「ビックカメラ」と「ヨドバシカメラ」を徹底比較!ポイント・値引きなど両社のネット戦略は?

「ビックカメラ」と「ヨドバシカメラ」を徹底比較!ポイント・値引きなど両社のネット戦略は?

家電量販店の大手「ビックカメラ」と「ヨドバシカメラ」を徹底比較。AmazonなどECモールを活用したメーカー直販が台頭する中、大手家電量販店は脱家電に舵をきりはじめ、例えばヤマダ電機が家具メーカーの大塚家具と組んで住宅産業に進出したり、ビックカメラが薬や日用品、自転車などの異業種マーケットに挑戦したりと、各社それぞれ戦略を打ち出しています。そこで今回は、大手家電量販店5社の公式サイトを比較し、ユーザーの利用実態や集客などについて分析しました。


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時間をお金で買う時代。冬のボーナスで、家電を充実させようという方も多いのではないでしょうか。今回はロボット掃除機とキッチン家電に注目し、ルンバ、eufy、バルミューダ、デロンギ、BONIQの5ブランドを対象に、物価高が続く中で高級家電への投資を検討する人の人物像を分析しました。

ユーザー数はヨドバシカメラが最多、2位は…

分析の対象とした家電量販店は以下の5社です。楽天市場などに出店している場合はそれを除き、公式サイトのみを対象とします。

・ヤマダ電機 www.yamada-denki.jp
・ビックカメラ www.biccamera.com
・ヨドバシカメラ www.yodobashi.com
・エディオン www.edion.com
・ケーズデンキ www.ksdenki.com/shop/

ヤマダ電機公式サイト

ビックカメラ公式サイト

ヨドバシカメラ公式サイト

ケーズデンキ公式サイト

エディオン公式サイト

まずユーザー数を比較します。ユーザー数はヨドバシカメラが最多で、2位のビックカメラの2.5倍以上のユーザーを獲得しながら推移しています。

5社ともユーザー数は大きな増減がなく推移し、1位:ヨドバシカメラ、2位:ビックカメラ、3位:エディオン、4位:ヤマダ電機、5位:ケーズデンキの順位も2年間概ね変わることはありませんでした。

家電量販店5社 ユーザー数推移

家電量販店5社 ユーザー数推移

2018年3月~2020年2月
デバイス:PCおよびスマートフォン

また、PV数に関しても、ヨドバシカメラが最多となっていました。
1人あたりにすると直近で約30PVを稼いでいることがわかります。

家電量販店5社 PV数推移

家電量販店5社 PV数推移

2018年3月~2020年2月
デバイス:PCおよびスマートフォン

家電量販店5社 一人あたりPV数推移

家電量販店5社 一人あたりPV数推移

2018年3月~2020年2月
デバイス:PCおよびスマートフォン

社名検索、Twitterでの集客に強いヨドバシカメラ

次に、各サイトについて、どのような集客経路をたどって訪問したか流入元を探ります。

5社まとめて比較すると、自然流入がもっとも多く、ヨドバシカメラ(グラフ緑色)とビックカメラ(グラフ橙色)は特に顕著でした。また、検索キーワードは1位から10位までが社名・屋号であり、ヨドバシカメラが強さを見せつけました。【流入元1】

【流入元1】自然検索からの流入

【流入元1】自然検索からの流入

デバイス:PC
期間:2019年9月〜2020年2月

流入元で次に多かったのが一般広告です。ヨドバシカメラはアドネットワーク(Google、Yahoo!)からの流入が多く、対するビックカメラはアフィリエイト(リンクシェア)からの流入が多いことがわかります。【流入元2】

【流入元2】一般広告からの流入

【流入元2】一般広告からの流入

デバイス:PC
期間:2019年9月〜2020年2月

唯一、ビックカメラがヨドバシカメラを上回った流入元に、外部サイトがあります。内訳を見ると、ビックカメラは価格.comからの流入が多いことがわかりました。また、ビックカメラは楽天ビックからの流入も多く、ヨドバシカメラはTwitterやFacebookなどのSNSからの流入が多いのも特徴です。【流入元3】

【流入元3】外部サイトからの流入

【流入元3】外部サイトからの流入

デバイス:PC
期間:2019年9月〜2020年2月

女性と若者に人気のヨドバシ、地方で強いケーズ、エディオン

続いて、それぞれのユーザー属性を比較します。
5社のビジネスモデル、強みなどの特徴は以下のとおりです。

ヤマダ電機

  • 業界売上No.1
  • リフォーム、インテリアなど住宅事業に参入。大塚家具と提携

ビックカメラ

  • 業界売上No.2
  • 日用品、酒類、自転車、玩具など多様な商品を取り扱う

ヨドバシカメラ

  • ECサイト売上No.1
  • 関東地方を中心に展開

エディオン

  • リアル店舗、体験・体感型の売り場作りを推進
  • プライベートブランド商品の販売

ケーズデンキ

  • 郊外型の店舗展開
  • がんばらない経営(社員第一主義)で企業イメージがUP

各サイトのユーザー属性を比較

男女比はどのサイトも男性が過半数を占めています。ECサイト売上1位で日用品を多く取り扱っているヨドバシカメラは、女性比率が若干多く38.3%でした。

年代を比べると、ヨドバシカメラが20代、30代の若い層を集め、エディオン、ケーズデンキが50代、60代のユーザーを集めています。どの企業の公式サイトも、60代以上のシニア層がおよそ2割存在し、幅広いユーザー層にリーチできていることがわかります。

ユーザー属性比較:性別、年代

ユーザー属性比較:性別、年代

期間:2019年3月〜2020年2月
デバイス:PCおよびスマホ

また、ユーザーの居住地域にも特徴があり、エディオンは中部、近畿地方、ケーズデンキは東北地方が他社と比べて多く見られました。

ユーザー属性比較:居住地域

ユーザー属性比較:居住地域

期間:2019年3月〜2020年2月
デバイス:PCおよびスマホ

また、住宅事業に進出したヤマダ電機ですが、公式サイトのユーザーとリフォームのサイトのユーザー層は異なることがわかります。リフォームサイトは、女性や40代~50代の比率が高く、リフォームニーズの高い層を独自でユーザーを集めることに成功しているようです。

<ヤマダ電機リフォーム>ユーザー属性

<ヤマダ電機リフォーム>ユーザー属性

期間:2019年3月〜2020年2月
デバイス:PCおよびスマホ

ヤマダ電機リフォーム公式サイト

まとめ

今回は、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダ電機、エディオン、ケーズデンキの5社の家電量販店についてユーザー動向を分析しました。ユーザー数、PV数ともにヨドバシカメラが1位で、集客は自然流入(検索キーワードは「ヨドバシ」「ヨドバシカメラ」「ヨドバシドットコム」など)が多いことがわかりました。また、Twitterでの集客も効果が出ているようです。一方、ユーザー数 2位のビックカメラは価格.comや楽天市場などの外部サイトからの流入が多くみられました。

各社のユーザー属性の違いは、ヨドバシカメラが女性と若者に人気、ケーズデンキ、エディオンが地方で強いという特徴が浮かびました。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2018年3月~2020年2月におけるユーザーの行動を分析しました。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。



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「ビックカメラ」と「ヨドバシカメラ」比較に関するFAQ

「ビックカメラ」と「ヨドバシカメラ」の売上は?

ビックカメラ+コジマの2020年8月期売上高は8479億円、ヨドバシカメラの2020年3月期の売上高は7046億円と、期間の違いはあるもののほぼ同等です。

「ビックカメラ」「ヨドバシカメラ」で値引きする方法は?

家電量販店の競争が激しかった時代、最安値を保証、あるいは他店より高い商品があれば言ってくださいなどの表現で、自社での購入を促すアピールが行われてきました。現在は、AmazonのようなECの発達や価格.comなど価格比較サイトの利用も一般的で、事前に価格を確認することも簡単になってきています。

「ビックカメラ」「ヨドバシカメラ」のポイントとは?

「ビックカメラ」「ヨドバシカメラ」のポイントカードでは、原則的に10%の還元を行っています。商品やキャンペーンによって、還元率は変わることがあります。

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この記事のライター

フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。

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