ブランディングについての基本知識
ブランディングとは、商品やサービス、そして企業自体に対して顧客に共通したイメージを持ってもらう活動を指します。「顧客に」なので、こちらは対外的なもの、と言えます。近年では、社員に対し、企業や事業、サービスの目指すべき姿を理解・浸透させる啓蒙活動である「インナーブランディング」も重視されています。こちらは「社員に」なので、内側に向けたもの。このようにブランディングは「外」と「内」の両方に行うものと、なります。
ブランディングのための戦略=ブランド戦略。戦略立案のためにはいくつかのステップを踏む必要があります。その際にフレームワークを利用すると効率が上がります。ここではブランド戦略立案に便利なフレームワーク「3C分析」「SWOT分析」「PEST分析」をご紹介します。
自社の商品・サービスを市場に普及させるには、一貫したマーケティング戦略が必要です。企業のマーケティング戦略立案に使われる3C分析・STP分析・4P分析などのフレームワークや、有名企業のマーケティング戦略事例をご紹介します。
ブランディングのおすすめ本:デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール
かつてブランドを形成する要因は広告でしたが、デジタル時代においてはSNSや口コミによる“ブランド体験”がブランドを下支えするようになっています。本書はこのような時代ならではのブランディングの方法論をわかりやすく解説しているので、まずブランディングについて知るのに好適な一冊です。
ビジネスにおけるブランドの戦略的位置づけをどう設定するか、さらにブランドとはなにか、など各内容を整理して紹介しているので、初めてブランディングに触れる場合でも体系立てて理解できるようになっています。それだけにとどまらず、ブランディングとUXの関係についてもしっかり解説されています。そのほか、ブランド効果の検証、PDCAサイクルについても言及しているのもポイントです。
ブランディングのおすすめ本:ブランディング・ファースト―広告費をかける前に「ブランド」をつくる
ブランディング、そしてそれに関連するデザインをひとつの経営戦略とし、解説している本書。ブランディングについての考え方から始め、そこからデザイン=クリエイティブワークまでの流れをひとつずつ丁寧に解きほぐしています。ちなみに、インナーブランディングについても触れています。
こちらもブランディングとはなにかをこれから学びたいという人のほか、中小企業の経営者、もしくはそれに近い立場の人にとくにおすすめしたい一冊です。ブランディングをどのように進めていくか、関係部署内の全員が読むことでブランディングをどのように進めるべきかの指針になるでしょう。
ブランディングのおすすめ本:グローバル・ブランディング
著者の松浦氏は、資生堂、キッコーマン、ネスレ、ルイ・ヴィトン、IBMなど、国内外の著名ブランドを手がけた実務家であるのみならず、10年以上にもわたり大学で教鞭をとってきた人物です。本書は松浦氏のビジネス・教育それぞれの視点から、グローバル市場での勝負に勝つための方法論を紹介。日本企業がグローバル市場で勝負するための方法論を紹介する数少ない著書とも言えます。
グローバルブランド作りの法則、「資生堂」を例に挙げたブランド解説といった“グローバル”に対するメインテーマのほか、これからの時代のブランド戦略の思考法などのブランド論の基本についても紹介しており、幅広いテーマを学べます。
ブランディングのおすすめ本:ブランド論―無形の差別化を作る20の基本原則
本書はブランディングの第一人者として知られるデービッド・アーカー氏が提唱する「ブランドとは未来の成功のための足場。その組織のために継続的な価値を生み出すもの」という理論のエッセンスを抜き出したもので、ブランディングにおける重要なフレームワークをコンパクトにまとめて解説しています。
また、ブランド構築にあたっての基本的原則が最新の事例とともにわかりやすく解説されているだけではなく、フレームワークも順序立てて解説されていますので、ブランディングにそれほど詳しくなくても読み進められます。
ブランディングのおすすめ本:ブランディング
とかく広告代理店頼みのプロモーション活動、と捉えられがちなブランディングの定義を、企業活動から生み出される資産とし、インナーブランディングも交え自社で一丸となって取り組むもの。という点から出発してブランディング全体を理解しやすいように整理されています。
ブランディングの事例として世界的に有名なコーヒー店・スターバックスを扱っているので、よりその内容を掴みやすくなっています。以前ほどモノが売れない、そして顧客中心主義となっている昨今、ブランディングの重要性をより意識させられる内容となっています。
ブランディングのおすすめ本:小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書
タイトルにもあるように、中小企業もしくは小規模事業者向けの内容の一冊です。不況下において中小以下の企業が生き残るために欠かせないひとつの要素、ブランディングについてどのように進めていくかを詳解しています。
顧客の気持ち・感動を集めるモノづくりの事例は著者が関係した事業の話になっており、よりリアリティを感じられます。事業規模の大小、業種問わず、自社の売り上げ向上のひとつの方策としてブランディングが有効であると実感できる内容になっています。
ブランディングのおすすめ本:社員をホンキにさせるブランド構築法
供給過多とも言えるほど、市場にはモノやサービスがあふれている状況において、他社との差別化を図るひとつの手立てとしてブランディングがありますが、それが現場の社員まで伝わりづらい、インナーブランディングが浸透しづらいという現実があります。
本書ではブランディングを組織的に行う「チームブランディング」の重要性を提唱し、そこから派生する効果、実行するための過程や事例を紹介し、インナーブランディングまでも包括したブランディングの構築を体系的に解説しています。
ブランディングのおすすめ本:ザ・インターナルブランディング
タイトル「インターナルブランディング」は、企業内にその理念を浸透させる、つまりインナーブランディングを進める例を小説仕立てで描いています。
インナーブランディングの理論や手法を解説する中で、社内からどのようなリアクションがあるのかという、インナーブランディングを進めるにあたって直面する問題をストーリーの中で描いており、実用的な読み物になっています。インナーブランディングまで深くするつもりはなくとも、社員のコンセンサス統一、モチベーション向上にも役立つ内容になっています。
ブランディングのおすすめ本:スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営
ニッチ戦略の事例として紹介されるケースが多い、アウトドアブランド「スノーピーク」の社長・山井太氏の著書です。山井氏は年間で60泊近くをキャンプ場、テントで過ごすほどアウトドアに精通する人物です。
そのような経験をもとに開発された商品群を有するスノーピークは、熱心なユーザーが多いことでも有名です。そのようなユーザーと社員が一緒にキャンプするという、いわば「B with C」マーケティングを実践しています。ブランディングとインナーブランディングを両立できる事例を紹介しています。
ブランディングのおすすめ本:MUJI式 世界で愛されるマーケティング
もはやグローバル企業と言っても過言ではない「無印良品」のブランディングを紹介し、どのように世界的なブランドへと発展したかを解説した一冊です。
無印良品が掲げる「無印良品=しるしの無い良い品」というコンセプトが浸透していて、安価で品質は高いブランドとして認知されるに至った理由、流行ではなく普遍性を追う無印良品ならではのブランディング、ブランド戦略の理解を深められる一冊です。
まとめ
自社の優位性をアピールし、他社との差別化を図って売り上げを伸ばすためにブランディングは避けて通れない道と言えます。
現在業績がよい市場であっても、それがいつまでも続くとは限りません。来るべき時に備え、つねにブランディングの意識は持っておくべきでしょう。そのためにここで紹介した本から知識を蓄えておくことをおすすめします。
また、今回紹介した本はおおよそ企業向けのものですが、個人をブランディングする場合でも参考になります。自分を社内、もしくは社外でアピールするには?という視点で読むと、新たな発見があるかもしれません。
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