セミナー内容
■Agenda
変容する消費者トレンドを捉えて実践するプロモーション戦略とは
~データで消費者を捉え、施策を実行するプロセスのご紹介~
⚫︎新型コロナは、消費者のメディア接触にどのような影響をもたらしたか
⚫︎業界全体/競合/ユーザー属性分析におけるヴァリューズのWeb行動ログデータ活用の事例
⚫︎ユーザー理解における解像度をもう一段階高めるアプローチのご紹介
⚫︎実行を支えるヴァリューズのプロモーション運用体制
⚫︎顧客データを活用したプロモーションの発展
■スピーカー紹介
図:スピーカー紹介
新型コロナは、消費者のメディア接触にどのような影響をもたらしたか
■ユーザー動向の変化
株式会社ヴァリューズ 齋藤義晃(以下、齋藤):まず、コロナ禍における消費者のメディア接触の変化を見ていきます。
新型コロナ影響拡大前後のメディア利用時間の変化として、テレビやネットに触れる時間が増えており、ネットはPCとスマートフォンともに増大傾向にあります。これらのことからも媒体価値の相対的な変化も捉えなければならない重要な潮流だと考えます。
図:ユーザー動向の変化
■ネット行動の変化
齋藤:続いて2020年1月から3月の、年代別のセッション変化を見てみましょう。
2020年3月になり全年代ともにセッションが増えているのですが、中でも、50〜60代などシニア層でネット行動の増加が著しく現れています。
図:コロナウィルス発生前後でのネット行動の変化
■ECサイト利用の伸び
齋藤:ECサイトの利用状況を見てみると、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングといった大手ECサイトも、3月から4月は利用回数が大幅に伸びていることが確認できます。
一方、ネットスーパーも急激にユーザー数を伸ばしています。
着目する点としては、今までは実店舗に来店していた顧客が一度ネット上に置き換えられていると考えられる点です。今まで利用していなかった層のユーザーの取り込みに成功していると言えるでしょう。
図:ECサイト利用の伸び
■コロナによるインターネット消費者行動の変化
齋藤:メディア接触量の変化や、幅広い世代のネット普及、コロナ禍でのEC購買増加などによって、以下のようなことがポイントとして言えると思います。
いずれも、消費者のインターネット行動の変化を捉えて施策を打つことが重要と考えます。
図:コロナによる消費者のインターネット行動の変化
業界全体/競合/ユーザー属性分析におけるヴァリューズのWeb行動ログデータ活用の事例
■マーケティングのスタートラインとなるデータ
齋藤:ヴァリューズの行動ログデータを使って、どのように業界全体、競合ユーザーを見ていくか解説したいと思います。
まず前提として、コロナ禍の影響が続く中、自社の昨対比の数字だけでは現状を捉えられないと考えられます。そのような状況の中、どのようなデータに注目すべきかを図にまとめました。
① 市場全体のサイズの変化
② 市場シェアの変化
③ ユーザーの属性/動向の変化
図:マーケティングのスタートラインとなるデータ
■マーケティングのよくある失敗
齋藤:ここでマーケティングによくある失敗として触れておくと、環境の変化を施策に落とし込めないまま施策を進めてしまうということが挙げられます。また、施策は同じなのに、成果が落ちてきているその要因も掴めていない、ということも見受けられます。
これらに関しては、①ユーザーの変化、②競合カテゴリの変化、という2つの差異が大きく影響していると考えられます。
図:マーケティングの失敗あるある
■ヴァリューズのデータを用いて、業界/競合/ユーザーを分析
齋藤:それでは具体的な分析方法について次の図のようにまとめてみました。ポイントとしては4つとなります。
① 業界全体のコンバージョン(以下、CV)数の変化を捉える
② 業界内個社のCVシェアの変化を捉える
③ 競合が行っている施策のうち、 CVに繋がっている施策を特定する
④ CVに至ったユーザーの属性を分析する
図:ヴァリューズのデータを用いて業界/競合/ユーザーを分析
ユーザー理解における解像度をもう一段階高めるアプローチのご紹介
■データプロモーションに必要な2つのキーワード
齋藤:我々が考えるデータプロモーションの形において、「刺激・情報」と「実行」の2つ、どちらが欠けても成果につながりにくく、これらが必須条件と言えます。
図:ヴァリューズが考えるデータプロモーションのカタチ
■おさえるべき「真実の瞬間」
齋藤:ここで「真実の瞬間“Moment of Truth”」という言葉をご紹介します。スカンジナビア航空CEOヤン・カールソンが1987年に提言した「1回のフライトで航空会社のスタッフが顧客に対応する時間、約15秒。その15秒間の体験で、ユーザーは企業の価値を決定する」というものです。
この「真実の瞬間」は時代と共にアップデートしています。
2005年には、米国P&Gの元CEO アラン・ラフリーが、「ユーザーと売り手が接触する店頭が「最初の真実の瞬間」となり、サービスの体験が「2番目の真実の瞬間」となる」と提言しています。このように「真実の瞬間」は時代と共に進化を遂げていることが分かります。
そして特に私が重要であると考えている言葉が、2011年の「米国における消費者のうち88%のユーザーは、店頭でプロダクトに触れる前にオンライン上の情報を閲覧しているとして、それが「0番目の真実の瞬間“ZMOT”」である」というGoogleの提言です
まさに今、我々はこのオンライン上の接点を重要視し、しっかりとこの「0番目(0段階)」を捉えていくことが必要であると考えます。
図:時代と共にアップデートされる真実の瞬間 “FMoT, SMoT” そして “ZMOT”
実行を支えるヴァリューズのプロモーション運用体制
齋藤:次に「実行」についてですが、プランニングをしてPDCAをしっかりと回していくことが重要です。そしてそのPDCAは3つの要素で構成されていると考えます。
① 進捗/結果の把握
② 要因を分析し仮説を立てる
③ (仮設に対して)打ち手を打っていく
この手順を実行するための体制があって初めてPDCAが回ると言えるでしょう。
図:実行にこだわりPDCAをしっかりと回す
顧客データを活用したプロモーションの発展
■個人情報保護に基づく、データ規制の流れ
齋藤:最後に顧客データを活用したプロモーションに関するお話しをさせて頂きます。
こちらは各国のプライバシー関連規制の動きをまとめた表です。
大枠としては、Cookieを個人情報として保護・規制する流れが明確に進んでいるということがわかります。
ヨーロッパでいうと有名なところでGDPR、そして米国ではカリフォルニア州、そういったところでの対応がこの数年、顕著に進んでいることが分かります。それに呼応するような形で、プラットフォーマーも制限を狭めており、Googleのサードパーティーの廃止やアップルのITPの件など、Cookieによるトラッキングが今後ますます活用出来なくなっていく流れにあります。
このような時流の中で、Cookieに頼らず消費者行動を理解し、プロモーションに役立てていく手法が非常に重要だと考えます。
図:個人情報保護に基づくデータ規制の流れ
まとめ
齋藤:ヴァリューズはクライアントのビジネスをしっかりと理解し、独自データだけでなく、クライアントの独自データを活用するプラットフォームや、様々なデジタルマーケティング施策のご提案と実行力で、調査会社の領域を超えたマーケティング支援が可能となっております。ぜひお気軽にご相談ください。
図:まとめ
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■変容する消費者トレンドを捉えて実践するプロモーション戦略とは|MarkeMedia Daysセミナーレポート
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マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。