巣ごもり消費でホットケーキミックスが爆売れ!炊飯器も大活躍?

巣ごもり消費でホットケーキミックスが爆売れ!炊飯器も大活躍?

新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続く中、今、ホットケーキミックスや薄力粉・強力粉など小麦製品の品薄が続いています。マスクや消毒液が店頭から消えるのは理解できるにしても、なぜ、そしていつの間にホットケーキミックスが消えたの…?今回は「eMark+」を使って、”巣ごもりホットケーキミックス消費”の実態を探ります。


ホットケーキミックスはいつから品薄になったのか

ホットケーキミックスが品薄になり始めた時期、検索ワードでも「ホットケーキミックス」「小麦粉」が急上昇しました。下のグラフでもわかるように、コロナショックによるトイレットペーパー検索数のピークが過ぎ、それに続くようにこれらのキーワードが増えているのがわかります。3月には10万UU以下だったユーザー数が4月には倍以上の22万UUに。「ステイホーム」「おうち時間」のための材料になったのではないかと考えられますが、具体的にどんな料理が人気だったのでしょうか。さらに調べていきましょう。

ホットケーキミックス・小麦粉類検索ユーザー数

ホットケーキミックス・小麦粉類検索ユーザー数

デバイス:PC
期間:2019年12月〜2020年4月
※トイレットペーパーは右軸(2軸)を参照

ホットケーキミックスで何を作ったの?

ホットケーキミックスのレシピは「Nadia」が人気

まず、「ホットケーキミックス」検索後のランディングページから人気コンテンツを探ります。

流入ユーザー数1位は、レシピサイト「Nadia」の『誰でも失敗なし&簡単★ホットケーキミックスで作る人気おやつレシピ15選』でした。このページ自体は2018年作成と古いものですが、4月の1ヶ月で多くのユーザーを獲得しました。レシピ動画を配信するメディア「macaroni」も3位にランクインしています。

「ホットケーキミックス」LPランキング

「ホットケーキミックス」LPランキング

デバイス:PC
期間:2020年3月〜2020年4月

「ホットケーキミックス」LPランキング1位【Nadia】

ホットケーキミックスと炊飯器のかけあわせ!?

つぎに、「ホットケーキミックス」と同時に検索されたキーワードを調べます。
多かったのは「レシピ」でしたが、ホットケーキミックスで作ろうとした料理はクッキー、蒸しパン、ドーナツでした。

「ホットケーキミックス」同時検索キーワードランキング

「ホットケーキミックス」同時検索キーワードランキング

デバイス:PC
期間:2020年3月〜2020年4月
※パンケーキミックス含む

気になるのは上の表で上位に食い込んだ「炊飯器」。その先のランディングページを見てみましょう。

具体的に人気があった料理は「大きなホットケーキ」「バナナケーキ」でした。また、マヨネーズを加えたり、「牛乳なし」のレシピもよく見られました。

「ホットケーキミックス」×「炊飯器」かけあわせLPランキング

「ホットケーキミックス」×「炊飯器」かけあわせLPランキング

デバイス:PC
期間:2020年3月〜2020年4月

「ホットケーキミックス」×「炊飯器」かけあわせLPランキング1位【クックパッド】

いろいろな小麦粉でそれぞれの料理を楽しむ人も

つぎに、ホットケーキミックスとともに検索数が増加している「小麦粉」について、同時に検索されているキーワードからその用途を探ります。

小麦粉には、強力粉、薄力粉などいろいろな種類がありますが、代表的なものについて、2ヶ月間の検索状況を以下の表にまとめました。

小麦粉 …「シチュー」
強力粉 …「スコーン」「マフィン」
薄力粉 …「お菓子」「パン・ピザ」
全粒粉 …「パスタ」「パン」
中力粉 …「餃子」

これらの組み合わせでレシピを検索しているようです。クッキーやケーキ、ドーナツなどのいわゆる”おやつ”よりは、パンやパスタなど”食事”のキーワードが目立ちました。
検索数は「小麦粉」についで「強力粉」が多く、僅差で「薄力粉」が検索されました。

小麦粉類と同時に検索されるキーワード

小麦粉類と同時に検索されるキーワード

デバイス:PC
期間:2020年3月〜2020年4月

休校が影響?母親世代に人気を集める

最後に、「ホットケーキミックス」を検索したユーザーの属性を調べます。巣ごもり期間であることが影響するかどうかを知るため、前年同時期と比較します。

その結果、男女比は若干男性が増えたもののほぼ変化はなく、年代については20代から40代にシフトしていることがわかります。若者に人気だったホットケーキミックスですが、学校の休校が影響か、母親世代の絶大な支持を集めました。60代ユーザーも増えており、幅広い世代で注目されたことで、店頭での品薄状態を引き起こしたのではないかと考えられます。

「ホットケーキミックス」検索ユーザー属性(前年同時期比)

「ホットケーキミックス」検索ユーザー属性(前年同時期比)

デバイス:PC
期間:2020年3月〜2020年4月
※パンケーキミックス含む

まとめ

外出自粛が続く中、ホットケーキミックスや小麦製品の品薄が続いています。インターネットでの検索もこれらのキーワードが急増しており、拡大する”巣ごもり消費”の一部と言えるでしょう。

3月、4月によく見られたホットケーキミックスのレシピサイトは「Nadia」でした。また、かけあわせで検索されたキーワードの上位に「炊飯器」が入りました。

「ホットケーキミックス」同様、小麦粉類も検索数が増加しました。小麦粉の種類に応じてレシピなど検索され、その内容はお菓子よりもパン、シチュー、パスタ等の食事系に人気が集まりました。

最後に、2ヶ月でユーザー数を倍以上獲得した「ホットケーキミックス」ですが、その属性は、前年同時期に比べて40代の母親世代が増えていることがわかりました。また、前年と比較して幅広い世代の注目を集めたことが、店頭での品薄状態を引き起こしたのではないかと考えられます。

この記事で分析に使用したツール「eMark+」は、指定したサイトのユーザー数がわかる「ユーザー数推移」やサイト訪問者の性別、年代、職業などがわかる「ユーザー属性」など、PCのデータであれば無料で利用することができます。ぜひ登録して実際に体験してみてはいかがでしょうか。

eMark+ 無料で競合調査ができる! 無料登録はこちら

関連記事

ステイホームを「お取り寄せグルメ」で乗り切る人が急増!話題のお取り寄せサイト分析

https://manamina.valuesccg.com/articles/855

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国的にステイホームが奨励されています。飲食店も臨時休業している店舗があり、外食もままならない状況。「巣ごもり消費」という新たなトレンドも生まれる中、じわじわ盛り上がってきたのがお取り寄せグルメ市場。今回はステイホーム期間中のお取り寄せグルメ市場の動向についてまとめます。

ファミマも売り始めたビーガン向け商品は今後の食トレンドとなるか?検索者は家庭で試せるレシピに興味

https://manamina.valuesccg.com/articles/886

ヨーロッパやアメリカで取り入れられているライフスタイル「ビーガン」について、健康志向の高まりやインバウンドの増加などの影響から、日本国内でも目にする機会が増えてきています。本稿では、ビーガンに対してどのように関心が寄せられているのか、検索キーワードや人気コンテンツから実態を調査しました。

新型コロナ影響で牛乳・乳製品の消費に懸念も、「免疫力」注目で乳酸菌飲料は好調

https://manamina.valuesccg.com/articles/839

緊急事態宣言の延長も発表され、先行き不透明な今日。依然コロナ収束の目処は立たないまま、不安な生活が続いています。その不安は感染への恐怖だけでなく、経済活動に対しても大きく、消費落ち込みの打撃を受けている業界も多数報じられています。 それらの中の一つとして、農林水産省からも「牛乳・乳製品」のさらなる消費を求める声も聞こえてきましたが、一方では乳酸菌飲料は需要増との見解も。そんな乳酸菌飲料についての現状を「eMark+」を使って調査しました。

この記事のライター

フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。

関連する投稿


新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

リリースされてから、Z世代を中心に強い支持を集めている「BeReal(ビーリアル)」。2023年初頭から人気を集め始めていますが、いまだにその人気は衰えていません。2024年7月には、日本で広告事業を本格化しはじめたことが大きな話題になりました。今回は、BeRealの最新動向をデータを用いて分析するとともに、広告ビジネスの可能性を調査していきます。


データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – ライフスタイル・消費トレンド編」を公開

データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – ライフスタイル・消費トレンド編」を公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎える「デジタル・トレンド白書2024」は、Z世代トレンド・SNS動向編、ライフスタイル・消費トレンド編の2部構成になっています。(「ライフスタイル・消費トレンド編」ページ数|153P)


“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

近年再び話題になっている「アサイー」。若い女性を中心に人気を集めているようです。他にはどのような特徴を持つ人がアサイーに関心を持っているのか、アサイー検索者がアサイーのどんなことに興味を持っているのかについて、Web行動ログデータから分析・考察します。そして、アサイーブームのこれからを考えます。


「デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編」をデータ分析のヴァリューズが公開

「デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編」をデータ分析のヴァリューズが公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎える「デジタル・トレンド白書2024」は、Z世代トレンド・SNS動向編、ライフスタイル・消費トレンド編の2部構成になっています。(「Z世代トレンド・SNS動向編」ページ数|140P)


Analyzing the rapidly growing interest in Gacha Gacha using data! Introducing cases applied in marketing

Analyzing the rapidly growing interest in Gacha Gacha using data! Introducing cases applied in marketing

Capsule toys, or “Gacha Gacha,” have become popular globally with people all ages for their affordability and collectability, especially in Japan, with the establishment of Gacha Gacha specialty stores. We will analyze the user segment interested in Gacha Gacha and explore how companies can apply it in marketing.


最新の投稿


SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

株式会社メディアリーチは、企業のマーケティング課題を解明するための定期的な調査として、2024年11月に実施した『経営者・役員対象:SEO対策意識調査 2024・2025年』の結果を公開しました。


Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、全国のZ世代/Y世代/X世代を対象に、商品カテゴリー別のカスタマージャーニーに関する調査を実施し、結果を公開しました。


ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

株式会社オトバンクは、企業のマーケティング担当者を対象に「ポッドキャストに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、アメリカの食品業界で新たなトレンドワードとして注目されている「Swicy(スワイシー)」とその流行の背景について取り上げます。


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ