HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

2022年に日本市場に再進出したHYUNDAI(ヒョンデ)は、2023年11月にコンパクトSUVのEV「KONA(コナ)」の販売を開始しました。SUVのEVでありながら、車体価格が399万3,000円からと、他の高額なモデルと比較して手頃な価格であることが注目されています。今回は ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の調査を行い、どのような人が関心を持っているかや比較対象となるメーカー、集客構造を調査していきます。


ヒョンデの新EV「KONA(コナ)」はどんな車?

ヒョンデKONA(コナ)は2022年に日本市場に再進出してから発売した、第3弾のEVです。

全長4,455mm×全幅1,825mm×全高1,590mmと先に販売された2車種と比べて、一回り小さいサイズ感で、ヒョンデの中ではコンパクトなSUVという立ち位置になります。とはいえ、全幅は1,825mmと普通車の中では大きめの幅なので、一般的なコンパクトSUVよりも存在感があります。

価格は399万3,000円からと先に販売している2車種と比べると手頃な価格。さらにEV補助金の対象になるのでさらにお得に購入できます。(2024年3月現在)

KONA(コナ)はすでに海外で販売されているモデルになりますが、日本市場のためにチューンナップされています。

例えば、日本の多種多様な道路環境に適用できるように、Normal・Eco・Sport・Snowの4パターンから走りを変更できるドライブモードセレクト(DMS)を導入しています。

ただ、販売をしている4グレードのすべてが前輪駆動で悪路には不向きなので、どんな道でも走破するような本格的なSUVではなく、カジュアルな街乗りがメインの車になるでしょう。

ヒョンデKONA(コナ)に関心があるのはどんな層?

では、実際にヒョンデKONA(コナ)はどのような層に関心があるのかを、ヒョンデKONA(コナ)の公式Webサイトを訪問した人のデータを参考に考察します。

今回の調査は、毎月更新されるWeb行動ログデータを用いて、競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて行っています。

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者数

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者数
調査期間:2023年8月〜2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン

サイト訪問者が増え始めたのは2023年8月から。徐々に訪問者数が増えていき、ピークの2023年11月は60万人近い人がアクセスしていますが、そこから訪問者数は減少しています。

訪問者の約9割が男性で20代、50代、60代の関心が高い

続いて、サイト訪問者の性別を見ていきましょう。ここからは2024年2月のデータを参考に調査していきます。

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の男女比

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の男女比
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン

訪問者のうち、88.7%が男性とかなり偏った割合です。EVやSUVなど男性の興味を惹きつける機能をもった車であることが関係しているのかもしれません。

続いて訪問者の年代を見ていきます。

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の年代

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の年代
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン

20代と50代、60代の関心が高くなっています。購入しやすい価格が関心を引いているのでしょうか。

20代は、カーシェア・レンタカーサービスの「Anyca」で2023年12月からヒョンデKONA(コナ)を乗ることができるようになっていることが関係しているかもしれません。カーシェア・レンタカーサービスを利用する若い層が興味を持って検索しているのでしょうか。

50代、60代は価格が関係しているのかもしれません。一般的に外車のEVは購入価格が高額でヒョンデもKONA(コナ)以外の2車種は同様です。(IONIQ 5とIONIQ 5 Limited Editionは同車種としています)

同じ外車というジャンルで約400万円と手頃な価格で購入できることが、50代、60代のハイクオリティ志向の層の関心を引いているのでしょう。

世帯年収 800万円〜1,000万円の関心が高い心あり

続いて、どれくらいの世帯年収の人が関心を持っているのかを見ていきます。

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の世帯年収

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の世帯年収
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン

世帯年収800〜1,000万円の関心が飛び抜けて高くなっています。ここでもSUVのEVの中では、手頃な価格なことが関係しているのでしょうか。

既婚者、子どもありの関心が高い

続いて、訪問者の未既婚や子どもの有無を見ていきます。

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の未既婚

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の未既婚
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の子どもの有無

ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の子どもの有無
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン

既婚者の関心が高く、子どもありの関心が高くなっています。価格面はもちろんですが、機能や車内の広さが関係しているかもしれません。

例えば、スマートパワーテールゲート機能で、ハンズフリーでテールゲートが開いたり、後部座席を倒してラゲッジスペースを拡張できるなど、夫婦や子ども連れが乗る車にあるといい機能や車内の広さが備わっています。

日本車と比較検討される傾向がある

ここからは、どのようなメーカーと比較検討されているのかを見ていきます。

ヒョンデKONA(コナ)Webページ来訪者が関心をもつ自動車メーカーWebサイト

ヒョンデKONA(コナ)Webページ来訪者が関心をもつ自動車メーカーWebサイト
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン
※併用率優先、サイトカテゴリを「車 企業」に限定

ホンダ、トヨタ、日産などのWebサイトが上位にあり、日本車と比較されていることがわかります。

電気自動車の販売数が少ないホンダやトヨタが比較対象に入っていることを考えるとEVと比較したいというよりも、ガソリン車も含めて色々な車から比較をしたいのかもしれません。

レクサスは比較対象に入っているものの、外車メーカーは入っていないため、高級車ではなく、大衆車として比較されているのではないでしょうか。

公式Webサイト集客は自然検索がメイン

最後にWebサイトの集客構造を見ていきます。

ヒョンデKONA(コナ)Webページの集客構造

ヒョンデKONA(コナ)Webページの集客構造
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン
※リファラなしは除く

ヒョンデKONA(コナ)Webページの流入元は自然検索が90%以上を占めており、今のところ広告には注力していないようです。広告を使わないテスラのように独自の集客戦略なのでしょうか。

ヒョンデWebサイトの集客構造

ヒョンデWebサイトの集客構造
調査期間:2024年2月
デバイス:PC、スマートフォン
※リファラなしは除く

ただ、ヒョンデ本体のWebサイトの集客構造はディスプレイ広告がメインなので、これからKONA(コナ)でもディスプレイ広告が増えていく可能性があります。

まだ、発売をしてまもないということで、販売動向を注視している状態なのかもしれません。

まとめ

今回はヒョンデKONA(コナ)のサイト閲覧者のデータから、ボリュームや関心層や比較対象のメーカー、集客の方法を調査しました。

販売開始をピークに、Webサイト訪問者は減少しており、特に男性の関心が高いようです。また20代、50代、60代や800万円〜1,000万円の層が関心を持っていることがわかりました。

ヒョンデKONA(コナ)は外車ですが、日本車と比較されることが多く、価格帯からも高級車ではなく大衆車として比較検討されていることが考えられます。

集客構造は自然検索が90%以上を占めていましたが、ヒョンデ本体のWebサイトの集客がディスプレイ広告が多いことから、これからディスプレイ広告が増えていくのかもしれません。

まだ、販売してまもないことから今後の販売戦略に目が離せません。

▼今回の調査にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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アメリカ留学中にWebの仕事に出会い、帰国後に起業。自社で物販を行う側、ライターとして活動。アウトドアが趣味

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