トレンドワード「メタバース」を学べるおすすめの本7選

トレンドワード「メタバース」を学べるおすすめの本7選

シリコンバレーやゲーム業界を中心に、多くのメディアで取り上げられている「メタバース」というワード。メタバースは技術革新によって拡大する「仮想空間」を指すもので、SNSに続く世界を変革できるコンセプトともささやかれています。メタバースについて体系的に学ぶためにおすすめの本を7冊紹介します。


メタバースとは?

メタバースとはネットワークやソフトウェア空間に作られた「仮想空間」で、自分自身の「アバター」を自身の意志で行動できる空間のことです。古くはセカンドライフが有名ですが、技術の発展によってゲーム系では「どうぶつの森」や「マインクラフト」「フォートナイト」のほか、Facebookその他がVRゴーグルを使ったメタバースを構築しています。

メタバースが注目を集めるようになった理由

メタバース盛り上がりの背景には、おもに2つの理由があります。

第一は、メタバースを支える技術インフラの成熟化です。通信技術やコンピューターの進化と、AR、VRといったイマーシブテクノロジーもますます成熟化しており、メタバースにより近いデジタル世界を構築するほどのインフラが整いつつあります。

そして、2020年から世界範囲で爆発した新型コロナウイルス感染も理由に挙げられます。未曾有のパンデミックにより、世界各地でロックダウンが実施されている一方、仮想空間の存在感が高まるきっかけになりました。

メタバースの基本については以下のリンクで詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

話題のメタバースとは?定義と歴史|メタバースの現在地と未来を考える

https://manamina.valuesccg.com/articles/1458

5G時代が本格的に到来し超高速の大容量通信が実現。新たなコミュニケーションの手段として 「XR(XReality:VR、AR、MRなどの総称)」への注目が高まっています。経営コンサルタントで上級VR技術者としてXRの市場調査や新規事業創成支援等の活動を行っているパトリック・ショウさんが、XRビジネスの今と未来を解説する連載企画がスタート。初回テーマは今後のテックトレンドとしてマーケターも見逃せない「メタバース」です。メタバースとはどんなもので、近年どのように進化しているのでしょうか。

メタバースおすすめ本:メタバース 完全初心者への徹底解説

タイトルにもあるように、メタバースについてなにも知らなくても読み進められるように、わかりやすく書かれているのが特徴です。メタバースの基本事項のほかにも、メタバースと関係の深いゲーム、さらにはネットワークに接続された複数台のコンピューターによってデータを共有する「ブロックチェーン」についても解説されています。

メタバース 完全初心者への徹底解説: 2021年 仮想世界を巡る百花繚乱時代

メタバースおすすめ本:未来ビジネス図解 仮想空間とVR〈メタバース〉

タイトルに「図解」とあるように、豊富な図説を中心にメタバースの基本を解説しているのが本書の特徴です。メタバースの事例、メタバースビジネスに携わっている人物へのインタビュー記事も見どころのひとつです。そして、VRについてもしっかり触れているので、メタバースとVRの関連性などを知るのにもうってつけの一冊と言えます。

未来ビジネス図解 仮想空間とVR〈メタバース〉

メタバースおすすめ本:メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」

筆者は情報セキュリティやネットワークを専門とする大学教授。それゆえにメタバースの基本について丁寧に解説しているのが特徴です。そしてもうひとつ、筆者のメタバースにおける熱量が伝わってくるので、説得力も高く感じます。もう少し踏み込んだ内容としては仮想現実ともう一つの世界について、これまでの流れを振り返ったものが中心となっていますが、独自の分析を展開している点も本書の見どころです。

メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~ (光文社新書)

メタバースおすすめ本:メタバース さよならアトムの時代

メタバースプラットフォーム「cluster」の提供元、クラスター株式会社のCEOである加藤直人氏の著作である本書、メタバースに関連するVRの歴史やその背後にある思想、そして未来像、さらにはGAFAMの現状などを網羅しています。メタバース周辺の関連トピックであるNFTの活用先やVRヘッドセットブランドであるOculus(オキュラス)についても取り上げるなど、メタバースの最新情報を入手するのに最適な一冊となっています。

メタバース さよならアトムの時代 (集英社ノンフィクション)

メタバースおすすめ本:メタバースの歩き方

ほかの書籍と一線を画す点は、「VRChat」や「cluster」「バーチャルキャスト」といった、メタバースのいちカテゴリとなる「VRSNS」の始め方やその魅力の解説が充実している点です。そのほか、バーチャル空間の過ごし方やそこで起こった印象的な出来事について、VRchat歴の長いさまざまな職種の人々のインタビューが紹介されているのも魅力のひとつに挙げられます。

メタバースの歩き方 (往来ブックス)

メタバースおすすめ本:NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来

メタバースにおいては、そこでの土地の売買も行われています。その際に用いられるのがブロックチェーン技術やデジタル資産の証明書として今話題のNFT(非代替性トークン)といったテクノロジーです。本書ではNFTの解説をメインに、メタバースやブロックチェーンとの関連性について解説しています。メタバース内でNFTによる取引の増加が見込まれるため、メタバースとNFTを早い段階からセットで理解しておくことが重要です。

NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来

メタバースおすすめ本:スノウ・クラッシュ

こちらは1992年に発表されたSF小説。1992年?間違いでは?と思われるかもしれませんが、本当にその年なのです。「メタバース」という単語はすでに本書に登場しているので、30年ほど前から言葉、そしてその概念は存在しているわけです。本書の世界観を具現化したい、と考える人々によって現在のメタバースが作り上げられたと言っても過言ではないかもしれません。

スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF)

スノウ・クラッシュ〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫SF)

まとめ

現状、メタバースはまだ黎明期と言える状況です。したがって、メタバースについての知識を体系的にまとめた書籍も少ない状況ですが、今回紹介した7冊についてはメタバースの基礎を学ぶには必要にして十分のボリュームとなっています。今後ますますの拡充が見込まれるメタバース、今から知見を深めておくことをおすすめします。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


メタバース

関連する投稿


博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2023を実施

博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2023を実施

株式会社博報堂DYホールディングスは、全国15~69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者定点調査2023」を実施し、結果を公開しました。


プロが選ぶ!学び続けるマーケターにおすすめしたいビジネス書5選(2023年10月)

プロが選ぶ!学び続けるマーケターにおすすめしたいビジネス書5選(2023年10月)

コンサルタントやアナリスト、リサーチャー、エンジニアなど、マーケティングに関わる全ての人へ。第一線で活躍するマーケターが「読んでためになった!」というビジネス書を、連載でご紹介します。これからマーケティングやデータ分析の世界に足を踏み入れようと思っている学生や社会人にもおすすめです。


1年目データアナリストに読んでほしい本 ~ データ分析者の考え方・心構え編

1年目データアナリストに読んでほしい本 ~ データ分析者の考え方・心構え編

ヴァリューズの在籍2年目以上のデータアナリスト達に、1年目の自分に向けておすすめするとしたら、「これだけは読んでおいてほしい!」と思う本を紹介してもらいました。テーマは「技術以外の面で、データアナリストとしての自分の礎になっていると感じる本」です。技術が求められる職種でありながら、技術面以外にも分析者として読むことで視野が広がる本は沢山あるようです。記事内で紹介される本をめくってみると、データアナリスト達の脳内が覗き見できるかもしれません。


書籍『データ分析失敗事例集』の著者インタビュー!分析で陥りがちな失敗とは

書籍『データ分析失敗事例集』の著者インタビュー!分析で陥りがちな失敗とは

他者にデータ分析を依頼する際、または自身が分析する際、失敗が起こらないよう、どんなことに気を付けているでしょうか。 2023年8月3日に出版された『データ分析失敗事例集』(共立出版)では、25の失敗事例が掲載されています。株式会社ヴァリューズからは、輿石 拓真、川島 彩貴、竹久 真也の3名が著者として参画。敢えて成功ではなく失敗を取り上げた出版の背景や、失敗しないためのポイントを伺いました。 データ分析を担当する方だけでなく、データ分析を依頼する方、依頼の可能性のあるマーケターの方も必見です。


Z世代マーケターが音部さんに訊く!最新作『マーケティングの扉』の読み方

Z世代マーケターが音部さんに訊く!最新作『マーケティングの扉』の読み方

悩めるマーケターからの質問に痛快な回答と気づきを与えることで人気の「Agenda note」連載「音部で『壁打ち』」が2023年4月に『マーケティングの扉〜経験を知識に変える一問一答』として書籍化。この出版に際し、著者である株式会社クー・マーケティング・カンパニー音部大輔氏をお招きし、ヴァリューズのZ世代マーケター代表として小幡のぞみが本書の中身の深掘り、出版にまつわる裏話などをインタビューしました。 ※書籍プレゼントの受付は終了いたしました。皆さまのご応募、誠にありがとうございました。


最新の投稿


GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

株式会社mitorizは、消費者購買行動データサービス「Point of Buy®」の会員に対し「大型連休に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

“Oshikatsu” stimulates consumption in Japan. In fact, more than 80-90% of teens answered that they have an “Oshi.” We will deepen our understanding by investigating the current state of the “Oshikatsu” market, behaviors like time and money spent on “Oshikatsu,” and its connection with collaborations, etc. in marketing.


三井不動産、ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始

三井不動産、ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始

三井不動産株式会社は、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供する株式会社SUPER STUDIOとともに、ECブランドの成長を“商業”と“物流”の両面から支援するプラットフォームを提供開始したことを発表しました。


【TVドラマランキング】共感性や独自性が話題に。「不適切にもほどがある!」「君が心をくれたから」など

【TVドラマランキング】共感性や独自性が話題に。「不適切にもほどがある!」「君が心をくれたから」など

近年動画配信サービスが普及し、時間や場所にとらわれず様々なジャンルの動画を手軽に視聴できるようになりました。テレビ離れが幅広い年代で囁かれている時代、話題になるテレビドラマとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、2024年1月~3月に放送されたドラマについて、認知度や視聴方法、満足度、満足理由などをランキング化。その実態を探りました。


配膳ロボットの認知率は約9割、現在利用率は6割 1年後には利用率1.4倍伸びる!?【LINEリサーチ調査】

配膳ロボットの認知率は約9割、現在利用率は6割 1年後には利用率1.4倍伸びる!?【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、今と近未来の流行予想を目的として「配膳ロボット」にかんする流行予想調査を実施し、その結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ