アパレルD2Cの成功法則は?
D2Cブランドを俯瞰すると、中間マージンを廃して低価格で販売という、D2Cのもともとの意味合いを打ち出すブランドは少ないのが現状です。
逆に、以下のような特徴を持つブランドが増え、成功しています。
1. 若い世代の新しい世界観に向ける
2. テクノロジーによって製造や販売を革新して新しい価値を創造している
3. 今まで光が当たらなかったカテゴリにフォーカスしている
注目のビジネスモデル「D2C」とは?海外・国内の最新事例をご紹介
https://manamina.valuesccg.com/articles/550D2Cとは、メーカーやブランドが店舗を介さず、自社ECサイトを通じて直販するビジネスモデルです。D2Cはアパレルや小売業界を中心に活用され、寝具マットレスの米国企業Casperのように未上場ながら評価額10億ドルを超えるユニコーン企業も現れたことから注目を集めています。D2Cの特徴や日本と海外のD2Cブランド事例。
世界的なD2C興隆の流れに乗り、日本でも多くのD2Cブランドが立ち上がっています。D2Cにより生産者と消費者がダイレクトにつながり、消費活動の幅が今まで以上に広がります。D2Cムーブメントの中でいち早く名を上げたブランドの成功の秘訣を事例をもとに検証します。
若い世代の新しい世界観に向けたD2Cブランド事例
■RiLi(リリ)
ファッションメディア「RiLi.tokyo」から派生したブランドで、「#RiLiっぽ」というハッシュタグのとおり、RiLiらしさ(ブラウンやベージュといったくすんだ色合いが中心)という世界観が多くの支持を集めています。
ファッションメディアRiLi(リリ)の公式通販サイト「RiLi STORE」。トレンドだけどちょっぴり個性的。インスタグラマーのお手本コーデも見れる!今っぽかわいいファッションアイテム続々入荷中。RiLi.tokyoの公式店舗。インスタ⇢@rili.shopping
■17kg(イチナナキログラム)
10代から20代女性に人気の韓国レディスアパレルを中心に扱うブランド「17kg」。イチナナキログラムのユニークな点は、インスタグラムのメインユーザー層の中でエンゲージメントの高い韓国レディスアパレルを販売する、インスタグラムを軸にしたマーケティングを展開している点です。
韓国レディースファッション通販 17kg(イチナナキログラム)
https://17kg.shop/17kg[イチナナキログラム]は10代・20代女性向けのプチプラ韓国レディースファッションの通販サイトです。 最新トレンドからベーシックまで豊富なアイテムを取り揃えており、お手頃な価格で販売しております。 芸能人・アイドル・モデル・インスタグラマー着用&雑誌掲載アイテム多数発売中☆毎日新商品を発売しております。
■foufou(フーフー)
「健康的な消費のために」という、一風変わったコンセプトを打ち出す「foufou」。SNSでのアピールのほか、「試着会」というアナログなユーザーとのコミュニケーションも大切にしています。
「健康的な消費のために」という姿勢で服を作っています。https://www.instagram.com/foufou_ha_fukuyasan/
■STELLA VIANA(ステラヴィアナ)
「STELLA VIANA」は、リアリティ番組「テラスハウス」の軽井沢編に出演した、女子大生モデルの又来綾(またらい あや)さんが立ち上げたブランドです。女子大生モデル、そしてフォロワー数15万人オーバーというインスタグラマーという、抜群の知名度を活かしたブランド展開が強みです。
■L*ecren(レクラン)
「L*ecren」もインスタグラム発のD2Cブランド。いつもかわいくいたい。というガーリーな雰囲気を好む10代後半~20代前半の女性に人気を集めています。単にインスタグラムだけでの拡散を狙うだけではなく、期間限定ながら渋谷ヒカリエにて商品の試着やインフルエンサーに会えるショップ(ポップアップショップ)をオープンさせ、OMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)にも挑戦しています。
*⋆::::⋆*⋆::::⋆*⋆::::⋆*⋆::::⋆*⋆::::⋆*⋆::::⋆*⋆::::⋆*⋆::::⋆*ガーリーな雰囲気が大好きな女の子に❁いつも可愛くいたい!を叶えるとっておきのお洋服たちをご紹介しています❤︎
■BLACK BUNNYS(ブラックバニーズ)
「BLACKな世界観」というテーマで、ほぼ「黒」の洋服だけを扱うブランドが「BLACK BUNNYS」です。ゴスロリ的なものからカジュアルなアイテムまで、黒という単一のカラーではありますが、幅広いジャンルのアイテムを網羅しています。
テクノロジーで製造や販売を革新したD2Cブランド
■SOÉJU(ソージュ)
「SOÉJU」は、30代~40代の女性をメインターゲットにし、プロのスタイリストが個別に着こなしを提案してくれる「SOÉJU personal」というサービスから派生したブランドです。ファッションコンシェルジュ的なサービスから得たデータをもとにした、スタイリングしやすいファッションアイテムを取り扱い、好評を得ています。
今まで光が当たらなかったカテゴリにフォーカスしたD2Cブランド
■Foo Tokyo(フー トーキョー)
パジャマ、ナイトウェア、タオルといった寝具をこだわりの上質素材で提供する「Foo Tokyo」。どのアイテムも比較的高価ではありますが、工場の空き時間を利用して製造したり、店舗を持たない、直接販売するといったD2Cならではの施策で、価格以上の価値がある商品になっています。
Foo Tokyo | ルームウェア・パジャマの高級ブランド
https://brand-foo.com/Foo Tokyoは家での上質な安らぎの時間を提案するライフスタイルブランドです。オトナ女子のための“可愛すぎない”ルームウェア・パジャマや、オシャレで素材にこだわったギフトを中心に展開しています。
■Classico(クラシコ)
医療従事者用の「白衣」にターゲットを絞ったブランドが「Classico」。従来、白衣とは画一的なデザインであるという共通認識がありましたが、Classicoは「スタイリッシュな白衣」という新たなジャンルを創り上げました。
白衣 スクラブ ナース服ほか おしゃれ白衣のクラシコ公式通販
https://www.clasic.jp/おしゃれな白衣通販のクラシコ【Classico】公式サイト。上質さと機能性を兼ね備えたスタイリッシュな白衣・ケーシー・スクラブ他。デザイナーを起用したスタイリッシュな医療用白衣・スクラブ・ケーシー・ナース服・聴診器などを販売しております。
■HEART CLOSET(ハートクローゼット)
「HEART CLOSET」は、胸が大きい女性の体型に合わせたアパレルを提供するブランドです。展開するアイテムは、胸の大きさに合わせてデザインするだけではなく、ラグジュアリーという要素を加えているのがポイントです。
HEART CLOSET(ハートクローゼット) | 胸が大きな女性向けブランド公式
https://heart-closet.com/胸が大きな女性向けファッションブランド『HEART CLOSET』の公式オンラインストアです。D、E、F、G、H、I、J、Kカップの女性のためにワンピース、シャツ、カットソー、コートなどのアイテムを販売しています。
■Feast(フィースト)
胸が小さい女性向けのランジェリーブランドが「Feast」です。FeastではAAAカップからサイズ設定を行っているのが特徴です。また、独自のオンライショップだけではなく、Amazonやラフォーレ原宿に実店舗を構えるなど、販売チャネルがD2Cブランドとしては多いのも特徴です。
feast/フィーストは、シンデレラバスト(Aカップ〜AAAカップ)専門の下着ブランドです。アンダーゴムの柔らかな国産ブラジャーが、小さい胸にもぴったりフィット。様々な悩みを持つ女の子に愛されて4周年。
■BARAILLE&GARMENTS(バライル アンド ガーメンツ)
「BARAILLE&GARMENTS」は、男性用のボクサーパンツやトランクスといったアンダーウェアを扱うブランドです。アンダーウェアとはいえ、英国王室御用達の「シーアイランドコットン」を使用し、ハイブランド化しています。
BARAILLE & GARMENTS | 公式オンラインストア
https://baraille.club/バライルアンドガーメンツ公式通販サイト。男性へのプレゼントにも最適なアメリカンシーアイランドコットンを使用したボクサーブリーフ・ボクサーパンツ。最高の着心地を目指すメンズアンダーウェアブランドです。
アパレルD2C成功事例 その1:オーダースーツの「FABRIC TOKYO(ファブリック トーキョー)」
日本のアパレルD2C成功事例として取り上げられる機会が多い、オーダースーツブランド「FABRIC TOKYO」。
■自身の体験がブランド創生のきっかけ
同社の代表取締役社長である森雄一郎氏が既成のスーツに納得できずにいたとき、オーダースーツを着て感動。もともとオーダーシャツを3分で注文できるサービスをつくっており、それを改修してオーダースーツ作成のシステムを構築しました。採寸を店舗で行い、オンラインショップで購入する「FABRIC TOKYO」の誕生です。
■店舗でのコミュニケーションにより高品質なスーツを提供
オーダースーツ作成にあたり、重要な採寸は全国に12ある店舗(ポップアップストア含む)というアナログな場で行います。ユーザーの好みに応じた最適な採寸だけではなく、スタッフからのアドバイスも行い、ブランドコンセプトである「Fit Your Life」を実現する仕掛けです。
ビジネスウェアのD2Cが店舗を融合したOMOに進化していく・・・株式会社FABRIC TOKYO森社長インタビュー | Media Innovation
https://media-innovation.jp/2019/07/17/fabric-tokyo-interview/世界的に興隆を見せる、D2Cブランド。その中でも数多くのブランドが登場してきているのが、アパレルの領域です。そのアパレルのD2Cの世界で、日本における代表的な成功例として頻繁に取り上げられるのが、株式会社FABRIC TOKYOが手掛けるビジネスウェア「FABRIC TOKYO」です。
アパレルD2C成功事例 その2:スポーツシューズのインソール「TENTIAL(テンシャル)」
「TENTIAL」は、足の負担を軽くする靴の中敷き・インソールを開発・販売するブランドです。
■スポーツのハウツーメディアからの気づき
代表の中西氏が「SPOSHIRU(スポシル)」という、スポーツ全般を取り扱うハウツーメディアを運営し、多くのデータを探っているなかで、日本人が足について悩んでいることに気づきます。そこをさらに深堀し、解決策としてたどり着いたのがインソールです。
■インソールというアイテムを選択した理由
アスリートが足にかかる負荷を低減させるために使う多いインソール。競技用はすでに数多く存在しますが、アスリートが日常生活で疲れないようにする、いわば「普段使い」のインソールがありませんでした。アスリートのみならず、一般の人にとっても普段使いできるのではないか、という思いからインソールの開発に乗り出しました。
アスリートが集まりメディア運営からD2Cブランド立ち上げへ、スポーツの変革を目指す株式会社TENTIAL中西社長インタビュー | Media Innovation
https://media-innovation.jp/?p=9914様々な領域で立ち上がるD2Cブランドですが、株式会社TENTIALはスポーツの領域で、足の負担を軽減するインソールを開発しました。代表の中西裕太郎氏は、インターハイの出場経験もあるサッカー経験者でしたが病気でプロへの道を断念。スポーツの可能性を広げる事業に取り組んでいます。
まとめ
成功したD2Cブランドには「1. 若い世代の新しい世界観に向ける」「2. テクノロジーによって製造や販売を革新して新しい価値を創造している」「3. 今まで光が当たらなかったカテゴリにフォーカスしている」などの特徴があります。
自社ブランドをネットで直販するだけでは、従来のネットショッピングと同じです。ブランディングのためのマーケティングや、メーカーがユーザーの声を直接聞く場所を設けるなど、それぞれのブランドが差別化を図っています。
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