マッチングアプリ市場調査 利用ユーザー数では「Pairs(ペアーズ)」と「Tinder(ティンダー)」が2強に

マッチングアプリ市場調査 利用ユーザー数では「Pairs(ペアーズ)」と「Tinder(ティンダー)」が2強に

近年、出会いの手段として一般的になった「マッチングアプリ」。株式会社ネオマーケティングの調査によると若者の5人に1人が「マッチングアプリ」を利用していると言われています。 さらにアプリをきっかけにお付き合いをする人、結婚をする人も急増しているようです。今回は急激に普及している「マッチングアプリ」について、「eMark+」を使って調査・分析しました。


マッチングアプリランキング第1位はPairs(ペアーズ)

「マッチングアプリ」とは、オンライン上で恋愛や結婚など、同じ目的をもつ者同士を繋げるアプリのこと。今回は、2020年5月のアプリランキングの『出会い』カテゴリ上位5つに絞って、ユーザー数や属性などを見てみたいと思います。アプリ利用者数のランキングの結果は以下の通り。

【第1位】Pairs-恋活・婚活・出会い探しマッチングアプリ-登録無料

【第2位】世界最大級のライフスタイルアプリTinder (ティンダー)

【第3位】出会いは with(ウィズ) - 婚活・恋活・マッチングアプリ 無料

【第4位】Omiai-恋活・婚活・出会い探しマッチングアプリ-登録無料

【第5位】タップル誕生 tapple - マッチングアプリ 恋活 婚活アプリ 趣味で出会いを繋げる(登録無料)

アプリランキング

2020年5月度アプリランキング

※「Tinder (ティンダー)」のみ『ライフスタイル』カテゴリ
集計期間:2020年5月

ちなみに、「マッチングアプリ」を含む検索をしているユーザーは増えてきており、特に2020年以降は、さらに検索数を伸ばしており需要が高くなっていることがうかがえました。

「マッチングアプリ」を含む検索ユーザー数推移

「マッチングアプリ」を含む検索ユーザー数推移

デバイス:スマートフォン
集計期間:2018年6月~2020年5月

Tinder (ティンダー)の利用ユーザー数は前年比1.2倍に増加

では、各アプリの利用ユーザー数推移を見てみましょう。トップは「Pairs(ペアーズ)」となっており、年間を通しても常に首位をキープしていました。2020年に入ってからは100万人超えとなっており“国内最大級の恋愛・婚活マッチングサービス”と謳っていることもあり、人気があることがうかがえました。

2位は「Tinder (ティンダー)」。1年前と比較すると約1.2倍にまで増えており、着実に利用ユーザー数を伸ばしていることがわかります。

3位以降は「with(ウィズ)」、「tapple(タップル誕生)」、「Omiai(オミアイ)」となっており、直近の利用ユーザー数においては拮抗していました。上位2アプリについては、3位以下を倍近く離す結果となりました。

直近のユーザー数では、「Pairs(ペアーズ)」と「Tinder (ティンダー)」が2強となっているようです。

アプリ利用ユーザー数推移

アプリ利用ユーザー数推移

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年6月~2020年5月

tapple(タップル誕生)、omiai(オミアイ)の男性比率が増加

続いて、各アプリの属性を見てみましょう。性別では、全体的に男性割合の方が高く、どのアプリも半数以上となっていました。

「Tinder (ティンダー)」に関しては、男性割合が圧倒的に多く8割を超えていることがわかりました。「tapple(タップル誕生)」も男性比率が高く7割弱となっていました。

アプリ利用者ユーザー属性:性別

アプリ利用者ユーザー属性:性別

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年6月~2020年5月

また、「tapple(タップル誕生)」と「Omiai(オミアイ)」は男性比率が徐々に増えていることがわかりました。

「マッチングアプリ」は基本的には男性から料金をもらう仕組みとなっており有料会員にならないと女性に出会えないのですが、「tapple(タップル誕生)」は“男性でも無料で女性と出会えるところまで行くことが可能”なようで、これが男性比率増加の要因かもしれません。

「tapple(タップル誕生)」ユーザー属性推移:性別

「tapple(タップル誕生)」ユーザー属性推移:性別

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年6月~2020年5月

「omiai(オミアイ)」ユーザー属性推移:性別

「omiai(オミアイ)」ユーザー属性推移:性別

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年6月~2020年5月

年代別では20代が最も多くどのアプリも半数を超えていました。「Pairs(ペアーズ)」と「Omiai(オミアイ)」は他のアプリと比較して30代が多いようです。

アプリ利用者ユーザー属性:年代別

アプリ利用者ユーザー属性:年代別

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年6月~2020年5月

職業別では『会社勤務』が5割以上となっていましたが、「Tinder (ティンダー)」、「with(ウィズ)」、「tapple(タップル)」は『学生』が2割弱と目立ちました。

「マッチングアプリ」は婚活以外の恋活にも有効なのと、学生同士でつながれる機能などもあるようで学生にも利用者が多いようです。

アプリ利用者ユーザー属性:職業別

アプリ利用者ユーザー属性:職業別

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年6月~2020年5月

半数以上のユーザーは本命のアプリに絞って利用

続いて、先ほどの5つのアプリを対象に、アプリ利用者の併用率を見てみると、7割弱が併用せず1つのアプリのみを利用していることがわかりました。

次に多かったは2つのアプリを利用している人で2割となっていました。半数以上のユーザーは複数のアプリを併用せず、本命のアプリに絞って利用しているようです。

併用サイト数

併用サイト数

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年12月~2020年5月

また、年代別で見てみると、年代が上がるにつれ併用率が下がっていくこともわかりました。20代は2サービス以上の利用が38.5%、30代は33.1%、40代は28.0%、50代は23.8%、60代に至っては2割を切っており17.8%に留まっていました。

高年齢層はよりサービスを絞って相手を探していることがうかがえました。

併用サイト数:年代別

併用サイト数:年代別

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年12月~2020年5月

一方で、約3割のユーザーはアプリを併用していることになります。では、どのアプリがよく併用されているかを見てみましょう。

▼Pairs(ペアーズ)
43.5%が併用なしで、他のアプリは同じ割合で利用されているようです。

▼Tinder (ティンダー)
53.4%が併用なしで、他のアプリと比較して最も併用者が少ない結果となりました。よく併用されているアプリは「Pairs(ペアーズ)」となっていました。

▼with(ウィズ)
36.6%が併用なしで、「Pairs(ペアーズ)」との併用が最も多かったです。

▼tapple(タップル誕生)
29.5%が併用なしで最も併用者が多いアプリとなりました。一緒に利用されているアプリは「Pairs(ペアーズ)」でした。

▼Omiai(オミアイ)
34.0%が併用なしで、「Pairs(ペアーズ)」との併用が最も高く48.7%となっていました。

「Pairs(ペアーズ)」と「Tinder (ティンダー)」は約半数が併用していない一方で、「with(ウィズ)」、「tapple(タップル誕生)」、「Omiai(オミアイ)」は併用率が高く、ユーザーの獲得競争が激しい状況となっているようです。

また、どのアプリも「Pairs(ペアーズ)」との併用が高いことがわかりました。

各アプリの併用状況

各アプリの併用状況

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年12月~2020年5月

まとめ

今回は「マッチングアプリ」について調査しました。利用ユーザー数が最も多く、他のアプリと併用されているアプリは「Pairsペアーズ)」となりました。また、併用されることが多くなく本命使いされているアプリは「Tinder(ティンダー)」でした。

今後もマッチングアプリの市場規模は拡大することが予想されていますが、ユーザーをいかに囲い込めるかが重要と言えそうです。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2018年6月~2020年5月のネット行動ログデータを分析しました。
※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリのカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得。メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは対象外とする。

関連記事

「コロナ禍で増大するスキルマッチングサービス業界を分析~増加する『スキルシェア』の利用者属性とは」レポート

https://manamina.valuesccg.com/articles/992

新型コロナウイルスは、企業のテレワーク導入を後押しするなど私たちの働き方にも大きな変化をもたらしました。外出自粛が求められるコロナ禍において、スキルマッチングサービスはどのように利用されているのでしょうか。サイト分析ツール「eMark+」を用いて調査しました。(ページ数|10p)

コロナ禍でTwitter・インスタなど、SNSユーザーの変化は? |2020年5月のアクティブ率・デモグラ調査最新版

https://manamina.valuesccg.com/articles/888

コロナ禍での「外出自粛」「巣ごもり」「おうち時間」といった生活の中、時間を持て余した人、リモートワークによって通勤時間が減りスマートフォンを扱う時間が減った人など、SNSに費やす時間は一体どう変わったのでしょうか。「eMark+」を用いて、4つのSNS(LINE、Twitter、Facebook、Instagram)のユーザー数の変化とアプリのアクティブ率、2020年5月時点最新のアプリユーザーのデモグラフィックについて調査しました。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


市場調査 アプリ分析

関連する投稿


Why are certain AI English conversation apps “chosen” over others? Exploring how each app is used

Why are certain AI English conversation apps “chosen” over others? Exploring how each app is used

Spring is the season for trying something new, and many want to commit to learning English. Many apps have emerged that offer easy, self-paced English-learning. We will focus on Speak, ELSA Speak, SpeakBUDDY, and Duolingo and analyze the data to investigate the latest trends in AI English conversation apps.


”選ばれる”AI英会話アプリの差別化要因とは? データで各サービスの使われ方を探る

”選ばれる”AI英会話アプリの差別化要因とは? データで各サービスの使われ方を探る

なにかと新しいことに挑戦したくなる春。「今年こそは英語学習に力を入れたい!」と考える人も多いかもしれません。近年、自分のペースで手軽に英語の勉強ができるアプリが数多くリリースされています。今回はそのなかから「Speak」、「ELSA Speak」、「SpeakBuddy」、「Duolingo」に注目し、データを分析。AI英会話アプリの最新の動向を調査します。


サービス終了から約1年…Zenly利用者はどこへ?位置情報共有アプリの現在

サービス終了から約1年…Zenly利用者はどこへ?位置情報共有アプリの現在

位置情報共有アプリ、Zenly。かつて一般的ではなかった「位置情報を共有する便利さ」をユーザーに伝え、位置情報共有アプリという新ジャンルを開拓しました。友人や家族との待ち合わせに使ったり、スマホの紛失に備えたり、災害時の安否確認として使ったり…とユーザーに様々な需要を生み出したZenlyですが、2023年2月3日にサービスを終了しました。ではその後、Zenlyユーザーはどのアプリを利用しているのでしょうか?この記事では、Zenlyに代わる位置情報共有アプリの現在を、サービス終了直後の分析結果と比較しながら考察します。


2023年のトレンド、あの後どうなった?2024年はどうなる?【Pokémon Sleep編】

2023年のトレンド、あの後どうなった?2024年はどうなる?【Pokémon Sleep編】

大注目の中、2023年7月にリリースされた、画期的な睡眠アプリ「Pokémon Sleep」。マナミナではリリース直後にユーザー分析を行い、ポケモンが好きな人も、普段スマホゲームをしない人も利用していることがわかりました。リリースから半年経った現在、ユーザー層はどのように変化したのでしょうか。Dockpitとstory bankを使って分析していきます。


2023年マッチングアプリ最新動向!マッチングアプリ市場のニーズと今後の可能性は?

2023年マッチングアプリ最新動向!マッチングアプリ市場のニーズと今後の可能性は?

近年、マッチングアプリ経由の結婚が増加しています。本記事では、大手マッチングアプリ5つ(「with」「Pairs」「タップル」「Tinder」「Omiai」)について、その特性と利用実態を調査・分析しました。マッチングアプリに関連した人々のニーズを探り、それを踏まえた市場の今後の可能性についても考察します。


最新の投稿


タイのコーヒーの特徴とは?タイのコーヒー市場の現状やショップを紹介

タイのコーヒーの特徴とは?タイのコーヒー市場の現状やショップを紹介

近年タイではコーヒーブームが起こっています。バンコクには次々と新しいカフェができており、SNS映えする店内だけではなくコーヒーの味にもこだわりを持つカフェが増えています。実際に、起業してカフェオーナー兼バリスタになるのはタイでは一つのトレンドです。 近年、タイのコーヒー市場は右肩上がりに伸びており、タイのコーヒー市場は日本円で1440億円を超えると言われています。 そこで本記事では、タイのコーヒー市場の現状を読み解くとともに、タイでなぜコーヒーの人気が高まっているのかを、タイのコーヒーブームの歴史と共に解説します。


2025年上半期Z世代トレンド予想!Trepo、「ファッション」「グルメ」「コト・モノ」の3部門のランキングを発表

2025年上半期Z世代トレンド予想!Trepo、「ファッション」「グルメ」「コト・モノ」の3部門のランキングを発表

株式会社Creative Groupは、同社が運営するメディア『トレンドメディアTrepo(トレポ)』にて、10代~20代の女性を対象に、2025年上半期のZ世代トレンド予想調査を実施し、結果を公開しました。


ADK MS、「ゲーム総合調査レポート2024」を発表!最新のゲーム市況の把握から、ゲームプレイヤーの行動・心理の分析まで網羅

ADK MS、「ゲーム総合調査レポート2024」を発表!最新のゲーム市況の把握から、ゲームプレイヤーの行動・心理の分析まで網羅

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズは、ゲームプレイヤーの心理・行動を分析し、分かりやすく彼らの実態を可視化した「ゲーム総合調査レポート2024」を作成し、公開しました。


スリープテック ~ 睡眠の質とテクノロジー

スリープテック ~ 睡眠の質とテクノロジー

疲労回復、毎日のコンディション管理に必要不可欠な「睡眠」。その睡眠、あなたは足りていますか?最近ではニュースでも多く取り上げられた通り、日本は世界規模での「不眠大国」。実に日本人の平均睡眠時間は経済協力開発機構(OECD)の加盟国33ヵ国の中で最下位とも言われています。そして睡眠はただ眠るだけではなく、経済とも大いに関わりがあるのです。本稿では広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、良質な睡眠の鍵を解説します。


BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、全国のマーケティングコンサルタントを対象に、「BtoBマーケターが始めた方が良いこと」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ