Yahoo!関連アプリの総利用者数はLINE関連アプリに匹敵

Yahoo!関連アプリの総利用者数はLINE関連アプリに匹敵

ポータルサイトだけでなく、アプリも強い「Yahoo!」


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、Yahoo!関連アプリの利用者動向について分析、調査しました。

分析概要

全国のモニター会員(20代以上)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2018年10月にYahoo!関連アプリを利用したネットユーザーの行動を分析しました。
※ユーザー数はスマートフォンからのアプリ起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※メール、Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmail、Google+などプリインストールアプリは除く

考察サマリ

5つのYahoo!関連アプリが利用者数トップ20にランクイン

インターネット黎明期にポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を提供し、インターネット社会を最前線で形作ってきたYahoo!。いまや時代はスマートフォンが主役となり、LINEやFacebook、Twitterといったアプリがその代表のように思われますが、Yahoo!関連アプリはその中でどのような立ち位置を占めているのでしょうか。Yahoo!関連アプリについて調べてみました。

まず、2018年10月のスマートフォンアプリ利用者数ランキングを見てみます【図1】。利用者数トップは約4,900万UUのLINE。これは2位Facebookの約2倍の数字となっています。Yahoo!関連アプリはというと、3位Twitterに続き4位にYahoo! JAPANがランクイン。さらに、9位にYahoo!天気、12位にYahoo!乗換案内、16位と17位にYahoo!ショッピングとYahoo!メールがそれぞれランクインしています。トップ20に5つのアプリが名を連ね、スマートフォンアプリの中でも存在感を保っていることが分かります。

Yahoo!は「天気」「乗換案内」など多様な領域で1,000万人以上のユーザーを保有

次に、インターネット企業の巨塔「LINE」「Facebook」「楽天」各社のアプリとYahoo!関連アプリを、「eMark+」のSite Analyzerを用いて比較します。まずはLINEの利用者数トップ5アプリを見てみましょう【図2】。

1位はもちろんコミュニケーションアプリ「LINE」です。また、2位から5位にはゲームアプリ「ディズニーツムツム」や「LINEポコポコ」、マンガアプリ「LINEマンガ」、音楽ストリーミングアプリ「LINE MUSIC」がランクイン。LINE社はエンターテイメント系のアプリを中心に提供し、利用者の心を掴んでいることが分かります。

次はFacebook関連アプリを調査します【図3】。1位は「Facebook」、2位「Instagram」、3位が「Messenger」という結果になりました。4位と5位は上位3アプリに比べ利用者数が少なく、Facebook関連の主要アプリはこの上位3つであることがうかがえます。

次に楽天関連アプリを調べます【図4】。1位はショッピングアプリ「楽天市場」です。また、3位には楽天カードのアプリがランクイン。それ以外の3つはポイント系アプリとなっています。「楽天市場」や「楽天カード」といった購買・決済にまつわるサービスを提供し、ポイントを付与することで「楽天経済圏」を構築していることが分かります。

そして、Yahoo!関連アプリの利用者数ランキングを見てみましょう【図5】。ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を筆頭に、天気、乗換案内、ショッピング、メールと別々の領域のサービスを提供しています。さらに特徴的なのはその月間UU数です。どのアプリも月間1,000万UUを超えており、上位5アプリすべてが1,000万UU以上なのはYahoo!のみでした。黎明期からの知見を強みに使いやすいアプリを提供していることが、ユーザー獲得につながっている可能性が考えられます。

ここまで見てきた4社のインターネット企業関連の上位5アプリの、総利用者数と併用状況を比較してみました【図6】。各社のうち総利用者数が最も多かったのはLINEで、2018年5月-10月にかけて約6,700万人もの人々がLINE関連アプリを利用しました。
一方、Yahoo!関連アプリの総利用者数は5,000万人ほどと、LINEに次いで2番目に多くのユーザーを保有しています。また、最も同企業アプリの併用率が高かったのは楽天です。全体のうち5.1%の人々が上位5つの楽天アプリをすべて使っている様子がうかがえました。

Yahoo!関連アプリは性別・年代を問わず多くの人々に利用されている

最後に、Yahoo!関連上位4アプリの利用者属性を比較しました。まずは利用者の性別割合を見てみます【図7】。男性割合がYahoo!天気で最も多かったものの、どのアプリでも男女比はほぼ1対1となり、大きな違いは見られませんでした。

一方、年代別に見ると、Yahoo!乗換案内で他サービスと比べ10ポイントほど20代の割合が高くなっています【図8】。しかし、4つとも年代による顕著な偏りは見られません。このことから、性別・年代を問わず多くの人々に利用されているYahoo!アプリの姿が浮かび上がってきます。

まとめ

今回の調査から、Yahoo!はポータルサイトの知見を活かし、多様な領域で多くの人々に使われるスマートフォンアプリを提供していることが分かりました。総利用者数はLINE関連アプリに匹敵するほどであり、PC主役の時代からスマートフォンの時代へ適応してきたことがうかがえます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


市場調査 アプリ分析

関連する投稿


2023年のトレンド、あの後どうなった?2024年はどうなる?【Pokémon Sleep編】

2023年のトレンド、あの後どうなった?2024年はどうなる?【Pokémon Sleep編】

大注目の中、2023年7月にリリースされた、画期的な睡眠アプリ「Pokémon Sleep」。マナミナではリリース直後にユーザー分析を行い、ポケモンが好きな人も、普段スマホゲームをしない人も利用していることがわかりました。リリースから半年経った現在、ユーザー層はどのように変化したのでしょうか。Dockpitとstory bankを使って分析していきます。


2023年マッチングアプリ最新動向!マッチングアプリ市場のニーズと今後の可能性は?

2023年マッチングアプリ最新動向!マッチングアプリ市場のニーズと今後の可能性は?

近年、マッチングアプリ経由の結婚が増加しています。本記事では、大手マッチングアプリ5つ(「with」「Pairs」「タップル」「Tinder」「Omiai」)について、その特性と利用実態を調査・分析しました。マッチングアプリに関連した人々のニーズを探り、それを踏まえた市場の今後の可能性についても考察します。


人はいくつのフリマアプリを使い分けるのか?メルカリ・PayPayフリマ・ヤフオク!利用者の重複利用状況を調査

人はいくつのフリマアプリを使い分けるのか?メルカリ・PayPayフリマ・ヤフオク!利用者の重複利用状況を調査

欲しいものが安く手に入ったり、掘り出し物が見つかったりするフリマアプリ。商品を吟味してより良い商品を見つけるために、複数のアプリを使い分ける人はどのくらいいるのでしょうか。特にユーザー数の多い「メルカリ」、「PayPayフリマ」、「ヤフオク!」のユーザー属性と重複利用状況を比較しました。


広がるBaaSの事例を解説「第一生命NEOBANK」の利用者数や特徴は?

広がるBaaSの事例を解説「第一生命NEOBANK」の利用者数や特徴は?

「BaaS」とは金融機関以外の企業が金融サービスを提供することを意味します。小売業がこれら決済システムを導入した結果、利便性や顧客満足度の向上が実現した事例もあります。今回は、住信SBIと第一生命が提供するスマートフォンアプリ「第一生命NEOBANK」の登録利用者について調査しました。


20代の人気アプリランキング!「Twitter代替SNS」や「夏休み需要」に注目(2023年7月)

20代の人気アプリランキング!「Twitter代替SNS」や「夏休み需要」に注目(2023年7月)

Z世代とは、1995年頃から2010年頃までの出生世代。SNSでの発信力や情報感度の高いZ世代は、あらゆる企業にとって重要な顧客です。Z世代の行動を理解することは、より効果的なマーケティング戦略の立案に繋がります。今回は消費力が高まっている20代に注目し、流行りのアプリを調査しました。2023年7月の最新人気アプリから、人気の理由を考察し若者の考え方の理解を目指します。


最新の投稿


Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

CCCMKホールディングス株式会社は、全国16~24歳の男女を対象に『Z世代のSNS利用実態や生活満足度との関係性』について調査を実施し、結果を公開しました。


Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、同社が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』にて、Z世代を対象に「Z世代の承認欲求に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

節約やお小遣い稼ぎの手段としても注目が高まるフリマ市場。「メルカリ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を対象に、フリマ市場の最新動向について調査しました。各サービスのサイト・アプリについて、利用者数やユーザーの人となりに加えて、サイト集客構造の違いについても深掘りし、それぞれの特徴について明らかにしていきます。


約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

株式会株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」は、勤務先の業務で福利厚生やプレゼントキャンペーンなどの販促を実施する際にデジタルギフトを購入したことのある方を対象に「法人向けデジタルギフトに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


KDDIとAIQ、バーチャル空間上でデジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始

KDDIとAIQ、バーチャル空間上でデジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始

KDDI株式会社とAIQ(アイキュー)株式会社は、KDDI株式会社が提供するαU place(アルファユープレイス)において、デジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始することを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ