サブスクリプションとは?
サブスクリプション(subscription)は「定期購読」を意味する単語です。ビジネスモデルとしては、このような意味よりも商品やサービスの一定期間の「利用権」に対して定額料金を支払うサービスを指します。
もう少し砕いた表現をすれば「月額定額制」となりますが、サブスクリプションサービスの場合、増加傾向にある「モノを所有することに価値を見いださない」「モノを入手する際に失敗したくない」などのユーザー心理と、多様化するユーザーのニーズに応えやすいという両者の思惑の合致、これがサブスクリプションサービスの隆盛の理由として挙げられます。
最近、よく耳にするようになった「サブスクリプション」方式。定期購読に代表される定額で一定期間利用できるサービスです。この記事ではサブスクリプションの定義や、具体的なサービスの事例を紹介していきます。
サブスク事例1:Amazonプライム・ビデオ(動画定額制サービス)
2005年から始まった「Amazonプライム・ビデオ」。全世界で1億人の会員数を誇っています。日本でも600万人(2019年9月時点)もの会員が登録し、動画配信のサブスクリプションサービスとしては世界最大級といえます。
Amazonプライム・ビデオが人気の理由は、豊富な人気映像作品だけではなく、オリジナルの映像コンテンツを用意している点はもちろんですが、年間4,900円・月額500円で加入できる「Amazonプライム会員」の存在が見逃せません。
Amazonプライム会員になると、世界最大の通販サイトであるAmazonの配送料が無料になるといった特典が多く用意されています。
トータルでのコストを考えれば、ほかの動画配信サブスクリプションサービスとは一線を画す「お得感」がAmazonプライム・ビデオ人気の理由です。
音楽、自転車、車、家具やテレビにブランドバッグ、居酒屋やコーヒー、ラーメンまで、あっという間に生活へ入り込んだサブスクリプション(サブスク)モデル。なかでもサブスクの先駆者といっていい動画アプリのユーザーは、右肩上がりで増加中です。コンテンツ視聴がお茶の間のテレビからパーソナルでモバイル対応のスマホやタブレットへシフトするなか、動画サブスク市場はどう変化しているのでしょう。市場調査ツール「eMark+」のユーザーログから探ります。
Amazon.co.jp: プライム・ビデオ: Prime Video
https://www.amazon.co.jp/Prime-Video/b?ie=UTF8&node=3535604051Amazon.co.jp:プライム・ビデオ 全品無料配送(一部を除く)。当日お急ぎ便なら注文当日にお届け。コンビニ、ATM、代引きでのお支払いもOK。豊富な品揃えから毎日お安くお買い求めいただけます。
サブスク事例2:Spotify(音楽定額制サービス)
2006年、スウェーデンから始まった音楽配信サービス「Spotify」は、いちはやくサブスクリプションサービスを導入しています。5,000万曲(記事執筆時点)という豊富な楽曲は、月額980円の「プレミアムプラン」だけではなく月額料金ゼロの「無料プラン」でも同じように提供されます。
無料プランは音声広告が入ったり、Spotifyの特徴「プレイリスト」を作れないなどの制限があります。
デジタル音楽配信はアーティストサイドに報酬が入らない、いわゆる「海賊版」の問題と表裏一体でしたが、早くからサブスクリプションサービスとしてこの問題の解決の道筋を示しています。なお、世界的にはプレミアムプランユーザーが多く、無料プランから得られる売り上げは全体の10%程度にしかすぎません。
月額980円で安心してたくさん音楽を聴けるほか、プレイリストというSpotifyが提供するおすすめ曲リストで意外な発見もでき、多くの支持を集めています。
サブスク事例3:OYO LIFE(住まいの賃貸サービス)
インド発のホテルベンチャーOYO(オヨ)とヤフー株式会社の合弁事業として、2019年3月から始まった賃貸サービスが「OYO LIFE」です。物件探しから入居契約、家賃の支払い、退去手続きまでがスマホ1つで完了するサービスです。
月額料金は物件によって変動するので定額制ではありませんが、光熱費がかからないほか、家具や家電、Wi-Fiといった基本的な生活必需品一式が用意されています。さらに、敷金・礼金も不要なので、トータルコストで考えれば割安となっています。
そして、OYO LIFEにはもうひとつのサブスクリプションサービス「OYO PASSPORT」も用意されています。こちらは、洋服や家具のレンタルのほか、家事代行サービスなど100以上のサービスが含まます。
まだ始まったばかりのサービスですが、スマホですべて完結でき、OYO PASSPORTというさらに生活を豊かにするサブスクリプションサービスとの組み合わせで、転勤族やミニマリスト、海外からの転入者など、現状の賃貸形態では満足できない人を中心に広がっています。
サブスクリプション型の賃貸サービスOYO LIFE、日本上陸半年でユーザー数3倍! その理由やユーザー像を調査
https://manamina.valuesccg.com/articles/585スマホで物件探しから入居までできるサブスクリプション型の新賃貸サービスOYO LIFE(オヨライフ)。日本では2019年3月にサービスを開始して以来、不動産賃貸業の黒船として注目されています。今回は、OYO LIFEのユーザー数や属性、集客施策、認知率などをマーケティング分析サービス「eMark+」を使って、分析しました。
サブスク事例4:KINTO(自動車の定額レンタル)
トヨタ自動車が2019年2月から開始されたサブスクリプションサービス「KINTO」。自動車所有にかかる費用、税金、任意保険、メンテナンス・修理代を3年間、定額でまかなえるサービスです。「KINTO ONE」の月額料金は車種によって異なりますが、1台の車が月額およそ3万円から10万円、「KINTO SELECT」は3年間で月額19万4,400円で6台のレクサスブランドの車を利用できます。
自動車のサブスクリプションサービスはすでに各国で取り組まれており、失敗・成功いずれのケースもあり、実験段階といえます。そんな中、KINTOでは独自の取り組みとして車載専用通信モジュールを搭載し、各種データを採取。そのデータによってユーザーのドライビングのエコ度、安全度を判定し、結果によってボーナスポイントを付与するサービスをおこなっています。
獲得したポイントはKINTOの支払いに充てることもでき、トヨタ側はデータを収集し今後の開発やサービス向上に役立てられるというwin-winのメリットでサービス拡大を目指しています。
サブスク事例5:Oisix(食材の定期便)
2000年に始まったeコマースサイト「Oisix(オイシックス)」のサブスクリプションサービスは、毎週17品ほどの食材を自宅に配送します。本格的な料理を手早く調理できる食材セットを提供する「Kit Oisix」、Oisixが取り扱っている商品3,000点から旬の野菜や食材をセレクトする「おいしいものセレクトコース」、離乳食や乳幼児向けのKit Oisixや時短商品を提供する「プレママ&ママコース」という、3種類のコースが用意されています。
月額で5,000円以上(人数に応じて価格は変動)なので、場合によっては割高と感じられるかもしれませんが、買い物や調理の手間を省きたい、安心できる食材がほしいというさまざまなニーズに応えることで、20万人以上の会員数を獲得するサービスに成長しました。
食材に特徴があるだけではなく、スマホアプリを使った各種申し込みをおこなえるほか、LINEなどの外部サービスとの連携を充実させたこともユーザー増の一因です。
食材宅配サービス市場を調査。Oisixがユーザー数1位、パルシステム、コープデリが拮抗して続く
https://manamina.valuesccg.com/articles/675自然派食材の「Oisix(オイシックス)」、生協が提供する「パルシステム」「コープデリ」など人気上位の食宅サービスを調査し、それぞれの月次ユーザー推移と、性別・年代別・子供有無といったユーザー属性を分析しました。
オイシックスは有機野菜など安心安全でおいしい食材をご提供しています!初めてご利用される方限定で「おためしセット」 をご紹介!お得なキャンペーンはもちろん、オイシックスが自信を持って厳選した商品をお手頃価格で提供しています!
サブスク事例6:RAXY(コスメの定期便)
2016年、楽天が開始した化粧品・コスメのサブスクリプションサービスが「RAXY」です。月額1,980円で提供される化粧品やコスメは月に3~6点。RAXYのおすすめアイテムだけではなく、ユーザーが提出した「ビューティーカルテ」に沿ったおすすめのものも含まれます。
なにが届くかわからない「ワクワク感」がユーザー増の理由のひとつですが、もうひとつ重要なのが、月額料金の支払いに楽天ポイントを利用できる点にあります。このほか、届いたアイテムにハッシュタグをつけてSNSにアップすれば抽選でプレゼントがもらえるキャンペーンもおこない、ユーザーにお得感を持ってもらいつつ、SNSでのRAXYを拡散していることもユーザー増の一因です。
RAXY(ラクシー)は楽天のコスメ定期購入サービス。あなた好みのスキンケア、メイクアップコスメが入ったボックスをお届けします。
サブスクリプション事例のまとめ
サブスクリプションサービスの普及は、ユーザーが「お得感」を抱く成功体験のみならず、より多彩なニーズを把握し、さらなる付加価値を乗せたサービス展開が鍵です。それをこれらの事例から読み取ることができます。
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