ブランディング戦略を策定している企業は約5割!広報活動の取り組み内容は「自社サイトでの情報発信」が最多【タナベコンサルティング調査】

ブランディング戦略を策定している企業は約5割!広報活動の取り組み内容は「自社サイトでの情報発信」が最多【タナベコンサルティング調査】

株式会社タナベコンサルティングは、全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者、ブランディング・マーケティング責任者や担当者などを対象に実施した「2024年度 ブランディングに関するアンケート」の結果を発表しました。


成長市場におけるブランド投資方針は「増加」が半数以上。停滞市場では「横ばい」が約7割

自社の市場を成長市場と捉える企業のブランド投資の方針として、「増加」が54.7%と最も高い割合となりました。これは企業が成長市場に対して積極的に投資を行い、さらなる市場開拓を目指していることを示しています。

一方で、「横ばい」の回答も35.8%と高く、安定した投資戦略を維持する姿勢も見受けられました。また、自社の市場を停滞市場と捉える企業では「横ばい」が66.7%と突出しており、多くの企業が現状維持を選んでいることが分かります。

ブランディング戦略は半数以上の企業が策定に至っていない

ブランディング戦略を策定している企業は46.7%となり、同社が昨年実施した調査と比較して約7ポイント増加となりました。一方で、53.3%の企業は策定に至っていないという結果となりました。

これらから、企業におけるブランドの重要性に対する認識は高まりつつあるものの、依然として過半数の企業ではブランド戦略が未策定の状態であり、ブランディング活動が十分に進んでいないことがうかがえます。

ブランディング戦略を策定している企業の中で、約6割は「戦略が順調に進行している」

戦略を「策定している」企業に限定すると、57.0%の企業は戦略が順調に進行しているという結果となりました。一方で39.2%の企業では何らかの形で遅れが生じており、ブランディング戦略の実行に支障をきたしていることが見受けられます。

さらに、3.8%の企業では戦略の進行が停止している状況です。ブランディング戦略が策定されていても、計画通り進行するためには課題が残ることが示唆されます。戦略の策定だけでなく、実行および進行管理の強化が重要です。

売上の増加に効果があった施策は、約半数が「インターネット広告」「展示会・イベント出展」 と回答

アウターブランディングにおいて、取り組みによる影響と実施した施策を尋ねました。売上の増加に効果があった施策は「インターネット広告」が48.8%、「展示会・イベント出展」が50.4%となりました。

市場シェア拡大においては「インターネット広告」、「展示会・イベント出展」ともに57.4%と高い割合となりました。これらは市場との接点を直接的に拡大する取り組みとして即効性があると考えられます。

ブランド価値向上に効果があった施策は、広報・PR活動が61.3%と最多となり、最も関連性が深い取り組みとして挙げられます。

また、顧客満足度向上においては、広報・PR活動が50.0%、コーポレートサイトの運営が47.8%、インターネット広告が46.7%となり、これらが顧客との信頼関係を強化するために重要な役割を果たしていることが示唆されます。

インナーブランディング施策が「企業文化の強化」に影響があったと回答した企業のうち、「PMVVの策定」を実施した企業は6割以上

インナーブランディングについて、取り組みによる影響と実施した施策を尋ねたところ、パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー(PMVV)の策定は、企業文化の強化(61.8%)や顧客満足度の向上(59.2%)に効果があることが分かりました。

また、社員向けイベントや表彰制度は、離職率の低下(47.2%)や生産性の向上(45.6%)に寄与していることが示されています。

社内報やイントラネットを活用した情報発信も、離職率の低下(46.5%)や生産性向上(42.9%)において安定した効果を示しており、社員との日常的なコミュニケーションを支える重要な役割を果たしています。

これらの結果から、インナーブランディングは単なる社内コミュニケーション戦略にとどまらず、経営戦略の中核的な要素であることが明らかとなりました。

約2割がブランディング活動の評価指標を持たないと回答

ブランディング活動の評価方法について、定性的および定量的指標のバランスが重要視されていることが明らかとなりました。

特に、顧客や社員からのフィードバック(43.2%)や認知度調査、社員エンゲージメント調査(42.3%)が上位を占めており、顧客や社員の声を重視する傾向が顕著です。また、売上の増加(39.3%)もブランディング活動の主要な評価指標となっており、ブランディング活動の最終的な成果を経済的観点から測定していること分かります。

一方で、デジタル指標であるウェブサイトのトラフィック(20.4%)とSNSのエンゲージメント(14.5%)の割合は相対的に低く、デジタルマーケティングの影響力は活動の評価指標としては限定的であることが示唆されます。

注目すべき点として、評価指標を持たない企業が20.7%存在することが挙げられ、ブランディング活動の効果測定に課題を抱えている企業も少なくないことが推察されます。

広報活動は「自社サイトでの情報発信」が約6割と最多。海外向けの発信は1割以下と限定的

広報活動の取り組み内容について、「自社サイトでの情報発信」が59.8%と最多となり、企業の広報活動において最も主要な手段となっていることが分かりました。また、「SNSでの情報発信」も39.6%となり、デジタルコミュニケーション戦略の重要な柱となっていることが分かります。

「自社サイトでのプレス・ニュースリリースの作成・配信」は48.8%と高く、「外部ツール活用でのプレス・ニュースリリース作成・配信」(33.1%)とあわせて、情報発信におけるプレス・ニュースリリースの活用が進んでいることが分かります。

「海外に向けたプレス・ニュースリリースの作成・配信」は4.7%と非常に限定的であり、グローバル展開における広報戦略の課題が浮き彫りとなりました。

調査概要

調査対象:全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者、ブランディング・マーケティング責任者や担当者など
調査期間:2024年10月15日~2024年11月1日
調査エリア:全国
有効回答数:計338件
※各図表の構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

出典元:株式会社タナベコンサルティング

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000243.000058707.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

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