こんにちは、マナミナ編集部です。早速、話題になったドラマの傾向を調査していきましょう。
なお、こちらの調査は全国のモニター会員(15歳以上の男女)へ、2023年1月~3月に放送されたテレビドラマ(以下前期ドラマ)と、2023年4月から放送予定のテレビドラマ(以下今期ドラマ)の、認知度と視聴意向について実施したアンケートの結果をもとに、各ランキングを作成しています。詳細なデータ集計定義については、記事末をご覧ください。
大病院を舞台にした刑事ドラマは若年層に人気
初めに、前期ドラマの認知度と視聴実態を見てみましょう。
表1 前期ドラマの認知度と視聴実態
サンプル数は17,966
長期ドラマシリーズの「相棒season21」は、タイトルの認知度・1話以上視聴するユーザーが1番多く、日本テレビ系土曜ドラマ枠で放送された「大病院占拠」や、前回のテレビドラマ分析 で期待値の高かった「100万回言えばよかった」「罠の戦争」は、タイトルの認知度が比較的高く全話視聴したユーザーが多いことが分かりました。
続いて、ドラマタイトルを認知しているユーザーの属性を調べてみます。
表2 タイトルを知っているドラマ×ユーザー属性 年代別
サンプル数は17,966
左から、タイトルを知っているユーザー割合が高かった作品順
上の表は、各年代のうち、それぞれの作品を認知している人がどれくらいいるか、その割合を示したものです。
全体のタイトル認知1位の「相棒season21」は全年代で高く認知されており、中でも50代以上のユーザーの認知率が高いことが分かりました。2位の「大病院占拠」は10代内の認知率が他年代に比べて高く、表1で全話視聴するユーザーが最も多かった6位の「罠の戦争」は、50代以上のユーザーから注目されていることが分かりました。
次に、認知度・視聴実態が高いドラマの満足度について調べてみましょう。
表3 前期ドラマの中で最も満足した作品
サンプル数は9,636
表1で全話視聴するユーザーが多かった「相棒season21」「罠の戦争」「大病院占拠」「100万回言えばよかった」は、ドラマの満足度も高かったことが分かりました。テレビ朝日で火曜日夜9時から放送された「星降る夜に」は、タイトルの認知度・視聴実態は5位以下ですが、ドラマに満足するユーザーが多かったことが想定されます。
各ドラマに対し「最も満足した」と答えたユーザーの属性を、年代別に見てみましょう。
表4 最も満足したドラマ(性年代別)
サンプル数は9,636
病院を占拠した鬼の面を被った武装集団と刑事・警察の闘いを描いた「大病院占拠」は、10代の男女からの評価が特に高かったことが分かります。
では視聴者は、ドラマのどのような点を評価しているのでしょうか。その理由を探ってみます。
ハラハラするストーリー展開で、放送後のツイートが急増したドラマとは?
表5 最も満足したドラマ(1位~5位)の満足理由
サンプル数は8,602
「相棒season21」は、出演者の個性に加え、原作・脚本家や演出家が好きという理由が多く、長期シリーズ作品としての人気の高さを感じます。
「罠の戦争」や「大病院占拠」は、ハラハラするストーリー性を評価するユーザーが多く、一方で「100万回言えばよかった」は、泣ける・胸キュンといった要素に魅力があったことが分かりました。「星降る夜に」は、同じく胸キュン要素が高く評価されているほか、ドラマに合う主題歌・挿入歌も視聴者に響くポイントになっていたようです。
「罠の戦争」「大病院占拠」について更に詳しく調べてみると、どちらのドラマも1話から3話が放送された後、「Twitter 世界のトレンド」で上位にランクインしていることが分かりました。リアルタイムで視聴した多くのユーザーが、ドラマについてツイートをしていたことが伺えます。
Twittrend 世界のトレンド
2023年1月16日(月)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023011623/
2023年1月23日(月)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023012323/
2023年1月30日(月)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023013023/
Twittrend 世界のトレンド
2023年1月14日(土)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023011423/
2023年1月21日(土)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023012123/
2023年1月28日(土)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023012823/
最後に、今期ドラマの認知度と視聴意向を見てみましょう。
今期は各局で放送された「人気ドラマの続編」に関心高まる
表6 今期ドラマの認知度と視聴意向
サンプル数は17,966
今期ドラマの中でタイトル認知度・視聴意向・期待値が共に高かったのは、2018年4月にテレビ朝日系で放送された刑事ドラマシリーズの続編「特捜9 season6」や、2020年にフジテレビ系スペシャルドラマとして放送された「教場」の連続ドラマ「風間公親ー教場0 ー」、2020年にテレビ朝日系木曜ドラマ枠で放送された刑事ドラマの続編「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」でした。この結果から、3つのドラマの話題性の高さを強く感じます。
その他TBSテレビ日曜劇場の「ラストマン―全盲の捜査官―」や、大人気コミックが原作の「あなたがしてくれなくても」も視聴意向や期待値が比較的高く、次回の調査結果で上位にランクインする可能性がありそうです。
今後も引き続き調査を行い、各ドラマの視聴実態について考察を交えてお伝えしていきたいと思います。
【データ集計定義】
調査対象者:株式会社ヴァリューズのモニター 全国の15歳以上の男女
調査対象ドラマ:フジテレビ・テレビ朝日・TBS・日本テレビの4局で、21時開始枠または22時開始枠に放送された/される予定のドラマ
調査期間:2023/3/22(水)~2023/3/26(日)
調査デバイス:スマートフォンおよびPC
回収サンプル数:17,966ss
ウェイトバック集計:当調査では性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計を行っている。掲載している数値はすべてウェイトバック後の結果となっている。
制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。