デジタルトランスフォーメーション(DX)のおすすめ本 15選

デジタルトランスフォーメーション(DX)のおすすめ本 15選

デジタルトランスフォーメーション(DX)について聞かれたり取り組みを求められている担当者も多いでしょう。しかし企業が実際にDXをすすめるには、基礎知識やノウハウが必要です。この記事ではご自分や所属企業がDXを検討する際に、参考となるおすすめの書籍を紹介します


デジタルトランスフォーメーションの意味は広い

デジタルトランスフォーメーションは、デジタル技術を用いて企業が新たな価値を創造していくことを意味します。DXにはこのような定義があるものの、部分的にIT化したり、システムを刷新すれば終わるものではなく、新しい事業・ビジネスモデルを立ち上げていく努力が求められます。

ちなみに、「トランスフォーメーション(Transformation)」なのに「X」と略す理由ですが、「Trans(~を超える、~を横断する)」の同義語である「Cross」を念頭に置く必要があります。

Crossは「交差する、横切る」の意味を持ち、この語を記述(=視覚的に表現)するときに「X」と略されるようになりました。これが転じてTransを略する場合も「X」が用いられるようになった、というのが“X=Transform”の理由です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

https://manamina.valuesccg.com/articles/730

デジタル技術の進化にともない、ビジネス環境にも変化がみられます。ここ数年注目を集めている概念「デジタルトランスフォーメーション(DX)」もそのひとつです。 デジタルトランスフォーメーションの定義や意味、日本の現状を解説します。具体的な企業事例も紹介しながら、DXの効果や単なるIT化にとどまらず、革新的な変化を起こす点を理解しましょう。

なぜデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が求められているのか?

DX推進は経済産業省も促しているものです。その理由は「2025年の崖」問題という、DXを実現できないと2025年以降、年間で最大12兆円の経済損失が発生してしまうという予測があるからです。

この「2025年の崖」問題のほか、DXについて経済産業省の見地から発表されている「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」も目を通しておくことをおすすめします。

デジタルトランスフォーメーションを学べるおすすめ本

DXに取り組むにあたって社内外の関係者への説得材料、裏付けとなる知識やノウハウを学べる本を紹介します。

DX本「イラスト&図解でわかるDX(デジタルトランスフォーメーション)」

書籍「イラスト&図解でわかるDX(デジタルトランスフォーメーション)」はタイトル通り、図やイラストが豊富なのが特徴です。

文字からだけでなく、ビジュアル的にデジタルトランスフォーメーションの概念を理解できます。記載されている内容は比較的平易で、「DXって何?」「DXをざっくりと知りたい」という方がまず読むべき入門書と言えます。

イラスト&図解でわかるDX(デジタルトランスフォーメーション);デジタル技術で爆発的に成長する産業、破壊される産業

DX本「いちばんやさしいDXの教本 人気講師が教えるビジネスを変革する攻めのIT戦略」

DXについての知識がほとんどなくても読める、DX入門書と呼べるのが本書です。現場主義的にDXの知識や実行の道筋を、事例やイラスト、図解を交えて丁寧に解説しています。

DXに興味がある人はもちろん、DXを推進しなければならない立場の人まで幅広い人が専門知識なしで読み進められる一冊となっています。

(購入特典PDF版ダウンロード)いちばんやさしいDXの教本 人気講師が教えるビジネスを変革する攻めのIT戦略 (いちばんやさしい教本)

DX本「デジタルトランスフォーメーションの実際」

書籍「デジタルトランスフォーメーションの実際」もデジタルトランスフォーメーションの要点を掴むのに役立ちます。

著者であるベイカレント・コンサルティングは、日本でいち早くDXの重要性を説いたコンサルティング会社。顧客企業のグローバル展開支援などに精通していることから、本書では日米間のDXについて比較分析がなされています。

また、「デジタルパッチ」→「デジタルインテグレーション」→「デジタルトランスフォーメーション」の3ステップでデジタル戦略を立案すべきという主張も、本書独自のポイントです。

デジタルトランスフォーメーションの実際

DX本「システムを作らせる技術 エンジニアではないあなたへ」

DXを推進するにあたってはシステムの構築が必要不可欠です。そのためにベンダーなどの専門家に構築を依頼した際に、自社が望むような結果にならなかったり、計画そのものが頓挫してしまうトラブルが出る危険性があります。

DX推進の担当者がある程度の知識を持ち、システム構築の指示、つまりどのようなシステムを作って欲しいかを明確にできればトラブルの可能性を低く抑えられます。本書ではシステムづくりの際に注意すべき点をさまざまな事例をもとに解説しています。

システムを作らせる技術 エンジニアではないあなたへ (日本経済新聞出版)

DX本「DX経営図鑑」

本書は、DXに成功したさまざまな企業の事例を紹介しています。単なる事例にとどまらず、DXをどのように考え、そして推進にあたってどんなことを行ったのかまでを網羅しているのが特徴です。

紹介されている企業の業種は多岐にわたっているため、自社と同じようなケースを見つけやすいでしょう。

DX経営図鑑

DX本「デジタル時代のイノベーション戦略」

書籍「デジタル時代のイノベーション戦略」はDXを総括的に理解できる本です。DXがなぜ重要なのか、企業においてDXをどう位置づければいいのか、どのようにイノベーションを起こしていくのかが説明されています。いずれも日本の風土、日本企業の特性に合わせた指南になっています。これからデジタルトランスフォーメーションに取り組む担当者や経営者の方におすすめの一冊です。

デジタル時代のイノベーション戦略

DX本「企画立案からシステム開発まで 本当に使えるDXプロジェクトの教科書」

著者がDXに携わっており、そのノウハウの解説が中心となっているので、タイトルが示すように、DX推進のための具体的な方法の紹介がおもな内容です。

ある程度DXの知識を付け、これからDXの推進に取り組まねばならないといった立場の人にとって大いに参考になる情報が多数紹介されています。

企画立案からシステム開発まで 本当に使えるDXプロジェクトの教科書

DX本「DX(デジタルトランスフォーメーション)経営戦略」

DX推進となるとどうしてもITやシステム構築といったテクノロジーにばかり目が行きがちですが、DXに必要な組織は組織は?そして人は?という部分を掘り下げている本書。

4年間に渡って1万6000人への調査、さらにウォルマートやGoogleの企業マネージャーへのインタビューなども紹介されているので、DX推進の旗手となるポジションの人へとくにおすすめできます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)経営戦略

DX本「ソフトウェア・ファースト」

デジタル化はいうなれば、「ハードからソフトへの変革」を意味します。書籍「ソフトウェア・ファースト」ではソフトウェアをキーワードに、これからの日本企業が生き残るための方策について説明されています。著者の及川 卓也氏はMicrosoftやGoogleでプロダクトマネージャーやエンジニアリングマネージャーを務めた有名エンジニアです。

AI、サブスク、SaaS(Software as a Service)など、今話題のキーワードがちりばめられており、ソフトを中心としたサービス志向の流れを学べるでしょう。DX推進者だけでなく、エンジニア・プログラマーにも参考になる一冊ではないでしょうか。

ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略

DX本「DX戦略立案書」

著者はデジタル経営の権威のひとり、デビッド・ロジャース。およそ10年にもおよぶこの分野についての研究、教育、そしてコンサルティングといった実績をベースにして、目まぐるしく変化するデジタル環境に対応する術を解説しています。

戦術論に終止しがちなDX関連書にはない、わかりやすいフレームワークを導入しているため、自社の状況にあてはめて考えやすくなっています。

DX戦略立案書

DX本「サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略」

書籍「サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略」は、DX時代を牽引する代表的なビジネスモデル「SaaS」「サブスクリプション」を主に取り扱っています。SaaS・サブスクリプションがなぜ急成長したのか、その生産性の高さの源はどこにあるのかが詳細に分析されています。

サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略

DX本「対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方」

本書が提唱する「デジタル・ディスラプター」とは、DX推進によって既存の製品やサービス価値が変容することによって起こる大幅な市場変化をデジタル・ディスラプションとし、これを行う企業のことを指しています。

紹介されているデジタル・ディスラプターに対抗する戦略は4種類。すでにDXが自社の経営に影響を与えている、もしくは今後影響を与えられる懸念があるという企業のDX推進担当者、そして経営者におすすめしたい一冊です。

対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

DX本「DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる」

書籍「DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる」ではデジタルトランスフォーメーションを組織論の観点から解説しています。日本企業(特に大企業)では、組織が縦割りになっているために生じる「システム・人的リソースの無駄」がよく見られます。そのような状況を「サイロ化の罠」と言い、そこから抜け出すためのヒントを本書からは得られるでしょう。既にDXに取り組み始めている企業やDX担当者におすすめの一冊です。

DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる

DX本「リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書」

デジタルトランスフォーメーションを推進したくても、人材不足で足踏みをしている企業も少なくありません。書籍「リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書」ではDXを人材教育の面から捉え、これからのデジタル競争を勝ち残れる人材育成のノウハウについて解説しています。デジタル化、グローバル化が加速度的に進む現代において、人材育成もサービス・ソフト開発以上に重要な課題であることを説いています。

リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書

DX本「ルポ 日本のDX最前線」

DXを推進している企業のみならず、政府が推進しているDXまで、幅広く現実の、そして現在のDXを紹介しています。

政府CIO補佐官、経済産業省、金融庁といった3つの行政機関、そして7つの企業におけるDXの本音やリアルな意見を、DXに関する深い知識を持たずとも読み進められます。

ルポ 日本のDX最前線(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)

まとめ

デジタルトランスフォーメーションと一口に言っても、その観点は様々です。DXを企業内で推進していくためには、ソフト開発、組織作り、人材育成、風土改革など、多面的な戦略立案が必要となります。自身が抱える課題に合わせて、今回ご紹介した書籍を参考にしてみてください。

関連記事

【DX事例集】これでデジタルトランスフォーメーションを理解しよう!

https://manamina.valuesccg.com/articles/762

デジタル技術でビジネスに変革をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)。概念はわかるものの海外の華々しい事例のほかに、日本ではどのようなDX事例があるでしょうか?身近な企業の取り組み事例を元に、デジタルトランスフォーメーションを理解していきましょう。

企業でDXを推進する組織づくりとは?3つのタイプを事例とともに考察します

https://manamina.valuesccg.com/articles/879

デジタル技術を活用し、革新的なビジネスモデルを生み出すDXに取り組む企業が増えています。革新的なビジネスモデルを実現するには、単なるツール導入や業務効率化にとどまらず、社内の仕事の進め方を全般的に変える必要があります。そのために、DX専任の組織を置く企業も増えています。今回は、企業のDXを推進する組織づくりの事例を紹介します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の課題とそれに対する解決策

https://manamina.valuesccg.com/articles/767

既存のビジネスをデジタル技術を活用して変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)を、企業戦略として取り入れる企業が増えています。しかしDXを実現するのは簡単ではありません。この記事ではDXに取り組む上で想定される課題を洗い出し、解決のための糸口をご紹介します。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


電通デジタル、DX組織の持続的発展に繋げる簡易診断プログラム「DX組織クイックスキャン」を提供開始

電通デジタル、DX組織の持続的発展に繋げる簡易診断プログラム「DX組織クイックスキャン」を提供開始

株式会社電通デジタルは、DX組織※の現状と課題を診断し、DX組織の持続的成長に向けた戦略を提案する簡易診断プログラム「DX組織クイックスキャン」を開発し、提供開始しました。


【10/28(月)開催セミナー】【参加特典あり】リサーチャー菅原大介氏 新刊!『ユーザーリサーチのすべて』出版記念セミナー|マナミナ講座

【10/28(月)開催セミナー】【参加特典あり】リサーチャー菅原大介氏 新刊!『ユーザーリサーチのすべて』出版記念セミナー|マナミナ講座

『売れるしくみをつくる マーケットリサーチ大全』(明日香出版社)などリサーチに関する著書を持つ、リサーチャーの菅原大介さんの新刊『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)の発売を記念して、特別セミナーを10月28日(月) 17:00〜18:15に配信します!ゲストにブランディングテクノロジー株式会社 執行役員 CMOの黒澤友貴さんと株式会社マテリアルデジタル 取締役の川端康介さんをお迎えし、プロジェクトの企画段階からリサーチ手法の選定・実行、分析に至るまでのノウハウを集約した、菅原さんの新著『ユーザーリサーチのすべて』をもとにディスカッションいただきます。


DX推進企業の約7割がSaaSを導入している一方で、生産性向上や業務効率化を実感できているのは4割未満にとどまる【うるるBPO調査】

DX推進企業の約7割がSaaSを導入している一方で、生産性向上や業務効率化を実感できているのは4割未満にとどまる【うるるBPO調査】

株式会社うるるBPOは、DXを推進している企業の係長以上の役職者を対象に、「SaaSを利用した業務の実態調査」を実施し、結果を公開しました。


AI画像解析で商品陳列状況をリアルタイムに数値化・見える化!インパクトフィールド、買い場分析システムを消費財メーカー向けに提供開始

AI画像解析で商品陳列状況をリアルタイムに数値化・見える化!インパクトフィールド、買い場分析システムを消費財メーカー向けに提供開始

インパクトフィールド株式会社 は、店頭活動DXプラットフォーム 「MarketWatcher NEO (マーケットウォッチャー ネオ) 」 の拡張機能として、流通小売店舗の店頭状況の把握・分析業務を大幅に効率化する買い場分析システム 「ShareWatcher (シェアウォッチャー) 」 を提供開始したことを発表しました。


博報堂生活総合研究所、暮らし全般のデジタル化の度合いを調べる生活DX定点調査の結果を発表

博報堂生活総合研究所、暮らし全般のデジタル化の度合いを調べる生活DX定点調査の結果を発表

博報堂生活総合研究所は、15~69歳男女に対して暮らし全般のデジタル化の度合いを調べる「生活DX定点」調査を実施し、結果を公開しました。


最新の投稿


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

Repro株式会社は、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、結果を公開しました。


感性について ~ マーケティングとハプティクス

感性について ~ マーケティングとハプティクス

人には5感が備わっています。さらに突き詰めれば第6感という感覚も。それら人の持つ感性や感覚を補うべくあらゆる技術も日々進歩していますが、人のそれらの代替となるような技術はまだ未完の途上です。それほどに他に取って代われない私たちの感性・感覚。本稿では、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、広告やマーケティングを通して人の感性の深さを説き、ハプティクス(Haptics)を用いて人の感覚の重要性を解説します。


イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

株式会社イードと株式会社ガイエは、全国のファミリーマート、ローソン(※一部店舗を除く)に設置されているマルチコピー機で展開するコンテンツサービス「エンタメプリント」を活用した広告パッケージ「Anime Touch Ad」を共同開発し、販売開始することを発表しました。


ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

株式会社ネオマーケティングは、株式会社ボーダーリンクと協業し、在日外国人リサーチサービスを提供開始したことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ