ネットユーザー行動分析トレンドreport 【2015夏の旅行】

ネットユーザー行動分析トレンドreport 【2015夏の旅行】

国内派/海外派の閲覧サイトや検索キーワードの特徴とは?


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下ヴァリューズ)は、一般ネットユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、この夏に旅行予定がある消費者のネット行動を分析しました。また、昨年も同様の調査・分析を実施しており、前年度データとの傾向比較も行っています。

分析概要

夏の旅行予定については、全国のVALUESモニターを対象として、2015年6月25日~7月1日にアンケート調査を実施、その回答者14,562人をネット行動分析の対象としました。
前年度データについては、2014年6月25日~7月1日に、全国のVALUESモニターを対象にアンケート調査を実施、その回答者14,199人をネット行動分析の対象としました。
※ネット行動はPC上の行動ログを分析対象としています。
※サイト分類の「旅行・交通」カテゴリは、ヴァリューズが独自に定義しています。

考察サマリ

旅行業界のサイト訪問者数ランキング(6月度) 「楽天トラベル」と「じゃらんnet」が2強

ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのサイトにおいて、2015年6月度のサイト訪問者数ランキングを集計したところ、1位「楽天トラベル」、2位「じゃらんnet」、3位「Yahoo!トラベル」と宿泊予約サイトがTOP3を占める結果になりました。特に「楽天トラベル」と「じゃらんnet」の訪問者数が突出しています。

また、同じく「旅行・交通」カテゴリのサイトにおいて、サイト訪問者数の対前年比でランキングしたところ、1 位は温泉宿の情報が充実した「ゆこゆこネット」(前年比:141.0%)となりました。比較的、訪問者数の規模が大きいサイトでは、「るるぶトラベル」(前年比:121.8%)や「Yahoo!トラベル」(前年比:120.8%)が上位にランクインしており、集客が好調のようです。

今夏の旅行予定は、国内派:30.7%、海外派:5.7%、昨年度よりも微減

2015 年6 月25 日~7 月1 日に実施したアンケートで、今年の夏に旅行予定があるかどうかを尋ねると、「国内旅行派」は30.7%、「海外旅行派」は5.7%、「行先は決めていないが旅行を検討中」が8.7%となり、合わせると45%が、この夏の旅行を予定していることが分かりました。一方、「特に旅行は検討していない」が55%と半数を超えており、昨年度の同調査では51%であったことから約4 ポイント上昇しています。

今夏の旅行時期については、9月のシルバーウィークの需要が増加傾向

さらに、「旅行を予定/検討している時期」を同アンケートで尋ねたところ、「9月」と回答した人の割合が昨年よりも伸びていました。今年は9月下旬に5連休が可能なシルバーウィークがあるため、7月~8月の夏休み期ではなく、時期をずらした9月に旅行を予定している人が増えているようです。

今夏に旅行を予約・検討している人のサイト閲覧傾向は?

●国内旅行派 ─宿泊予約サイト、旅行代理店、航空会社の他、グルメサイトやまとめサイトもよく閲覧
●海外旅行派 ─旅行系以外にも「Yahoo!ファイナンス」「ホットペッパービューティー」「TOHOシネマズ」など

次に、旅行を検討していない人(非検討者)との乖離(差)が大きい順にランキングを集計し、国内旅行予定者、海外旅行予定者、それぞれでよく閲覧しているサイトのランキングを作成しました。

旅行を検討していない人に比べて国内旅行予定者(手配済+検討中)がよく閲覧するサイトの1位は「じゃらんnet」で、2位に「楽天トラベル」、3位「JTB」となっています。また、4位「食べログ」、8位「ぐるなび」、18位「ホットペッパーグルメ」と、グルメ情報サイトが複数上位にランクインしました。旅先でのレストラン情報やクチコミをチェックしていると考えられます。

一方、旅行を検討していない人に比べて海外旅行予定者(手配済+検討中)がよく閲覧するサイトをみてみると、1位「HIS」、2位「JAL」、3位「ANA」という結果になりました。また、4位「エクスペディア」、5位「旅行のクチコミ フォートラベル」、7位「トリップアドバイザー」などユーザーのレビューやクチコミが充実しているホテル予約サイトが上位にきています。さらに、10位「Yahoo!ファイナンス」、13位「三菱東京UFJ銀行」、27位「三井住友VISAカード」など金融系のサイトもよく閲覧する傾向があるようです。その他、旅行系以外では、美容室・サロンの予約サイト「ホットペッパービューティー」や映画館の「TOHOシネマズ」などもランクインしており、海外旅行派はサービス消費に対して積極的な一面がうかがえます。

今夏の旅行予定者の検索キーワードランキング

最後に、GoogleおよびYahoo!の検索を対象に、今年の夏に旅行を予定している人が、どのようなキーワードで検索しているか、2015年6月度の検索キーワードランキングを作成しました。

国内旅行予定者では、3位「じゃらん」、6位「ANA」、8位「楽天トラベル」、10位「JAL」などの旅行系ワードがTOP20に入りました。海外旅行予定者では、2位「ANA」、5位「HIS」、8位「JAL」、17位「EXPEDIA」、19位「じゃらん」などがTOP20にランクインしています。3位の「翻訳」というキーワード検索は、海外旅行予定者でのみ上位にあがっており、こちらも特徴的なワードです。

一方、旅行を検討していない人(非検討者)の検索キーワードランキングをみてみると、旅行系ワードでは「ANA」「JAL」がランクインするのみという結果になりました。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


訪日外国人観光客調査【2025年最新】 -中国・台湾・タイ・韓国-

訪日外国人観光客調査【2025年最新】 -中国・台湾・タイ・韓国-

1年間で3,686万9,900人と過去最多訪日外国人数を記録した2024年。この数字はコロナ前の2019年の過去最高訪日数を上回ります。今や世界中からやってくる訪日観光客。本レポートでは、その中でも隣国の中国・台湾・タイ・韓国からの訪日観光客にフォーカスを当て、2024年の観光動向を調査しました。※レポートは記事末尾のフォームから無料でダウンロードいただけます。


日比谷花壇の事例から学ぶ 顧客理解を深め、打ち手に繋げるための生成AI活用

日比谷花壇の事例から学ぶ 顧客理解を深め、打ち手に繋げるための生成AI活用

自社ECサイト「hibiyakadan.com」のロイヤル顧客数の増加に向けて、株式会社日比谷花壇はヴァリューズと共に顧客理解のためのアンケート調査を実施。「母の日」などの一時的な売上増加に留まらない、継続的な購入につながる要因を明らかにしました。「調査を実施して終わり」ではなく、成果につながる施策に落とし込むために重要なこととは?同社の横山氏にうかがいました。


都道府県・政令指定都市別の公式観光サイト推計閲覧者数ランキング【2024年】

都道府県・政令指定都市別の公式観光サイト推計閲覧者数ランキング【2024年】

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:菰田 正信)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2024年の観光関連Webサイトの年間推計閲覧者数を調査しました。


【ユーザー徹底検証】サプリメント利用調査(2025年1月最新版)

【ユーザー徹底検証】サプリメント利用調査(2025年1月最新版)

ドラッグストア、コンビニ、ECと手軽に手にすることのできるサプリメント。実際にはどれくらいのユーザーが利用しているのでしょう。そして、その目的や購入の決め手となることは?本レポートでは、サプリメントの摂取層を対象に調査を行い、どのような商品が選ばれ、どのように利用されているのか、その購買行動や利用実態を具体的に把握、検証しました。※本レポートは無料でダウンロードできます。


【2024年最新】東南アジア3カ国実態調査 ~タイ・ベトナム・インドネシア~

【2024年最新】東南アジア3カ国実態調査 ~タイ・ベトナム・インドネシア~

日本と同じアジアでも、独特のお国柄や文化を擁す東南アジア。その中でも本レポートではタイ・ベトナム・インドネシアの人々の日常生活や価値観を明らかにし、最近注目されている「ライブコマース」「ローカル愛」「EV車」に関する実態を調査しました。※調査レポートは記事末尾のフォームより無料でダウンロードいただけます。


最新の投稿


博報堂⾏動デザイン研究所、生活者が日々情報を引き寄せ貯めこむ行動と欲求の変化を調査した「行動デザイン予報2025」を公開

博報堂⾏動デザイン研究所、生活者が日々情報を引き寄せ貯めこむ行動と欲求の変化を調査した「行動デザイン予報2025」を公開

博報堂⾏動デザイン研究所は、15〜69歳スマートフォン保有の男⼥を対象に、「情報行動・欲求に関する調査」を実施し、結果を公開しました。本調査では、生活者が日々情報を引き寄せ貯めこむ行動(情報プール)とその根底にある欲求がコロナ禍(23年)からどのように変化したかを聴取し、「行動デザイン予報」として今後の生活者トレンドを予測しています。


富裕層向けの最上位クレカ「ブラックカード」関心層の分析と戦略の検討

富裕層向けの最上位クレカ「ブラックカード」関心層の分析と戦略の検討

高ランク帯のクレジットカードのなかでも特に持つ人が限られているというプレミアムなカード、通称"ブラックカード"。ブラックカードを持つことに憧れているという人も多いのではないでしょうか。本記事では、ブラックカードに関心を持つ人々の検索傾向やターゲット層の特徴を深掘りし、どのようなプロモーション施策が効果的かについて考察します。


「値上げ」の1番の注目は米、キャベツじゃなく...?検索ワードを調査

「値上げ」の1番の注目は米、キャベツじゃなく...?検索ワードを調査

物価上昇が以前と続く2025年3月。様々な分野で値上げが行われていますが、人々から特に関心を集めているのはどの物価なのでしょうか。この記事では、値上げに関連する検索ワードから、人々がどの値上げに注目しているか、2025年と2024年それぞれで分析していきます。


Z世代とミレニアル世代ではECサイトでのコスメ購入のタイミングやアイテムに差がある!購入する理由は「手軽さ」「お得感」「ポイントがつきやすい」【シナブル調査】

Z世代とミレニアル世代ではECサイトでのコスメ購入のタイミングやアイテムに差がある!購入する理由は「手軽さ」「お得感」「ポイントがつきやすい」【シナブル調査】

株式会社シナブルは、月に1回以上ECサイトでコスメを購入するZ世代の女性とミレニアル世代の女性を対象に、「コスメ購買意欲」の実態調査を実施し、結果を公開しました。


トランプ関税がもたらす変化とグローバルマーケティング戦略の潮流

トランプ関税がもたらす変化とグローバルマーケティング戦略の潮流

2025年1月20日に第2次トランプ政権が発足し、連日数々の「大統領令」が発令されている今。その中でもトランプ政権の主軸となるのは通商政策、いわゆる「トランプ関税」でしょう。本稿では、日々耳にする「トランプ関税」の意味する中身を詳しく紹介。国際政治学者としてだけでなく、地政学リスク分野で企業へ助言を行うコンサルティング会社の代表取締役でもある和田大樹氏が、「トランプ関税」の大局を見極め、関係国・関係企業に及ぶ影響の光と影の部分や、今起きているグローバルマーケティングの潮流を解説します。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ