中国市場のトレンドを素早くキャッチ! ライオンが導入した定性調査「百路QIC」の実力とは

中国市場のトレンドを素早くキャッチ! ライオンが導入した定性調査「百路QIC」の実力とは

洗剤やハミガキ、医薬品など幅広い生活用品を扱う大手メーカー、ライオン株式会社。日本国内だけでなくアジアを中心に海外展開にも積極的な姿勢を見せる同社は、中国市場における消費者の実態調査を行うため、定性調査ソリューションとして株式会社ヴァリューズが新たに開発した「百路QIC(ヴァリュークイック)」を導入し、スピーディーな情報収集を実現しました。百路QICを実際に活用した感想について、ライオン株式会社の朱 婷(リナ)氏に、株式会社ヴァリューズ グローバルチームの韓が聞きました。


(左)ライオン株式会社 ビジネス開発センター コンシューマーナレッジ
 副主任部員 朱 婷(リナ)氏
(右)株式会社ヴァリューズ グローバルチーム
 マネージャー 韓 瑋煒

従来の定量・定性調査ソリューションは時間がかかる

―― ヴァリューズ 韓 瑋煒(以下、韓):まず、リナさんの業務内容をお聞かせください。

ライオン株式会社 朱 婷氏(以下、リナ):普段は市場研究における各ソリューションの展開、様々なデータ分析といった業務を担っています。今は中国の上海に赴任していますので、中国の関連会社で業務にあたっています。

―― 韓:中国では具体的にどのような業務を任されていますか?

リナ:海外に向けた事業展開を検討する時、市場戦略を練る時、各部署が抱えているビジネス課題に向き合う時など、様々なケースに合わせたデータ分析の結果や消費者のインサイト把握といった、各課題における適切なソリューションを選定し、提供しています。

―― 韓:百路QIC導入前、中国市場を開拓する際にどういった課題を感じていましたか?

リナ:これまでは従来の定量調査や定性調査に関するソリューションを利用していました。ただ、対象者のリクルートなど、各調査の実施に必要な情報を得るためには、少なくとも1か月近い時間が必要になります。そのため、消費者のタイムリーな状態をスピーディーに把握することができずにいました。

新しいものが好まれる中国市場

―― 韓:データの獲得スピードに悩んでいたのですね。

リナ:そうです。定量調査と定性調査は一緒に利用されるケースが多いです。しかし、定量調査においては、サンプルを詳細に振り分け、そのうえで対象者をリクルートする必要があります。さらに、定量調査の結果を出し、そこから定性調査としてインタビューを行うとなると、データを得るまでに半年以上も時間を有することが珍しくありません。中国市場は目まぐるしいスピードで発展しており、移り変わりが非常に早いことが特徴です。データ収集に時間を費やしている間にも、新商品は次々と市場に出ているため、スピード感に対する強い危機感を抱いていました。

―― 韓:どのような時に中国市場のスピードの早さを感じますか?

リナ:弊社は季節性のある商品が多く、例えば柔軟剤のセグメンテーションで言えば「香り」が挙げられますが、季節が変わると消費者の好みの香りは大きく変化します。また、新商品に関する情報は、TikTokを始めとしたSNSから発信されるケースが一般化しているのですが、流行りのトレンドは1か月後にはガラリと変わることも珍しくありません。他にも、コンビニエンスストアでは、新しいパッケージ、新しいシリーズの商品がすぐに陳列されるため、日常生活を普通に送っているだけでも、その移り変わりの早さは感じさせられます。

―― 韓:中国では商品自体のPDCAのスピードが早く、新しいものが好きな傾向があるのですね。

リナ:はい。今の若者は新しい商品や変化を受け入れることに寛容です。いわゆる“Z世代”を中心に新鮮味のある商品は好まれやすいことも、移り変わりの早さを促している要因かもしれません。

―― 韓:データ収集のスピード以外に感じている課題はありますか?

リナ:弊社としても今後さらに海外展開に力を入れていく予定です。ただ、中国だけでなく、東南アジアの国々と日本とでは消費者心理や習慣などは当然異なります。市場開発を予定している国の人たちの考え方や好みといったインサイト的な情報を定期的かつタイムリーに日本本社に伝えていくかが課題になるのではないでしょうか。

消費者のリアルがわかり、現地チームにも新鮮な発見が

―― 韓:百路QICを調査に使用されていかがでしたか?

リナ:従来のソリューションと比較すると非常に利便性が高いです。例えば、定性調査のためにインタビューを実施する場合、バックルームで対象者を観察する必要があり、わざわざ足を運ばなければいけませんでした。しかし、百路QICでは、日本でいうところの“LINE”くらい、中国国内で普及している“WeChat”というコミュニケーションツールを使用します。加えて、 WeChatを活用することで、他の対象者に遠慮することなく振る舞えるため、余計なバイアスも入りにくく、質の高いデータを収集することが可能です。

―― 韓:具体的にQ&Aはどうでしたか?

リナ:Q&Aについては、対象者の発言がわかりやすくまとめられており、商品の気に入ったポイントをすぐに確認できます。また、実際に使用した商品の画像も添付されており、より消費者のリアルな姿も確認できるのも魅力的だと思います。

―― 韓:ワークショップの使い勝手はどうでしたか?

リナ:Q&A同様、とても使いやすいです。これまでの定性調査では、対象者がアウェイ感を覚えてしまうだけでなく、自身の生活を覗かれる感覚になるため、リラックスした状態で発言できないことが多々ありました。ですが、ワークショップでは使用した商品の写真を撮ってWeChat内のグループでシェアしてくれます。対象者の普段の生活にコミットした自然な状態での情報をクイックに得られ、中国人の私や現地のブランドチームから見ても新鮮な発見があったので、魅力に感じます。消費者が季節ごとに使用する商品の傾向もつかみやすく、求めているデータを獲得できました。

Q&A/ワークショップ実施の様子

定性調査の担当者側も負担が少ない

―― 韓:他の定量調査・定性調査に関するソリューションと比較して、百路QICはどのような点に違いを感じましたか?

リナ:やはり、私たち利用者だけでなく、対象者も予め決まった時間に拘束されることが無い点は大きいです。例えば、対象者が午前中忙しくても夜に質問回答ができます。また、回答後にも思い出したこと補足して答えてくれる対象者もおり、対象者も柔軟に対応できることが、より良いインサイト・情報収集に影響しているのではないでしょうか。

―― 韓:柔軟に調査できる点を評価していただいているのですね。

リナ:そうです。ただ、それは利用者も同じです。普段の定性調査を実施する場合、朝から晩まで1日かけてヒアリングを行う必要があります。そのため、リソースや作業負荷がかなり大きくなってしまいます。定性調査の担当者にとっても非常にありがたいソリューションだと思います。

WeChatならバイアスがかからない

―― 韓:百路QICでは、ロジカルシンキングができる人、ユニークな発言ができる人など、対象者の選定には工夫しています。今回利用されて対象者について、どのような印象を持たれましたか?

リナ:確かに発言内容が参考になる対象者は多かったですね。これまでの定性調査を実施した場合、参加者が5人だとすると1~2人は緊張して、なかなか質問をうまく回答できないこともよくありました。

―― 韓:一般人の場合、他人の視線や意見を気にして上手く話せなくなりますよね。

リナ:そうですね。あと、対象者が他の対象者の発言に引っ張られることも多いです。例えば、Aさんが「この商品はここが良い」と発言すると、Bさんが「そうそう!私もそう思ってた!」といった同調は頻繁に生じます。ですが、特に何も考えずにBさんが発言している可能性や、Aさんが対象者内のオピニオンリーダー的な立場になっており、周囲の意見を知らず知らずのうちにコントロールするケースも珍しくありません。

中国では、階層社会の意識が根強く、地位の高い人の発言に左右される傾向が顕著な地域もあります。ですが、百路QICでは WeChatのグループ内でやり取りするため、他の対象者の発言に引っ張られにくく、本当に欲しい情報を得られることが良いと思いました。

―― 韓:最後に、今後、VALUESや百路QICに期待することをお聞かせください。

リナ:個人的な意見ではありますが、私や弊社の社員が対象者と直接やり取りしても、対象者に緊張感を与えて余計なバイアスを生じさせてしまい、上手く声を拾い上げることができないと感じる時があります。この点、御社のサービスでは、御社のリサーチャーが対象者と上手くコミュニケーションをとり、プロフェッショナルな聞き取りをしているように感じました。

百路QICはスピーディーかつ柔軟に情報を集められるパネルなので、モニターをさらに幅広い地域や年代などに拡大して貰えたらと思いますし、今後も御社のリサーチャーにお任せできればありがたいです。

―― 韓:これからも色々な商品や現地の生活実態に関する調査のお手伝いをさせて頂ければ幸いです。本日はありがとうございました。

取材協力:ライオン株式会社

この記事のライター

ライター兼動画編集者。“マーケテイング”という、よくわかりそうでよくわからない世界をわかりやすく伝えていきます。

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