年代ごとの検索エンジンシェアを調査!シニア層でもGoogleが首位

年代ごとの検索エンジンシェアを調査!シニア層でもGoogleが首位

ユーザーとWebサイトを繋げる重要な集客窓口である検索エンジン。GoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンの利用者にはどのような違いがあるのでしょうか? 本記事ではユーザー数や年代別のシェアについて、Web行動ログデータ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて調査し、それぞれの特徴を探ります。


昨今では「SNSでの検索」やストリーミングサービス等に見られる「レコメンド」が台頭してきているものの、いまだに「検索エンジン」は多くの人が何かを知りたいときに頻繁に利用するツールです。

Web広告の運用者にとって、日々の業務の中でGoogle広告・Yahoo広告にはどのように予算配分すべきか、Bingユーザーへの広告出稿は必要か…などを検討する際、各検索エンジンの利用者の違いやシェアを理解しておくべきシーンは少なくありません。

そこで今回は、5つの主要検索エンジンの利用者の特徴について、Web行動ログデータを用いて分析していきます。分析には国内のWebサイトのユーザー数や属性、流入元などがブラウザ上で分析できる「マーケターのためのリサーチエンジン」Dockpitを使用しました。

※アプリは含まずブラウザの検索エンジンシェアとなります

GoogleとYahoo!の二強?Bingの伸びにも注目

まずは、各検索エンジンでどれくらいのユーザー数がいるのか見てみましょう。

Google、Yahoo!の訪問ユーザー数推移
期間:2020年8月~2021年7月
分析ツール:Dockpit

「Bing」「BIGLOBE」「goo検索」の訪問ユーザー数推移
期間:2020年8月~2021年7月
分析ツール:Dockpit

ユーザー数が多い順に、Google、Yahoo!、Bing、goo検索、BIGLOBEという結果になりました。

他の検索エンジンに比べて、Google、Yahoo!のユーザー数は際立って多いことが分かりますね。ユーザー数が3番目に多いBingと比較しても、Googleは約4~5倍、Yahoo!は約3~4倍のユーザー数を誇っています(2021年7月時点)。

参考までに、statcounterが発表している世界での検索エンジンシェアは1位がGoogle、2位がBing、3位がYahoo!となっています。世界と比べると、日本市場ではYahoo!の利用率が高い状況です。

ここ1年間で安定してユーザー数が増えているのはGoogleとBingです。特にBingのユーザー数は約25%増加しており、増加率は他の検索エンジンと比較しても高い結果となりました。

Bingのユーザー数の伸びは、PCのコロナ特需が要因の一つとしてありそうです。BingはMicrosoftの検索エンジンで、WindowsのPCではデフォルトで設定されています。電子情報技術産業協会(JEITA)の発表によると、2020年度のノートPC出荷台数は前年比56.1%増の1077万5000台と過去最高となったそうです。

Webサイトの運営やデジタル広告の出稿を考えるにあたり、Google、Yahoo!を考慮することはもちろんですが、シェアが1割を超えるBingを考慮するかしないかは、状況に合わせて適切に判断する必要がありそうです。

シニア層でYahoo!シェアは高いものの、約4割はGoogleを利用

続いて、年代ごとの検索エンジンのシェアを見てみましょう。

主要検索エンジンの年代ごとのシェア
期間:2020年8月~2021年7月
分析ツール:Dockpit

全体的な傾向として、どの年代においてもGoogleのシェアが最も高く、次いでYahoo!、Bing、BIGLOBE、goo検索の順でシェアが多い構造が見受けられました。

Googleは若年層ほどシェアが高いことが分かります。特に20~30代は半数以上がGoogleのユーザーであるようです。デジタルネイティブ世代は拡張機能の豊富なGoogle Chromeやファイル管理、共有に便利なGoogleドライブなどのGoogle関連サービスの利用率が高く、これらのサービスとの相性のよいGoogleの検索エンジンの利用を好んでいると思われます。

Yahoo!は、中・高年層である40~50代のシェアが最も高い結果になりました。しかし、GoogleやBingに比べると、世代間のシェアの違いは大きくなく、幅広い世代に好まれているように見受けられます。

Yahoo! は日本人のニーズにきめ細かく応えるように設計されており、トップページを開いた瞬間に乗り換え案内からヤフオク!、ニュース、メール、検索、など豊富なコンテンツが利用できるようになっています。こういった部分が幅広い世代に支持されている理由の一つかと思われます。

Yahoo!のトップページ
引用:www.yahoo.co.jp

また、Bingは高年層ほどシェアが高い傾向が見受けられました。特に70歳以上の世代のシェアが高く、約20.6%のシェアとなっています。

これは、WindowsのPCに標準搭載されていることが大きな要因かと思われます。「デフォルトで開かれる検索エンジンの変更方法が分からない」「各検索エンジンの違いが分からない」といった理由から、そのままBingを利用し続けている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、主要検索エンジンのユーザー数や年代別のシェアについて調査しました。

若年層はGoogle、高齢層はYahoo!というイメージがある一方、実際にはすべての世代でGoogleのシェアがトップであることが分かりました。年代ごとのシェアの特徴としては、Googleは20~30代の若年層に特に利用されており、Yahoo!は40~50代の中・高年層に特に支持されていることが分かりました。また、Bingは高年層ほど利用率が高く、70代以上ではYahoo!に迫るシェアが見受けられました。

今後は高年代層もさらにデジタルに精通していくと思われるなか、検索エンジンのシェアがどうなってゆくか要注目です。今回のデータをぜひ業務に活かしてみてください。

<分析概要>
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「Dockpit」を使用し、2019年7月~2021年6月のネット行動ログデータを分析しました。※ユーザー数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』は、競合サイト分析や消費者のトレンド調査に役立ちます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

※本文記載内容に誤りがございました。 深くお詫び申し上げますとともに、以下の通り訂正させていただきます。(2023/01/17)

誤:ユーザー数が多い順に、Google、Yahoo!、Bing、BIGLOBE、goo検索という結果になりました。

正:ユーザー数が多い順に、Google、Yahoo!、Bing、goo検索、BIGLOBEという結果になりました。

→「goo検索」と「BIGLOBE」の記載順が逆になっておりました

この記事のライター

2022年4月に新卒としてヴァリューズに入社しました。それまでは大学院でダイヤモンド半導体について研究しつつ、ヴァリューズの内定者アルバイトとして働いていました。

関連する投稿


新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

リリースされてから、Z世代を中心に強い支持を集めている「BeReal(ビーリアル)」。2023年初頭から人気を集め始めていますが、いまだにその人気は衰えていません。2024年7月には、日本で広告事業を本格化しはじめたことが大きな話題になりました。今回は、BeRealの最新動向をデータを用いて分析するとともに、広告ビジネスの可能性を調査していきます。


いすゞの「だれでもトラック」エルフミオは変革を起こすか? Webサイト訪問者データで初動を分析

いすゞの「だれでもトラック」エルフミオは変革を起こすか? Webサイト訪問者データで初動を分析

2024年7月、いすゞ自動車は新型トラック「ELFmio」を発表しました。普通自動車免許で運転でき、「だれでもトラック」と銘打たれるこのトラック。狙いは物流を担うトラックドライバー不足の解決です。そんなエルフミオのインパクトを、Webサイト訪問者データを通じて分析しました。


ECサイトにおけるKPI策定のポイント

ECサイトにおけるKPI策定のポイント

ECサイトの売り上げをあげるためには、KGIの設定だけではなく、KPIの策定が重要なポイントになります。そこで、気になるKPIの策定ポイントや、課題の洗い出し・分析についてご紹介します。効果的なマーケティング施策にお悩みの方や、ECサイトの売り上げが伸び悩んでいる方はぜひ参考になさってください。


“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

近年再び話題になっている「アサイー」。若い女性を中心に人気を集めているようです。他にはどのような特徴を持つ人がアサイーに関心を持っているのか、アサイー検索者がアサイーのどんなことに興味を持っているのかについて、Web行動ログデータから分析・考察します。そして、アサイーブームのこれからを考えます。


Analyzing the rapidly growing interest in Gacha Gacha using data! Introducing cases applied in marketing

Analyzing the rapidly growing interest in Gacha Gacha using data! Introducing cases applied in marketing

Capsule toys, or “Gacha Gacha,” have become popular globally with people all ages for their affordability and collectability, especially in Japan, with the establishment of Gacha Gacha specialty stores. We will analyze the user segment interested in Gacha Gacha and explore how companies can apply it in marketing.


最新の投稿


SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

Repro株式会社は、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、結果を公開しました。


感性について ~ マーケティングとハプティクス

感性について ~ マーケティングとハプティクス

人には5感が備わっています。さらに突き詰めれば第6感という感覚も。それら人の持つ感性や感覚を補うべくあらゆる技術も日々進歩していますが、人のそれらの代替となるような技術はまだ未完の途上です。それほどに他に取って代われない私たちの感性・感覚。本稿では、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、広告やマーケティングを通して人の感性の深さを説き、ハプティクス(Haptics)を用いて人の感覚の重要性を解説します。


イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

株式会社イードと株式会社ガイエは、全国のファミリーマート、ローソン(※一部店舗を除く)に設置されているマルチコピー機で展開するコンテンツサービス「エンタメプリント」を活用した広告パッケージ「Anime Touch Ad」を共同開発し、販売開始することを発表しました。


ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

株式会社ネオマーケティングは、株式会社ボーダーリンクと協業し、在日外国人リサーチサービスを提供開始したことを発表しました。


コンテンツマーケで成果を上げるには営業部門との連携がカギ!?約9割のマーケターが営業視点を取り入れた効果とは【PRIZMA調査】

コンテンツマーケで成果を上げるには営業部門との連携がカギ!?約9割のマーケターが営業視点を取り入れた効果とは【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、コンテンツマーケティングに携わっているBtoB企業のマーケティング担当者を対象に、「コンテンツマーケティングに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ