ステイホームを「お取り寄せグルメ」で乗り切る人が急増!話題のお取り寄せサイト分析

ステイホームを「お取り寄せグルメ」で乗り切る人が急増!話題のお取り寄せサイト分析

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国的にステイホームが奨励されています。飲食店も臨時休業している店舗があり、外食もままならない状況。「巣ごもり消費」という新たなトレンドも生まれる中、じわじわ盛り上がってきたのがお取り寄せグルメ市場。今回はステイホーム期間中のお取り寄せグルメ市場の動向についてまとめます。


人気お取り寄せグルメサイトのユーザー数は?

まずは、人気のお取り寄せグルメサイトのユーザー推とその推移を調べます。対象サイトはサイト・アプリ市場調査ツール「eMark+」のサイトランキング機能を用い、ランキング上位のサイトから以下の5サイトをピックアップしました。
(条件:カテゴリ/食品・飲料、グルメ キーワード/取り寄せ)

47CLUB
おとりよせネット
うまいもんドットコム
婦人画報のお取り寄せ
おとなの週末お取り寄せ倶楽部

47CLUB

おとりよせネット

うまいもんドットコム

婦人画報のお取り寄せ

おとなの週末お取り寄せ倶楽部

まずはユーザー数の推移を見ていきます。ユーザー数は「47CLUB(前月比2.2倍)」「婦人画報のお取り寄せ(前月比1.3倍)」「おとりよせネット(前月比2.6倍)」「おとなの週末(前月比6.3倍)」については4月に前月より増加していることがわかります。

「うまいもんドットコム」については3月に前月の40倍ものユーザー数を獲得しています。これについては後半で考察します。

お取り寄せグルメサイトユーザー数推移

お取り寄せグルメサイトユーザー数推移

デバイス:PC&スマートフォン
期間:2019年5月〜2020年4月

お取り寄せグルメサイトは併用せず。女性ユーザーが多い。

次に、お取り寄せグルメ5サイトのユーザー属性を比較します。どのサイトも女性比率が高い
ようですが、「47CLUB」は男性比率が48.3%と他サイトとの差がみられました。

年代は「うまいもんドットコム」「おとなの週末」が20代、30代が多く、「47CLUB」「婦人画報のお取り寄せ」は50代、60代が多いという結果でした。

また、それぞれのサイトの併用率は低く、86%が1サイトのみの利用(併用なし)でした。利用頻度にもよるのかもしれませんが、現状は、使い慣れた1つのサイトをよく利用する傾向にあるようです。

お取り寄せグルメサイトユーザー数推移

お取り寄せグルメサイトユーザー数推移

デバイス:PC&スマートフォン
期間:2019年5月〜2020年4月

お取り寄せグルメサイト併用率

お取り寄せグルメサイト併用率

デバイス:PC
期間:2020年4月

「うまいもんドットコム」は農水省キャンペーン効果で前月比40倍

続いて、各サイトの流入元を比較します。
「うまいもんドットコム」は外部サイトが多く占めました。この要因としては、農水省が3/16に発表した、「食べて応援学校給食キャンペーン」が影響していると考えられます。

本キャンペーンでは、学校給食用に納入予定だった食品事業者の代替販路を確保するため、「うまいもんドットコム」上に特設通販サイトが開設されました。結果、同サイトの4月のユーザー数は3月の約40倍に急増しています。

食べて応援!学校給食キャンペーン|うまいもんドットコム

※学校給食キャンペーンは2020年5月7日に販売を終了

お取り寄せグルメサイト流入元

お取り寄せグルメサイト流入元

青:うまいもんドットコム 赤:47CLUB 緑:婦人画報のお取り寄せ
黄緑:おとりよせネット 水色:おとなの週末
デバイス:PC
期間:2020年3月〜4月

他のサイトについては自然検索が多いようです。では、どんなキーワードで検索されているのでしょうか。

まとめて見たい!キーワードは「お取り寄せグルメ」「ランキング」

流入経路「自然検索」における検索キーワード

流入経路「自然検索」における検索キーワード

デバイス:PC
期間:2020年3月〜4月

お取り寄せに関するキーワードは「お取り寄せグルメ」「お取り寄せランキング」のように、目的の商品やお気に入りのサイトがあるというよりは、“人気のものから選びたい”や“まとめて情報を見たい”というユーザーが多いことがわかります。

また、この期間に限っては「食べて応援学校給食」「給食」というキーワードが頻出し、支援活動が行われていた実態を垣間見ることができました。

まとめ

ステイホーム期間におけるお取り寄せグルメサイトについて、ユーザーの動向などを分析しました。
お取り寄せグルメサイトは、ステイホームが奨励された3月〜4月に合わせて大幅にユーザー数を増やしています。また、キーワード検索においては、特定のブランドや人気商品に固執することはなく、紹介サイトやランキングなどが人気のようです。

全国の学校で休校措置が取られたことによる「食べて応援学校給食キャンペーン」でのユーザーの動きも見ることができました。同キャンペーンに多くの関心が寄せられたことをデータで確認することができました。

ステイホームやコロナによる休校影響で多くのユーザーの注目を集めることになったお取り寄せグルメサイト。一時的な利用ではなく、顧客がリピートし、定着するのか、今後の動向も気になるところです。

本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。



dockpit 無料版の登録はこちら


関連記事

コロナ影響でネットスーパー4サイトのユーザーが急上昇。1位はコストコ、楽天西友は経済圏内の回遊が強みか

https://manamina.valuesccg.com/articles/843

新型コロナの影響で外出自粛が叫ばれ、多くの業界が打撃を受ける一方、一部のサービスは需要を伸ばしています。その一つとして今回着目したのが、ネットスーパー。感染予防のために店頭での買い物を控え、ネットスーパーの利用者が増えているのではないかと予想し、eMark+を使ってその実態を調査しました。

新型コロナの影響は食生活にも?「Uber Eats」などフードデリバリーアプリの利用が急増中

https://manamina.valuesccg.com/articles/835

2019年10月からの消費増税で盛り上がりを見せたフードデリバリー市場。現在は新型コロナウイルスの影響で自宅で食事を取る機会が急増していることもあり、フードデリバリー市場にさらなる勢いが見られます。今回は既に定着しつつあるフードデリバリーアプリの利用状況を「eMark+」を用いて比較・調査しました。

いま化粧品市場では何が起きている?新型コロナの影響を検索データからマーケコンサルが読み解く

https://manamina.valuesccg.com/articles/799

化粧品のトレンドについて調査する新企画。ヴァリューズのマーケティングコンサルタントである私、伊東茉冬が気になる話題について調査していきます。今回の調査は新型コロナウイルスの影響について。感染拡大により百貨店などが営業自粛となっている中、化粧品業界へはどのような影響が及んでいるのか。消費者の化粧品への関心度合の変化や、化粧品の中でもアイテムによって違いがあるのか、Web行動データを基に分析します。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。

関連する投稿


電気やガスを使った分だけ株がもらえる!話題の新サービス「カブアンド」を調査

電気やガスを使った分だけ株がもらえる!話題の新サービス「カブアンド」を調査

申し込み殺到により一時受付を停止した、話題の新サービス「カブアンド」。電気やガス、モバイル、ネット回線などを使った分だけ株がもらえるという、革新的なビジネスモデルで注目を集めています。今回は、世間の関心が高まった背景や、同サービスがどのような人に検討されているのか、公式サイトの閲覧者データをもとに分析していきます。


データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」を公開

データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」を公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎えます。今回は2023年下半期から2024年に公開した調査から厳選し、金融業界のデジタル動向をまとめた「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」を公開しました。ダウンロード特典として、銀行、証券など金融各業界のサイトランキングも収録しています。(「デジタル・トレンド白書2024 – 金融編」ページ数|90P)


キリン晴れ風、好調の背景にエコ志向の取り組みが Web行動データから人気の理由を考察!

キリン晴れ風、好調の背景にエコ志向の取り組みが Web行動データから人気の理由を考察!

これからの時代のスタンダードビールとして、「キリンラガー」や「キリン一番搾り生ビール」に続く、新たな定番となりつつある「キリンビール 晴れ風」。2023年4月に販売開始されて以来、ヒット商品として多数のメディアで取り上げられています。日々、続々と各ビールメーカーから新商品が登場するなかで、「晴れ風」はどのように人気を集めたのでしょうか。「晴れ風」の成功要因をデータから考察します。


スマホ時代に「紙の手帳」がブーム!人気の背景を調査

スマホ時代に「紙の手帳」がブーム!人気の背景を調査

書店や文房具店にズラリと並ぶ手帳。2024年は、手帳の売り上げが前年から4割も増えた店舗もあったとか。なぜ今、紙の手帳が盛り上がりを見せているのか、どんな人が注目しているのか、ニーズや使い方とあわせて調査しました。


ディーエムソリューションズ、越境EC事業化にあたっての意識・実態調査を公開

ディーエムソリューションズ、越境EC事業化にあたっての意識・実態調査を公開

ディーエムソリューションズ株式会社は、同社が運営する「ウルロジ」にて、全国の20-70代の男女でEC事業を運営している担当者や責任者を対象に「越境EC事業化にあたっての意識・実態調査」を実施し、結果を公開しました。


最新の投稿


Z世代が最も利用しているSNSは「YouTube」で利用率8割超!前年から利用率が最も伸びたのは「BeReal.」に【サーバーエージェント調査】

Z世代が最も利用しているSNSは「YouTube」で利用率8割超!前年から利用率が最も伸びたのは「BeReal.」に【サーバーエージェント調査】

株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業の「サイバーエージェント次世代生活研究所」において、「2024年 Z世代SNS利用率調査」を実施し、Z世代が利用しているSNSおよび各世代のSNS利用率・認知率を発表しました。


CCCMKHD、Vポイントの購買・行動データを活用した商業施設向けマーケティングサービスの提供を開始

CCCMKHD、Vポイントの購買・行動データを活用した商業施設向けマーケティングサービスの提供を開始

CCCMKホールディングス株式会社は、Vポイントの購買・行動データを活用した商業施設向けのマーケティングサービス「ミルート」の提供を開始したことを発表しました。


GMOユナイトエックス、TikTokアプリ内完結型インスタントウィン機能を搭載した「FanSpot byGMO for TikTok」をリリース

GMOユナイトエックス、TikTokアプリ内完結型インスタントウィン機能を搭載した「FanSpot byGMO for TikTok」をリリース

GMOユナイトエックス株式会社は、TikTok のBusiness Messaging APIを活用したTikTokアプリ内完結型の新機能「インスタントウィンキャンペーン機能」を搭載した「FanSpot byGMO for TikTok」を、SNSキャンペーン支援ツール「FanSpot byGMO」シリーズとしてリリースしたことを発表しました。


ウルテク、ワンクリックで顧客理解を深める新機能「AIインテント分析」提供開始

ウルテク、ワンクリックで顧客理解を深める新機能「AIインテント分析」提供開始

ログリー株式会社が提供するアカウントインテリジェンスツール「ウルテク」は、自社サイトだけでなくサイト外の検索意図や興味・関心データをAIで解析する「AIインテント分析」機能の提供を開始したことを発表しました。


AIエージェントの認知は約5割!「ルーティン業務の自動化」「レポート・文書の自動作成」などに期待【ディープコア調査】

AIエージェントの認知は約5割!「ルーティン業務の自動化」「レポート・文書の自動作成」などに期待【ディープコア調査】

株式会社ディープコアは、20〜50代のビジネスパーソンを対象に、単なる応答型AIを超え、タスクの計画、実行、結果の評価を自律的に行う能力を備えた、特定のタスクをこなすことに特化したシステム・プログラムである「AIエージェント」についての調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ