社サイバーエージェントはインターネット広告事業において、Amazon Adsにおける運用最適化ツール「PARADE(パレード)」を開発したことを発表しました。


企業イメージ経営 ~ キャラクターの威力

企業イメージ経営 ~ キャラクターの威力

企業イメージと聞き、最初に思いつくのはロゴでしょうか、色でしょうか、それともキャラクター?昨今では、キャラクターを用いての広告戦略は企業だけでなく、地域おこしなど、あらゆるところで目にするようになりました。誰も彼もが深い意味もなく「かわいい」と愛着を感じてしまう「ゆるキャラ」や企業のイメージキャラクター。実はそこに認知心理学が深く関わっているようです。本稿では人心を捉えるために計算尽くされたキャラクターの威力について、株式会社創造開発研究所所長を務める渡部数俊氏が解説します。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第15弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「バレンタイン」「大学受験」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。 お菓子の手作り・購入のみならず、推し活やファッションにも広がるバレンタイン市場の様子や、大学受験にまつわるマーケティング・消費行動など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ