気になるガソリン価格の値上げ。燃費関心ユーザーはどんな人?消費者Web行動分析ツール「story bank」で調査

気になるガソリン価格の値上げ。燃費関心ユーザーはどんな人?消費者Web行動分析ツール「story bank」で調査

昨今、原油高の影響でガソリン価格が高騰しており、物流に影響を及ぼしているほか、家計も圧迫されるなどで省エネ意識が格段に高まっているのではないでしょうか。そこで今回は、自動車選びの中でも消費者が気になるポイントのひとつである「燃費」について、関心を持っているユーザーをクラスタ分析し、その人物像を調査しました。分析ツールはヴァリューズが提供する消費者Web行動分析ツール「story bank」を用いています。


「燃費」関心ユーザーの人物像は?

※この調査は、消費者の検討背景やニーズを、実際のWeb行動データから定量的に分析・把握することができるツール「story bank(ストーリーバンク)」を使って分析しています。今回は、2021年7月~2022年6月の1年間に「燃費」と検索した人を「燃費」関心ユーザーと定義し、前後180分間のWeb行動ログを分析しました。

まず、「燃費」に関心を持つ人達の属性について見てみましょう。

性年代では、ネット利用者全体と比較すると男性が8割以上を占めており、男性割合が非常に高いことがうかがえました。女性よりも男性の方が「燃費」について気になっているようです。

中でも、20代~40代の年代が6割以上となっており、これらの層が「燃費」への興味関心が高いことを示しています。

「燃費」関心ユーザーの属性:性年代

「燃費」関心ユーザーの属性:性年代

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

世帯年収では、世帯年収1,000万円以上の層も比較的多く、幅広い世帯で省エネ意識が高い結果となっていました。

「燃費」関心ユーザーの属性:世帯年収

「燃費」関心ユーザーの属性:世帯年収

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「燃費」関心ユーザーを6クラスタに分類

次に、「燃費」関心ユーザーを、検索したワードからクラスタ分析しました。その結果、『燃費計算』『国内メーカー』『バイク・原付』『外車』『ハイブリッド』『レンタカー』の6つのクラスタに分類されました。

各クラスタの特徴は以下の通りです。

燃費計算

燃費の良い車ランキングなど燃費に関連するワードの他に、エンジンオイルなどメンテナンス関連、アウトランダーミライなど車種名を検索。

国内メーカー
トヨタスズキスバルなどのメーカー名の他に、アクアハリアーなどの車種名を検索。
バイク・原付
シグナススーパーカブなどのバイク名や、ネイキッドなどバイクタイプ、125CC250CCなどの排気量を検索。
外車
BMWボルボシトロエンルノーなどのメーカー名を検索。
ハイブリット
トヨタホンダのメーカー名や、ヤリスセレナの車種名、中古車軽自動車実燃費を検索。
レンタカーガソリン代ガソリンガソリン価格などのガソリン関連の他に、トヨタレンタカータイムズレンタカー、トヨタの無人貸出レンタカーチョクノリなどを検索。
「燃費」関心ユーザーのクラスタ

「燃費」関心ユーザーのクラスタ

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

『国内メーカー』『外車』クラスタの特徴

続いて、6つのクラスタに分類された中で、特徴的だった『国内メーカー』『外車』の2つのクラスタに注目し、消費者Web行動分析ツール「story bank」を使ってさらに深掘り分析しました。

『外車』は男性比率がさらに高い結果に

まずは、『国内メーカー』クラスタの性年代を見てみましょう。

20代~40代までの男性の比率が高く、これらの年代で半数以上を占めていることがわかりました。また、50代もネット利用者全体と比較すると3.4ポイントも高くなっていました。

『国内メーカー』クラスタの属性:性年代

『国内メーカー』クラスタの属性:性年代

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

また、『外車』クラスタの性年代は、さらに男性比率が高まり20代~50代までで約8割を占める結果となっていました。『外車』はより男性からの支持が高いことがうかがえます。

『外車』クラスタの属性:性年代

『外車』クラスタの属性:性年代

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

『国内メーカー』は旅行、『外車』はアクセサリーに関心あり

続いて、自動車以外にもどんなジャンルに関心があるかについても見てみましょう。

「story bank」を用いると、アンケートで聴取した項目から、対象となるWeb行動をとった人達がどのようなジャンルに興味関心が高いのかがわかります。

『国内メーカー』クラスタは、国内旅行、バイク、キャンプなどに関心があるようです。アウトドアや旅行の中で、車を使う意識が強い様子がうかがえました。

『国内メーカー』クラスタの興味関心ジャンル

『国内メーカー』クラスタの興味関心ジャンル

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

一方の『外車』クラスタは、マネー・投資やデジタル機器に関心があるようです。また、スポーツ(ジョギング、ジムなど自身が行うスポーツ)や腕時計への関心が高いことから、自己投資を意識している様子も読み取れました。

『外車』クラスタの興味関心ジャンル

『外車』クラスタの興味関心ジャンル

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

『国内メーカー』は若年層、『外車』はお金への関心が高い

最後に、各クラスタのユーザーがどんなアプリに関心があるのかを見てみましょう。こちらも同様に「story bank」で分析します。

『国内メーカー』クラスタは「with(ウィズ)」や「Pairs」などのマッチングアプリや、「マンガワン」や「マガポケ」などの漫画アプリ、「LTE回線状況チェッカー」や「povo2.0」などの格安スマホ関連のアプリを特徴的に利用していることがわかりました。

マッチングアプリや漫画アプリ、格安スマホアプリなどが多くランクインしていることから、比較的若年層が多いことが影響していると思われます。

『国内メーカー』クラスタの関心アプリ

『国内メーカー』クラスタの関心アプリ

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

『外車』クラスタは、「SBI証券」や「野村株」などの投資アプリがランクインしていることから、お金への関心が高いことがうかがえました。また、「サウンドハウス」や「Sony」など音楽系アプリが上位に挙がっており、日常的によく音楽を聴く習慣などが垣間見えました。

『外車』クラスタの関心アプリ

『外車』クラスタの関心アプリ

期間:2021年7月~2022年6月
デバイス:PCおよびスマートフォン

まとめ

今回は「燃費」関心層について、消費者Web行動分析ツール「story bank」を用いて調査・分析しました。

結果は、
・男性割合が高め
・世帯年収1,000万円以上の層も比較的多い
と言うことがわかりました。

さらに、『燃費計算』『国内メーカー』『バイク・原付』『外車』『ハイブリッド』『レンタカー』の6つのクラスタに分類され、中でも『国内メーカー』『外車』に着目したところ『外車』クラスタは男性比率が非常に高く、20代~50代までで約8割を占める結果となっていました。

また、関心ジャンルや特徴的に利用するアプリにも違いがあらわれており、
・『国内メーカー』クラスタは国内旅行、バイク、キャンプに興味があり、マッチングや漫画、格安スマホのアプリを特徴的に利用
・『外車』クラスタは時計やデジタル機器に興味があり、投資や音楽系アプリを好んで利用している
ようです。

今回の調査からもわかるように、ひとくちに「燃費」と言っても、そこに関心を寄せる背景や人物像はさまざまです。自動車業界のみならず、マーケティングでは、ターゲットとなるユーザー層の属性、興味関心、デジタル行動の実態を的確に把握し、ニーズを柔軟に取り入れ、情報を提供することがますます重要となってきています。

今回、分析に用いた消費者Web行動分析ツール「story bank」は、誰でも簡単に消費者の行動分析ができるダッシュボードを搭載し、アンケート調査や統計データを収集せずとも、短時間でターゲットユーザーの調査を行うことができます。下記のリンクから詳細なツール紹介資料をお取り寄せ頂けますので、ぜひお問い合わせください。

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この記事のライター

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