広がる位置情報サービスと生活への浸透
厚生労働省が「新型コロナウイルス接触確認アプリ - COCOA」をリリースしたことでもわかるように、位置情報サービスは、今や単なる地図上の位置情報にとどまらず、わたしたちの生活を支えるインフラになっています。そこから消費やコミュニケーションが生まれたり、災害時や緊急時のライフラインになったりなど、活用の幅も種類もますます拡大しています。
一昔前の感覚では、個人情報流出を危惧して自分の現在地を他の誰かに知られることを避けていました。しかし昨今では若者を中心に、現在地をシェアしあうことに抵抗がなくなり、むしろ親近感や利便性を感じるまでになっているようです。
2021年10月には移動を価値に変えるアプリ「Miles」が日本上陸。移動するたびにマイルが貯まり、クーポンなどがGETできます。位置情報でユーザーが得をするサービスも増えているのです。
位置情報の活用で広がる世界
位置情報の活用がどのように広まっているのか、人気サービスやアプリから傾向を読み解いていきましょう。分析にはWebサイト/アプリ分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使用します。
■位置情報で遊ぶ
位置情報サービスを利用したゲーム「位置ゲー」は、ポケモンGOを筆頭に数多くリリースされました。人気なのは「ポケモンGO」「ドラゴンクエストウォーク」、新しいものでは2021年11月に配信開始された「ピクミン ブルーム」などです。
「ピクミン ブルーム」はリリース早々「ドラクエウォーク 」のユーザー数を超え、その愛らしいキャラクターが女性、若年層ユーザーの人気を集めています。
位置情報ゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」「ポケモンGO」「ピクミン ブルーム」ユーザー数推移
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
位置情報ゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」「ポケモンGO」「ピクミン ブルーム」ユーザー属性比較/男女比
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
位置情報ゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」「ポケモンGO」「ピクミン ブルーム」ユーザー属性比較/年齢層
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
Pikmin Bloom ピクミンとおでかけ
■位置情報を共有する
位置情報を家族や友人と共有するアプリも人気です。リアルタイムで相手の現在地が把握できるため、子どもの見守りや友達との待ち合わせなどに役立ちます。
なかでも20代の若者を中心に「Zenly」の人気が上昇しています。子どもの見守りサービスでは「Life360」や多くの学校で導入されている「ミマモルメ」がユーザー数を伸ばしています。
位置情報アプリ「Zenly」「Life360」「ミマモルメ」ユーザー数推移
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
位置情報アプリ「Zenly」「Life360」「ミマモルメ」ユーザー属性比較/年齢層
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
Zenly ゼンリー: あなたの大切な人との、あなたのMAP
■位置情報で得をする
冒頭でご紹介した位置情報で「Miles」のように、位置情報で得をするサービスもあります。「Miles」や「トリマ」は毎日の移動や通勤・通学で貯まるマイルやポイントで特典をゲットできる、いわゆる”ポイ活”アプリですが、これらのように、移動=歩くことを推奨し、ヘルスケアにつなげるサービスが増えています。
また、「Miles」「トリマ」「FiNC」はどれもすべての年齢層にバランスよく支持されていることがわかりました。
位置情報で得するアプリ「Miles」「トリマ」「FiNC」ユーザー数推移
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
位置情報で得するアプリ「Miles」「トリマ」「FiNC」ユーザー属性比較/年齢層
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
Miles (マイルズ) - すべての移動に、マイルを
■位置情報で便利に
位置情報サービスのそもそもの目的である、位置情報を把握する、ナビゲーション機能、追跡機能に目を向けると、やはり交通・物流サービスでの活用は欠かせません。昨今では、物品の位置情報に加えて人の居場所を特定し、追跡するアプリも人気です。
位置情報で生活を便利にするアプリで人気なのは、タクシーが呼べる「GO」や出会い系アプリ「Pairs」、ローカルニュースを地図上で探せる「NewsDigest」などがあります。
なかでも「GO」のユーザー数は右肩上がり、TVCMなど積極的なプロモーションも奏功しています。ユーザー属性を見ても、20代のユーザーが増加しており、これまでのタクシー利用者=ミドル、シニア層というイメージが刷新された印象です。
便利な位置情報アプリ「GO」「Pairs」「NewsDigest」ユーザー数推移
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
位置情報で得するアプリ「Miles」「トリマ」「FiNC」ユーザー属性比較/年齢層(推移)
期間:2021年7月〜12月
デバイス:スマホ(アプリ)
GO タクシーが呼べるアプリ 旧MOV×JapanTaxi
まとめ
今は位置情報をシェアする時代。厚生労働省が「新型コロナウイルス接触確認アプリ - COCOA」をリリースしたことでもわかるように、位置情報サービスは、今や単なる地図上の位置情報にとどまらず、わたしたちの生活を支えるインフラになっています。
位置情報の活用がどのように広まっているのか、Webサイト/アプリ分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使用し、人気アプリのユーザー分析を行いました。
<位置情報で遊べるアプリ(位置ゲー)>
「位置ゲー」は、ポケモンGOを筆頭に数多くリリースされました。2021年11月に配信開始された「ピクミン ブルーム」は、リリース早々「ドラクエウォーク 」のユーザー数を超え、その愛らしいキャラクターが女性、若年層ユーザーの人気を集めています。
<位置情報を共有するアプリ>
位置情報を家族や友人と共有するアプリも人気です。なかでも20代の若者を中心に「Zenly」の人気が上昇しています。
<位置情報で得するアプリ>
位置情報で得をする“ポイ活”アプリをご紹介しました。2021年10月に移動を価値に変えるアプリ「Miles」が日本上陸し、多くのユーザーを集めました。
<位置情報で便利になるアプリ>
位置情報で生活を便利にするアプリで人気なのは、タクシーが呼べる「GO」や出会い系アプリ「Pairs」、ローカルニュースを地図上で探せる「NewsDigest」などです。なかでも「GO」が好調です。
分析概要
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+(イーマークプラス)」を使用し、位置情報活用アプリについて、ユーザー(サイト訪問者)推移、属性などを調査分析しました。
※対象期間:2021年7月〜2021年12月
※ユーザー数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。