キャッシュレス決済のポイント還元高を自動で最適化してくれるアプリが急伸…!GoToEat影響も【20年10月急上昇アプリ】

キャッシュレス決済のポイント還元高を自動で最適化してくれるアプリが急伸…!GoToEat影響も【20年10月急上昇アプリ】

2020年10月にアクティブユーザー数を伸ばしたアプリは? 市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。今回はeMark+を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。10月のトレンドを調査しました。


10月の急上昇アプリランキングを調査

まず、アクティブユーザー数の前月比が高い順にアプリをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

2020年10月の急上昇アプリランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

1位はキャッシュレスアプリがランクイン。GoToEat影響も?

1位:【AI-Credit】簡単節約!いつもお得なキャッシュレスナビ

1位にランクインしたのはキャッシュレス決済のナビアプリ「AI-Credit」でした。概要は以下の通りです。

運営:Lier Factory CO.,LTD.
特徴:キャッシュレス決済可能なお店を検索でき、最大限ポイント還元される方法がわかる
リリース:2019年9月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「AI-Credit」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より )

AI-Creditのユーザー数は約39万人、前月比+約752%となっています。

日本でもキャッシュレス・ポイント還元事業により浸透しつつあるキャッシュレス決済。コロナ禍で感染防止の観点から現金ではなくキャッシュレス決済をする人も増えており、そうした人々のニーズにマッチしたアプリと言えるでしょう。

そしてこのアプリの最大の特徴は、キャッシュレス決済可能なお店を検索すると同時に、17,108通りの支払い方法の中から最大限ポイント還元される方法を選んでくれることです。コロナ禍の影響で支出を抑えたいと考える人やポイ活に熱心な人をユーザーに取り込めたのかもしれません。

2位:ツムツムスタジアム

2位は人気スマホゲーム・ツムツムの新作「ツムツムスタジアム」でした。アプリの概要は以下の通りです。

運営:LINE Corporation
特徴:最大50人とリアルタイムでツムツムの得点を競い合う
リリース:2020年9月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「ツムツムスタジアム」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より )

ツムツムスタジアムのユーザー数は約53万人、前月比+約203%でした。

ツムツムスタジアムは2020年9月29日にリリース。リリースから僅か1ヶ月でユーザー数50万人以上獲得しており、既存の人気ゲームタイトル「LINE: ディズニー ツムツム」の人気の高さが伺えます。

3位:ぐるなび グルメアプリ~お店探しや飲食店検索に~

3位にランクインしたのは、飲食店予約サイト「ぐるなび」の公式アプリでした。10月から始まったGoToEatキャンペーンの影響が伺えますね。アプリの概要は以下の通りです。

運営:Gurunavi, Inc.
特徴:飲食店のネット予約とポイントの貯蓄・活用ができる

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「ぐるなび」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より )

ぐるなびのユーザー数は約240万人、前月比+約164%でした。

GoToEatキャンペーンを利用して飲食店を予約する人が急増したことがアプリ急上昇に影響していると考えられます。実際、ぐるなびの第2四半期の決算説明会資料によると、GoToEatキャンペーンが開始してからネット予約の件数は去年の同じ時期の2倍以上に伸びています。GoToEatを利用したいと考えた人々が非常に多いことがわかります。

GoToEat効果大!その他上位にも飲食店予約アプリが続々ランクイン

その他上位にもGoToEatキャンペーンの影響と思われるアプリが複数ランクインしていました。

5位:人気店の順番待ち予約ができる 【EPARKアプリ】

5位は人気店の予約・順番待ち受付ができる「EPARK」の公式アプリでした。アプリの概要は以下の通りです。

運営:EPARK, Inc.
特徴:飲食店、リラクゼーション施設、病院、歯医者、薬局などさまざまなジャンルの予約・順番待ち受付ができる

では次に、このアプリのユーザー数の推移を見ていきましょう。

「EPARK」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より )

EPARKのユーザー数は約292万人、前月比+約120%でした。10月に入り大きく伸びたことがわかります。

10月は急上昇サイト記事でも取り上げた「無限くら寿司」がSNSを中心に話題となりました。これは、くら寿司でGoToEatキャンペーンを利用すると、ほぼ無料で繰り返しお寿司を食べられるというもの。そんなくら寿司を予約できる唯一のサイトがEPARKです。

EPARK は10月19日からGoToEatキャンペーンを開始。オンライン飲食予約サイトの競合他社と比べてやや遅めのスタートでしたが、SNSで大きな反響をよんだ「無限くら寿司」の影響でユーザー数が急増したのではないでしょうか。

6位:人気の飲食店予約とお得なクーポン検索 ホットペッパーグルメ

6位も同じく飲食店予約サイト「ホットペッパーグルメ」の公式アプリでした。アプリの概要は以下の通りです。

運営:Recruit Co.,Ltd.
特徴:ネット予約できる飲食店が国内最大級
リリース:2014年9月

では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「ホットペッパーグルメ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より )

ホットペッパーグルメのユーザー数は約391万人、前月比+約107%でした。

10月1日から始まったGoToEatキャンペーンに伴い、飲食系グルメサイト各社でも様々なキャンペーンを開催していました。ホットペッパーグルメも10月22日以降にポイントUPキャンペーンを実施。こちらはGoToEatキャンペーン併用可能となっており、二重のキャンペーンでユーザー数獲得に成功したと考えられます。

7位:楽天ビューティ

7位は楽天が運営する美容院予約サイト「楽天ビューティ」の公式アプリでした。概要は以下の通りです。

運営:Rakuten,Inc.
特徴:美容院のネット予約で楽天ポイントが貯まる&使える

では次に、このアプリのユーザー数の推移を見ていきましょう。

「楽天ビューティ」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より )

楽天ビューティのユーザー数は約67万人、前月比+約87%でした。

楽天ビューティは日頃からお得なキャンペーンを実施しています。そんな中、10月末にスーパーポイントアッププログラム(SPU)に加わりました。SPUとは、対象サービスの条件を達成すると楽天市場でのお買い物がポイントアップするプログラムです。これにより、楽天ビューティで3,000円以上のネット予約&施術完了すると、楽天市場のお買い物がポイント最大16倍に。ポイントアップに熱心な楽天ユーザーの取り込みに成功し、アプリ急上昇につながったと考えられます。

まとめ

最後に10月の急上昇アプリと、アクティブユーザー増加の背景を振り返ります。

1位のAI-Creditはコロナ禍で生まれた人々のニーズにマッチしたアプリと言えるでしょう。支出を抑えたい人や感染防止のために現金で支払いたくない人をうまくユーザーに取り込んだのではないでしょうか。

10月の急上昇サイトと同様にGoToEatキャンペーンの影響により、飲食店予約アプリがランキング上位を占めていました。3位のぐるなびはネット予約数が前年比の2倍に。5位のEPARKは「無限くら寿司」で話題となったくら寿司を予約できる唯一のサイト。6位のホットペッパーグルメはGoToEatと併用できる独自のキャンペーンを展開。いずれも、GoToEatキャンペーンを利用して飲食店を予約する人が急増したことがアプリ急上昇に影響したと考えられます。

今回の記事で使用したeMark+には無料機能があります。より詳しいデータが気になる方は、ぜひサイト・アプリデータで国内トレンド把握につなげてみてください。

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