ネットユーザー行動分析トレンドreport【2017夏の旅行】

ネットユーザー行動分析トレンドreport【2017夏の旅行】

―「トリップアドバイザー」「Booking.com」がユーザー数伸ばす―


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、一般ネットユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、この夏に旅行予定がある消費者のネット行動を分析しました。また、昨年も同様の調査・分析を実施しており、前年度データとの傾向比較も行っています。

分析概要

夏の旅行予定については、全国のVALUESモニターを対象として、2017年6月30日~7月10日にアンケート調査を実施、その回答者11,394人をネット行動分析の対象としました。
前年度データについては、2016年7月4日~7月12日に、全国のVALUESモニターを対象にアンケート調査を実施、その回答者12,133人をネット行動分析の対象としました。
※ネット行動はPC上の行動ログを分析対象としています。
※サイト分類のカテゴリは、ヴァリューズが独自に定義しています。

考察サマリ

旅行業界のサイト訪問者数ランキング(2017年6月度) 今年は「トリップアドバイザー」「Booking.com」が躍進

ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」関連のサイトにおいて、2017年6月度のサイト訪問者数ランキングを集計したところ、1位「楽天トラベル」、2位「じゃらんnet」、3位「全日本空輸(ANA)」4位「日本航空(JAL)」、5位「トリップアドバイザー」となりました。
前年比で見ると、「じゃらんnet」「ANA」「トリップアドバイザー」「JTB」「Booking.com」がユーザー数を伸ばしており、特に「トリップアドバイザー」が前年比+26.2%、「Booking.com」が前年比+50.9%と大きくユーザー数を伸ばしています。Booking.comは4月から温泉宿のテレビCMを展開しており、CM効果による伸びも考えられます。

加えて、同じく「旅行・交通」カテゴリのサイトにおいて、サイト訪問者数の対前年比の伸び率でランキングしたところ、1位は観光・グルメ情報メディアの「icotto」(前年比:+721.3%)となりました。
icottoは、株式会社カカクコムが運営しており、「食べログ」や写真共有サイト「PHOTOHITO」等のカカクコムグループサイトに投稿された画像やクチコミも掲載されています。
その他にも、お出かけ情報メディアの「PlayLife」や、子連れや家族旅行におすすめのスポットを紹介するメディア「コモリブ」など、クチコミや現地情報を詳しく紹介したメディアがユーザー数を伸ばしています。

今夏の旅行予定は、国内派:31.4%、海外派6.8% 前年から大きな変動なし

アンケートで、今年の夏に旅行予定があるかどうかをたずねると、「国内旅行派」は31.4%、「海外旅行派」は6.8%、「行先は決めていないが旅行を検討中」が8.1%となり、合わせると46.3%が、この夏の旅行を予定していることが分かりました。夏の旅行を予定している人の割合は、前年と比べて大きな変動は見られませんでした。

また、旅行を手配済みの人と検討中の人の割合を比べてみると、旅行を手配済みの人の割合は約46%で昨年度とほぼ同率でした。

旅行を予定/検討している時期を見てみると、今年も「8月」と回答した人が44.5%と最も多くなっていましたが、7月に旅行を予定している人が昨年より2.3ポイント増加していました。

今夏に旅行を予約・検討している人がよく閲覧しているサイトは?

●国内旅行派 ─ 「じゃらんnet」「楽天トラベル」の2強は昨年と変わらず
「食べログ」「ホットペッパー グルメ」「ぐるなび」などグルメ情報サイトも上位に

●海外旅行派 ─ 「ANA」「H.I.S.」「JAL」に続いて、今年は「楽天トラベル」が上位にランクアップ

次に、旅行予定者と、旅行を検討していない人(非検討者)とで、サイトへの接触率の差が大きい順に集計し、国内旅行予定者、海外旅行予定者、それぞれのランキングを作成しました。

旅行を検討していない人に比べて国内旅行予定者(手配済+検討中)がよく閲覧するサイトの1位は昨年に続き「じゃらんnet」で、2位は「楽天トラベル」、3位「食べログ」となっており上位3サイトは昨年と変動はありません。一方、グルメ情報サイトの「ホットペッパー グルメ」が今年は6位にランクインし、「ぐるなび」も7位に入っており、“旅行”と“グルメ”の親和性の高さがうかがえます。

また、「一休.com」が14位にランクインしており、昨年度より大きく順位を上げているほか、「Yahoo!路線情報」「Yahoo! トラベル」「Yahoo!天気・災害」「Yahoo!地図」「Yahoo!ロコ」などYahoo!系サービスも多数あがりました。

一方、旅行を検討していない人に比べて海外旅行予定者(手配済+検討中)がよく閲覧するサイトをみてみると、1位「ANA」、2位「エイチ・アイ・エス」、3位「JAL」と、今年は航空会社のサイトが上位3サイトのうち2つに入りました。また、昨年14位だった「楽天トラベル」が4位に上昇しています。

 国内旅行予定者のランキングでは、Yahoo!系サービスが多数ランクインしていましたが、海外旅行予定者では、「Gmail」「Google 翻訳」「Google Docs」などGoogle系サービスが複数あがっていることも特徴の一つといえます。

旅行予定者の検索キーワードランキング ― 「トリバゴ」が上位にランクイン

GoogleおよびYahoo!の検索を対象に、今年の夏に旅行を予定している人が、どのようなキーワードを検索しているか、2017年6月度の検索キーワードランキングを作成しました。

国内旅行予定者では、5位「じゃらん」、7位「ANA」、8位「楽天トラベル」、11位「トリバゴ」、19位「JAL」などの旅行系ワードがTOP20に入りました。海外旅行予定者では、4位「JAL」、6位「ANA」、10位「トリバゴ」、11位「HIS」、12位「じゃらん」、15位「楽天トラベル」などがTOP20にランクインしています。昨年度はランクインしていなかった「トリバゴ」は、複数の旅行サイトの宿泊プランをまとめて検索できるサービスで、テレビCMも展開しており、こうしたCMによる認知が検索の際のサイト名想起にもつながっていると考えられます。

一方、旅行を検討していない人(非検討者)の検索キーワードランキングをみてみると、旅行系のキーワードに該当するものはありませんでした。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「猫ミーム」は共感性がバズりの鍵?新興SNS「Bluesky」も(2024年2月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「猫ミーム」は共感性がバズりの鍵?新興SNS「Bluesky」も(2024年2月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第16弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「猫ミーム」「Bluesky」「LYPプレミアム」の3テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。Z世代のSNSの使い方、猫ミームがバズった背景、LYPプレミアムの魅力とZ世代のサブスクの使い方など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


自分を癒す、潤す、小さなご褒美!プチ贅沢調査【スイーツ編】ホワイトペーパー

自分を癒す、潤す、小さなご褒美!プチ贅沢調査【スイーツ編】ホワイトペーパー

日本生活協同組合連合会の「節約と値上げ」の意識についてのアンケート調査結果によると、回答者全体の93.3%の人が節約を意識しているという今、何かとメディアで取り上げられているのが「プチ贅沢」。本レポートでは、どのようにして「プチ贅沢」が生活に取り入れられているのか、日常生活における小さな幸せの追求が、どのようにして個人の生活の質を向上させているかという視点で、中でも手軽に取り入れられる「スイーツのプチ贅沢」にフォーカスを当て、考察しました。<br>※調査レポートは記事末尾のフォームより無料でダウンロードいただけます。商品企画やマーケティングをご担当の方はぜひご確認ください。


YouTube, Shorts, & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 1>

YouTube, Shorts, & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 1>

Gen Z has been enjoying videos since their school days and known as one of the first to adopt short-form videos. We’ll analyze how they uses video-format social media and compare with Gen X and Y. This analysis will cover medium usage, popular content, daily integration, purchasing behavior, and awareness.


YouTube, YouTube Shorts, & TikTok usage: TikTok is about 40%! “Learning” for YouTube & “Trends” for TikTok

YouTube, YouTube Shorts, & TikTok usage: TikTok is about 40%! “Learning” for YouTube & “Trends” for TikTok

Compared to YouTube, which has a high usage rate, what is the usage rate of short-form videos, like YouTube Shorts and TikTok? What are their most popular videos, their position in daily life, how are they used? Which leads to purchasing a product? Based on the survey data, we investigated the usage of each medium.


【調査リリース】YouTube・YouTubeショート・TikTok利用実態 TikTokの利用率は約4割 YouTubeは学び、TikTokはトレンドがキーワード

【調査リリース】YouTube・YouTubeショート・TikTok利用実態 TikTokの利用率は約4割 YouTubeは学び、TikTokはトレンドがキーワード

高い利用率を誇るYouTubeに対し、YouTubeショートやTikTokといった短尺動画の利用率はどれだけの追い上げを見せているのでしょうか。それぞれでよく見られている動画や、生活の中での媒体の位置づけ、使い方や使い分けとは?商品の購買に一番繋がりやすいのはどの媒体?アンケートデータから、各媒体の利用実態を調査しました。


最新の投稿


Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

CCCMKホールディングス株式会社は、全国16~24歳の男女を対象に『Z世代のSNS利用実態や生活満足度との関係性』について調査を実施し、結果を公開しました。


Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、同社が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』にて、Z世代を対象に「Z世代の承認欲求に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

節約やお小遣い稼ぎの手段としても注目が高まるフリマ市場。「メルカリ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を対象に、フリマ市場の最新動向について調査しました。各サービスのサイト・アプリについて、利用者数やユーザーの人となりに加えて、サイト集客構造の違いについても深掘りし、それぞれの特徴について明らかにしていきます。


約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

株式会株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」は、勤務先の業務で福利厚生やプレゼントキャンペーンなどの販促を実施する際にデジタルギフトを購入したことのある方を対象に「法人向けデジタルギフトに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


KDDIとAIQ、バーチャル空間上でデジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始

KDDIとAIQ、バーチャル空間上でデジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始

KDDI株式会社とAIQ(アイキュー)株式会社は、KDDI株式会社が提供するαU place(アルファユープレイス)において、デジタルスタッフを活用したAI接客の実証実験を開始することを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ