テンプレートで競合分析を効率的に行う方法

テンプレートで競合分析を効率的に行う方法

マーケティング戦略の一環として行われる競合分析。競合分析の実行にあたっては、フレームワークの利用が効率的になります。フレームワークの概念とともに、どのように調査した内容をテンプレートにまとめて分析に活かすのかを解説します。


競合分析の基本

競合分析とは、自社・競合他社の商品や競合他社のサービスのマーケティング方法、さらには自社の強みや弱み、そして置かれている市場環境を理解し、分析するために行うものです。競合分析は、マーケティング戦略の立案など、次の意思決定に活用する資料になります。

そのほかに、いかに競合他社に先んじてアドバンテージを得られるか、さらに、マーケティングを含む各種戦略を立てやすくなるばかりでなく、業界や市場のニーズといった「気づき」の獲得も競合分析によって期待できます。

競合分析とは?必要性や具体的な進め方

https://manamina.valuesccg.com/articles/510

市場での競争を生き残るために欠かせない競合分析。マーケティングで効果を出すためにポイントとなる競合分析の進め方や、効率的な分析に役立つフレームワークを紹介します。

競合分析の注意点

「競合」の分析に注力することに加え、その前段階として自社や顧客、そして自社を取り巻く環境(業界)についてを正確に把握しておく必要があります。そのためにはまず自社と顧客について十分に調査・分析を行います。

そして、競合を調査するにあたって、インターネットなどで公開されている情報をもとにする場合も出てきますが、公開されている情報は一部かもしれない、という認識が肝心です。

インターネットでの調査は手軽にできますが、競合他社との取引がある会社、そして場合によっては顧客に対して聞き取り調査を行い、自社とどう比較されているのか、といった一次情報も拾うと信頼性が増します。

競合分析の方法・流れの要点

競合分析にあたっては、まず自社が提供する製品やサービスと類似したビジネスモデルを持つ競合他社をピックアップするところから始めます。

競合のピックアップには分析ツール「Dockpit(ドックピット)」の「業界分析」機能を使うと効率よく行えます。業界は既にデータベース化され定義されているので、自社のサービスに関連する業界を選ぶと、各社のユーザー数シェアを1クリックで表示できます。

そして「一次調査」と「二次調査」の2つの調査・分析によって市場分析を行います。

次に行うのが競合の調査・分析です。調査については、製品の特徴(価格、対象年齢、サポート内容など)を洗い出し、機能ごとに分類して比較します。このほか、競合の現状における成果や成果の理由も調査・分析します。

最後に競合他社の情報を集めたら、(クロス)SWOT分析を用いて自社と競合他社の比較を明確にします。その結果、自社の強み、弱みを明確にできたら、それをチャンスにとして、さらに直面する脅威を真摯に受け止めると、立案した戦略に具体性を持たせられます。

こうした流れは以下のリンクで詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。

競合分析とは?必要性や具体的な進め方

https://manamina.valuesccg.com/articles/510

市場での競争を生き残るために欠かせない競合分析。マーケティングで効果を出すためにポイントとなる競合分析の進め方や、効率的な分析に役立つフレームワークを紹介します。

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テンプレートの利用で競合分析のフレームワークを効率化

3C分析

3C分析とは、顧客(Customer)、自社(Corporation)、競合(Competitor)の頭文字をとったフレームワークで、3つのCから多角的に事業や商品・サービスを分析することで、競合と差別化を図り、顧客のニーズを満たす商品・サービス作り、広告、ブランディングに役立てます。以下のようなテンプレートを用いて3C分析を行います。

3C分析の無料テンプレート

競合分析 テンプレート

無料で使えるテンプレートをダウンロード可能です。

【パワポ】3C分析の無料テンプレート

【PDF】3C分析の無料テンプレート

テンプレートを用いた3C分析はこちらにてさらに詳しく解説しています。

4C分析・4P分析

4C分析は1960年代に提唱された「4P分析」を改良し、1990年代に発表されたマーケティング理論で、どちらの場合も分析の目的は、自社の商品やサービスの強みを「買う側の視点(4C分析)」と「売る側の視点」に分けての分析です。

4Cは「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Customer Cost(顧客が費やすお金)」「Convenience(顧客にとっての利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」それぞれの頭文字の「C」を取ったものです。

そして、4P分析は「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション・販売促進)」という、4つの「P」をもとに分析を行います。テンプレートは以下のようなものになります。

4C分析・4P分析の無料テンプレート

競合分析 テンプレート

無料で使えるテンプレートをダウンロード可能です。

【パワポ】4C分析・4P分析の無料テンプレート

【PDF】4C分析・4P分析の無料テンプレート

消費者に受け入れてもらうための商品やサービスを作り出すために、企業側・顧客側双方の視点を取り入れた、4C分析ならびに4P分析を交えた分析の実例を以下のリンクで紹介しています。

マーケティング戦略で用いられる「4P分析」とは?

https://manamina.valuesccg.com/articles/623

4P分析は企業が販売戦略を決める際に使わるマーケティング戦略のフレームワーク。4P分析はProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った用語です。ニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通で効率よく販促できれば、売上拡大につながります。

SWOT分析

SWOT分析とは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字を取ったもので、事業を取り巻く要因を整理するフレームワークです。

これら4要素を「内部環境か外部環境か」と「事業にとってプラス要因かマイナス要因か」の2×2軸に分類します。分類後の分析によって成功のために必要な知識や理解を得られます。

SWOT分析の無料テンプレート

競合分析 テンプレート

無料で使えるテンプレートをダウンロード可能です。

【パワポ】SWOT分析の無料テンプレート

【PDF】SWOT分析の無料テンプレート

なお、SWOT分析を施策に具体化していく作業として「クロスSWOT分析」というものもあります。こちらに関しては以下のリンクのSWOT分析の段落で詳しく解説しています。

競合調査の代表的フレームワークを紹介!

https://manamina.valuesccg.com/articles/589

市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使われているフレームワークは、3C分析・SWOT分析・ファイブフォース分析(5フォース分析)・PEST分析・バリューチェーン分析・4P分析の6つです。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析(5フォース分析)とは、「競合他社」「新規参入」「代替品」「売り手の力」「買い手の力」という5つの要素で、自社が置かれている環境を整理・分析するフレームワークです。

ファイブフォース分析のおもな目的は、マーケティングにおいて自社のリソースをどのように振り分けるかの検討材料にする点にあります。

ファイブフォース分析の無料テンプレート

競合分析 テンプレート

無料で使えるテンプレートをダウンロード可能です。

【パワポ】ファイブフォース分析の無料テンプレート

【PDF】ファイブフォース分析の無料テンプレート

各項目にどのような内容を入れるかの詳細は、以下のリンク内の「ファイブフォース分析(5フォース分析)」の段落内で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

競合調査の代表的フレームワークを紹介!

https://manamina.valuesccg.com/articles/589

市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使われているフレームワークは、3C分析・SWOT分析・ファイブフォース分析(5フォース分析)・PEST分析・バリューチェーン分析・4P分析の6つです。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。

競合分析でテンプレートを使う際の注意点

フレームワークやテンプレートの利用によって効率的に競合分析を行えるのですが、その目的やポイントをしっかり把握しておかなければ、その分析自体が無意味なものになってしまう恐れがあります。

そのためにはまず、競合や自社への意識だけではなく、顧客についても考慮します。競合分析の最大の目的、ゴールはいかに自社の商品やサービスを顧客に手にしてもらうか、です。したがって、顧客からの目線も意識した上で競合分析を行う必要があります。

そして、競合分析は自分やチームメンバーの主観によるデータ収集・分析ではなく、客観的な視点が必要不可欠です。このためには「きっとこうだろう」といった先入観を取り払う必要があります。

最後に、競合分析は1度完了したらそこで終了、ではありません。自社を取り巻く環境は変化していくのが当然のことです。したがって、競合分析は適宜アップデートしていくという感覚で定期的に行うのが理想的です。

まとめ

競合の分析によって相手のことを理解するだけではなく、自社の強みや弱み、さらに置かれている状況についても把握でき、これからの経営戦略を考える上でも重要になってきます。したがって、できるだけ定期的に競合分析をアップデートしていくのが重要、とも言えます。それを実現するためには、フレームワークやテンプレートを利用して効率的に競合分析を行うのがおすすめです。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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