医師、看護師、介護福祉士など...医療従事者の人がよく見るサイトランキング【2019年上半期】

医師、看護師、介護福祉士など...医療従事者の人がよく見るサイトランキング【2019年上半期】

あの職種の人たちがよく訪れるサイトはどこなのでしょうか? アンケート調査から職種がわかっている人のネット行動ログを分析することで、ある特定の職種の人がよく閲覧している特徴的なサイトを把握することができます。今回は『医師』『看護師』『介護福祉士』の人たちがよく見ているサイトを調査しました。


『医師』『看護師』『介護福祉士』のデモグラフィック属性

まずは職種ごとに現れるデモグラフィック属性の違いを見てみましょう。性別・年齢を職種ごとに集計した以下のグラフをご覧ください。男女比に着目すると、全体と比較して『医師』職では男性割合が約80%と、男性が非常に多い傾向を示しています。逆に、『看護師』『介護福祉士』は女性割合がそれぞれ約86%、67%と女性が多いとが分かりました。

また年代に着目すると、『医師』『看護師』は30代、40代の割合が高く、『介護福祉士』は20代の割合が少ないことがわかりました。

『医師』の人が特徴的に利用しているサイト

では、『医師』の人に特徴的にみられているサイトTOP10を見ていきましょう。

『医師』の人に最も特徴的に見られていたサイトは、「エムスリー」でした。最新の医療ニュースから、医師や看護師向けのコラムを用意したサイトであり、医療従事者のみしか閲覧できないサイトとなっています。このサイトだけでなく、2位の「日経メディカルオンライン」、4位の「ケアネット」も医療従事者しかログインできないサイトとなっており、医師が特徴的に見るサイトとして納得の結果となりました。

上記で紹介したサイトでも最新の論文情報ニュースなどを扱うようですが、『医師』の人は、学術論文の領域に特化したサイトも特徴的に閲覧しているようです。3位にランクインしたのは、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が日本の科学技術情報の電子ジャーナル出版を推進する J-stage、8位にランクインしたのは国立情報学研究所(NII)が提供する文献情報・学術情報検索サービスCiNiiでした。学術論文検索検索サービスの他にも、遺伝子、タンパク質などの医学に関する情報が統合された百科事典サイトKEGG (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)が5位にきました。

『看護師』の人が特徴的に利用しているサイト

『看護師』の方に最も特徴的に見られていたのは、「看護roo!」でした。看護師のためのコミュニティサイトであり、看護師のための掲示板やWEBマガジン、更には転職サポートといったサービスを提供しています。求人・転職サイトは他にも多くランクインしており、看護のお仕事(2位)、医療ワーカー(3位)、ナース人材バンク(4位)、ナースフル(5位)、マイナビ看護師(9位)などが見られました。慢性的に看護師の数が不足している状況に加え、体力的にハードな職場環境(夜勤が多い等)が、看護師の転職を促進し、その傾向がこのサイトランキングに反映されたのかもしれません。

6位には看護師・ナース用品の通販サイト「アンフェミエ」がランクイン。ナースシューズ、ナースサンダル、白衣などをこのサイトで買い揃えている様子がうかがえます。

『介護福祉士』の人が特徴的に利用しているサイト

最後に、『介護福祉士』の人に特徴的にみられているサイトTOP10を見ていきましょう。

『介護福祉士』の人に最も特徴的に見られていたのは、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」でした。老人ホームの検索サイトにも関わらず介護福祉士の人が集まっていた理由は、介護に関する悩み・相談を共有する掲示板、みんなの介護コミュニティが存在するからでしょう。LIFULL介護も老人ホーム検索サイトではありますが、4位にランクイン。コンテンツでは、介護関係者のためのお役立ちガイドがよく閲覧されていました。

『看護師』に続いて、『介護福祉士』でも求人・転職サイトが多くランクインしており、カイゴワーカー(2位)、カイゴジョブ(3位)、介護のお仕事(10位)が見られました。看護師と同様に転職を考える人が多いのかもしれません。

いかがでしたでしょうか。職種によって、利用しているサイトも傾向が異なることがわかりますね。どんなサイトをよく見ているかで、その人のライフスタイルが垣間見えます。医療関係者の友人を思い浮かべながらこの記事を読むと、新しい発見があるかもしれません。

調査概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国モニター会員の協力により得られたネット行動ログとユーザー属性情報を紐付けたデータから、アンケート調査にて職種が『医師』『看護師』『介護福祉士』と回答した人の、2019年1月~6月のネット行動ログデータを分析しました。

職種別に特徴的なサイトを調べるため、以下のように定義したリーチ差をサイト毎に算出しました。値が大きいほど全体と比較してその職種の方がよく見ているサイトを示しており、リーチ差上位10サイトを抜粋しました。

※サイト分類のカテゴリは、ヴァリューズが独自に定義しています。

※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっています。

※本記事では『介護福祉士、ヘルパー』と回答した人を『介護福祉士』と省略しています。

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