2021年11月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2021年11月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
2021年11月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)
こちらは、Web行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」のトレンド分析機能を用いて、Webサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。
▼先月の急上昇サイトはこちらよりご覧ください。
未来の消費予測の種は?SDGsビジネスやパスタのサブスクにユーザー集まる|2021年10月急上昇サイト
https://manamina.valuesccg.com/articles/15682021年10月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。
1位にはワイルドターキーがランクイン。ディスプレイ広告の影響か
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。
■1位:ワイルドターキー
1位にランクインしたのは「ワイルドターキー」のブランドサイトでした。ワイルドターキーはオースティン・ニコルズ社が製造するバーボン・ウイスキーの銘柄で、七面鳥を描いたラベルが特徴です。
ではどのようにユーザーをサイトに集客したのか、集客構造の推移から探っていきましょう。
2021年10月〜2021年11月の「ワイルドターキー」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)
先月と比べてディスプレイ広告が大幅に増加し、それによってサイト訪問者数が一気に増えたことがわかります。
CT Spirits Japan株式会社は2021年11月19日からワイルドターキーのテレビCMと動画広告を開始。このCMは「ワイルドターキー」が全世界で展開を始めた“TRUST YOUR SPIRIT”というキャンペーンのテーマに基づくもので、「たとえ時流に逆行しても、ありのままの自分に自信を持ち、強い信念を持って生きること」を応援するメッセージが込められていると言います。CMには同ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務める俳優マシュー・マコノヒーが語り部として出演。テレビCMは関東圏で放映され、動画広告は全国に配信されました。
同社ではマス広告と連動してWeb上でもディスプレイ広告を展開する大規模なキャンペーンを行ったと考えられます。こうした施策が今回のサイト急上昇につながったのではないでしょうか。(参考:『プレミアム バーボン 「ワイルドターキー」 がテレビCM・動画広告を開始』)
■4位:はがきデザインキット
4位には郵便局が提供する年賀状の作成・印刷サービス「はがきデザインキット」がランクイン。
急上昇の原因を集客構造から探っていきましょう。
2021年11月の「はがきデザインキット」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
外部サイトからの流入が全体のうちの約75%であることが分かります。さらに外部サイトの流入元内訳を確認すると、日本郵便からの流入が大半を占めていました。
2021年11月の「はがきデザインキット」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)
年末も近づき、そろそろ年賀状を準備する時期です。特に喪中欠礼は11月上旬~12月上旬までに届くように贈るため、11月中に準備する必要があります。はがきデザインキットは日本郵便が運営しているサイト。既存の顧客基盤を活かして訪問者数を急増させたのではないでしょうか。
▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
ユニリーバ公式やイオンショップも上位にランクイン
■13位:ユニリーバ・ジャパンホームページ
13位は「ユニリーバ・ジャパン」の公式サイトでした。
急上昇の原因をコンテンツランキングから確認しましょう。
「ユニリーバ・ジャパン」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
ランキング1位のページは、以下のようなユニリーバのポイントバックキャンペーンに関するページでした。
キャンペーンは、ユニリーバの対象製品を税込600円以上購入し、そのレシートと製品画像をLINEで申請すると、必ず購入金額の最大50%分のLINEポイントがポイントバックされるというもの。キャンペーンの対象商品は詰め替え製品であるため、プラスチックの使用量削減に貢献しています。
ユニリーバは「環境負荷を減らし、社会に貢献しながらビジネスを成長させる」というビジョンを掲げ、ビジネスの成長とサステナビリティの両立を目指し、SDGsの取り組みに積極的です。本キャンペーンは抽選で当たった対象者ではなく、応募者全員が必ずポイントバックされることもあり、多くの注目を集めたと考えられます。
■18位:イオンショップ
18位はイオンの通販サイト「イオンショップ」でした。イオンのお中元、お歳暮、母の日ギフトをはじめ、カタログ掲載品、WEB限定品などを取り扱っています。
では急上昇の原因をコンテンツランキングから確認しましょう。
「イオンショップ」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
圧倒的にUU数を稼いだ1位のページは、ブラックフライデーに関するページでした。ではどのようにユーザーがサイトに流入したのか集客構造から確認しましょう。
2021年11月の「イオンショップ」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
外部サイトからの流入が目立ちます。さらに外部サイトの流入元内訳を確認すると、イオンリテールやイオンスクエアなどイオンのグループサイトからの流入が大半を占めていました。
2021年11月の「イオンショップ」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)
感謝祭翌日の金曜日に行われるブラックフライデーはアメリカ最大規模のセールの1つです。イオンでは19日から10日間に渡り「イオン ブラックフライデー」を開催。緊急事態宣言解除後の消費マインド回復が鈍い中で、「イオン ブラックフライデー」をフックに需要喚起策を積極的に推進しました。イオンショップではグループサイトのつながりを活かしてブラックフライデーを宣伝し、訪問者数を急増させたと考えられます。
■23位:Huobi / 27位:Huobi Japan
23位には中国で設立された暗号通貨取引所「Huobi」がランクインし、27位にはHuobiグループが手がける日本法人の暗号通貨取引所「Huobi Japan」がランクインしました。
Huobi とHuobi Japan では11月11日からHuobiグループ8周年記念キャンペーンを開催。記念キャンペーンを通して1人につき最大3,000円相当の暗号資産がプレゼントされました。
こうしたお得な記念キャンペーンにより両サイトとも訪問者数を急増させたと考えられます。
サイト急上昇の要因を考察
最後に11月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。
11月はポイントキャンペーンをフックに急上昇したサイトが目立ちました。13位の「ユニリーバ・ジャパン」では、最大50%分のLINEポイントバックキャンペーンを実施。キャンペーン対象商品は詰め替え製品となっており、サステナビリティを組み込んだ設計であることが特徴です。23位の「Huobi」とでは27位の「Huobi Japan」ではグループ8周年を記念して、最大3,000円相当の暗号資産をプレゼントするキャンペーンを開催。こうしたポイントキャンペーンを活用して両サイトとも訪問者数を急増させたと考えられます。
一方で、年末商戦に向けて食のECが攻勢を強めていました。1位のウイスキーメーカー「ワイルドターキー」は世界的にプロモーションを展開し、国内ではCMと連動したディスプレイ広告でサイト訪問者数を急増させました。また18位の「イオンショップ」では、グループサイトのつながりを活かしながらブラックフライデーをフックに訪問者数を増加させました。イオングループでは緊急事態宣言解除後の消費マインド回復が鈍い、「イオン ブラックフライデー」を開催。年に数回のビッグセールの1つとも言われるブラックフライデーの効果がユーザー数に表れたと言えるでしょう。
本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
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