コロナ禍で起きた消費者行動変化を緊急調査 Webやアプリの行動ログから見えてきた実態とは

コロナ禍で起きた消費者行動変化を緊急調査 Webやアプリの行動ログから見えてきた実態とは

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛やテレワークなど、人々のライフスタイルが大きく様変わりする中、消費者の行動や意識にはどのような変化が起きているのでしょうか。「巣ごもり消費」や「ネット行動の活発化」など、Webやアプリの行動ログから、日別の推移、商品ジャンルの閲覧伸び率などを通じて、変化の実態を緊急調査しました。


休校、外出自粛要請、志村けんさんの死去などが変化点に

国内では、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」乗客で初めて感染が確認されたのが2020年2月1日。その後4月中旬までの期間で、国内の主要Webサイト全体のUU数を調査し『どこでトレンドが変化したのか?』を分析しました。その結果、Webサイトでの主な変化点(日別UUのトレンドが大きく変わったタイミング)は下記のようになっており、新型コロナウイルスに関連する出来事が強く影響している様子がうかがえました。

変化点別サイト数の推移

変化点別サイト数の推移

※2020年2月1日~4月14日

【変化点前後の主な出来事】
  • 2月24日(月)
「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が開催され、「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解が示され、翌25日の政府による新型コロナウイルス感染症対策の基本方針発表につながった。

  • 2月27日(木)
安倍首相より全国の小中高へ臨時休校を要請。翌28日は北海道知事が緊急事態宣言、週末の外出自粛を要請。東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大型テーマパークも休園を発表した。

  • 3月27日(金)
3月25日に都知事が在宅勤務や不要不急の外出自粛を要請。それを受けて、東京近郊で週末の外出自粛が要請された。

  • 3月31日(火)
3月30日、新型コロナウイルス感染が発表されていたタレントの志村けんさんの死去が報道された。翌31日には国内で1日の新規感染者数が200名、累計感染者が2000人を突破。

  • 4月12日(日)
4月7日に東京など7都道府県に緊急事態宣言が出された後、初の週末を迎え、商店街などの様子が多く報道された。

コロナ禍でも利用者が伸びているWebサイト、アプリとは

新型コロナウイルスの感染が急速に拡大した2020年2月~4月中旬で、どのようなWebサイト、アプリの利用者が伸びたのでしょうか。株式会社ヴァリューズが保有するモニターパネルの消費者ネット行動ログから調査しました。

ハローワーク、地方自治体サイト、テレワークでZoomの需要が急増

下図は、ユーザー数の増減率を示す増減スコアをもとに、利用者が伸びているWebサイトをランキングにしたものです。1位に「ハローワーク (公共職業安定所)」、7位に「日本政策金融公庫」が入り、仕事や雇用、融資への不安が読み取れます。

また、福岡、北海道、滋賀、兵庫、大阪など各地方自治体サイトが多数ランクイン。都道府県ごとに感染状況や対応策、支援内容が異なるため、住んでいる地域の信頼できる情報への需要の高まりが示唆されていると考えられます。国や地方自治体サイトはしばしばUX設計やUI面での課題を指摘されることがありますが、改善は急務といえそうです。

日次UUが増加したサイト

日次UUが増加したサイト

ユーザー数が伸びているタイミングに着目してみると、特徴的な動きを示していたのは11位にランクインした、テレワークに役立つWeb会議ツールの「Zoom」。4月に入ってから利用者が急増しています。在宅勤務やテレワークが広がっている様子がうかがえます。

「zoom」サイトの増減推移

「zoom」サイトの増減推移

アプリは速報ニュース、Uber Eatsの他に、ショッピングSNSも利用者が増加

一方で、アプリを同様に増減スコアでランキングしてみると、Webサイトとは異なる傾向が出ていました。

速報ニュースをはじめ、フードデリバリーの「Uber Eats」、イトーヨーカドーのネットスーパーなどが利用できる「オムニ7アプリ」ファッションEC「UNITED ARROWS」の公式アプリや、楽天のショッピングSNS「ROOM」など、在宅時間で効率よく情報を入手し、かつ外出はできなくとも食生活や買い物は楽しみたいという消費者意識が垣間見える結果となりました。

アプリの場合、自ら能動的にインストールし、起動して利用することから、ポジティブな消費意欲が表れやすいのかもしれません。

日次UUが増加したアプリ

日次UUが増加したアプリ

NewsDigest

1位の速報ニュースアプリ「NewsDigest」。新型コロナウイルスの「感染事例が報告された場所の情報」マップを4月上旬に提供開始し、話題となりました。

Uber Eats

8位の「Uber Eats」はフードデリバリーサービスとして2016年9月に国内で提供開始後、着実にユーザー数を伸ばしてきましたが、2020年3月にはTVCM「今夜、私が頂くのは」シリーズの新バージョンが女優の黒柳徹子さんと小松菜奈さんを起用し公開され、認知度アップに勢いが増しています。外出自粛と在宅勤務が広がった4月以降は、より一層、アプリ利用者が伸長しています。

「Uber Eats」アプリの増減推移

「Uber Eats」アプリの増減推移

UNITED ARROWS LTD. 公式アプリ

14位のファッションECの「UNITED ARROWS LTD. 公式アプリ」は、4月上旬、7都府県に緊急事態宣言が出され、外出自粛要請が強化された後の週末に、ユーザー数が急増していました。

「UNITED ARROWS LTD. 公式」アプリの増減推移

「UNITED ARROWS LTD. 公式」アプリの増減推移

コロナ影響で閲覧が伸びている商品は?

続いて、大手ECモールにおける商品ジャンルの閲覧数の伸びから消費者ニーズを捉えてみます。

下図は2020年2月1日~4月14日までに閲覧数の伸び率の高かった商品ジャンルです。使い捨てマスクが一般では入手困難な状況から「マスクフィルター」が上位にきており、「裁縫材料>ゴム」など手作りマスクのための手芸用品を買い求めるニーズも見られます。

テレワークのWeb会議で便利な「PC用ヘッドセット」や、外出自粛の影響で家で過ごす時間が長くなったことから、「アロマ」グッズや、家庭で美味しい飲料水を生成できる「整水器」など、少しでも在宅生活を快適に心地よく過ごしたいという消費者心理もうかがえます。

大手ECモールにおける商品ジャンル毎の閲覧伸び率ランキング

大手ECモールにおける商品ジャンル毎の閲覧伸び率ランキング

※2020年2月1日~4月14日

まとめ

刻々と状況が変化する新型コロナウイルスの感染拡大。2月~3月はマスク・消毒液など感染対策商品への需要急増が見られましたが、4月になると、テレワークを円滑に進めるためのツールや、余暇や在宅での生活を楽しむための商品・サービスに消費者の関心が広がっていることが、今回の調査結果から明らかになりました。

東京都では今年のゴールデンウィークを「STAY HOME週間」と命名し、ポータルサイトも開設。「うちで過ごす」「家を楽しむ」ための動画特集なども用意されています。『巣ごもり消費』が長期にわたることが予測される中、消費者のニーズがどのように変わっていくのか、今後も調査を継続していきます。

調査概要

株式会社ヴァリューズが保有する国内モニターパネルのネット行動ログから、2020年1月10日~4月14日のデータを抽出し、新型コロナウイルスの感染が拡大した2月1日~4月14日の期間で分析しました。
※対象デバイスはPC・スマートフォン


株式会社ヴァリューズでは、消費者ニーズの変化やタッチポイントの変化を確認したいマーケティングご担当者様や、コロナ禍においてのビジネス潮流変化と脅威を発見したい経営企画や新規事業企画等のご担当者様に向けて、“コロナ前後で一体何が変化したのか?”を把握でき、「beforeコロナ」×「withコロナ」を紐解く調査データを提供しております。

調査内容はご要望に応じてカスタマイズも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

新型コロナウイルスの消費者影響調査のお問合せはこちら

調査データのお問い合わせはこちら

関連記事

コロナウイルスによる消費者行動の変化とは?コロナ禍で起きた消費者行動変化をネット行動ログとアンケートで調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/880

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛やテレワークなど、人々のライフスタイルが大きく様変わりする中、消費者の行動や意識にはどのような変化が起きているのか、Webやアプリの行動ログとアンケートから、日別の推移、商品ジャンルの閲覧伸び率などを通じて、変化の実態を調査したレポートです。(ページ数|37p)

コロナ禍で集客に成功した5サービスの共通点とは? 食や通信、栄養ドリンクから手作りマスクまで

https://manamina.valuesccg.com/articles/901

新型コロナで社会が大きく変貌を遂げた2020年春。この期間にプロモーション施策で集客に成功したサービスとは?コロナ禍で話題になった5つのサービスをピックアップし、市場分析ツール「<a href="https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/" target="_blank">eMark+(イーマークプラス)</a>」を使ってユーザー数の推移を調査。それぞれの成功要因となったプロモーション施策を分析します。

コロナ禍中の4月にユーザー数が伸びたアプリとは?1位は食のテイクアウト「menu」、Zoomなども上位に

https://manamina.valuesccg.com/articles/872

2020年4月にアクティブユーザー数を伸ばしたアプリは? 市場分析ツール「<a href="https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/" target="_blank">eMark+(イーマークプラス)</a>」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。今回はeMark+を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。3月のトレンドを調査しました。

コロナ影響下での消費者動向、アフターコロナへの展望を調査 ~ 収束後も日用品・食材・化粧品などのネット購入は継続傾向に

https://manamina.valuesccg.com/articles/885

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男女25,884人を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大によって変化した働き方や消費意識に関するアンケート調査を実施しました。また、一般ユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、感染拡大前後のネット行動ログから消費者動向実態を調査しました。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


「消費者金融業界の分析から見えてきた顧客接点を多く創ることの重要性~カードローン編」レポート

「消費者金融業界の分析から見えてきた顧客接点を多く創ることの重要性~カードローン編」レポート

キャッシュレス化が進むことで、新規参入が増えるのではないかと言われている消費者金融業界。顧客を惹きつけるためにはどのような施策が有効なのでしょうか。eMark+を用いて大手5社のユーザーを分析し、顧客に響く施策について調査してみました。(ページ数|12p)


「スマートフォンアプリ」インストール数 ランキング(2020年6月~2020年7月)

「スマートフォンアプリ」インストール数 ランキング(2020年6月~2020年7月)

「スマートフォンアプリ」インストール数ランキング、2020年7月のアプリインストール数1位は、厚生労働省が配布している新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) でした。


Web行動ログから読み解く!withコロナの「住まい」に関する消費者変化|セミナーレポート

Web行動ログから読み解く!withコロナの「住まい」に関する消費者変化|セミナーレポート

withコロナ時代の消費者変化をWeb行動ログから考察したオンラインセミナーが7月22日に開催されました。今回フォーカスされたのは「家具・家電・住宅」業界。コロナ禍による「おうち時間」「巣ごもり」などのライフスタイルの変化から、在宅時間も長くなり、「住まい」に関して人々の関心はどのように変化したのでしょうか。アンケート調査とWeb行動の変化から、「住まい」への関心の高まりを分析・解説しました。


待ちわびたライブスポーツ再開でDAZNやスポナビのMAUが急上昇…!ロイホやポケモンのアプリも【急上昇アプリ調査・20年6月】

待ちわびたライブスポーツ再開でDAZNやスポナビのMAUが急上昇…!ロイホやポケモンのアプリも【急上昇アプリ調査・20年6月】

2020年6月にアクティブユーザー数を伸ばしたアプリは? 市場分析ツール「<a href="https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/" target="_blank">eMark+(イーマークプラス)</a>」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。今回はeMark+を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。6月のトレンドを調査しました。


マイナポイントの予約がスタート。ユーザーはどう動いている?検索ワードとアプリダウンロード数から調査

マイナポイントの予約がスタート。ユーザーはどう動いている?検索ワードとアプリダウンロード数から調査

2020年9月から「マイナポイント」が開始されます。この申し込みが7月1日始まったことで、マイナポイントの仕組みや予約・申し込みなどの情報、キャッシュレス決済業者各社への注目が高まり始めています。今回はマイナポイントを取り巻くユーザー動向を、検索キーワードやアプリダウンロードの調査データを使って分析します。


最新の投稿


一人の顧客を徹底的に掘り下げる顧客分析手法 ~「n1分析」とは?

一人の顧客を徹底的に掘り下げる顧客分析手法 ~「n1分析」とは?

統計やマーケティングにおいて、分析結果の有意差を出すために必要な「n数」。分母を増やすのではなく、一人の顧客を徹底的に分析することで顧客理解を深める手法が「n1分析」です。


「消費者金融業界の分析から見えてきた顧客接点を多く創ることの重要性~カードローン編」レポート

「消費者金融業界の分析から見えてきた顧客接点を多く創ることの重要性~カードローン編」レポート

キャッシュレス化が進むことで、新規参入が増えるのではないかと言われている消費者金融業界。顧客を惹きつけるためにはどのような施策が有効なのでしょうか。eMark+を用いて大手5社のユーザーを分析し、顧客に響く施策について調査してみました。(ページ数|12p)


【8/20(木)】長引くコロナ禍で化粧品へのニーズはどのように変化しているのか?Web行動ログから読み解く消費者の実態【オンラインセミナー】

【8/20(木)】長引くコロナ禍で化粧品へのニーズはどのように変化しているのか?Web行動ログから読み解く消費者の実態【オンラインセミナー】

長引くコロナ禍で化粧品へのニーズはどのように変化しているのか?Web行動ログから読み解く消費者の実態


「スマートフォンアプリ」インストール数 ランキング(2020年6月~2020年7月)

「スマートフォンアプリ」インストール数 ランキング(2020年6月~2020年7月)

「スマートフォンアプリ」インストール数ランキング、2020年7月のアプリインストール数1位は、厚生労働省が配布している新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) でした。


「業界別」アプリランキング - カジュアルゲーム編 -

「業界別」アプリランキング - カジュアルゲーム編 -

「業界別」アプリランキング、今月は「カジュアルゲーム」編です。アプリ利用ユーザー数の順に並べると、1位は「ホームスケイプ (Homescapes)」、2位「ガーデンスケイプ(Gardenscapes)」、3位「LINE POP2」…という結果に。トップ20まで掲載しています。


自社と競合サイトのユーザー層の違いや急上昇サイトがすぐにわかる!他社サイトのユーザーが見える市場調査ツール eMark+無料登録はこちら
最先端のマーケテイング調査結果をお試し価格でご覧いただけます!調査レポート・データ提供

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

セミナー・イベント情報はこちら

eMak+無料登録はこちら