【無料ダウンロード】デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編|ホワイトペーパー
https://manamina.valuesccg.com/articles/3770国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。(「Z世代トレンド・SNS動向編」ページ数|140P)
Z世代の新SNS
LINEリサーチによる若年流行調査で、今後流行りそうなSNSとして4位にランクインしている「BeReal.」。
実際、Z世代のヒアリングやアンケート調査の結果、「SHIBUYA109 lab.トレンド大賞」のコンテンツ部門にて、アニメ『【推しの子】』に次ぐ第2位にランクインしています。
株式会社RECCOOの行った、Z世代150人を対象とした調査では、TikTokの50%に並ぶ、49%が「使用している」と回答するなど、確かに流行の兆しを見せている様子が伺えます。
「BeReal.」とはどんなアプリ?
BeReal.は2020年に公開されたフランスのSNSアプリで、毎日ランダムな時間に来る通知に従い、2分以内に加工なしの写真を投稿するというもの。短い制限時間は、リアルを届けることを目的としています。
このとき、内カメと外カメの両方が同時に撮影されることも大きな特徴として知られています。
InstagramやX(旧Twitter)など、他のSNSと異なる点は、大きく分けて以下の5つです。
・撮影したままの画像の投稿のみで、加工や文章の追加は不可能
・投稿時間はアプリからの通知に依存
・公開範囲は「私の友達」または「友達の友達」まで
・「友達」関係は相互のため、”インフルエンサー”は存在しない
・「友達」の投稿を見るには、自分も投稿の必要あり
どの点も従来のSNSでは考えられない部分が多く、新たな潮流が生まれる可能性を感じます。
ここからはBeReal.ユーザーを他のSNSユーザーとも比較しながら、さらに細かく分析し、ニーズの背景を探っていきます。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。
利用者は20代に集中。Threadsとの併用率が高いことも特徴
BeReal.ユーザーと他のSNS(TikTok/Threads/Instagram/X)ユーザーとの大きな違いは、その年代分布にあります。他のSNSはどの年代も幅広く利用している様子が見られる一方、BeReal.ユーザーは20代が80%近くを占めています。
また、性別の分布では、僅差ではあるものの男性の割合が半数を超えており、利用は性別を問わないことが分かります。この割合はXに近く、写真投稿という特性を持ちながらも、BeReal.の流行が女性のみにとどまらないことを示していると考えられます。
「BeReal./TikTok/Threads/Instagram/X」アプリユーザーの性別・年代割合
使用ツール:Dockpit
集計期間:2022年11月~2023年10月
デバイス:スマートフォン
月平均アプリ起動日数は8.0日であり、Xの15.7日、Instagramの13.8日には届かないものの、TikTokの10.1日に迫る勢いで、今後ますますの流行が予想されます。
「BeReal./TikTok/Threads/Instagram/X」アプリユーザー数と月平均アプリ起動日数
使用ツール:Dockpit
集計期間:2022年11月~2023年10月
デバイス:スマートフォン
他のSNSとの併用状況を見てみると、Threadsとの併用率が半数を超えているという、TikTokから見た場合では見られない結果となりました。ThreadsはInstagramのアカウントから始められるため、BeReal.ユーザーのInstagram利用率の高さがThreadsとの併用にも影響していると考えられます。また、20代の「新しいもの好き」「新しいSNSやツールへの抵抗感の無さ」が、両者の併用率が高い理由の一つでもあるのかもしれません。
BeReal./TikTok から見た他サイト/アプリ併用状況
使用ツール:Dockpit
集計期間:2022年11月~2023年10月
デバイス:スマートフォン
BeReal.が20代に限定して普及が進みつつある理由として、「投稿のやり方」の違いが考えられます。
現在広く普及しているSNSであるInstragramやXは、自分の好きなタイミングで、好きな写真または文章を投稿することができます。
一方BeReal.は先述のように、ランダムな時間に来るアプリ通知に投稿時間が依存します。通知が来た後であれば遅くなっても投稿は可能ですが、オンタイムでの投稿を可能にするには、常にスマホを触っていることが求められます。実際、アプリストアのレビューには、「一日中通知のことを気にして生活」というワードが見受けられました。
アプリの使用感や通知のタイミングなどを探るため、筆者も2週間程度アプリを使用してみましたが、およそ活動していると考えられる時間帯(朝10時〜夜10時)を中心に、本当にランダムに通知が来るため、かなりの確率で見逃してしまいました。
デジタルネイティブで、オンラインで過ごす時間が長い20代だからこそ、BeReal.のランダム通知に対応できるのかもしれません。その点、小さな子供を持つ世代は手が回らない可能性がありそうです。
また「友達」登録をしているユーザーの投稿を見るためには、自分も投稿しなければならないため、いわゆる「ROM専(Read Only Member)」にはなれない、ということも利用のハードルを上げているのではないかと感じました。
「脱・加工」は起きている?
若者がBeReal.を使う理由として、よく挙げられるのが「加工ができない」というもの。
実際、株式会社ジャストシステムによる調査では、Z世代がBeReal.を使う理由として「リアルな自分を見せられる」「写真加工のプレッシャーから解放される」といったものが挙げられていました。
BeReal.ユーザーは本当に加工のプレッシャーから解放されているのでしょうか。アプリの併用状況から、その実態を分析していきます。
以下は、BeReal.および、TikTok・Threads・Instagram・Xの各種SNSユーザーの関心アプリランキングを示したもの(一部抜粋)で、その順位に差はあるものの、どのランキングにも共通して「SNOW」がランクインしていることが分かります。
「BeReal./TikTok/Threads/Instagram/X」ユーザーの関心アプリ(併用率優先)
使用ツール:Dockpit
集計期間:2022年11月~2023年10月
デバイス:スマートフォン
「SNOW」は無料で画像加工ができるカメラアプリで、簡単に美肌補正やメイクアップ、フィルターの追加などが行えるとして人気を集めています。
この「SNOW」と、5種(BeReal.・TikTok・Threads・Instagram・X)のSNSとの最新1ヶ月の併用状況を、BeReal.のメインユーザー層である20代に限定して見てみると、以下に示す棒グラフの数値より、BeReal.はThreadsに次ぐ併用率の高さを示しました。
一見すると、アンケートデータと反する結果のように思えますが、むしろ併用率が高いからこそストレスも感じやすい、と考えることもできます。BeReal.ユーザーは普段から加工アプリを利用している反動で、加工できないSNSに魅力を感じているのかもしれません。また、TikTokやInstagramでは加工した写真、BeReal.では無加工の写真、と媒体を使い分けた投稿も増えていくのではないでしょうか。
「SNOW & BeReal./TikTok/Threads/Instagram/X」ユーザー(20代)の併用状況
使用ツール:Dockpit
集計期間:2023年10月
デバイス:スマートフォン
リアルをそのまま届ける、という流れは、最近のメイクのトレンドとも近いものがあるのかもしれません。
トレンドメイク特集でよく見かけるワードとして「ナチュラル」「透明感」「素肌感」などがあり、ヘアメイクアップアーティストの小田切ヒロさんを中心に、本来の肌、骨格を活かしたメイクも現在人気を見せています。多様性を認め合う社会の普及とともに、ありのままの自分・相手を受け入れていく動きが大きくなっているのかもしれません。
リアルの体感を求めるユーザーが多い
最後に、BeReal.ユーザーの特徴をさらに詳しく見ていきます。
なお分析には、Web行動データとアンケートデータを用いて、ターゲットユーザーにおける特定の Web 行動の前後の動きと属性を集計できる、ヴァリューズの分析ツール「story bank」を用います。
BeReal.ユーザーとTikTokユーザーの一人当たりの平均支出を見てみると、その内訳には大きな差がありました。衣料品や嗜好品への支出が多いのは若者の特徴とも言え、両者に共通していましたが、BeReal.ユーザーは「ライブ、コンサートの鑑賞」「イベント・グッズ購入」「スポーツ観戦」に対しての支出がとりわけ多いことが分かりました。
3項目の共通項としては、オンラインで楽しむ余地もあるものの、現地へ赴き、空気感も一緒に楽しむ場合が多いということ。Bereal.は現地に赴くアクティブなユーザーが多く、その場の臨場感を共有したいという思いが強いのかもしれません。
「BeReal./TikTok」ユーザーの一人当たりの平均支出
使用ツール:story bank
集計期間:2022年11月~2023年10月
デバイス:スマートフォン
今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
■【Z世代をより理解したい方へ】総ページ数140P以上のZ世代ホワイトペーパーの無料ダウンロード
ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。今回、国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。
ホワイトペーパーの詳細・ダウンロードは
データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編」を公開をチェック
【関連】Z世代が今後(いまよりも)流行りそうと思うSNSの1位は「Instagram」4位に「BeReal」【LINEリサーチ調査】
https://manamina.valuesccg.com/articles/2881LINEリサーチは、全国15~24歳を対象にした若年流行調査として、Z世代が「今後(いまよりも)流行りそうなSNS」について調査を実施し、結果を公開しました。
【関連】Z世代が選ぶ今年のトレンドは?SHIBUYA109 lab.がZ世代の女性を対象に調査した2023年トレンドを公開
https://manamina.valuesccg.com/articles/2915#outline22株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、同社が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキュウラボ)』にて、SHIBUYA109 lab.独自ネットワーク(SHIBUYA109 lab. MATE)に所属するaround20(15~24歳)510人の女性を対象に実施した2023年トレンド調査の結果を公開しました。
2024年春にヴァリューズに入社しました。大学院では生命情報学を専攻していました。