GoToを活かした「無限くら寿司」でサイト訪問者数が爆増…!映画大ヒット中の鬼滅の刃も【20年10月急上昇サイト】

GoToを活かした「無限くら寿司」でサイト訪問者数が爆増…!映画大ヒット中の鬼滅の刃も【20年10月急上昇サイト】

2020年10月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型の市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はeMark+を使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2020年10月の急上昇サイトは?

まず、訪問ユーザー数の前月比が高い順にWebサイトをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

10月の急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「eMark+」画面より)

GoToEat効果で大躍進? 1位は「くら寿司」

10月のランキングでは飲食店関連サイトがトップを占めていました。早速、ランキングの1位から詳しく見ていきましょう。

1位:くら寿司

1位は飲食店「くら寿司」のオフィシャルページでした。Go To Eatキャンペーンを活用した「無限くら寿司」が話題になりましたが、今回のサイト急上昇と関連があるのかコンテンツランキングで確認していきます。

「くら寿司」のコンテンツランキング(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

1位のページが圧倒的にアクセスを集めていることがわかります。こちらは、Go To Eatのポイント利用に関する特設ページでした。Go To Eatを活用してくら寿司を予約すると、一人当たり最大1000円分のポイントが獲得できるそうです。

こうして貯めたポイントを次の来店時に使用することで、ほぼ無料で繰り返しお寿司が食べられる「無限くら寿司」がSNSを中心に話題となりました。この「無限くら寿司」はくら寿司公式も宣伝している使い方であるため、Go To Eatキャンペーンに乗じたプロモーションの一環だと考えられます。

2位:Yahoo!ロコ

2位にランクインしたのはYahoo!が運営する飲食予約サイト「Yahoo!ロコ」でした。こちらはYahoo!が運営する飲食店予約サイトで、急上昇はGo To Eatの影響だと考えられます。コンテンツランキングを確認しましょう。

「Yahoo!ロコ」のコンテンツランキング(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

こちらの1位ページもGo To Eatキャンペーンに関するページでした。Yahoo!ロコでは、Go To Eatと併用してPayPayでも還元されるお得なキャンペーンを開催していました。

様々な飲食予約サイトがGo To Eatキャンペーンを受け付けており、予約サイトの競争も激化。そんな中、Yahoo!ロコは独自還元キャンペーンも同時に実施することで更なる集客を狙ったと考えられます。

3位:UCC上島珈琲

3位は「UCC上島珈琲」の公式ホームページでした。急にアクセスが伸びたのは何故でしょうか。コンテンツランキングで確認してみましょう。

「UCC上島珈琲」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

1位と2位のページのUU数が非常に多いことが分かります。どちらも以下のようなキャンペーンページでした。

UCC上島珈琲は日頃から様々なキャンペーンを展開しています。キャンペーンの設計上、缶コーヒーを買ってQRコードでサイトにアクセスして参加するという立て付けになっています。そのため、コンテンツランキング1位の「UCCダブルキャンペーン」などをフックにサイト訪問者数が急増したと考えられます。

トレンドがランキングに反映?「Go To Eat」や「鬼滅の刃」など

上位には、GoToキャンペーンやいま大人気のアニメ「鬼滅の刃」の影響と思われる急上昇サイトが目立ちました。それぞれの要因を探っていきます。

4位:鬼滅の刃

4位にランクインしたのは「鬼滅の刃」公式ポータルサイトでした。アニメ化で爆発的な人気となり社会現象化している鬼滅の刃。10月の急上昇サイトランキングにおいても前月比+325%と大きな伸びを見せています。

コンテンツランキングを確認しましょう。

「鬼滅の刃」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

1位のページは劇場版「鬼滅の刃」無限列車編公式サイトでした。多くの映画が公開延期になる中で10月16日から劇場公開された劇場版「鬼滅の刃」無限列車編。政府も徐々に規制を緩和していたタイミングと「鬼滅の刃」の映画の公開が重なり、興行収入は歴史的な数値を叩き出しています。

「鬼滅の刃」の人気の勢いが急上昇サイトランキングからもうかがえるでしょう。

8位:びゅうトラベル

8位はJR東日本が運営する旅行予約サイト「びゅうトラベル」でした。こちらはGoToトラベルキャンペーンの影響が考えられます。コンテンツランキングで確認しましょう。

「びゅうトラベル」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

上位にはGoToトラベルキャンペーン関連のページが目立ちました。一方で、2位にランクインしたのは「秋の紅葉ツアー・旅行特集2020」のページでした。

びゅうトラベルはJR東日本が運営しているためJR+宿泊のセット商品が豊富。自然を感じられる秋に遠出したいというユーザーのニーズにマッチしたのではないでしょうか。GoToトラベルキャンペーンがいい後押しになっていそうです。

10位:myぐるなび

10位にランクインしたのは「myぐるなび」でした。こちらは、グルメ情報サイト「ぐるなび」の会員専用サイトのトップページです。

実際に流入元を確認すると、外部サイトからの流入が9月と比較して非常に増えたことがわかります。

「myぐるなび」の流入元セッション数推移

「myぐるなび」の流入元セッション数推移(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

さらに外部サイトの内訳を見ると、「ぐるなび」が圧倒的に多かったことが分かりました。ぐるなびから店舗予約のために流入するユーザーが急増したと考えられます。

myぐるなびは前月比+138%になっていますが、こちらもGo To Eatキャンペーンが大きな影響を与えていたのではないでしょうか。

まとめ

今回のランキングは世間のトレンドを色濃く反映していました。

1位、2位、10位のサイトはいずれもGo To Eatの影響が大きいと言えるでしょう。1位のくら寿司はGoToEatキャンペーンに乗じたプロモーション「無限くら寿司」が注目を集めました。また、2位のYahoo!ロコもGoToEatキャンペーンと並行して独自還元キャンペーンも実施。その結果、先月から大きく躍進したと考えられます。

Go To トラベルキャンペーンの影響でランクインしたサイトもありました。旅行代理店各社がGoToトラベルキャンペーンを全面に押し出しています。そんな中、8位のびゅうトラベルは、秋の自然を見に遠出したい人々のニーズを掴んだ旅行商品をフックに集客に成功したのかもしれません。

また、4位には鬼滅の刃の公式サイトがランクイン。社会現象化している鬼滅の刃の勢いがサイトランキングにも反映されていました。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのeMark+を使用しています。急上昇サイト分析機能は無料ですので、より詳細なデータを知りたい方はぜひ見てみてください。

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この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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