東京都Webサイトアクセスサマリーが公開開始。コロナ流行とサイト訪問者数の相関が明らかに

東京都Webサイトアクセスサマリーが公開開始。コロナ流行とサイト訪問者数の相関が明らかに

東京都の公式サイトに関するユーザー数の推移や閲覧ページのランキングがダッシュボードとして一般に公開されました。ダッシュボードのデータとアクセス解析ツール「Dockpit」のデータを組み合わせたところ、コロナの流入とユーザー数の相関や、コロナ以外に関心を持つユーザーの検索行動が見られました。


東京都のWebサイトにおいて、アクセス解析ツールを導入している東京都公式ホームページ等のアクセス状況の概要が、2022年1月20日から一般に公開されはじめました。

東京都Webサイトアクセスサマリー

元Yahoo!代表取締役社長で、現東京都副知事の宮坂学さんのツイートでも以下のような告知が。

宮坂さんはデータダッシュボードの公開だけでなく、未導入サイトへのアクセス解析ツールの導入推進やその他データとの連携も視野にいれているとのことで、今後の動向が気になるところです。

今回の記事では、具体的に東京都Webサイトのどんなデータが公開されているのかを見ていきます。と同時に、国内約250万人の消費者パネルを元にWebサイトのPV・UU数やアクセス経路、消費者の動向を調査できるツール「Dockpit(ドックピット)」を使って、より詳細な東京都のWebサイト分析を行なってみました。

【関連記事】2021年観光関連サイト閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは大阪、三重が二強

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公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山西 健一郎)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2021年の観光関連Webサイトの年間閲覧者数を調査しました。

東京都Webサイトアクセスサマリーから何が分かる?

公開されたダッシュボードではどんなデータが見れるのでしょうか。前提としてこのダッシュボードでは、東京都公式サイトのうちアクセス解析ツールを導入しているサイトを対象に、データを公開しています。この導入サイトの一覧は次のページに公開されています。

東京都Webサイトアクセスサマリー(サイト一覧)

https://datastudio.google.com/embed/reporting/2c5ff0dc-1354-4bec-8988-8b9dd916f1c8/page/p_yg1pa2w4qc

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まず、基本指標として日別・週別・月別のユーザー数が掲載されています。

「東京都Webサイトアクセスサマリー」基本指標(2022/2/25時点)の画像

それぞれ過去10日間、10週間、10か月間のユーザー数が見れるようになっているほか、前期間と比較した差分のデータも見ることができます。

過去10か月では2021年8月と2022年1月のユーザー数が多い結果となっていました。また、過去10週間では1月10日の週から増加が見られます。21年8月はコロナ感染者数の第5波、22年1月は第6波のタイミングと重なるため、ユーザーはコロナ関連の情報を求めて東京都のサイトを訪れたと言えそうです。

次に、アクセスデバイスの比率と日別・サイト別のユーザー数のグラフが掲載されています。

「東京都Webサイトアクセスサマリー」アクセスデバイス比率・サイト別ユーザー数/日別(2022/2/25時点)の画像

直近4週間分のアクセスデバイス比率と日別/サイト別ユーザー数を見ることができます。

サイト別データに注目すると福祉保険局HPのアクセスが1日約20万~40万ユーザーで、他サイトと比べ群を抜いて高くなっています。

最後に閲覧ページでは、集計期間内で10万PV以上のページ名と、そのPV数が掲載されています。

「東京都Webサイトアクセスサマリー」閲覧ページ(2022/2/25時点)の画像

ビュー数上位のサイトに注目すると、「PCR等検査無料化事業」「診療・検査医療機関の一覧」「濃厚接触者の方へ」など、やはりコロナ関連の情報ページに注目が集まっているようです。

【関連記事】地方移住の促進に成功している自治体ポータルサイトは?移住ランキング上位県のWeb施策を考察

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コロナ禍以降、東京を離れて地方に移住する人が増えているようです。移住促進に取り組む地方自治体にとって、オンラインでの情報収集の入り口となる「移住ポータルサイト」の重要性はさらに高まってきています。今回は、人気移住地のそれぞれのポータルサイトのユーザー属性や、サイト内のコンテンツごとの関心層の違いなどを調査していきます。

Webサイトごとのユーザー数推移や検索者の訪問意図を調べてみる

続いて、国内250万人の消費者パネルを元にサイトのビュー数からアクセス経路、消費者の動向を調査できるDockpit(ドックピット)のデータを組み合わせることで、より詳細なデータ分析を行います。

今回は東京都の公式サイトのなかでも特にユーザー数が多い東京都福祉保健局HP、都庁総合HP、東京都防災HPの3つに注目してみました。

まずは月間ユーザー数の過去2年における推移が下図になります。

「東京都福祉保健局HP」「都庁総合HP」「東京都防災HP」の月間ユーザー数の推移

「東京都福祉保健局HP」「都庁総合HP」「東京都防災HP」の月間ユーザー数の推移
(集計期間:2020年2月~2022年1月、デバイス:PC&スマートフォン)

東京都福祉保健局HPだけでなく、都庁総合HPについても東京都のダッシュボード同様、2021年8月、22年1月に増加していた様子が見られます。それだけではなく、コロナ流行当初の2020年4月、第2波の7月、第3波の21年1月でもユーザー数が上昇しており、コロナ流行との相関が見られます。

一方で東京都防災HPでは、2020年4月に上昇が見られるものの、その後は大きな変動は見られません。

そこで、続いて各サイトへの流入キーワードの上位ワードを見てみます。Dockpitから集計し、表にまとめました。

「東京都福祉保健局HP」「都庁総合HP」「東京都防災HP」の上位流入キーワード

「東京都福祉保健局HP」「都庁総合HP」「東京都防災HP」の上位流入キーワード
(集計期間:2020年2月~2022年1月、デバイス:PC&スマートフォン)

最初に東京都福祉保健局HPへの流入キーワードを見てみると、やはり「コロナ」「濃厚接触者」「感染者数」といったコロナ関連でのキーワードが上位を占めています。その他にはこころの悩みに関する相談窓口に流入するキーワードや、「ボツリヌス菌」「不妊治療」「赤ちゃんファースト」といった妊娠・育児に関するキーワード、「ヘルプマーク」等が含まれています。

東京都福祉保健局HPへの流入ワードについては、コロナに関する情報については公式の情報源として参照する方が多いほか、コロナ以外の分野への関心も高いと言えます。

続いて都庁総合HPでは、「人口」といった基礎情報を求める検索ワードのほか、「協力金」「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」といった、コロナ関連のなかでも非感染者の生活に関するキーワードが含まれています。感染者数等の情報よりは関心が小さいものの、コロナの流行に関連があることがわかります。

最後に東京都防災HPでも上位はコロナ関連のキーワードです。ただ掲載している情報の差からか、東京都福祉保健局HPよりは流入が少なくなっています。そのほかには「ハザードマップ」「南海トラフ」といった防災関連のキーワードも含まれています。

こうした流入キーワードの違いはユーザー属性にも表れていました。

「東京都福祉保健局HP」「都庁総合HP」「東京都防災HP」の男女比
(集計期間:2020年2月~2022年1月、デバイス:PC&スマートフォン)

「東京都福祉保健局HP」「都庁総合HP」「東京都防災HP」の年代構成比
(集計期間:2020年2月~2022年1月、デバイス:PC&スマートフォン)

他の2サイトと比較して、東京都福祉保健局のHPは女性比率が10%弱高く、年代構成比としても20-30代の比率が高くなっています。これは、妊娠・育児に関するコンテンツやこころの悩み相談に関するコンテンツへの流入が影響していると言えそうです。

新型コロナの流行とサイト訪問者数に相関が見られる

ここまで、東京都が公開したダッシュボードのデータを中心に東京都の公式サイトについて分析を行ってきました。

東京都のダッシュボードでは基本指標として日・週・月別のユーザー数の他、アクセスデバイス比率や閲覧ページのランキング等が公開されていました。これらのデータからは、コロナの流行とサイトの訪問者数の間に相関が見られました

さらにDockpitのデータをダッシュボードのデータと組み合わせて見たところ、公開されている期間より前においても、コロナの流行とユーザー数に関連があることが分かりました。また、コロナ以外のテーマについても、ユーザーの検索行動や、東京都Webサイトへのアクセスの意図が見えてきました。

東京都がWebサイトデータを公開した試みに見られるように、データ分析を行う際に日々のアクセス状況を分析する取り組みは重要です。また、運営側が保有しているサイトデータに加えて、今回使用した「Dockpit」など外部のデータを組み合わせて見ることで、より深い分析が可能です。

Dockpitでは毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

2022年の春から、新卒としてヴァリューズに入社。

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