メディアコンセプトも決まり、次はCMS選び
マーケターのために「リサーチとプランニングのメディア」を作ろう。
そして、マーケティングリサーチの会社「ヴァリューズ」のことを少しでも知ってもらえれば……。
そう考えて私たちはオウンドメディアづくりをスタートさせました。(その経緯は「リサーチ会社がメディアを作るときの調査手法とは」にまとめています。)
前回の進捗としては、メディアの戦略とコンセプトを決めたところまで。
次はそのコンセプトを実現するためのサイトを、実際に設計・制作していく段階です。
そこで、私たちはCMSを活用しようと考えました。
コンテンツを書いて編集し、投稿して効果測定までして……ということを日々続けていくためには、使いやすいコンテンツ管理ツールが必須。
では、世の中にCMSはどれほどあるのでしょうか?
そしてその中で、私たちに最適なCMSは何なのでしょうか。
早速調べていきます。
多くのCMSからどうひとつに絞る? 要件定義が鍵
CMSを探そう!と意気込んで、Google検索で「CMS メディア」と打ち込むと、ferretさんの記事が出てきました。
昨今話題!オウンドメディアが構築できる支援サービス9選|ferret [フェレット]
https://ferret-plus.com/3255今回は、最近需要が高まっているオウンドメディアを構築できるツールをご紹介します。今後メディア運営を検討しているという方は、参考にしてみてください。
この記事では有名どころだと思われるCMSが9個紹介されていました。
それぞれ特徴も違えば価格も異なります。
ここで当たり前のことですが、CMSをひとつに絞るために、しっかりと要件定義することを意識しました。
具体的には「私たちのメディアに必要な機能・価値とは何か」ということを言葉にすること。その上でCMSに必要な機能・価値とは何かを考えること。
これは私たちの事業領域である調査とも一緒です。あらかじめ仮説や方向性がないと、どんな調査をすればいいか分からない。
そこで、CMSにおける優先事項を次のように洗い出しました。
1.SEOに強い
2.ブランディング用にビジュアルを組める
3.クラウド型のCMS
まず、もっとも重要視したのはSEOに強いCMSであることです。
このメディア「マナミナ」の立ち上げ以前は、実は自社のコーポレートサイトでヴァリューズ調査レポートを配信していました。しかし、見出しの階層設定ができなかったりタグを自由につけられなかったりなどして、日々変わっていくGoogleの検索基準に追いつけていませんでした。そのためオーガニックからのトラフィックがなかなか上がらず、新規獲得につながっていかないサイトになっていたのです。
また、「3.クラウド型のCMS」に関しては、初期コストを抑えてスピーディーに導入ができ、運用保守にリソースを割かなくて済むことにメリットを感じたからです。
こうした選定基準を踏まえ、CMS候補を3つまで絞りました。
機能・強み・価格……。それぞれのCMSを比較
では、候補とした3つのCMSの特徴について見ていきましょう。
■Clipkit
1つ目はオウンドメディア特化型のCMS「Clipkit」です。
まず、サービスサイトの事例が豊富でした。
ClipkitのHPを見ると、エイベックス・マネジメント社のメディア「avex manegement」や、
様々なアーティスト、タレント、モデルが所属するエイベックス・マネジメントの公式Webサイトです。アーティストの最新情報やここでしか見られないスペシャルコンテンツ満載!
讀賣テレビ放送社の「読みテレ」など、
名の知れた企業も「Clipkit」でオウンドメディアを制作していることが分かります。
プランはクラウド型とサーバーインストール型の2つ。
クラウド型では初期費用が0円で、PV数に応じた月額課金制となっています。
スピード感を意識してメディアを立ち上げられるのが大きな特徴でしょう。
■CMS Blue Monkey Knowus
2つ目の候補は「CMS Blue Monkey Knowus」。
大きな特徴としては、BtoBのオウンドメディアに強いことが挙げられます。
実際にお話しを伺うと、「Knowus」ではBtoBメディアが約7割だそう。
事例としてはマーケティングのメディア「エムタメ!」があるとのことです。
デジタルマーケティングに関わる“タメ”になる情報を“溜め”ていくサイト
https://mtame.jp/エムタメ!はマーケティング担当者の“ため”に 、デジタルマーケティングに関わる“タメ”になる情報を“溜め”ていくサイトです。
価格はSaaS型で「Knowusオリジナルプラン」の場合、初期構築費用が150万円〜、月額利用料金が15,000円〜となっています。(KnowusのHPより)
■CREAM
最後の候補は「CREAM」です。
一番の特徴は、SEO(自然検索流入)に強いこと。
metaディスクリプションやsitemap.xmlはもちろん、大小の見出し設定、緻密な内部リンク、キーワード(タグ)の階層化設定など、内部施策がふんだんにあります。
リード獲得にもつながりやすい検索からの流入は、メディアパワーのない立ち上げ期では特に重要です。
この観点で見ると、内部施策が豊富な「CREAM」は魅力的に思われます。
スタンダードプランの初期構築費用は19万円、月額費用は3万円でした。
CMSはこれに決めました
検討の結果、CMSは「CREAM」を採用することにしました。
大きな決め手は「検索エンジンに強い」と言われていることです。
記事の管理画面や作成画面がシンプルで分かりやすいUIだったことも好感を持ちました。
これでCMSも決まり、サイトの制作が動き出したことに。
となると、次はもっとも大事な「コンテンツ」を考える段階です。
大まかな「リサーチとプランニング」という方向性こそあれ、ひとつひとつのコンテンツとして、私たちはどんな内容を発信していくべきなのでしょうか?
そこで私たちは社内の有志を集めた「コンテンツ企画ワークショップ」を行うことにしました。発信するコンテンツのタネを、社内のあらゆるところから探そうと思ったのです。さて、その成果はいかほどに? 「コンテンツ企画ワークショップ編」でお伝えします。
アイデア続出のワークショップ設計とは?オウンドメディアのコンテンツ案を社員に考えてもらおう
https://manamina.valuesccg.com/articles/316マーケティングリサーチの会社「ヴァリューズ」が、新しいオウンドメディア「マナミナ」を立ち上げるまでのドキュメンタリーです。第3回となる今回は、コンテンツの企画案を出すための社内ワークショップを行った話。いきなり社員たちに「案を出してね」と言うだけだと、アイデアはなかなか出てこないかもしれません。そこでワークショップの設計を工夫しました。
マナミナ編集部でデスクを担当しています。新卒でメディア系企業に入社後、フリーランスの編集者・ライターとして独立。マナミナでは主にデータを活用した取り組み事例の取材記事を執筆しています。