株式会社博報堂プロダクツは、Spiral.AI株式会社の共同プロジェクトは、業務システムとカスタマーインターフェースにおいてそれぞれ開発フェーズを設け、ソリューション開発を進めます。
業務システム開発フェーズでは、主に現状のコンタクトセンター内の業務生産性改善を主軸に、オペレーター向けの研修・応答方法の提案など、直接的に生活者に関わらない部分でのAIの導入を推進し、これらの運営を通じてAIの強化学習および精度検証に取り組みます。
カスタマーインターフェース開発フェーズでは、生活者がいつでも直接AIと応答し、必要なコミュニケーションを行える環境の構築を目指すとのことです。
本プロジェクトにおいて取り組む生成AIの3つの課題
■①正答性
LLMが抱える最も大きな課題とされる「事実に基づかない回答を行うことがある=Hallucination」は、正しい情報を直接的に生活者に届ける必要があるコンタクトセンター業務において致命的欠陥とも言えます。
本プロジェクトではファインチューニング・インデックス構築・人的応答へのシームレスな連携など、多面的なアプローチで正答性向上に取り組みます。
■②情報セキュリティ
生活者の個人情報を取り扱うコンタクトセンターの業務において、情報漏洩を防ぐ情報セキュリティの担保は必須です。一方、現状の生成AIはまだ情報セキュリティ面が検証されきれておらず、一部でジェイルブレイク手法を用いた個人情報データの抜き出し結果などが報告されているなど顕在化している課題もあります。
本プロジェクトでは提供が始まっている個別クラウド環境のセキュリティ検証に加え、オンプレミスへのモデル導入なども視野に技術検証を推進します。
■③ユーザー体験価値
コンタクトセンターにおける応答は、情報精度のみならず、いかに生活者に寄り添い、安心と納得を醸成できるかといった、属人的かつ機械化が難しいスキルが必要とされていました。本プロジェクトでは一義的に正しい情報を返すだけのロボットではなく、生活者に寄り添うAIを目指し、独自の応答手法開発を進めます。
本プロジェクトにおいて取り組む技術開発
■情報検索技術の精度向上
チャット型の文章検索エンジンとしての基本機能に加え、検索精度を高めるために、独自アルゴリズムの開発や、独自領域へのモデル特化を進めます。
一般的に用いられるベクトル検索を上回る精度を出すための各種工夫を盛り込み、顧客からの幅広い質問に対して的確な回答を迅速に絞り込むための基盤として活用します。
この技術は、オペレーターが情報を探す負担を軽減すると共に、多くの企業で共通する課題である情報検索を効率化する基盤技術となります。
■音声入出力インターフェースのシームレス実装
音声入出力インターフェースをコア技術として活用します。
ChatGPTの場合、ユーザーが頭を悩ませながらプロンプト作成を行う必要があり、利活用を妨げる理由の一つになっていました。本取り組みでは、顧客とオペレーターの通常会話の中から問い合わせ内容を抽出するアルゴリズムを活用し、更に高度化していきます。
この技術は、言語モデルを使った高度な処理能力を持つソリューションが、日常生活の様々な場面で人々を自然な形で支援し、コンシェルジュのように寄り添う世界を実現するための基礎技術へと繋がっていきます。
出典元:株式会社博報堂プロダクツ
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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