■アトリビューション分析とは
顧客との接点を可視化して、それを分析するアトリビューション分析。
アトリビューション分析を活用することで、CVにつなげるために広告費を適正に割り振るなど、より効果的に施策を打つことができるようになります。
・アトリビューション分析の概要
アトリビューション分析とは、直接CV以外の間接CVを含め、CVに対する広告貢献度を正当に評価するためのマーケティングにおける効果測定の手法です。
広告を評価する際には、「ラストクリック」と呼ばれる、CVする直前の接触履歴のみが考慮されがちです。
しかし、これではCVに至るきっかけにつながった施策やコンテンツなどが無視されてしまいます。
多くの企業は様々な施策を実施しており、「ラストクリック」のみで評価する場合必ずしもどの施策が最もCVに対する貢献度が高かったのか正確に判断することができるとは言えません。
例えばラストクリックでリスティング広告から流入してCVした場合、評価対象になるリスティング広告の前に接触していたバナー広告やアフィリエイト広告がユーザーの態度の変容の起点となり、CV率を高めていた可能性もあります。
このようなCVを間接CVと言います。
アトリビューション分析では、これらの施策ごとの間接効果も測定し、より効果的な施策に予算を適正に配置することができるようになります。
CVに至るまでのユーザーとの接点を指標化するために、それぞれの接点を評価し、スコアを与えることを「アトリビューションモデリング」と呼び、配分されたスコアを「アトリビューションスコア」と呼びます。
代表的なアトリビューションモデルである「成果配分モデル」のひとつである、線形アトリビューションモデルの場合には、一つのCVに初回・中間・最終の接点に同じスコアを分配した数が指標となります。
これらの数値を活用して広告の最適化を行うのがアトリビューション分析です。
・クリックスルーとビュースルー
アトリビューションスコアをつける際に、避けて通れない2つの概念が「クリックスルー」と「ビュースルー」です。
「クリックスルー」では表示後にユーザーに実際にクリックされ、CVに至った広告を評価対象にします。
対して、それらの広告に加えて、表示されたもののクリックはされず別経路でユーザーがCVしたという点でCVに間接的に貢献した広告までを含めて評価対象にするのが「ビュースルー」です。
バナー広告の表示をトラッキングできるツールを用いれば、視認効果を含めた計測およびアトリビューション分析も可能になります。
・アトリビューション分析のメリット
アトリビューション分析を行うことで、ユーザーとの接点となった広告の貢献度を算出することができます。
そのため、より効果的な施策へ適正に予算を配分することが可能になります。
アトリビューション分析によって、効果的な分析を行い、それを適切な広告配信、予算配分や施策の使い方の最適化に活かし、さらにCVの増加につなげることができます。
また顧客の流入経路を把握することができるのも、アトリビューション分析のメリットです。
リスティング広告の前段階の検討行動を探ることで、ユーザーがCVする前に、どのような経路をたどってきたのかを知ることができます。
各施策の貢献度を多角的に把握することで、適切なマーケティング予算を判断し、マーケティング施策に活用することができます。すなわち、より効果的なマーケティングを行うことが可能になるのです。
■アトリビューション分析における成果分配モデル
アトリビューションモデルには多彩な種類があり、それぞれに特徴があります。
上述した線形アトリビューションモデルを含む、代表的な成果分配モデルをいくつかご紹介しますのでご参考になさってください。
・起点アトリビューションモデル
ユーザーの接触の起点に評価スコアの100%を割り振る方法で、ファーストクリックを重視します。
例えばECサイトの場合、有料の検索チャンネルやバナー広告などが挙げられます。
・線形アトリビューションモデル
CVにつながる各経路の接点に、均等に評価を割り振る方法でバランスの取れたタイプです。
広告やメール、SNSなどの顧客との接点にスコアの割り振りを行います。
・ 減衰アトリビューションモデル
CVに貢献した一番近い接点に最大のスコアを割り振ります。
・終点アトリビューションモデル
CVにつながった最後の接点にスコアを100%割り振る方法で、ラストクリックを重視します。
・接点ベースアトリビューションモデル
起点と終点にスコアを高めに割り振り、残りを中間の接点に均等に割り振ります。認知とCV刈り取りの接点を重要視するモデルです。
■アトリビューション分析を実施・活用する方法
ここからは適切にアトリビューション分析を行うための注意点を見ていきます。
アトリビューション分析では、一定以上のデータを収集することで、はじめてスタートラインに立つことができます。
ヴァリューズの行動ログ分析サービス「VALUES eMark+」シリーズでは、約25万人のモニターがおり、自社サイトと競合サイトを比較しながらアトリビューション分析をすることができます。
「eMark+」でのアトリビューション分析 アウトプット例
first(初回流入)・mid(2回目~CV直前)・last(直接CVセッション)ごとに、広告種別の割合を可視化したレポート
・アトリビューション分析の活用法
アトリビューション分析では、KPIの設計と仮説検証が重要な素となります。
「KPI」とはKey Performance Indicatorの頭文字をとった言葉で、「重要業績評価指標」と呼ばれることもあります。言い換えると、最終的な目標達成をするために達成していかなければならない成果地点を指します。
KPIを設定することによって、定量的な測定、評価が可能となり、目的を的確に見据えた施策を実施することが出来るでしょう。
ユーザーの行動仮説を立て、成果につながるマーケティング施策を立案し、最適にKPIを設定・実行し、そして検証を行うことがアトリビューション分析においても重要です。
例えば、ECサイトのアトリビューション分析を「線形アトリビューションモデル」で行う際は以下のように考えます。
直接CVだけではなく間接CVにも着目すると、バナー広告が、直接CVに貢献しているリスティング広告よりも、実際にはCVに貢献していることが判明した場合、リスティング広告に割り振っていた費用の一部をバナー広告への費用に代替します。
こうすることで、広告予算総額を変えずにより効果を得ることができます。
ECサイトの場合、ここで気を付けたいのが「販売目的を明確にすること」です。
設定するモデルによって、CPAが大きく変動するので、まずは販売目的を明確にし、どのモデルを起用するかを慎重に検討してください。
分析ロジックを自社の製品やサービスにあわせてチューニングすることで、総CVを増やしCPA(CPA:Cost Per Acquisition 顧客獲得成果1件当たりの費用)の改善を目指しましょう。
・おわりに
アトリビューション分析を正しく行えば、より効果的に広告費を分配し、CV増につながる効果的な施策を打つことが可能になります。
ヴァリューズの行動ログ分析サービス「VALUES eMark+」シリーズを活用することで、サイトの訪問回数だけでなく訪問者データに基づいたアトリビューション分析を行うことができます。さらに、オフラインの行動調査に関してもアンケートを配信することができるため、オンラインに限らずオフラインも含めた包括的なアトリビューション分析を行い、より効果的な施策を立案・実行することができます。
マーケティングのご担当者の方はぜひ「VALUES eMark+」シリーズの導入をご検討ください。
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