検索エンジン以外のSNS検索等での情報収集が盛んになっている
検索エンジン以外のSNS等で検索機能を使って情報収集をしたことはありませんか?
「タグる」という新語に代表されるように、人々の検索行動は検索エンジンの枠を超え、SNSプラットフォームにも及んでいます。
各検索シーンで求められている情報傾向や各プラットフォームの使われ方を把握することは、効率的な情報発信に向けて、重要ではないでしょうか。本稿では「車」検索者を題材に、検索エンジンとの比較や閲覧動画把握から、YouTube検索の使われ方を探っていきたいと思います。
YouTubeでは「BGM」「アニメ」などをよく検索
下記キャプチャは、2023年3月のYouTube内検索と検索エンジンにおける、検索者数の多いTOP10ワードです。
*検索エンジンの数値はDockpitトレンド分析機能より挿入
3月ということもあり、YouTubeでも検索エンジンでも「WBC」がトップとなっていますが、他のKWDに着目すると、YouTubeでは「BGM」や「アニメ」など、赤いハイライトに該当するような、映像プラットフォームならではのワードの検索者ボリュームが大きいようです。リラックスタイムや勉強時のBGMや、趣味のアニメについて情報収集しているのでしょうか。
筆者もYouTubeで作業BGMを探すことがあるため、肌感にも近しい結果です。
YouTubeでは車のセルフケア等ハウツー情報、検索エンジンでは確かな情報を求める傾向
では、YouTubeと検索エンジンで、同じ検索語のかけ合わせワードはどう変わるのでしょうか?今回は、YouTube内検索・検索エンジンともにTOP10外ではありますが、比較的検索ボリュームの大きい「車」での検索に注目し、直近1年間の傾向を確認します。
*検索エンジンの数値はDockpitキーワード分析機能より挿入
検索エンジンでは、「保険」や「名義変更」など、文章のみで十分に説明可能な情報を求めるようなキーワードが上位にランクインしています。一方、YouTube検索では「うろこ取り」や「キズ消し」「塗装」など、文章だけでなく、映像で伝えることが適しているような、車のケアに関するハウツー系のキーワードが多い点が特徴的です。
では、これらの検索からどんなチャンネルの動画を閲覧しているのでしょうか?上位ワードからの流入動画例を下記に記載しています。
車のパッシング方法のような実用的な映像や、過去のCM集といった車好きらしい動画も見られる一方で、パーツの磨き方や洗車方法といった、愛車のセルフケア動画が多くランクインしている点が特徴的です。車を趣味や娯楽として楽しむユーザーといえそうです。
愛車好きが発信する、具体的な手法紹介が好まれているのでしょうか。洗車方法などは、検索エンジンから文章で情報収集するよりも、映像での紹介のほうがわかりやすいことは容易に想像できますね。
一部動画のサムネイル例をみても、一般ユーザーによる発信で、親しみを持ちやすい内容であることが読み取れます。
まとめ
今回は、検索エンジンとYouTube検索の使われ方の違いをテーマに、通常の検索エンジンとYouTube内検索における検索ワードの比較や、各プラットフォームの「車」検索者の掛け合わせワード分析を行いました。
その結果、上位ワードや「車」との掛け合わせワードの違いから、YouTube検索では、映像による伝達が適するような娯楽寄りの情報収集をするのに対し、検索エンジンは文章による伝達が適する確かな情報の収集をしていることが推察されました。
YouTube内でのコンテンツ発信においては、映像情報があることで理解が深まる、車のセルフケア方法のような情報が、求められるのかも知れません。
本記事の内容が、YouTube検索と検索エンジンの使い分けについての理解の一助となれば幸いです。
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株式会社ヴァリューズ データアナリスト 本間 花(ほんま はな)
東京都出身、津田塾大学総合政策学部卒業。1998年生まれ。
2021年にヴァリューズへ新卒入社。
ヴァリューズのWEBログデータの分析を手掛ける。