料理の価値観とレシピサービス利用動向調査

料理の価値観とレシピサービス利用動向調査

―“料理好きルーキー”さんはレシピ動画がお好き?―


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、アンケートとネット行動ログを用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、消費者の料理に対する価値観とレシピサービスの利用動向について、調査を行いました。

分析概要

アンケートに関しては、ヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員を対象として、2017年8月31日~9月6日に調査を実施。料理に対する価値観や料理の習熟度合いなどに関するアンケート回答をもとに、ユーザーをクラスタ分類した。
ネット行動ログ分析に関しては、同じくヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員の協力により、2016年7月~2017年8月において、スマートフォンアプリ別・サイト別にデータを集計した。
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでのインストールおよび起動を集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※文中では「DELISH KITCHEN - レシピ動画で簡単料理」は「DELISH KITCHEN」、「クラシル - 料理レシピ動画数No.1」は「クラシル」、「クックパッド - No.1料理検索アプリ」は「クックパッド」と表記

考察サマリ

「クックパッド」一強の時代が続いたレシピサービス市場。今、急伸するレシピ動画サービスが注目を集めています。今回は王者「クックパッド」と新興勢力である「クラシル」「DELISH KITCHEN」がユーザーにどのように使われているのか、また、各サービスがどのような料理の価値観を持ったユーザーに響いているのかを調査しました。

PC・スマホ合算のユーザー数では、「クックパッド」が他社を圧倒。

まず、各サービスのユーザー数推移を見てみましょう。PCとスマホ合算で見ると、やはり「クックパッド」が依然として圧倒的1位のユーザー数となっています。

レシピ動画サービスのスマホユーザーが急増。 レシピをブラウザではなくアプリで見るユーザーが増加している様子。

デバイス別ユーザー数推移を見ると、「クックパッド」は4月から8月にかけて、PCユーザー数が68万人、スマホユーザー数が220万人減少しています。スマホの方が減少率が高いようです。
対して、「クラシル」と「DELISH KITCHEN」は4月以降ユーザーが増加。特にスマホユーザーが急増しています。

ブラウザ/アプリ別にユーザー数推移を見ると、「クックパッド」のスマホユーザーが減っているのは、スマホブラウザを使うユーザーが減少していたからのようです。「クラシル」「DELISH KITCHEN」はブラウザで見ている人は少なく、アプリ利用者を伸ばすことで利用者数を増加させています。「クックパッド」のアプリ利用者数も3~8月にかけて変わっておらず、料理レシピをブラウザではなくアプリで見るユーザーが増えた様子が伺えます。

料理好きルーキーさんはレシピ動画サービスがお好き?

では、レシピ動画サービスはどのようなユーザーをとらえたのでしょうか。ヴァリューズ保有のモニタパネルにアンケートを実施し、ユーザーを料理の価値観別に5つのクラスタに分け、レシピ動画をどのクラスタのユーザーが使っているのかを調べました。
クラスタ別のユーザー数の割合を確認すると、料理得意ベテランさんが25.2%、料理好きルーキーさんが21.5%、料理嫌い時短さんが19.9%、料理苦手まじめさんが15.7%、無頓着さんが17.7%となっています。

各クラスタのユーザーのうち、各サービス利用者の割合の推移を見てみました。(※以降含有率と表記)「クラシル」「DELISH KITCHEN」を見ると、どちらも全てのクラスタで増加傾向にありますが、特に”料理好きルーキー”クラスタが伸びていることがわかります。2017年8月には、”料理好きルーキー“クラスタの18.4%、約5人に1人は「DELISH KITCHEN」を使っています。料理は好きだけど、一方で献立が思いつかない、という悩みを持つ料理好きルーキーさんに、動画で作るものを提案してくれるレシピ動画サービスが響いているのかもしれません。

「クックパッド」のアプリ利用者では、どのクラスタも大きな変化はないようです。一方、「クックパッド」のブラウザ利用者では、どのクラスタも含有率が低下しており、中でも料理嫌い時短さんの下がり幅が大きいことがわかります。
とはいえ、「クックパッド」のブラウザ利用者では、全クラスタにおいて、4人に1人以上のユーザーが「クックパッド」に接触しており、アプリで見ても、料理嫌い時短さん以外のクラスタでは、ユーザーの5人に1人以上が「クックパッド」を使っていることになります。リーチの規模としては、スマホに限って見ても、王座を譲っていないようです。

関連記事

「レシピ」と一緒に検索されているキーワードは?ユーザーの検索動向を過去1年間で調べてみました

https://manamina.valuesccg.com/articles/802

忙しい日々を送る中でご飯の献立を考えるのは本当に大変ですよね。そんな中でも自分や家族のために美味しい料理を作りたい、できれば時短で作りたい、旬な野菜を使った料理を作りたい、などなど作り手の気持ちは様々です。そこで、今回は「レシピ」と一緒に検索されているキーワードはどんなものが多いのか?また、どのようなコンテンツを見ているのかなど、ネット行動分析ツールの「eMark+」を使って、過去1年間を調査・分析しました。

ファミマも売り始めたビーガン向け商品は今後の食トレンドとなるか?検索者は家庭で試せるレシピに興味

https://manamina.valuesccg.com/articles/886

ヨーロッパやアメリカで取り入れられているライフスタイル「ビーガン」について、健康志向の高まりやインバウンドの増加などの影響から、日本国内でも目にする機会が増えてきています。本稿では、ビーガンに対してどのように関心が寄せられているのか、検索キーワードや人気コンテンツから実態を調査しました。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


【TVドラマランキング】医療系ドラマ「ブラックペアン シーズン2」や親子の愛がテーマの「海のはじまり」の視聴実態など

【TVドラマランキング】医療系ドラマ「ブラックペアン シーズン2」や親子の愛がテーマの「海のはじまり」の視聴実態など

近年動画配信サービスが普及し、時間や場所にとらわれず様々なジャンルの動画を手軽に視聴できるようになりました。テレビ離れが幅広い年代で囁かれている時代、話題になるテレビドラマとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、2024年7月~9月に放送されたドラマについて、認知度や視聴方法、満足度、満足理由などをランキング化。その実態を探りました。


【調査リリース】Z世代メンズの美容意識を調査 ミレニアル世代より10%以上高く70%以上が美容に関心

【調査リリース】Z世代メンズの美容意識を調査 ミレニアル世代より10%以上高く70%以上が美容に関心

SNS上のバズやトレンドへの感度が高く、流行を生み出す世代として注目のZ世代。企業のライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高めるためには、顧客ライフサイクルが長いと思われる若い世代の獲得は避けて通れません。そこで今回は、「メンズメイク」「メンズコスメ」への関心が高まっているという背景から、Z世代男性の美容に関する意識や購買行動を、ミレニアル世代と比較しながら調査。美容潜在層を顕在層にするために、どのような環境やきっかけが必要なのか、現役Z世代アナリストが分析しました。


【調査リリース】2024年夏の旅行トレンド全国調査~海外旅行は早めの予約が人気、20代女性の旅行意欲の高まりが目立つ

【調査リリース】2024年夏の旅行トレンド全国調査~海外旅行は早めの予約が人気、20代女性の旅行意欲の高まりが目立つ

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20歳以上の男女45,818人を対象に、今夏の旅行予定に関する消費者アンケート調査を実施しました。またヴァリューズが保有する約250万人の独自消費者パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用して、消費者の観光ニーズを分析しました。


【調査リリース】4大SNSのヘビーユーザーを比較調査!X利用者はフォロー/シェア等での割引施策参加に積極的、 TikTok利用者は高価でも衝動買いの傾向

【調査リリース】4大SNSのヘビーユーザーを比較調査!X利用者はフォロー/シェア等での割引施策参加に積極的、 TikTok利用者は高価でも衝動買いの傾向

アプローチしたい顧客セグメントに到達するためには、コミュニケーション媒体として適切なSNSを選定し活用することが重要です。数多くの新興SNSも登場する中、どんなユーザーがどのSNSを選び、どのような購買活動をしているのか。今回は4大SNSとも言える、Facebook、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)それぞれのヘビーユーザーの属性、購買動機や興味関心などのサイコグラフィック、メディアの利用状況や消費行動などを調査し、ユーザープロファイルを作成しました。


初心者歓迎!実例で学ぶマーケティング・リサーチ基礎<2024年最新版>|セミナーレポート

初心者歓迎!実例で学ぶマーケティング・リサーチ基礎<2024年最新版>|セミナーレポート

多くの企業でマーケティング活動の基礎になっているマーケティング・リサーチ。インサイト探索から商品の育成まであらゆるテーマが存在し、扱うデータも増えていることから、どこから手をつければいいかという悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは初めてマーケティング・リサーチに携わる方を対象に、基本的な考え方やリサーチの進め方を分かりやすく解説。また、ヴァリューズで2022年1月に実施した市場分析調査レポートを実例として、仮説の立て方や具体的な調査票設計、分析、レポーティングまでの工程・ノウハウの解説に加え、Web行動ログとアンケート調査の活用方法もご案内しました。※本セミナーのレポートは無料でダウンロードできます。


最新の投稿


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

Repro株式会社は、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、結果を公開しました。


感性について ~ マーケティングとハプティクス

感性について ~ マーケティングとハプティクス

人には5感が備わっています。さらに突き詰めれば第6感という感覚も。それら人の持つ感性や感覚を補うべくあらゆる技術も日々進歩していますが、人のそれらの代替となるような技術はまだ未完の途上です。それほどに他に取って代われない私たちの感性・感覚。本稿では、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、広告やマーケティングを通して人の感性の深さを説き、ハプティクス(Haptics)を用いて人の感覚の重要性を解説します。


イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

株式会社イードと株式会社ガイエは、全国のファミリーマート、ローソン(※一部店舗を除く)に設置されているマルチコピー機で展開するコンテンツサービス「エンタメプリント」を活用した広告パッケージ「Anime Touch Ad」を共同開発し、販売開始することを発表しました。


ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

株式会社ネオマーケティングは、株式会社ボーダーリンクと協業し、在日外国人リサーチサービスを提供開始したことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ