【TVドラマランキング】医療系ドラマ「ブラックペアン シーズン2」や親子の愛がテーマの「海のはじまり」の視聴実態など

【TVドラマランキング】医療系ドラマ「ブラックペアン シーズン2」や親子の愛がテーマの「海のはじまり」の視聴実態など

近年動画配信サービスが普及し、時間や場所にとらわれず様々なジャンルの動画を手軽に視聴できるようになりました。テレビ離れが幅広い年代で囁かれている時代、話題になるテレビドラマとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、2024年7月~9月に放送されたドラマについて、認知度や視聴方法、満足度、満足理由などをランキング化。その実態を探りました。


こんにちは、マナミナ編集部です。早速、話題になったドラマの傾向を調査していきましょう。

なお、こちらの調査は全国のモニター会員(15歳以上の男女)へ、2024年7月~9月に放送されたテレビドラマ(以下前期ドラマ)と、2024年10月から放送予定のテレビドラマ(以下今期ドラマ)の、認知度と視聴意向について実施したアンケートの結果をもとに、各ランキングを作成しています。

話題の医療系ドラマ「ブラックペアン シーズン2」「新宿野戦病院」が全話視聴上位に

初めに、前期ドラマの認知度と視聴実態を見てみましょう。

表1 前期ドラマの認知度と視聴実態 サンプル数は48,599

表1 前期ドラマの認知度と視聴実態
サンプル数は48,599

タイトル認知度1位は、テレビ朝日系水曜ドラマ「科捜研の女 season24」でした。全話視聴は8位と比較的低く、基本1話完結型のエピソードであることが影響していると言えそうです。

タイトル認知度2位のTBS系火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」は、全話視聴も3位と比較的高かったことが分かりました。38歳の独身女性が主人公のハートフルラブコメディで、原作のひうらさとる氏のコミックは40代~50代の女性をターゲットにした講談社「Be・LOVE」に、2021年10月~2024年7月まで連載していたそう。タイトル認知度の高さから、原作を知る多くのユーザーの存在を感じます。

タイトル認知度3位、全話視聴1位はTBS系日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」でした。原作は日本の医療問題についてエンターテインメントを通して提起し続ける海堂尊氏の小説で、2018年4月にシーズン1をドラマ化。今期は6年後の続編を描いています。

詳しく調べてみると、初回放送前後に複数の動画配信サービスで、シーズン1を配信していたことが分かりました。シーズン2の呼び水となり、視聴実態に良い影響を与えていることが考えられます。

出典:https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/news/

タイトル認知度5位、全話視聴4位はフジテレビ系水曜ドラマ「新宿野戦病院」でした。2024年1月期調査で満足度の高かった「不適切にもほどがある!」の脚本家である宮藤官九郎氏が描く、「命」をテーマにした救急医療エンターテインメントドラマです。

タイトル認知度6位、全話視聴2位はフジテレビ系月曜ドラマ「海のはじまり」でした。2022年10月期に話題のドラマ「silent」の脚本家である生方美久氏が手掛ける「親子の愛」をテーマにした完全オリジナル作品で、前回調査では期待値3位と比較的高く、多くのユーザーの期待に応えるドラマであったことが想定されます。

続いて、ドラマタイトルを認知しているユーザーの属性を調べてみます。

表2 タイトルを知っているドラマ×ユーザー属性 年代別 サンプル数は48,599 左から、タイトルを知っているユーザーの割合が高かった作品順

表2 タイトルを知っているドラマ×ユーザー属性 年代別
サンプル数は48,599
左から、タイトルを知っているユーザーの割合が高かった作品順

上の表は、各年代のうち、それぞれの作品を認知している人がどれくらいいるか、その割合を示したものです。

「科捜研の女 season24」は60歳以上の方の認知度が高いことが分かりました。「西園寺さんは家事をしない」と「ブラックペアン シーズン2」は50代の認知度が高く、「海のはじまり」は、他ドラマに比べて20代以上の幅広い年齢層から認知されていることが、見えてきました。

次に、前期ドラマの満足度を調べてみましょう。

胸に響く出演者の演技と斬新なストーリーがドラマの評価を高める

表3 前期ドラマの中で最も満足した作品 サンプル数は25,666

表3 前期ドラマの中で最も満足した作品
サンプル数は25,666

満足度1位は「ブラックペアン シーズン2」、満足度2位は「科捜研の女 season24」でした。「科捜研の女 season24」は1話完結型のエピソードのため、各話に対する評価が高かったという観点を持つことができます。

満足度3位は「海のはじまり」、満足度4位は「西園寺さんは家事をしない」、満足度5位は「新宿野戦病院」で、視聴実態・満足度共に高かったことが分かりました。

続いて、各ドラマを満足したと答えたユーザーを年代別に見てみましょう。

表4 最も満足したドラマ(性年代別) サンプル数は25,666 左から、満足したと感じるユーザーの割合が高かった作品順

表4 最も満足したドラマ(性年代別)
サンプル数は25,666
左から、満足したと感じるユーザーの割合が高かった作品順

「ブラックペアン シーズン2」は50代男性の割合が高いことが分かりました。「科捜研の女 season24」は60歳以上の男性の割合がもっとも高く、過去シリーズを知る多くのファンが視聴実態に影響を与えていることが想定されます。

「海のはじまり」と「西園寺さんは家事をしない」は女性の評価が高く、年代別に見てみると「海のはじまり」は60歳以上の女性、「西園寺さんは家事をしない」は10代~20代の女性の満足度が高いことが分かりました。

ではドラマのどんな点に満足しているのでしょうか。その理由を探ってみます。

表5 最も満足したドラマ(1位~5位)の満足理由 サンプル数は25,666

表5 最も満足したドラマ(1位~5位)の満足理由
サンプル数は22,903

「ブラックペアン シーズン2」は、ハラハラするストーリーに加え出演者の演技や、放送中話題になっていることが満足度を高める要因になっていました。具体的な満足理由を詳しく調べてみると、シーズン1から関連するストーリーや、主演俳優が一人二役こなす演技を高く評価していることが分かりました。早くも続編を期待する声も多く、注目度の高さがうかがえます。

表6 「ブラックペアン シーズン2」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な理由(一部抜粋) サンプル数は48,599

表6 「ブラックペアン シーズン2」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な理由(一部抜粋)
サンプル数は48,599

表4で60歳以上の女性の満足度が高かった「海のはじまり」の満足理由を見てみると、今までにないストーリーや泣けるストーリーに加え、出演者や主題歌の魅力も影響していることが分かりました。さらに具体的な満足理由を調べてみると、家族のあり方や結婚に対する考え方に触れるストーリーや、主演俳優と子役の演技に魅力を感じるユーザーが多かったことが分かりました。

表7 「海のはじまり」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な理由(一部抜粋) サンプル数は48,599

表7 「海のはじまり」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な理由(一部抜粋)
サンプル数は48,599

表4で10代~20代の女性の満足度が高かった「西園寺さんは家事をしない」は、笑えるストーリーや胸キュンするストーリー、出演者の魅力が満足度を高めていることが分かりました。満足理由を詳しく調べてみると、いろんな家族の形があって幸せを感じる点や、話のテンポがよく癒される場面や共感する場面があること、笑いあり感動ありのストーリーを評価する声が多く、家族を演じる出演者の演技も満足度に影響していることが分かりました。

表8 「西園寺さんは家事をしない」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な理由(一部抜粋) サンプル数は48,599

表8 「西園寺さんは家事をしない」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な理由(一部抜粋)
サンプル数は48,599

「海のはじまり」と「西園寺さんは家事をしない」は、「家族」をテーマにした斬新なストーリーと出演者の演技が、幅広い年代の女性に響いていることが考えられます。

最後に、今期ドラマの認知度と視聴意向を見てみましょう。

医療系ドラマシリーズ「ザ・トラベルナース」や政界を舞台にした「民王R」の期待値高まる

表9 今期ドラマの認知度と視聴意向 サンプル数は48,599

表9 今期ドラマの認知度と視聴意向
サンプル数は48,599

タイトル認知度・期待値共に1位はテレビ朝日系刑事ドラマシリーズ「相棒 season23」でした。2024年1月期調査では「相棒 season22」の満足度がもっとも高く、今期も話題になる可能性が大きいと言えそうです。

タイトル認知度3位、期待値2位のテレビ朝日系木曜ドラマ「ザ・トラベルナース」は、2012年に放送し話題になった「ドクターX~外科医・大門未知子~」の脚本家が手掛けており、2022年10月期に第1シリーズを放送。今期は2年後の続編になるため、期待値の高さがどのように影響するのか、今後も注目したいと思います。

期待値3位はテレビ朝日系火曜ドラマ「民王R」でした。政界を舞台にした池井戸潤氏の小説「民王」が原作で、2015年に小説と同名でドラマ化しました。今期のドラマタイトル「民王R」は9年ぶりに戻ってくる「Return」の意味を込めているそう。原作や過去のドラマを知る多くのファンが期待していることがうかがえます。

期待値4位のTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」は、以前TBS系金曜ドラマで大きな話題を集めた2018年放送の「アンナチュラル」や2020年放送の「MIU404」の演出・脚本家チームが手掛けており、人気ドラマの制作チームに注目する熱心なドラマファンが、期待値を高めている可能性がありそうです。

まとめ

前期ドラマは、出演者の演技と斬新なストーリーがテレビドラマの評価に影響していることが見えてきました。

50代男性から人気の「ブラックペアン シーズン2」は、初回放送前後に過去のドラマシリーズを動画配信サービスで放送する認知施策が、今期の視聴実態に良い影響を与えていることが想定されます。

そのほかにも「海のはじまり」「西園寺さんは家事をしない」の調査結果から、家族・親子の幸せをテーマにしたドラマが女性に響く傾向がありました。

今期は、人気のドラマシリーズや、話題の脚本家が手掛けるドラマの期待値が高く、今後の視聴実態・満足度にどのような変化があるのか、引き続き調査を進めていきたいと思います。

【データ集計定義】
調査対象者:株式会社ヴァリューズのモニター 全国の15歳以上の男女
調査対象ドラマ:フジテレビ・テレビ朝日・TBS・日本テレビの4局で、おおよそ21時開始枠または22時開始枠に放送された/される予定のドラマ
調査期間:2024/9/24~2024/10/1
調査デバイス:スマートフォンおよびPC
回収サンプル数:48,599ss ※ローデータの数値に合わせる
ウェイトバック集計:当調査では性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計を行っている。掲載している数値はすべてウェイトバック後の結果となっている。

この記事のライター

制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。

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