ビール・発泡酒・新ジャンルの公式サイト訪問者数ランキング

ビール・発泡酒・新ジャンルの公式サイト訪問者数ランキング

「キリン一番搾り」が年間トップに!


ビールなどアルコール飲料のニーズが高まる季節になってきました。近年ではビール以外にも発泡酒や新ジャンルなど、飲み物の種類も多様化しています。そこで今回は、直近の1年間でどのアルコール飲料が人気なのか、顔ぶれを行動ログデータから分析してみました 。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2018年6月~2019年5月度のネット行動ログデータを分析しました。
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※集計期間:2018年6月~2019年5月
※対象期間の累計サイト訪問者数上位10商品(下図)を分析。
※同一ブランドに複数の商品がある場合は、1ブランドとして合算。

調査対象のビール公式サイト

考察サマリ

「キリン一番搾り」が2位と60万人以上の差をつけて首位に!

ビール・発泡酒・新ジャンルの各公式サイト(ブランドサイト)の直近1年間(2018年6月~2019年5月)の訪問者数ランキングをeMark+のSiteAnalyzerを用いて集計しました【図1】。その結果、1位は「一番搾りシリーズ(キリン)」、2位は「ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)」、3位は「金麦(サントリー)」となりました。前回の調査では“新ジャンル” の「金麦シリーズ(サントリー)」がトップとなっていましたが、今回の調査では1位、2位ともに“ビール”カテゴリとなっており”ビール”もまだまだ人気が高いことがうかがえました。また、1位と2位では60万人以上の差をつけており、1位の「一番搾りシリーズ(キリン)」が抜きんでていることがわかりました。

ビール公式サイトの訪問者数ランキング

「キリン一番搾り」はキャンペーンやCMで年間で安定的にユーザーを獲得

次に上位3位までの商品の1年間の訪問者数推移をeMark+のSiteAnalyzeriteを用いて集計【図2】したところ、1位の「一番搾りシリーズ(キリン)」は、2位の「ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)」と3位の「金麦(サントリー)」と比較すると多少の増減はあるものの、訪問者数がほぼ安定していることがわかりました。「一番搾りシリーズ(キリン)」はビールの需要が落ち込む秋~冬の時期にもユーザーを獲得していることがうかがえました。2018年9月~2019年1月は「ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)」と「金麦(サントリー)」の訪問者数が減少傾向にあるのに対し、「一番搾りシリーズ(キリン)」は大きく落ち込んでないことがわかります。

対象期間のキリンの公式サイトの『コンテンツランキング』を見てみたところ【図3】、キャンペーンページや広告紹介ページを閲覧しているユーザーが多いことがわかりました。「一番搾り絶対もらえるキャンペーン」などのキャンペーンや、CMに多くの有名人を起用し、それらをフックにサイトへ送客して、安定的にサイト閲覧数を維持していることが考えられます。

ビール公式サイト上位3位の訪問者数推移

「キリン一番搾り」公式サイトのコンテンツランキング

「サントリー金麦」は女性比率が男性比率を上回る結果に

各サイトの訪問者属性をeMark+のSiteAnalyzerを用いて集計しました。まずは性別を見てみたところ【図4】、総じて男性比率が高い中で「金麦(サントリー)」と「のどごしシリーズ(キリン)」は女性比率が5割弱となっており、他の商品と比較すると女性支持が高いことがわかりました。特に「金麦(サントリー)」においては、女性比率が男性比率を上回っていました。

ビール公式サイトの訪問者属性:性別

「キリンのどごし」と「キリン本麒麟」は20代~40代に人気

次に年代別で見たところ【図5】、全体的に50代・60代以上が5割~6割以上を占めている中で「のどごしシリーズ(キリン)」と「本麒麟(キリン)」は20代~40代の割合が比較的高くなっており、若年層からの興味関心が高いことがうかがえました。中でも「本麒麟(キリン)」は20代~40代の比率が特に高く、6割を超えていることがわかりました。

ビール公式サイトの訪問者属性:年代別

まとめ

「一番搾り(キリン)」が2位と大きな差をつけて年間トップになった理由は、需要が落ち込む時期にもユーザーの興味関心が高いキャンペーン施策やCMなどをフックに巧く集客できていることが要因だと考えられます。今回の調査では「一番搾り(キリン)」が年間トップとなりましたが、今後はどの商品がどのような施策でユーザーを獲得するか注目されます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

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