「Facebookリード獲得広告」とは
まず「リード」とは「見込み客」のことです。リードの獲得方法には色々な手段があり、デジタル系ではWebサイト、Web広告、メルマガ、DMなどが挙げられます。
Facebookにも色々な広告フォーマットがありますが、「Facebookリード獲得広告」は入力フォーム付きのリード獲得に特化した広告です。
■「Facebookリード獲得広告」の仕組み
Webサイトからリードを獲得するにはランディングページ(LP)から入力フォームを経て顧客情報を送信してもらう方法があります。
一方Facebookで通常の広告を出すと、Facebookとは別のページに移動して顧客情報を送信することになるため、入力に対するハードルが増加することになります。
これに対し「Facebookリード獲得広告」では、広告にネイティブな問い合わせフォームが含まれます。利用者がFacebookのリード獲得広告をクリックすると、Facebook上のインスタントフォームに移動します。このフォームでは、事前に入力された連絡先情報を編集・確認してから送信する仕組みです。
つまりFacebookリード獲得広告には、広告表示からフォーム送信までFacebook内で完結するメリットがあります。LP無しでも良く、また連絡先はFacebookのプロフィール情報が使われるため、入力の手間がかかるモバイル機器からのCVRも上がります。
「Facebookリード獲得広告」のメリットは?
リード獲得広告には、従来の広告と違った特徴があります。いくつか大まかな特徴を見てみましょう。
■LPがなくても利用できる
通常の広告では、広告をクリックしてLPにアクセスするのが基本的な流れとなっています。そのため、広告出稿の際はサービス紹介ページが必要でした。しかしリード獲得広告の場合、ユーザーの行動がfacebook上で完結するというメリットがあります。ホームページを持っていなくても広告を出稿することができ、なおかつ成果を期待できます。
■イベント予約にも利用できる
他の利点としては、メールマガジン購読や資料の送付などだけでなく、イベント予約にも使える点が挙げられるでしょう。イベント予約に使うのであれば、料金が発生しない無料セミナーや有料イベントの仮予約に使えます。
「Facebookリード獲得広告」のデメリット
もちろんリード獲得広告にもデメリットが存在します。そのいくつかをご紹介します。
■スマホ向けのみ
最初に挙げることができるのは、リード獲得広告はスマホ向けに限られているという点です。パソコンからのアクセスの場合には、リード獲得広告ができませんので、パソコンからのアクセスが見込まれるジャンルでは、効果に大きな期待ができません。BtoBの場合アクセスはPCからが比較的多いので、ややメリットが下がる可能性があります。
■個人メールアドレスでのリード獲得となる
また、取得するアドレスは会社のメールではなく個人のメールアドレスとなります。これはfacebookには個人のメールアドレスで登録しているユーザーが多いことが理由です。BtoB向けの広告では、個人のアドレスにメールが届くので、社員が登録しにくいのです。興味がある内容の広告を見たとしても、会社のアドレスにメールを送れないというフォームの問題があります。
そこで、BtoB向けのビジネスでは職場のメールアドレスや電話番号、会社名を登録するよう促す工夫が必要となるでしょう。
「Facebookリード獲得広告」の設定方法
実際に、リード獲得広告を出稿するまでの手順を解説します。
■リード獲得フォームを作成する
1:管理者としてログイン
ログイン後に、上部にある「投稿ツール」をクリックします。
2:左側にある「フォームライブラリ」をクリック
3:「作成」と書かれているボタンをクリック
4:新しいフォームを作成を選択
5:フォーム作成の注意点
・日本語にする
言語を日本語にしておきます。標準では英語になっているので、言語設定を変更します。
・フリーテキストを選択
住所を入力する部分で、都道府県を選択すると、自動入力された住所が不自然になることがあります。フリーテキスト欄で市町村や番地などを入力し、スムーズに日本の住所を入力できるようにします。
・公開前にチェックする
一度フォームを公開すると、編集ができないので、フォームを公開する前に確認をしっかりと行います。イントロの部分では、1200×628ピクセルの画像を設置します。訴求力のあるタイトルにしておくと良いでしょう。箇条書きや段落で、情報提供をするメリットを説明します。質問は少ない方やコンバージョン率が向上します。
■リード獲得広告を作成する
1:新しいキャンペーンの作成
新しいキャンペーンの作成から、リード獲得をクリックします。
2:広告セットを作る
必要な項目を記入し、新しい広告セットを作ります。
3:リードをダウンロード
フォームライブラリに、「Download」という項目があるので、クリックするとダウンロードされます。ダウンロード時の注意点として、新規リードをダウンロードすると、新に追加されたリード情報と、期間を指定したダウンロードの差分情報も削除されることです。複数でリードを管理している時には、注意しておきましょう。
■Facebookで集めたリード情報をダウンロードする方法
Facebookリード獲得広告では、リード情報がFacebook内に保存されます。集めたリード情報をダウンロードするには以下の方法があります。
・FacebookページからCSV形式でエクスポートする
・広告マネージャからダウンロードする
・APIを通じてリクエストする
・CRMパートナーからアクセスする
ここではFacebookページからCSV形式でエクスポートする方法を説明します。
・Facebookページ上部の「その他」メニューから「投稿ツール」を選択
・「リード獲得フォーム」をクリック
・「フォームライブラリ」で「リード」列の下の「ダウンロード」をクリック
でFacebookリード獲得広告のリードをCSVでダウンロードできます。
ダウンロード方法はFacebook公式ページにも解説がありますので、そちらも参考にしてみてください。
リード獲得広告とFacebook広告の事例
リード獲得広告だけで成功した例もあれば、CV広告(Facebook広告)やMessenger botを使うリード獲得方法もあります。
■「ユビレジ」がFacebookリード獲得広告の組み合わせでCV数7倍を実現
iPadを利用したPOSレジ「ユビレジ」では、リード獲得広告で潜在顧客にアプローチし、コンバージョンに至らなかったユーザーにCV広告を配信する段階的なマーケティングを実施しました。
世界中で3万店舗の導入実績を誇る、クラウドPOSレジアプリ「ユビレジ」。国内での認知向上とリード顧客獲得を目指し、Facebookのリード獲得広告とCV広告を組み合わせて配信したところ、リード獲得数を最大化させることに成功しました。
■「サイボウズ」がFacebook広告で申込数2倍を実現した事例
データベース型のクラウドビジネスアプリ「kintone」を提供する「サイボウズ」では、CV広告(Facebook広告)を活用し、kintoneの30日間無料お試し申し込みの促進を目的としたキャンペーンを展開しました。
ターゲットを絞るために「ウェブアプリケーション」「データベース」「顧客管理」などに興味・関心を設定できたため、低CPAでのCV増加に成功しました。
データベース型のクラウドビジネスアプリ、kintoneを提供するサイボウズ。kintoneお試しの申し込み促進のためFacebook広告を活用したキャンペーンを展開したところ、適切なターゲティングと訴求が功を奏し、CPAを改善させながら申し込み数を2倍に増加させることに成功しました。
■「アントレ」がMessenger botを活用してセミナー参加者を獲得した事例
日本の独立・開業支援プラットフォーム「アントレ」はリード獲得のため、起業志望者向け1日セミナーへの参加を促すキャンペーンをMessengerで展開し、獲得単価を70%も削減しました。
セミナーの申込みをメッセンジャーのChat botを介した会話形式で行ったところ、気軽に参加できるようになる効果がありました。
日本の独立・開業支援プラットフォーム「アントレ」はリード獲得のため、起業志望者向け1日セミナーへの参加を促すキャンペーンをMessengerで展開し、獲得単価を70%も削減しました。
Facebookでリード獲得してマーケティングしよう
リード獲得までのコストを削減することが可能になる、Facebookのリード獲得広告。スマホからのアクセスで簡単に情報を入力できるので、離脱を防ぐことができるのが特徴です。ユーザーへ直接登録を促せるので、他の方法と比較してもリード獲得単価を安くできます。スマホからのアクセスが多くなる昨今の状況を考えると、Facebookでのリード獲得は重要です。
Facebookの広告を活用して、上質なリード獲得を目指しましょう。
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