Google Analytics分析をしてスピーディーにサイト改善を進めたい。ビジネスマッチングの「リカイゼン」が取った手段とは

Google Analytics分析をしてスピーディーにサイト改善を進めたい。ビジネスマッチングの「リカイゼン」が取った手段とは

外注先のパートナー企業を探せるビジネスマッチングサービス「リカイゼン」。かねてからGA(Google Analytics)を分析してサイト集客の改善を行っていましたが、GAには項目がたくさんありすぎて、効率的に分析するにはどうすべきか悩んでいたと言います。そんなリカイゼンが打った手とは何だったのでしょうか。サービスを運営するリトライブ株式会社・代表取締役の佐藤さん、Webサイト集客担当の吉田さんにマナミナ編集部がお話を聞きました。


GA分析はデータの優先度づけが難しい

——本日はリカイゼンさんがGA分析をどのようにサイト集客の改善に活かしたのかお聞きしたいと思います。まず、ビジネスマッチングサイト「リカイゼン」のサービス概要を教えてください。

佐藤元紀さん(以下、佐藤として敬称を略させていただきます):リカイゼンのサービスを一言で言うなら、企業間の受発注活動を支援するビジネスマッチングサービスです。掲載企業の実績・ポートフォリオを比較して、相見積もりを取ったり外注先を探したりできるWebサイトを運営・提供しています。

リトライブ株式会社 代表取締役
佐藤元紀(さとう・もとのり)さん

佐藤:サイトには主にWebデザインやシステム開発など、制作系の企業様が多く掲載されています。ビジネスモデルとしては、掲載企業様から利用料を頂き、外注先を探すユーザーは完全無料で使える。いわゆる「マッチングビジネスモデル」と言われているビジネス形態です。

ビジネスマッチングサイト「リカイゼン」のWebサイト。システム開発、
Webデザイン、サイト構築、コンテンツ制作、アプリ開発などのメニューが並ぶ

——ということは、リカイゼンで見積もり比較をしたい訪問者をどれだけ集められるかがビジネス上で重要になってくるのですね。

佐藤:まさにそうですね。集客は主にSEOなどのWebマーケティング施策で行っており、施策分析のためにGAで分析を行っています。

——そうした中で、GA分析について悩みがあったとお聞きしています。

佐藤:はい。Webサイトへの集客に関しては吉田が担当してくれています。彼女は新卒6年目で、もともとは現場で営業を経験したあとWebマーケティングの部署に移りました。そのため、マーケティング実務の経験がほとんどない状態からスタートしたんです。

リトライブ株式会社 ReKaizenユニット 事業企画局 局長代理
吉田真帆(よしだ・まほ)さん

吉田真帆さん(以下、吉田):最初はマーケティング関連の書籍を読んだりして、独学でWebマーケティングの知識を身につけていきました。今では実務にも慣れてきましたが、GAはいろいろなデータが見える反面、情報量が多すぎて…。より効果に繋がるポイントを見つけるために、どのデータに着目して、優先順位をつけてWebサイト改善を行っていくべきか、スピードが求められる中で瞬時に判断していくのが難しいと感じていました。

佐藤:GA分析によるサイト改善は、データをサマライズして施策に落とし、実行する流れだと思います。それが全くできていなかったわけではないですが、よりスピード感を持って動かしていきたいという思いを抱えていました。

分析レポートだから発見できたサイトの課題点

——そこで今回、リカイゼンさんはGA分析のレポーティングサービス「eMark+ Prep(イーマークプラス プレップ)」を試してみたそうですね。どんな点に期待していたのでしょうか?

佐藤:まずはGAデータのまとめ方について、レポートを見ればざっくりと分かるようになるのではないかと期待していました。「こういうふうにデータを見ればいいんだな」と吉田も理解が深まり、分析の効率も上がるだろうと考えていましたね。

——なるほど。GAデータのまとめ方が分かることが1つのポイントだったのですね。

佐藤:そうです。さらに、実際の施策にも活かす狙いがありました。例えばSEO対策のキーワードです。レポートにはヴァリューズさんのサイト分析ツール「eMark+」のデータも含まれていて、競合の動向や狙いどころのキーワードもレコメンドしてくれる。第三者データとともに自社データがレポーティングされるので、マーケティング施策に直結すると期待していました。

——では実際にレポートを見て、新しい発見や気づきなどはありましたか?

吉田:今まで見過ごしていた点が多くあったと気づきましたね。例えば訪問ユーザーのデモグラ属性にしても、今までの経験則からおおよそは把握していました。しかし今回サマリーで見たときに、25歳〜34歳の比較的若い層が多いことをあらためて発見したんです。

リカイゼンの利用シーンのひとつは、上司から外注先探しを依頼された若手ビジネスマン層が使うタイミングかも、と再確認しました。レポートとしてまとめられていたからこその発見だったと思います。

——デモグラ属性も見てはいたものの、グラフ化されたことで今まで見過ごしていた事実が分かった、と。

吉田:そうですね。あとは、SEOやリスティング広告のためのキーワード分析も役に立ちました。今まではGoogleのキーワードプランナーから取り出した「発注」のようなワードを使っていましたが、それ以外の効果的なキーワードが分からなかった。レコメンドしていただいた対策ワードを現在、施策として実行に移しています。

「eMark+ Prep」レポートのキーワード分析サマリー。自然言語処理の「Word2Vec」という手法を使い、共によく検索されるキーワードや、類似キーワードを可視化している。

——もともとの狙いだった集客施策にも活かせているのですね。では佐藤さんはいかがでしょうか。

佐藤:私は個人的に、競合サイトの流入元比較レポートが印象的でした。なかなか見られないデータだと思いますし、流入チャネルごとの市場性が見えます。これはとても興味深かったですね。

「eMark+ Prep」レポートのヴァリューズ独自データによる競合の流入元比較サマリー。リカイゼンを含めた3サービスのサイト流入状況を数字で示している。

佐藤:競合の流入状況は感覚では理解していましたが、経路を内訳まで分けて、具体的に数字で把握できたのは大きいと思います。このようなデータを見ながら、ベンチマークとして自社サービスに活かせる部分を見つけて改善に取り組んでいきたいですね。

レポートでの効率化が現場の助けに

——レポートを考察することで、SEOやリスティング広告、注力すべき流入チャネルが見えてきたのだなと思いました。その他にもレポートを活かした取り組みはあるのでしょうか。

吉田:例えば、リカイゼンサイト内では「お役立ち記事」というページでコンテンツを公開していますが、PVは多いもののCV率が高くないことが見えてきました。そこで、特にPVが多い記事の中に問い合わせボタンを設置する施策を始めています。

佐藤:あとは、eMark+の行動ログデータから、サービス名である「リカイゼン」と会社名の「リトライブ」とを混同してしまい、迷っているようなユーザー像が見えてきたんです。このようなカスタマージャーニーの理解をもとに、営業の架電の際には「リカイゼン」に統一するという改善も行いました。

——サイト集客だけでなく、コンバージョンまでの導線改善や営業手法の改善にまで役立つ示唆が発見できた、と。

佐藤:そうですね。実際、レポートの各ページで違った「インサイト」や「発見」があり、集客・CV導線・営業手法など異なる目的で使えると感じました。

吉田:レポート全体の感想としては、サイト改善における優先順位をつけられなかった状態から、優先すべきページや判断軸がまとめられて分かったのはとても大きかったですね。

佐藤:実は私たちは社員15名くらいの規模感のベンチャー企業です。吉田は広報などの業務も含めてマルチにカバーしてくれていて、現状ではなかなかWebマーケティングだけに100%の時間を割けない状態なんです。今回のGA分析レポートで効率化が進められ、良かったなと思いますね。

——他の企業でも広報担当の方がWebマーケティングもカバーしている状況は多いのではないかと思います。入り口としての集客やCV率の改善に対して、eMark+ Prepのような分析レポートを活用してデータドリブンで取り組めば効率化につながると感じました。今日はGA分析の実際から、現場でのアウトプットまでのお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

様々な業務を抱える自社サイト担当者のサイト分析を支援する「eMark+Prep(イーマークプラス プレップ)」は、競合・消費者動向の分析サービスであるeMark+と自社のGoogleアナリティクスのデータを統合して簡易的に自社サイトの動向を分析できるレポートサービスです。

eMark+Prepに関するお問い合わせ、資料請求は以下ボタンよりフォーム入力へお進みください。

資料請求はこちら

この記事のライター

マナミナ編集部でデスクを担当しています。新卒でメディア系企業に入社後、フリーランスの編集者・ライターとして独立。マナミナでは主にデータを活用した取り組み事例の取材記事を執筆しています。

関連する投稿


リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

コロナ禍を経て活況が戻った観光業において、データドリブンの施策を展開する広島県観光連盟(HIT)。本稿では「圧倒的な顧客志向」を掲げるHITでの、VALUESのデータ分析伴走支援サービスを通じたチャレンジに迫ります。


キーワードは「価値創造」。日本のマーケティングの未来像を語る【日本マーケティング協会会長 藤重氏×ヴァリューズ代表 辻本】

キーワードは「価値創造」。日本のマーケティングの未来像を語る【日本マーケティング協会会長 藤重氏×ヴァリューズ代表 辻本】

コロナ禍を経て大きく変わりつつある企業の経済活動。日本企業のマーケティング活動の現在地と未来図、そしてマーケターが取り組んでいくべきことは何か。日本マーケティング協会会長 藤重氏とヴァリューズ代表 辻本による対談をレポートします。


Tableau2023.3でGA4コネクタが使えるようになりました

Tableau2023.3でGA4コネクタが使えるようになりました

2023年夏にGA4用のコネクタがTableauでリリースされましたが、リリース当初は動作が不安定な状態でした。 その後、Tableau2023.3リリースに伴い状況が改善されました。


事業戦略や投資判断をより確実に!スカイライト コンサルティングに聞く、コンサル業界のDockpit活用例

事業戦略や投資判断をより確実に!スカイライト コンサルティングに聞く、コンサル業界のDockpit活用例

Web行動ログ分析ツール「Dockpit」というと、広告やデジタルマーケティングに携わっている人が使うものといった印象を抱いている人も多いのではないでしょうか。今回お取り組みを紹介するのは、ビジネスコンサルティングサービスを提供するスカイライト コンサルティング株式会社。どのようにDockpitを活用されているのか、同社 シニアマネジャーの清水氏にインタビューしました。


日産が行う、カスタマー理解のための“ Non  Asking ”データ活用術 ~ 自動車メーカーのデジタルマーケティング事例

日産が行う、カスタマー理解のための“ Non Asking ”データ活用術 ~ 自動車メーカーのデジタルマーケティング事例

「アンケートやインタビュー中心のAskingデータだけでなくWeb上の行動から得られるNon Askingデータを組み合わせて分析し、カスタマー理解を深めたい」。そう語る笹岡さんはDockpit(ドックピット)を愛用する一人。ユーザー行動の理解を深め、課題解決に至ったエピソードを聞きました。


最新の投稿


Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

CCCMKホールディングス株式会社は、全国16~24歳の男女を対象に『Z世代のSNS利用実態や生活満足度との関係性』について調査を実施し、結果を公開しました。


Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、同社が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』にて、Z世代を対象に「Z世代の承認欲求に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

節約やお小遣い稼ぎの手段としても注目が高まるフリマ市場。「メルカリ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を対象に、フリマ市場の最新動向について調査しました。各サービスのサイト・アプリについて、利用者数やユーザーの人となりに加えて、サイト集客構造の違いについても深掘りし、それぞれの特徴について明らかにしていきます。


約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

株式会株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」は、勤務先の業務で福利厚生やプレゼントキャンペーンなどの販促を実施する際にデジタルギフトを購入したことのある方を対象に「法人向けデジタルギフトに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


KDDIとAIQ、バーチャル空間上でデジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始

KDDIとAIQ、バーチャル空間上でデジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始

KDDI株式会社とAIQ(アイキュー)株式会社は、KDDI株式会社が提供するαU place(アルファユープレイス)において、デジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始することを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ