物価高騰で注目される「米粉」、年齢ごとに注目されているポイントに違いが

物価高騰で注目される「米粉」、年齢ごとに注目されているポイントに違いが

食品業界のマーケターや新しいもの好きな人、ヘルスコンシャスな人に向けて、食品のトレンドを分析します。 今回のテーマは「米粉」。近年、輸入食品の価格高騰により小麦粉の代替品として「米粉」が注目されていますが、どんな消費者が米粉に注目しているのでしょうか。市場を調査します。


「米粉」は小麦粉の高騰で注目集まる

まずはDockpitを使って「米粉」というキーワードで検索をしている方について見てみましょう。

Dockpit 「米粉」の検索者数推移 (集計期間:2021年6月〜2023年6月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「米粉」の検索者数推移
(集計期間:2021年6月〜2023年5月、対象デバイス:PC&スマホ)

検索者数推移を見てみると、やんわりと右肩上がりになっていますが、特にグッと検索者が増えたのは2022年3月頃です。このタイミングは様々な日用品や食材の値上げラッシュの発表があった時期。小麦は海外から一旦政府が輸入し各国内メーカーへ価格を決めて販売しているのですが、その価格が引き上げられることが発表されました。それにともない山崎パンなどの大手パンメーカーや外食産業、そして家庭用の小麦粉を販売する製粉会社が値上げを発表したことから、小麦粉の代替品となる米粉への注目が集まったことが伺えます。

その後も2022年10月と2023年4月に検索者数の山が盛り上がっています。2022年10月は「製粉各社が小麦粉の価格を春まで据え置く」と発表したタイミング。2023年4月は小麦粉の再値上げが発表されたタイミングでした。小麦粉の値上げ関連の話題が出る度に小麦の代わりにと米粉について検討する人が増えていることがわかりますね。

そんな背景も関係あるのでしょうか。「クックパッドの食トレンド予測2023」には「次に来そうなのはこれ!」と5つの食材やメニューが紹介されていますが、その中の一つに「米粉」がランクインしています。

クックパッドの食トレンド予測2023より

「トレンド」というのは単なるブームや人気商品だけではありません。今回の米粉のように世の中の変化に対して、人々が不安を抱いた時にも発生するものだと感じさせられました。

米粉はグルテンフリーのため、身体に良いことを好む人も

マイボイスコム株式会社が行った「米粉・米粉食品に関する調査」では、米粉食品のイメージについて「おいしい」に続き「健康によい」と回答した人が約3割いました。

「米粉・米粉食品に関する調査」

代替品として使う食品の多くは「美味しくないけど仕方がない」「食感が悪くなるけど仕方がない」と、あくまで安価な代替品として何かを諦める必要があると思いがち。しかし米粉は「おいしい」「健康によい」「もちもちした食感がある」など、小麦粉に劣るどころかメリットが多く存在するのが特徴です。

近年米粉が注目された背景にはこの「健康によい」というメリットが大きく寄与したように思います。米粉は小麦粉よりも油を吸収しにくいため、料理に使用するとカリっとヘルシーに仕上がります。さらに小麦粉アレルギーの人でも食べられること、グルテンフリーを好む方でも気にせず使用できることなどから多くの健康を気にする人から受け入れられたことも、「やむなく使う代替品」に留まらない人気の理由なのです。

健康志向な人から受け入れられたのならオートミールは?

米粉が「健康によい」という側面で注目されたのであれば、オートミールはどうなのか?と考える方もいらっしゃるでしょう。同じように小麦粉の代わりに様々な料理に使うことができ、そしてダイエットや健康にも良いとされる食材です。Dockpitで「オートミール」というキーワードで検索をしている方について調べてみると、検索者数は下降傾向にあり、ブームが落ち着いてきていることがわかりました。

Dockpit 「オートミール」の検索者数推移 (集計期間:2021年6月〜2023年6月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「オートミール」の検索者数推移
(集計期間:2021年6月〜2023年5月、対象デバイス:PC&スマホ)

レシピサイトの「COOKPAD」で米粉のレシピを検索すると35,403品がヒット(2023年6月16日現在)するのに対し、オートミールのレシピは12,967品。(2023年6月16日現在)オートミールは一時期ブームとなった食材ではありますが、汎用性の高さで比べてしまうと米粉に劣るのかもしれません。オートミールは独特の食感や形状がありますが、米粉は食感に影響が出づらい粉状が使い勝手が良いということなのでしょう。

「米粉」を含む「検索キーワード」を見てみると、「レシピ」「パンケーキ」「クッキー」「お好み焼き」など、一般的には小麦粉を使用して作る料理のレシピについて調べている人が多いことがわかります。お菓子からメインの料理にまで様々な用途があるのも米粉の魅力の一つなのかもしれません。

Dockpit 「米粉」の検索キーワード (集計期間:2021年6月〜2023年6月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「米粉」の検索キーワード
(集計期間:2021年6月〜2023年5月、対象デバイス:PC&スマホ)

「米粉」について検索している人の年代別の傾向は?

「米粉」について調べている人についてさらに詳細を見てみましょう。データを直近1年のものにし、より最近の傾向について調べてみました。

Dockpit 「米粉」のワードネットワーク (集計期間:2022年6月〜2023年6月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「米粉」のワードネットワーク
(集計期間:2022年6月〜2023年5月、対象デバイス:PC&スマホ)

米粉は「さつまいも」「バナナ」「かぼちゃ」「豆腐」など様々な食材との相性も良く、さらに「離乳食」「蒸しパン」など幅広い年代の献立で活躍します。そして「バターなし」「炊飯器」「フライパン」など使用する器具も多い。なんとも使い勝手が良いことが魅力だとわかります。「すぐできる」「簡単」というワードもありますね。

続いては検索者の属性についてチェックしてみましょう。

Dockpit 「米粉」の属性別マップ (集計期間:2022年6月〜2023年6月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「米粉」の属性別マップ
(集計期間:2022年6月〜2023年5月、対象デバイス:PC&スマホ)

性別は女性に偏っているものの、年齢層は若年層・高齢層のどちらにも偏らない真ん中あたりに集中しているようです。さらに拡大して細かく見ていきましょう。

Dockpit 「米粉」の属性別マップ (集計期間:2022年6月〜2023年6月、対象デバイス:PC&スマホ)

Dockpit 「米粉」の属性別マップ
(集計期間:2022年6月〜2023年5月、対象デバイス:PC&スマホ)

若年層は「代用」「ダイエット」という言葉が目立ちます。節約のために小麦粉の代用として検討している人や、ダイエット目的で米粉を使いたい人が多いことがわかります。一方で、高齢層は「マドレーヌ」「バナナケーキ」など、お菓子作りに活用することを検討しているように見えます。さらに「ミズホチカラ」という米粉のブランド名で検索している様子も。「ミズホチカラ」は米粉のために開発されたお米の品種で、特にパン作りに適した米粉になるのだそう。高齢層は米粉なら何でも良いわけではなく、より細かなクオリティが気になっていることが伺えます。

まとめ

今回は「米粉」について調べました。小麦粉の価格高騰に伴い代替品として注目されたのがきっかけかもしれませんが、その汎用性と健康面への好影響から使ってみたい・常備したいと考える人が多かったのでは?という仮説が立てられました。さらに、年代によってその注目ポイントも異なることがわかりましたね。販売時にはそうしたことを意識しながら訴求方法を検討してみてはいかがでしょうか。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。

関連する投稿


【大阪・関西万博】地域・熱狂度別のデータで振り返る、ガチ勢注目のパビリオンは?

【大阪・関西万博】地域・熱狂度別のデータで振り返る、ガチ勢注目のパビリオンは?

2025年10月13日、184日間の会期を終えた大阪・関西万博は、一般来場者2,500万人を超える大きな賑わいを見せました。本記事ではWeb行動ログデータを用い、「地域」と「熱狂度」の2軸から来場者を分析します。「万博」と「USJ」の選択に地域差はあったのか。「コア層」と「ライト層」では、注目するパビリオンに違いが出たのか。データを紐解くと、属性によって異なる「万博の楽しみ方」が浮かび上がってきました。


物価高での消費行動調査2025|3人に1人が食料品を「代替品」へ移行。「バター→マーガリン」が代替1位に!

物価高での消費行動調査2025|3人に1人が食料品を「代替品」へ移行。「バター→マーガリン」が代替1位に!

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の18歳以上の男女33,276人を対象に、直近2年間の物価高による消費行動変化に関する消費者アンケート調査を実施しました。また、WEB行動ログを使用し、WEB上における興味関心を分析しました。※本レポートは記事末尾のフォームから無料でダウンロードできます。


冬商戦の市場動向レポート 2025〜定着するブラックフライデー、「福袋」商戦の早期化など、最新トレンドを調査

冬商戦の市場動向レポート 2025〜定着するブラックフライデー、「福袋」商戦の早期化など、最新トレンドを調査

冬にはブラックフライデー、クリスマス、お歳暮、福袋など、複数の商戦期が存在します。特に近年ではブラックフライデーが国内でも定着し、 2025年の調査では認知率約85.8%、購入経験者約39.7%に達するなど、 年末商戦の起点として大きな存在感を示しています。増加するEC販路の現状も踏まえ、本調査では、2023年冬からの市場推移を時系列で整理し、主要商戦期におけるオンライン行動の変化を調査。また、この数年人気を集めている体験型ギフトの伸長も考察しています。冬ギフトや福袋などに関係するマーケティング担当の方などにおすすめです。※本レポートは記事末尾のフォームから無料でダウンロードいただけます。


Twitterが「X」になって早2年。若者が“Twitter呼び”を続ける理由をデータで考察

Twitterが「X」になって早2年。若者が“Twitter呼び”を続ける理由をデータで考察

SNSを代表する存在であったTwitterは、2023年7月24日に「X(エックス)」へ名称変更し、世の中を驚かせました。「X(旧Twitter)」という表記が使われるようになってから2年以上が経ちますが、日常生活やSNS上では依然として「Twitter」と呼ぶ人も多く見られます。本記事では、「Twitter」と呼ぶ人と「X」と呼ぶ人に、どのような違いがあるのかを分析しました。


「サナ活」ブームを数字で分析。HPアクセス急増、"近畿"で過熱か

「サナ活」ブームを数字で分析。HPアクセス急増、"近畿"で過熱か

現在、SNSを中心に「サナ活」という言葉が注目を集めています。高市首相の就任をきっかけに、彼女の愛用品に注目が集まり、関連商品の売り上げが急伸したという報道も見られます。本記事では、「サナ活」がもたらした経済的な影響とその支持層について、最新のデータをもとに分析しました。


ページトップへ